ラーメン&つけ麺食べ歩き
とうかんや
(東京都 江東区)

店名 十日夜(とうかんや)
住所等 東京都江東区南砂5-21-4 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年4月上旬 醤油ラーメン 600円
2004年5月上旬 つけ麺(玉子入) 800円 
           塩ラーメン 600円



〜とうかんや その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店に到着しました。
ウッディな店構えですな。






券売機にはメニュー多数。
今回はトップの位置にある醤油ラーメンを購入。






店内はカウンターのみ。
コミックなどもあり、くつろげる雰囲気ですぞ。
NO SMOKINGのオブジェが楽しい。










2004年4月上旬 しょうゆらーめん 600円



高熱、ラード、ショウガなどが目立ちます。
スープは熱々でしかも量がたっぷりなので最後まで冷めない。

良質素材で丁寧に作られた印象です。
特にふっくらチャーシューは絶品中の絶品ですな。
これで600円はかなり良心的。




2004年4月上旬 しょうゆらーめん 600円

「とうかんや」とは、秋の収穫行事として十五夜や十三夜と並ぶ、「十日夜」からの命名という。
L型カウンターの店内には、コミックなども置いてあり、なかなか居心地良く感じる。券売機を見ると、醤油、塩、味噌、つけ麺、辛味噌つけ麺と、かなりメニューは充実している。

カウンターの仕切りが高くなっているため、調理の様子は良く見えないが、豚、鶏、魚介と、3本の寸胴で仕込んだ3種のスープを、出す直前にブレンドするトリプルスープらしい。
しかも、ブレンドする際に一杯分ずつ丁寧に手鍋で火にかけるため、かなりの熱々スープででラーメンは登場した。スープには結構多めにラードが浮いているが、ギトギトとかベタベタという感じではなく、「ツルツル」と滑る感じの油の印象。
そしてこの多目のラードに負けないように醤油ダレも結構鮮烈でキレがあり、生醤油のような醸造風味が強めに感じられ、またさらに「ショウガ」と「揚げネギ」の風味も鼻に強く感じられる。

一口飲んでみると、やはりショウガが強いが、少しすると「鶏」の優しい出汁風味が感じられた。スープは相当な高温で出されるため、ちょっと「焦がしラード」や「焙煎醤油」の要素も感じる味である。スープを飲み込むと、ノドの奥までが「ジワー」と熱くなる「熱」の食味は脳へ強烈に「刷り込まれる」感覚で、なかなか鮮烈だ。出汁やタレだけではなく、高熱によるインパクトも味のうちなのかなぁと理解させられる。鷹の爪がちょっと浮いているが高熱とラードのため辛味は隠れがち。

麺はやや太めの「中太」で、白くゆっくりとウエーブしているもの。カンスイ臭はなく、歯応えもしっかりして適度だが、箸で持ち上げて口に入れると、やや太めでバサバサとかさばるようなボリューム感があるため、良く噛んでから「飲み込む」感じになる。しかし、噛むと多孔質でボソボソと空気を含んだような食感があり、また噛んでいると、つぶれた部分が「クチャ、クチャ、」とやや歯にくっつく感じがある。小麦の香りもやや控えめなタイプ。こういったツルツルな油感のあるスープには、ツルツルとかプリプリという表面の滑らかな麺ではスープがからまないのだろう。そのため、こういった多孔質な食感の麺にしているのだと感じる。

何より特筆ものはチャーシューで、やや薄めに切られた肩ロースの大判一枚のみだが、この食感が「ガッシリ」でも「ホロホロ」でもなく、類まれな「ふっくら」感、「しんなり」感であり、鮮明に記憶に残るほど非常に美味しかった。優しくなめらかに包み込まれるような、ソフトでふくよかな食感、味付けも非常に優しい味で、肉の旨味もあり、スープとの相性も完璧。うーん、素晴らしい。メンマは多少甘めで素直な味だがちょっと少なめ。青ネギはこの脂の多い高熱スープと抜群の相性を見せる。白ネギだとネギの生臭さが出てしまうだろう。

麺や具を食べ終えて、スープをよく「冷まして」から味わうと、それまで高熱で隠されていたカツオ節や煮干の心地よい風味が姿を現し、とてもおいしく感じられた。これで600円ならかなりお特だと思う。味玉は100円だがこだわりの地鶏の卵を使っていると説明書きがあり、次回食べてみたいと思った。なお、スープ終了で早く閉店することがあるので、早めの訪問が「良」。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)




↓続きあり






〜とうかんや その2〜




昼の2時半頃に行ったら
今回は並ばずに入れました。
しかし、あまりギリギリだとスープ切れで
終了することもありますぞ。










2004年5月上旬 つけめん(玉子入) 800円



熱々のつけ汁と冷たい麺の組合せがウマー。
全てが良く「噛み合って」いて非常に美味しいです。

幅広の平打ち麺は珍しく貴重。
他では食べられないつけ麺ですな。




2004年5月上旬 つけめん(玉子入) 800円 

今回は、つけ麺を食す。
前回、ラーメンを食べていて、この麺だと「つけ麺」には合わないだろうなと思っていたが、案の定、つけ麺はラーメンとは麺を変えていた。中太の平打ち麺になり、形状はかなり幅が広め。噛んでみると、ラーメンの麺のような空気を含んだような軽い食感の麺とはうって変わって、ぎっしりと小麦の密度を感じるようなおいしい麺だ。表面はツルツルとして喉越しも良く、小麦のナチュラルな風味も心地よい。量は200g弱位かと思う。つけ汁は多目のラードが浮き、ゴマや青ネギや一味唐辛子などがアクセントとして載っている。

ひとつかみ麺を浸けて食べてみると・・・・もの凄い熱々のつけ汁とともに口の中へ入ってきた麺は、もう「目の覚めるような」素晴らしいおいしさだった。
濁りの少ないつけ汁は非常にインパクトのある熱さで、さらに醤油ラーメン同様に「ショウガ」の風味が非常に鮮烈である。二口、三口、やはり醤油+ショウガの風味である。そしてやはり「焦がしラード」や「焙煎醤油」の要素を強く感じる。冷たい麺を浸け続けていると次第に温度が下がり、それにつれインパクトも薄まるものの、しっかりした醤油ダレは食欲を誘い続ける。白ゴマが歯に当たるとパリパリと心地よく砕けて、風味や歯応えのとても良いアクセントになっている。一味唐辛子の存在も絶妙でいい感じ。つけ汁は冷めてくると、やや酢の酸味が感じられる。
しかし、最初は熱々のため判りずらかったが、つけ汁に浮くラードがかなり多めで、この脂が出汁にマスクをしてしまう感じで、あまり出汁は前面には出ていない。ラードが多めのせいか、その純度のせいなのか、冷水を飲むと、唇に付着しているラードが冷えて固まってパリパリするのが判るほどだ。

チャーシューはつけ汁にこま切れが入り、また麺の方へも小さめの端切れ部分が載っていた。美味しいとは思うが、ラーメンのものと切り方が違うせいなのか、それとも肉質自体が異なるのか、例のソフトでふっくらした繊細なおいしさは感じられなかった。
オプションで付けた味玉は店内の説明によると産地指定の地鶏の玉子らしい。色は濃いが味は薄めで、かじってみるとまるで「ポーチドエッグ」のように白身も黄身もプルプルの半生的な食味だった。黄身はほとんど赤に近いオレンジ色で味が濃くおいしい。ただ、ちょっと生卵ぽい食感が残っているので、食感的に苦手な人はいるかも知れない。

麺を食べ終えて、スープ割をお願いすると、陶器の器でスープを出してくれる。数分時間がかかり、やはり直前に温めているらしくこれも熱々である。鶏や豚の出汁だと思うがあまりに温度が高くて舌が味をとらえられず風味が良く判らない。熱のせいか魚出汁もあまり感じられなかった。スープ割をすると美味しいが、まだちょっと醤油ダレと焦がしラードとショウガの風味が強いと感じた。


(麺は完食。スープ割は7割飲んだ。)




↓続きあり






〜とうかんや その3〜










同上日 しおらーめん 600円



麺や具は醤油ラーメンと同じですな。
たっぷりの熱々スープはインパクト大。
こってりしながら、後味あっさりなラーメン。

チャーシューは相変わらず絶品。
時間をかけて味わいたい一品。




同上日 しおらーめん 600円

続いて、塩ラーメンを食す。
スープは、醤油ラーメンと異なり、ちょっと焦がしたような強い醤油の風味がなくなるため、出汁の味が判りやすい。鼻を近づけると魚節の穏やかな風味が鼻腔をくすぐる。魚系の比率自体が高いとも思う。一口飲んでみると魚粉は見えないが、魚粉投入タイプのようなダイレクトな魚節の明白な味を感じる。熱々の油の層も多く、醤油ラーメンよりは少ないもののやはりショウガの風味も目立つ。
薬味として白ゴマと鷹の爪が浮いていた。麺は醤油ラーメンと同じもので、やはりちょっとバサバサとかさばり、多孔質でボソボソと空気を含んだような食感である。噛んでいると徐々に甘味が出てきておいしいが、ノド越しのなめらかさがないのはちょっと残念。

チャーシューは醤油ラーメンと同様に、薄いのにとても「ふっくら」したもの。優しくなめらかに包み込まれるような「ソフト」「しんなり」感にあふれ、味付けも非常に優しい味で素晴らしい。こういうチャーシューは他ではあまり食べた事がない。
メンマはやや甘めでシャクシャクする明快な歯応えのものでおいしい。

ただ、やはりスープが熱すぎて一気に食べ進めない。
塩ラーメンには焦がした醤油のような風味がある訳でもないので、ここまで熱くする必要はないと思える。塩味が穏やかなスープのため、代わりにインパクトを出すという点で熱さを強調しているのかも知れないが、あまりの熱さと表面の油のくどさで、せっかくの出汁が感じずらいと思う。そのせいなのか、素材の香りはするのに、スープの味にはあまり奥行きがないというか、やや単調に感じられてしまう気がした。

途中から、カウンター上の自家製おろしニンニクをスプーン一杯入れてみた。スープが強いので味は壊れない。食欲を刺激する風味が加わって、なかなかおいしい。その他にも辛し高菜などの薬味が置いてあった。
表面の油が多い事もあって、なかなかスープが冷めないが、冷めてくると、色々な素材や出汁が顔を出してくる。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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