ラーメン&つけ麺食べ歩き
たんたん亭 本店
(東京都 杉並区)

店名 支那そば たんたん亭 本店(たんたんてい)
住所等 東京都杉並区浜田山3-31-4 【地図表示】
禁煙 タバコ可
訪問日 2005年11月下旬 ミックスワンタンメン 1100円



〜たんたん亭 浜田山本店〜

(各写真はクリックで拡大します)




京王井の頭線の「浜田山駅」です。
お店はここから徒歩10秒ほど。






美観の整った浜田山の駅前商店街。
うーん・・・・石畳がなんともオシャレですな。
右側に看板とノレンを発見。






ここが、「たんたん亭」の総本山です。
橙色のノレンが目立ちます。
「支那そば」を掲げるお店ですが、「ワンタン」も有名です。






店内は、うーん・・・さすが「本店」ですな。
いかにも、お店の「歩み」と言うか、「足跡」と言うか・・・いい感じに使い込んだ雰囲気。
長い歴史を感じさせるレトロな空気感が店内に漂っています。






緑のステンドグラス風の照明と、扇風機が・・・
なんとも「昭和」チック。
「ミックスワンタンメン」を注文しました。






カウンターがやや低めなのも、レトロ感をあおります。
スタッフさんの装いも、いい感じにノスタルジー。
客は近隣の常連さんが多そうですな。










2005年11月下旬 ミックスワンタンメン 1100円



今や、都内でも「一大潮流」を成す、
支那そば「たんたん亭」の総本山となる一杯です。

繊細な素材感に包まれたナイーブな美味スープは、今も第一級の味わい。
細麺やワンタンは・・・・・むしろ現代風な味に洗練されることを好まず、
敢えて創業時の味にこだわっているようにも感じられます。

特に、ワンタンは「薄皮」の美味しさに、かなーりこだわっている印象も・・・。









醤油ダレと出汁が、恐ろしいほどに完璧に「融和&調和」した柔らかな美味スープ。
この辺りのさじ加減は、あまりに見事すぎて「背筋が凍る」感覚・・・。
うーむ、畏敬の念を禁じえないでつな。
繊細な口当たりでありながら、どこまでも奥深く、ナチュラルな美味。






麺は、敢えていかにも昔ながらの「中華麺」という感じ・・・。
すするとモソモソして、1〜2センチ刻みの「うねり」の部分が唇と舌先でワシワシと波打ち、
歯を入れると「ザクザク」とするやや粗めの歯応えがある。






箸で麺を持ち上げると、微細ながらもカンスイを使った
昔の中華麺に特有のノスタルジックな香りが立ち上って来ます。
うむ・・・敢えて創業時の味にこだわっているようにも感じられますな。






左がエビワンタン、右が肉ワンタン。
「餡」が小さく他の系列店の半分程度の大きさに抑えられています。
そして皮が非常に繊細で、薄く、面積が広く・・・・
より一層「皮」のピロピロした美味しさに比重を置いた造り。






中身の断面はこんな感じ・・・。
「生エビ」の新鮮な風味と肉ワンタンのしっかりとした旨味。
両方ともややしょっぱめの味付け。
餡だけでなく、デリケートな薄皮の「チュルルルン」「ピロロローン」と、
滑らかに唇を撫で回すビロード調の口当たりが「絶品」。




2005年11月下旬 ミックスワンタンメン 1100円

都内でも高名な、1977年(昭和52年)創業の支那そばの名店であり、ワンタンの美味しさでも知られているお店。
今ではこちらで修行された方々が独立するなどしており、都内を中心に数々の名店を輩出している功績はとても大きい。お店は京王井の頭線「浜田山駅」から徒歩10秒ほどの好立地にある。こちらの駅前商店街・・・最近リニューアルされたのか、よくある私鉄沿線の鄙びた(ひなびた)雰囲気ではなく、非常に美観に優れ、明るく清潔感にあふれていて、とても活気がある。

しかし、一転、橙色のノレンが目立つお店の扉を開けると・・・・照明を落とした薄暗い店内は、いかにも「老舗」的な雰囲気。
L型のカウンターは全体的に「低い」しつらえで、まだ日本人の体格があまり大きくなかった頃の時代を感じさせる。スタッフさんの和風コック的な白一色の装いも、いい感じにノスタルジー感をあおっている。

まずはスープを飲んでみると・・・・・これが何とも、醤油ダレと出汁が、恐ろしいほどに完璧に「融和&調和」した非常に美味しいスープである。
この辺のさじ加減は、あまりにも「見事」であり、実に「歳月」を身にまとった味、一朝一夕では到底到達できない次元に達していることに畏敬の念を禁じえない。
実に繊細な口当たりでありながらも、どこまでも奥深く、ナチュラルできれいな旨味が息づいていて、出汁の旨味が舌へ「ベタッ」とくっつく事がなく、クドさのない澄んだ美味しさのスープだ。何と言うか・・・言うなれば、「柔らかなスープ」かつ「しみじみと美味しい」という表現が最も似合うかも知れない。

麺は、いかにも昔ながらの「中華麺」という感じ。
すするとモソモソして、1〜2センチ刻みの「うねり」の部分が唇と舌先でワシワシと波打ち、ボリューム感を演出する。歯を入れるとザクザクとするやや粗めの歯応えのあるもので、噛み締めると、カンスイを使った昔の中華麺に特有のノスタルジックな香りが立ち上って来る。
このデリケートで繊細なスープとの組合せという意味では、この麺はやや食感がレトロで、武骨すぎるような気もしないでもない・・・。もう少し細くて、上品で、繊細な麺でも合うような気がするが、むしろあまり現代風な味に洗練されることを好まず、敢えて創業時の味にこだわっているようにも感じられる。

ワンタンは、他の「たんたん亭出身店」のワンタンと比較すると、明らかに造りが異なる。
まず、お弟子さん達のお店に比較すると「餡」(あん)が小さく、半分程度の大きさに抑えられている。そして皮が非常に繊細で、薄く、面積が広い。つまりは・・・・より一層「皮」のピロピロした美味しさに比重を置いた造りになっているようだ。エビワンタンは「生エビ」の新鮮な風味が美味しく、肉ワンタンもしっかりと旨味が詰まっているが、両方ともややしょっぱめの味付けになっている。餡が少なめなのでこの位のパンチのある味付けにした方がバランスは良いのかも知れないが・・・。
そして何よりデリケートな薄皮の「チュルルルン」「ピロロロン」と、滑らかに唇を撫で回すようなビロードの口当たりが素晴らしく美味しい。

世の中、ワンタンはたっぷりの餡とがっしりした皮で「お饅頭」(おまんじゅう)のように仕上げるお店と、餡をほとんど入れず薄皮のピロピロ感と口解け感メインで食べさせるお店とがあるが、こちらのお店は「餡」の味をとても大切にしながらも、やはりワンタンの真の美味しさを「皮」にこそ求めているイメージを受けるワンタンである。
ただ、ちょっと気になったのは、この薄皮が「ヒダ」の部分にスープをたっぷり包み込むせいか、皮が非常に熱いのだ。そのため、不用意に口に入れるとヤケドしそうになった。また、デリケートな薄皮ゆえ、時間の経過とともにかなりノビやすく、食感がダレやすいので、麺との食べる順番と言う点では・・・食べながら、ちょっとジレンマを感じてしまった。

チャーシューは蒸すように焼いたと思われるフチがピンク色のもの。
噛み応えはモソモソと硬めで最初は旨味が薄く感じるが、よくよく噛んでゆくと上品で淡白な旨味が徐々にあふれて来るタイプ。メンマはボリボリと硬め、やや繊維がつぶれている感じでちょっと歯切れが悪い印象がある。もう少しコリコリッと軽い歯応えの方が似合う気がする。海苔はやたらと厚みがあって舌に残る食味であり、繊細さが支配するこの器の中においては、この海苔とメンマの食味は・・・やや野暮ったく感じられた。

食べ終えてみると、都内では珍しい「薄皮」の美味しさに重点を置いたワンタンも印象深いが、やはり、柔らかさ、ふくよかさ、軽さがあり、ナイーブながらも人の味覚をしっかりと捕らえて離そうとしない「スープ」の出来の素晴らしさに舌を巻いてしまう。
どうやらスープ素材は豚骨、鶏ガラ、カツオ節類、昆布や乾物類らしいのだが、ここまで飲み物としての「スープ」単体として美味し過ぎると、むしろ麺やワンタンが邪魔に感じられて来てしまうほどであり・・・・うーむ・・・・何とも、複雑な心境でもある。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)










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