ラーメン&つけ麺食べ歩き
うだつ食堂
(東京都 新宿区)

店名 阿波徳島中華そば うだつ食堂(うだつしょくどう)
住所等 東京都新宿区西早稲田1-11-1 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年10月初旬 中華そば(特大)+玉子(半熟) 700円



〜うだつ食堂〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。紺色のノボリ旗が見えます。
東京メトロの早稲田駅や江戸川橋駅が最寄り。
都電早稲田駅も近いですな。






「うだつしょくどお」と元気な文字で書かれています。
なるほど、屋根の左側に「卯建(うだつ)」が乗ってますね。
のぼり旗には「阿波徳島中華そば」と書かれてます。
都内では希少な徳島ラーメンのお店です。





駅舎を模した凝った造りです。
防腐塗装の木材が本物っぽい。






営業時間。
平日は深夜3時まで営業。






券売機です。
「並」「大」「特大」が同一価格。
中華そば(特大)と玉子(半熟)を注文。






やはり駅舎のような店内。
奥が厨房になっています。
黒光りする長椅子が良い感じですな。
オロナミンCの懐かしい看板も・・。
(´Д`)






時刻表や路線マップのオブジェ。






「うだつが上がらない」の語源にもなった
「卯建(うだつ)」のある家並みで有名な
徳島県「脇町」のポスターが貼られていました。
右のポスターに写っているのが「卯建」です。
防火壁の一種のようですね。










2004年10月上旬 中華そば(特大)600円 + 地鶏玉子(半熟)100円



ミルキーな豚骨に特有の風味と甘味がある「個性派」スープ。
マイルドながらも実にピントの合った旨味も見事。
麺や薄切りのバラ肉もとても美味しいです。
まとまり良く、完成度がとても高い一杯。

全体に漂うコクのある「豚脂」「生卵」のような風味が
独特なテイストを生んでいます。









かなーり研究した感じのスープ。
一口目からその出来の良さに目が醒める感じ。
豚骨の骨髄よりも、豚バラを煮込んだような
「豚脂」の風味が目立ちますな。
生の卵の風味もします。






地鶏玉子(半熟)。
卵黄レシチンの味がします。






薄切りのバラ肉は絶妙な出来栄え。
小気味良い固さでエッジが立ちながらも、ホロホロ崩れる。
コクも旨味も豊かで「さすが」という感じ。






麺は中太のストレート。
プックリと太った丸い断面で、
食感もプリプリ、モチモチと大変美味しいです。
特大なので二玉?たっぷりありました。




2004年10月上旬 中華そば(特大)600円 + 地鶏玉子(半熟)100円

都内でも珍しい「徳島ラーメン」のお店。
以前、新横浜ラーメン博物館で徳島ラーメン「いのたに」が出店していて、徳島ラーメンは甘めの黄濁豚骨スープに「豚バラ肉」と「生卵」が入るラーメンという印象が残っている。
お店に到着すると、瓦葺の屋根には店名にもなっている「卯建(うだつ)」が乗っていた。
中はレトロな駅舎を模したような凝った造りになっている。入ると券売機があり、中華そばもつけ麺も「並」「大」「特大」がいずれも同額となっていた。せっかくなので特大でオーダーした。

登場したラーメンは、ちょっと驚くような大きな器にスープがたっぷりと張られて登場した。スープからはとても豊かな芳香が漂っている。
一口、レンゲで飲んでみると、醤油風味はあまり目立たず、ミルキーな豚骨ダシに特有の風味と甘味がある、なかなかの「個性派」スープである。鼻を近づけると、おそらく意図的に出しているのであろうちょっとクセのある独特な風味を感じるが、口当たりがマイルドながらも実にしっかりとピントの合った旨味の付け方が見事であり、はっきりと「美味しい」という感覚を持たされる。
このスープの豚骨テイストは和歌山ラーメンとも近しいものを感じる。しかし、スープを飲むたびに、「生卵」の風味を思わせる独特なテイストの「後味」がややはっきりと舌に残る。豚バラ肉の脂身の旨味のような、豚骨のクドさのような物にも感じられるが、かなり尾を引く独特な風味だ。
その後味が、こちらのスープをとても個性的に演出している。徳島でラーメンを食べた事がないので、これが本場の徳島ラーメンの個性なのかどうかは判らない。

麺は中太のストレート。「特大」ということでたっぷりと入っており、おそらく二玉を入れてくれたのだろう。これでベース価格600円ならかなりお徳だと思う。
すすってみるとツルツル、噛めばモチモチと大変に美味しい麺で、品格を感じるようなコシの豊かさを感じる。プクプクと太った丸い断面であり、ちょっとパスタっぽさも感じられるタイプだ。徳島ラーメンの麺は短めで柔らかいタイプと聞いていたので、ちょっと意外な気もしたが、ともかく美味しい。多少、東京向けにアレンジしてくれているのだろうか。
また、特大なので食べ切るのにそれなりの時間がかかったが、麺の食感は最後まで変わる事がなく、のびたり、ダレたりという事が全くなかったのにも驚いた。

チャーシューの代わりに載せられた豚バラ肉もまた秀逸な美味しさ。醤油でしっかりと味付けされ、やや甘めになっており、国産の良い豚肉を使っているのか、「大味さ」がなく、薄切りの歯応えもちょうど良く、実に細やかな味わい。歯触りもグニグニした物ではなく、適度なソリッド感があり、特にフチの部分などが適度に水分が飛んでエッジの立った小気味良い食味で美味しい。脂身もブヨブヨした味のないものではなく、コクがあり、良質な脂身で知られる「鹿児島黒豚」っぽい美味しい脂身であった。

オプションで入れた玉子は、半熟を指定したが、せっかくなので徳島ラーメンの特徴の一つでもある「生卵入り」で食べれば良かったとちょっと後悔した。地鶏卵ということだが、黄身の色などは自然な感じのもので、ポーチドエッグ状になっていたので、流動状の黄身を麺に絡めて食べてみると、卵黄レシチンの味がしっかりと感じられた。
生卵とバラ肉というと、ちょっとスキヤキや牛丼を連想してしまうが、実際の味は全く別な物だ。醤油やミリンの風味はがあまり感じられず、もっと甘く、もっとユッタリとして、特濃牛乳のような微細に粉砕された「脂肪」の風味をはっきり感じる味なのだ。スープにはそれほど油は浮いていないので、どこからやって来る風味なのかちょっと不思議なほどだ。

この風味には、熱いご飯に溶いた生卵をかけて、少しの醤油と化学調味料を入れたような味を連想した。「生卵かけご飯」のあの独特な生の卵の風味と、豚バラ肉の脂のコテコテ風味、そしてスープの甘味がとても個性的なスープを醸しているが、食べなれない人にとっては、ちょっとクドいという印象を持つかもしれない。
その分、シャキシャキした清涼感のあるモヤシを入れて、口中をリフレッシュさせる役を担わせているようだ。メンマも柔らかいながらも繊維の歯切れが良く、ショクショクする小気味良い食感だが、やや酸味を感じる醗酵したような独特の風味が残っている。

店内には、「卯建(うだつ)」が設置されている江戸時代の家並みで有名な、徳島県「脇町」のポスターが貼られていた。「うだつ」とは隣家との間に設置された防火壁の一種で、江戸時代、裕福な商家などはこの卯建を屋根の上まであげた立派な家を造っていたことから、富の象徴にもなっていたらしい。転じて、稼ぎのない家では設置できなかったため、「うだつが上がらない」の語源にもなったと言う。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)











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