ラーメン&つけ麺食べ歩き
八雲
(東京都 目黒区)
店名 支那そば 八雲(やくも) 住所等 東京都目黒区大橋1-7-2 【地図表示】 禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2005年10月上旬 特製ワンタン麺(白だし) 950円
〜支那そば 八雲〜
(各写真はクリックで拡大します)
東急田園都市線「池尻大橋駅」から徒歩約5分。
お店は山の手通り沿いになります。
白亜のビルの2Fにあります。
ちょっとラーメン店には見えない外観。
可愛いお店の看板がお出迎え。
左側にチラッと見えている階段を昇ります。
店内はL型カウンター形式。
頭上にお酒のビンがズラリと並んでいますね。
入口すぐ右に券売機。
大きく「黒だし」と「白だし」の二系統に分かれてます。
白だしの「特製ワンタン麺」を購入しますた。
まだ真新しい店内は居心地抜群。
奥に入ってきたドアと券売機が見えます。
衝立のない完全なオープンキッチン。
営業時間の案内。
ほぅ・・・夜は「夜雲」という焼き鳥屋さんになるようですな。
2005年10月上旬 特製ワンタン麺(白だし) 950円
どこにも隙がない、かなーり「万全の作り込み」です。
作り手の「自信」がひしひしと伝わって来ますな。
特にワンタンの無類の完成度、その美味しさは「衝撃的」ですね。
以前に比較して、スープも、麺も、ワンタンも・・・バージョンアップ。
高級感あふれるダイニングバーのようなオシャレな雰囲気のお店に相応しい、
「新世代」を感じさせる現代的な味わいへステップ・アップした印象です。
まろやかな動物系と海産物系の旨味が組み合わさっている感じのスープ。
柔らかい口当たりで美味しいものの、塩気や旨味や油感やエキス感などで、
ちょっとゴテゴテしてるかも・・・やや「重さ」「クドさ」も感じます。
ストレートの細麺はスープをタップリと吸って旨味にあふれる。
角ばったエッジが立ち、小麦がみっちりと詰まっている感じ。
カンスイ臭がなく、現代的でパワフルな食べ応え。
芯が明確に残り、見た目以上に太さや重厚さを感じる「ソリッド」な口当たり、
さらに長めで重めなので、ひとすすりが結構ヘヴィに感じられます。
左がエビワンタン、右が肉ワンタン。
都内の名立たる超高級「中華料理」専門店の点心でも、
まず滅多にお目にかかれないであろう「超一級品」の出来栄えですぞ。
中身はこんな感じ・・。
エビワンタンのピュアな「生エビ」の美味しさ。
肉ワンタンの優しく柔らかな肉汁と凝縮した旨味。
う、ぅ、う・・・美味すぎです・・・。
チャーシューは「焼豚」タイプのガッシリとした肉質。
最初はモソモソと硬い歯応えなものの、十回以上も良く噛んでいると、
あっさりとした肉の旨味がジワジワと染み出て来て、その真価が判る感じに・・・。
2005年10月上旬 特製ワンタン麺(白だし) 950円
都内の名店「たんたん亭」のご出身で「ワンタン麺」の美味しさで知られるお店。
以前は、中目黒駅の裏手にあったが、2005年8月にこちらの新店舗へ移転してリニューアルオープンしたらしい。
山の手通りと言う都内でも有数の交通量の多い通りに面しているが、白亜のビルの2Fと言う場所にあるため、知らなければちょっとラーメン店には見えず、まさに「知る人ぞ知る」というシチュエーションである。
真新しい店内は、ダイニングバーを思わせるオシャレでゆったりとした造り、いろいろな銘柄の酒瓶が並び、どうやら夜は「夜雲」という焼き鳥屋さんになるようだ。
登場したワンタンメン、上品な佇まいながらも具がどっさりと盛り付けられていて麺が見えないほどである。
スープを一口飲んでみると・・・やや油が多めに浮いていて、ちょっと「もったり」とした弱いトロミ感を持つ飲み口である。塩味はほんのりと効かされやや強め程度、ベースには対比の存在としてかうっすらとした甘味も敷かれている。
出汁としては鶏や豚のまろやかさと海産物系の旨味が組み合わさっている感じで、柔らかい口当たりではあるものの、意外に「重さ」のあるスープに感じられた。多種多様な素材が重なり合っている上に、さらにエキス類や多少の化学調味料を重ねている感じがあり、ともかく幾重にも予防線が敷かれているような・・・「万全の味」の造り込みを狙っているようにも思える、意外に重装備なスープと言うイメージを受ける。
ただ、それゆえか、スープを飲み干した後に、油や旨味が舌や唇回りにベタベタとくっついてしまい、味がきれいさっぱりと舌の上から引いていく感じにはならなず、舌の上が油感やエキス感などで結構ゴテゴテとしていて、後味がややクドい感じはある。
麺は細麺ストレートで、小麦がみっちりと詰まっている感じで、芯が明確に残り、その芯の太さを感じられ、角ばったエッジが立っていて結構パワフルなタイプ。
カンスイ臭などは絶無で、風味、歯触りともに高級感のある麺であり、いかにも現代的センスによるセレクションに感じられるが、見た目以上に太さや重厚さを感じる「ソリッド」な口当たりであり、さらに長めで重めなので、ひとすすりが結構ヘヴィに感じられる。
噛み締めると麺自体がスープをタップリと吸って旨味にあふれている感じでなかなか美味しいが、意図的にやや硬めに茹で上げられている気がした。おそらくはワンタンやチャーシューなどの多めの具を食べるための時間を予め計算して、硬めに茹で上げているのではないかと思えた。
ワンタンは皮が非常にツルツルと滑らかで、ボリュームたっぷりの「餡」の部分とチュルルンとする「皮」の部分の両方が、高次元で両立している恐ろしくハイレベルな造りのもの。皮の破れや身の崩れなども一切なく、まさに「これ以上はない」と言う感じの凄まじいまでの「完成度」「熟練の技量」を感じる。
エビワンタンはいかにも「生エビ」の風味が際立っている。冷凍物ではなく「生の鮮魚類」独特の生々しい風味が香り立っていてプリプリする歯応えとともにピュアな「鮮度」感にあふれ非常に美味しい。それをシンプルに塩だけで味付けしている印象だが、ちょっと塩っ気が効き過ぎている気がして少ししょっぱく感じる。しかし、生エビの旨味がここまでピュアに出ているワンタンを私は他に知らない。
肉ワンタンの方は、ミンチ肉特有の優しく柔らかな舌触りで旨味がみっちりと詰まっている。こちらは塩気も穏やかで、紹興酒などの風味で違和感を感じることもなく、これまた抜群に美味しい。ミンチになったことにより肉の表面積が増え、その分、風味や肉汁の流れが倍増している印象だ。
素材の持ち味が極限まで生かされた餡だけでなく、チュルルンとする「皮」の滑り心地も、唇や舌に至福の感触であり、まさに「一粒で二度美味しい」の世界である。
ワンタンの美味しさにかけては、おそらく都内でも「屈指」だと思う。
チャーシューは煮た物ではなく、焼豚であり、ガッシリとした肉質である。
最初の数口はモソモソと硬い歯応えであるが、十回以上も良く噛んでいるとまるでスルメのように肉の旨味が徐々に湧き立ってくる。性急に飲み込まずにゆっくりと口の中で噛みほぐすように食べると、あっさりとしながらも確かな肉の旨味がジワジワと染み出て来て、その真価が判ると思う。
メンマはまさに「竹の子」の繊維そのものを感じさせるジャクジャク、ボリボリする歯応えで、味付けは薄め。ネギが少量でこじんまりと隅に置かれているのは、ワンタンのツルリとする食感の邪魔にならずに良い感じ。ネギの鮮度が良く歯応えもシャリシャリしているので量は少なめでも薬味としての良いアクセントになっている
以前、中目黒時代にこちらのワンタンメンを食べた記憶では、麺はちぢれて柔らかくやや頼りない感じのものであり、ワンタンの皮ももっと薄く柔らかでピロピロしたデリケートなもので、スープも大人しくあっさりとしており、全体的にレトロなイメージを受けた記憶があったのだが・・・・新店舗へ移転したのを期にバージョンアップしたのだろうか。
高級感のあるダイニングバーのようなオシャレな雰囲気のお店に相応しく、麺もワンタンもスープも、明らかに「新世代」を感じさせるものになっていた。
実際、「満を侍して」送り出して来たイメージであり、まさに「万全の作り込み」を持って出して来ている感じで、器からは、作り手のあふれるほどの自信がひしひしと伝わって来る。特にワンタンについては、都内の名立たる超高級「中華料理」専門店の点心でも、まず滅多にお目にかかれない「超一級品」と言えるだろう。
ただ、その分、特にスープには、やや「力み」を感じてしまう気がしなくもない。
ちょっと「念入りすぎる」と言うか、ふんだんな天然素材はもちろん、加水分解調味料(たんぱく加水分解物)類なども駆使して積極的に旨味をブーストアップさせているとおぼしき味であり、やや旨味にクドさが感じられ、飲み進むにつれて旨味が蓄積し、次第に閉塞感が出て来ると言うか・・・・決して「あっさり」とした風通しの良い開放的なタイプではないと思う。
好みの問題だとは思うが、もう少し味が「すっきり」として、後味がスーッときれいに引いてゆく感じがあると、さらに素晴らしい一杯になると思う。
(麺は完食。スープは5割飲んだ。)
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