ラーメン&つけ麺食べ歩き
夢あかり
(東京都 文京区)

店名 らー麺 夢あかり(ゆめあかり)
住所等 東京都文京区大塚5-9-3 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2007年9月下旬 ラーメン 680円 


〜夢あかり〜



お店に到着しました。
東京メトロ丸ノ内線の「新大塚駅」から徒歩約0分。






なかなかシックな店構え。
「見栄」や「虚勢」と言うものが微塵も感じられませんね。
JR大塚駅や護国寺駅からも徒歩圏内。






店内はL型カウンター形式。
まだ客席も厨房も真新しくて、ピカピカです。






入口すぐ左手に券売機。
「開店サービス」でつけ麺の大盛が同料金サービス中でしたが、
「ラーメン」を購入しました。










2007年9月下旬 ラーメン 680円
(この写真はクリックで拡大します)



基本的には修行先直営の「麺彩房」の美味をトレースした、
実に「堂に入った美味しさ」です。

安易な「派手さ」や「新奇性」や「化学の力」でごまかすのではなく、
真正面から「まじめなラーメン」造りに取り組んだ一杯。

特に、スープの「天然素材感」がイイですね。
良くありそうでいて、実は探してもなかなか見つからない・・・・
今どき貴重な、はっきりと「本物志向」のラーメンでしょう。

食べるほどに、飲むほどに・・・・右肩上がりの曲線で
その「真価」を理解できる気がします。









しっかりとした「素材濃度」を感じる濃口&芳ばしいスープ。
豊かな魚介&動物素材が厚みのある味を構成し、干しエビの香味油が忘れ得ぬ個性をプラス。
甲殻類のテイストをこれだけはっきり出したスープは割と珍しい。






老舗の製麺所、「大成食品」謹製の美味しい「中太麺」。
「強力小麦の配合」、「グルテン組成」、「卵の使い方」、「熟成法」等々・・・・
「流石」のノウハウとキャリアを感じます。






「強めにモニモニ」とする独特な噛み心地で、噛んだ際に「やや粘る」タイプの歯応え。
すする際に絶妙に「ヨレる」感じがあるのも中華麺らしくてGOOD。
小麦の香り等のフレッシュネスよりも、むしろ熟成による歯応えの妙味に重点を置いている感じ。




2007年9月下旬 ラーメン 680円 

2007年8月に新規オープン、都内の老舗製麺所として有名な大成食品さんの「鳥居式らーめん塾」ご出身の店主氏が営むお店。
お店は木目と白を基調としたシックな佇まい、新大塚の駅から地上へ出てすぐ目の前と言う好立地にある。入店すると、券売機に「開店サービス」でつけ麺の大盛が中盛と同料金サービス中である旨の貼り紙があったが、連食予定であったため、「ラーメン」の券を購入した。お店は、「間口」はさほど広くないが、奥に向かって長く伸びている造りで、空間的には割と余裕を感じる造りになっている。

登場したラーメン・・・・・まずはスープを飲んでみると、油とゼラチンが渾然一体となった「モッタリ・・・」とする重さのある口当たりを感じ、続けてしっかりとした「素材濃度」を伴った濃口の旨味が口中に広がってゆく。
醤油ダレは火入れされた後に充分寝かされた感じで、香りは飛んでいるが、割と「濃口」であり、味付けはやや濃い目の部類に入るだろう。
魚介系も効いているが、それ以上に動物系が豊かに厚みのある味を構成していて、この辺りのバランスは、ここ数年の魚介をガツンと目立たせたタイプと比較すると、むしろ新鮮かも知れない。

スープは「素材感」が生きているスープと言えば良いのか・・・・しっかりと濃厚だが、割と「若さ」や「鮮度」を感じるスープで、煮詰まった感じや疲れた感じが全くないのも美点だ。また、極ほのかに自然な甘味が感じられ・・・・飲み口を良くしているが、これは豚骨の甘味なのだろうか。

また、すぐに気付くのは、「ああ、麺彩房のスープもこう言う味だったなあ・・・・」と言う事だ。大成食品の直営店である「麺彩房」(中野区)のスープと同じ「ある食材」が使われている事が、すぐに判る個性的な風味が漂っているのだ。
その食材とは「甲殻類」の風味・・・・具体的には「干しエビ」の芳ばしい香りと味である。干しエビを隠し味程度に使うお店はあると思うが、これだけはっきりと前面に出しているスープは割と珍しいのではないだろうか。そのお陰で、他店のスープとは間違えようがない「麺彩房系」とでも呼べそうな、はっきりとした特徴を備えている。

ちなみに・・・・小さな赤いエビを見ると、安易にすべて「桜海老」と呼ぶ人がいるが・・・・現実には「桜えび」は産地や漁期の非常に限られた、極めて高価な食材であり、なかなかお目にかかれる物ではない。世界的にも「静岡県」や「台湾」辺りでしか漁のない、非常に「ハイグレード」な貴重な食材なのだ。
良く目にする、大衆食に使われる事の多い小さな赤いエビは・・・・実は「桜エビ」とは完全に別種で安価な「アミエビ」を人工着色料で赤く染めた物である事がほとんどだ。両者には味わいや風味的にも、当然に「価格なり」の大きな差がある。

さて、麺は大成食品製の「中太麺」である。
一口、食べてみると・・・・これまた、「ああ、麺彩房もこの麺だったよなあ・・・・」と、記憶がフラッシュバックの如く脳裏に蘇る。基本的には同じ麺だと思うが、それなりに長さもあり、こちらはやや硬めに茹でているようだ。
麺をすする際に絶妙に「ヨレる」感じがあるのも中華麺らしくて良いし、噛めばとても良く「練れている」と言うか、非常に「グルテン組成」が上手に出来上がっている感じで、強力粉の使い方、卵の使い方、カンスイの使い方、熟成のさせ方・・・等、「流石」だと感心させられる。

よくある「モチモチ」の二歩くらい手前の食感と言えば、この感じが伝わるだろうか・・・・太麺ジャンルで、昨今、良く見かける「ストロング」ながっつりタイプの食味ではなく、「強めにモニモニ」とする独特な噛み心地で、噛んだ際に「やや粘る」タイプの歯応えなのだ。
香り等のフレッシュさよりも、むしろ熟成によって生まれる歯応えの妙味に重点を置いている感じで、時間が経過してもなかなかノビないのも好印象である。
口当たりの確かさと、腹心地の穏やかさを併せ持つ麺であり、よく有りそうでいて、実はなかなかない中太麺だとも思う。

チャーシューは非常に柔らかくしっとりとしていて、ハラハラ、ホグホグとほぐれる口当たりに、どこかしらシーチキンっぽさがあるが、肉のイノシン酸の濃い旨味が「ドカッッ」と舌に乗って来てかなりの美味しさだ。
メンマは歯応えはやや柔らかめだが、味付けは割と濃い目で甘口のものだった。

少し欲を言わせてもらえれば、「玉子半分」もしくは「青菜」等が入っていると、濃度のあるスープの絶妙な「息抜き」となるように思え、さらに嬉しいような気がする。また、僅かに散らされる万能ネギは、現状ではやや中途半端ではないだろうか・・・・。
また、白ネギも薄すぎてあまり存在感がないので、私的な好みとしてはもっと厚く切って「パリッ、シャキッ」とする明るい歯触りが出るようにしてくれると、スープのキレやメリハリが増し、全体の目鼻立ちもさらにはっきりして来ると思う。

また、麺彩房のラーメンが丸くてゆったりと大きい「玉丼」タイプで提供されるのに比較し、こちらは逆三角形の「切立型」のスリムな器を使っているため、食べていてやや窮屈な印象を持ってしまう。濃濁スープに太麺を組合せたこの手のラーメンは、「池袋大勝軒」系列などでも感じるが、大き目のゆったりとした丸く膨らんだカーブを持つ器の方が、ゆとりがあって麺やスープがより一層楽しめると思う。個人的には、「切立型」の器は細麺との組合せ用だと認識しているのだが・・・・。

最初は味がやや濃い目で油っぽさも多少は感じたものの、食べ進むにつれ気付く事は・・・・このラーメンには「あざとさ」や「よこしまさ」がないと言う事だ。
食べ終えてからの数分間、まさに私の体の奥底へ天然の「栄養素」が取り込まれた感覚があり、五臓六腑へ豊かなる「滋養分」が沁み入って来るような・・・・何とも言えない心身の「充足感」に包まれる。「なるほど・・・・これが食事をすると言う本来の姿なんだよな・・・・」と、一人思わず納得させられてしまう。

安易な派手さや目新しさ、化学の力に踊らされるのではなく、「本物の素材感」と「気まじめさ」が目一杯に詰まった、今どき貴重なはっきりと「本物志向」のラーメンであり、店内に特段の薀蓄(うんちく)は書かれていないが・・・・おそらくは「無化調」、もしくは「極微化調」で調理されているのは間違いないだろう。
ただその分、スープは見た目の濃厚さから抱く「先入観」に比べると、舌に伝わる旨味は極めて自然で、後口も意外なほどスッキリとしている。それゆえ・・・・普段、化学調味料やハイテク複合調味料の「ドギツイ味」に染まっている人にとっては、おそらく「あれ、こんなに濃厚なスープに見えるのに・・・・。何か・・・何かが足りない・・・・」、「充分に美味しいけれど・・・なぜか強くハマる感じがない・・・・」と感じてしまう人もいるかも知れない気はする。

私的には、食べるほどに、飲むほどに・・・・右肩上がりの曲線でその「真価」に触れる気がして、最後のスープの一口まで「一切の迷いなく」完飲させてくれる・・・・実に「得がたい一杯」であった。
ちなみに、つけ麺用の「割りスープ」がポットに入ってカウンター上に置かれていた。せっかくなので、こちらもレンゲへ注いで少しだけ味見させてもらったところ・・・・煮干をメインに感じる「魚介系」の美味しいスープであった。

食べ終えてみると・・・・厳密に比較すれば、「麺彩房」はもう少し味が濃く、ゼラチンのネットリ感も強めだったので、こちらはやや「すっきり」系に味を振っているように思う。また、柚子や青菜が入らないなど、僅かな相違はある。
それでも、十分以上に去年食べた「麺彩房」のラーメンを見事に髣髴させる一品であり、味の造りが非常に「堂に入って」いる。フラフラ浮わついた感じが絶無な、こう言う重心の低い安定感のある味は、素人考えではなかなか作り得ないと思う。

こちらの店主氏はラーメン屋未経験で開業されたそうだが、おそらくは「鳥居式ラーメン塾」で修得した味を、そのままいじらずに実直に作っているような印象を受ける。「鳥居塾」に入るまで、ラーメン作りに関して「まっさら」だった事が、むしろ幸いしているのかも知れない。


(麺は完食。スープも完飲。)









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