ラーメン&つけ麺食べ歩き
匠屋
(栃木県 佐野市)

店名 手打ちラーメン 匠屋(たくみや)
住所等 栃木県佐野市赤見町2088-2 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2007年1月上旬 ラーメン 550円 + 餃子 400円




〜手打ラーメン 匠屋〜



佐野駅から北西方向へ約5km、
佐野市運動公園の向かい側にお店があります。

しかし、気持ちイィ位に真っ直ぐな道ですのーーー (゜o゜)。






建物の左手一帯が駐車場。
建物の右側の窓の奥が麺打ち台です。
私の入店後、すぐに10名ほどの店外行列が発生・・・。






店内はカウンター席と、小上がりスペース。
ちょうど昼時と言う事もあり、常に「満席」が続く盛況ぶり。
壁に「しょうがラーメン」の貼り紙が・・・。






メニューです。
「ラーメン」と「餃子」を注文しました。
「餃子」は別店舗でオミヤゲ売りもしているようです。






最初に餃子が登場します。
「究極あっさりラーメン」+「大振り焼き餃子」。
このスタイルは、佐野ご当地の一つの大きな潮流ですな。

「佐野の餃子」は大振りでプックリとし、焼く際に油が少なめなのが特徴。
いわゆる中華系の餃子とはルーツも味も異なる感じ・・・。






餃子の側面と中身です。
焼かれた面はおせんべいのように「カリカリ」、他の部分は「しっとり」「モッチリ」・・・。
その食感のコントラストと、厚みのある皮(=小麦粉)の美味しさを楽しむタイプ。










2007年1月上旬 ラーメン 550円 + 餃子 400円
(この写真はクリックで拡大します)



例えるなら・・・・
美味しい「ご飯」を「お茶漬け」でサラリと食べるような・・・・
そんな・・・・極めて「あっさり」とした「軽さの美学」。

「やっぱり、ラーメンはこれ位あっさりしていないとね・・・・」と言う
佐野ラーメンファンの声が聞こえて来そうです。

動物性の「脂肪」や「タンパク質」の味ではなく、
植物性の「小麦粉」と「水」の美味しさをとことん追究した一杯・・・と言う印象。

「焼き餃子」とのコンビを大前提とした味付けにも感じます。









ほぇ〜〜・・・・何と言う、「軽さ」、「薄さ」、「淡さ」・・・・。
まさに「如水」のイメージですな・・・・。

おそらく、佐野でも一、二を争う「超々淡麗スープ」でしょうね。
ほとんど「ノンオイル&ノンファット」の世界です。
さらに、ノー化学調味料・・・?






美しい「光沢感」&「透明感」のある麺は
「ムチムチ」とする舌触り・・・「クニックニッ」とする歯応え。

十分な太さがあり、モッチリとした噛み応えや豊かな量感もある。
「太さ」や「長さ」や「縮れ感」がきれいに均一・・・。






テーマは・・・スバリ、「シンプリシティ」(Simplicity)・・・かな?
「複雑さ」ばかりが強調される時代に・・・・
「簡明化」すれば見えて来る「新しい美味しさ」がある。

ほとんど「塩味」なのは・・・・
おそらく「醤油」さえ邪魔なのでしょう。




2007年1月上旬 ラーメン 550円 + 餃子 400円

全国有数の手打ちラーメンのメッカである栃木県佐野市の郊外、「出流原(いずるはら)弁天池」方面にあるお店。
ちなみに、佐野ラーメンの美味しさの秘密の一つは「水の良さ」、つまり、麺打ちやスープに、この環境省選定の名水百選にも選ばれた「出流原弁天池湧水」の美味しい伏流水を使えるためだと言われている。
こちらの店主氏は、店内の新聞切り抜きによれば同じ佐野市の「池田屋」で修行されて独立された方のようだ。昼12時半頃に到着すると満席で、店内に6〜7名の待ち客が居た。さらに私の後にもすぐに10名程の後客が並ぶという人気ぶり。
食べている客達を見ると、ほぼ全員がラーメンだけでなく、一緒に「餃子」を食べていたので、つられて私もラーメンと餃子を注文した。

まず最初に登場した餃子だが・・・・「佐野」の餃子は手作りの厚めの皮を使った大振りで「プックリ」太った物が主流で、焼く際に油が少なめなのが特徴である。
いわゆる東京の中華料理店で出される油っぽい餃子や、同じ栃木県内の餃子の町として有名な「宇都宮市」のスリムで小振りな餃子とは、ルーツも味も全く異なる感じを受ける。

食べてみると、餃子の皮は、焼き目の面はちょうど「おせんべい」のように「カリカリッ」「サクサクッ」として香ばしく、下の部分の皮は「モチモチ、モッチ〜リ」・・・とした粘性があり、その食感のコントラストを楽しい。餡はなかなかジューシーなうえ、ニンニクやニラが割ときっちりと効かされていて、「葷」(くん)の風味を主張し、パンチを出している。
ただ、こう言った「佐野の餃子」は、大振りなうえ皮がしっかりと厚いため、初めて食べると、やや「皮の存在感」があり過ぎると言う人も居るかも知れない。餃子を二つほど食べたところで、ラーメンが登場した。

登場したラーメンは、スープが並々と張られているが、同時に器の底がはっきりと見える限りなく透明度の高いスープだ。
まずはレンゲでスープを一口飲んでみると・・・・ガラの風味はあまり感じられず、見た目どおりの極めて「うっすら」とした透明感を持つ、何とも「淡麗」な味わいである。いわゆる「あっさりスープ」を通り越して、さらに「その先」の世界を垣間見るような・・・・イメージだ。
ダシは・・・・動物系のようだが、まさに、座ったお尻の下に「薄い紙」を一枚敷かれたかの如き・・・・潜在意識下で味わうような、非常に奥ゆかしいものだ。全体的に複数の素材をかけ合わせたような旨味の「相乗効果」や「パンチ」とは無縁な・・・・極めて「超薄着のスープ」だと思う。

味の輪郭はとてもゆったりとしていて、薄い醤油の色が極うっすらと付いてはいるが、ほとんど「塩味」と言う印象で、醤油は微量の「香り付け」程度に考えられているようだ。
「油」や「ゼラチン」がほとんど浮いていない事もあると思うが、その分、相対的に「塩味」がややむき出しになって前面に出ている感じで、軽さを維持しつつも塩気が「ピリッ」とはっきり感じられ、きちんと「麺が欲しくなる」味付けにはなっている。
ただ、その簡明なスープゆえ、どうしても、麺の「茹で湯」の影響が出てしまい易いようで、スープに多少の小麦粉臭さを感じてしまう。
しかし、もともと、それも「込み」の味と言う感じで、動物性の「脂肪」や「エキス」の旨味ではなく、むしろ植物性の「小麦粉」と「水」の美味しさを「主役の座」に据えたスープのような・・・・印象さえ受ける気もする。
あっさりラーメンのメッカである「佐野」でも、おそらく、一、二を争う「超々淡麗スープ」だと思う。

一方の「麺」は、「テカテカ」としたツヤがあり、さほど小麦粉の香りは強くない。
縮れが付いているため、すする際に「プルプル、プルプル」と小刻みに横揺れして、よじれ、ねじれ、ちぢれ・・・・の複雑な動きが唇を楽しませてくれる。「ムチムチ」とする舌触りと、「クニックニッ」とする弾力があり・・・・噛めば非常に「モチモチ感」が豊かな麺で、太さがあるゆえに心地良い「噛み応え」と「量感」もある。

また、すべての麺は、「太さ」や「長さ」や「縮れ」が見事に均一に揃い切っていて・・・・いわゆる手打ち麺に多い「細い麺」や「短い麺」や「端切れ」等の混入がなく、一本ずつがしっかりと「整った形」になっている。
しかし、「気泡」を含んだ軽いエアリーな食感や「パイ生地」のような多層的な食感はなく・・・・そう言う意味では、特段、「佐野青竹ならではの食味」にはこだわらず、もっと広い視野に立って広く一般受けする麺を打っているような印象を受ける。

チャーシューは巻きバラだが、醤油ダレの味はせず、その分、ややしょっぱめの塩味が付いていた。
おそらくはスープで茹でられていると思われ、徹底して脂が抜き去られており、「グニグニ」「カパカパ」と乾燥したようなドライ系の硬めの歯応えだ。肉の旨味もほぼスープへ溶け出してしまっており、ほとんどダシガラに近いパサパサとする味の抜け方に感じられる。ただ、極あっさりスープの中に配置されるチャーシューとしては、こう言うドライなタイプが調和するとは思う。
極細に切られた少なめのメンマがかなりの薄味であったり、サヤエンドウも薄く小さな物が選ばれて使われているのは、やはり、ラーメン全体の「あっさり感」を乱さないための細かな配慮なのだろう。

食べ終えてみると・・・・後味はとにかくシンプルで、多少の塩気と小麦粉の溶けた風味だけが口中に残っている。
特に、唇周りに塩気が「うっすら」と残るのだが・・・・この感覚は、ちょうど塩味の「サラダせんべい」を1〜2枚食べた後に、口に残る塩気の感じと良く似ている。お腹の中も、動物性の脂肪やタンパク質の「コッテリ」とした腹心地ではなく、植物性の「炭水化物」による「サラッ」とした軽さだけが残って感じられる。

さらに・・・・何よりもこちらのラーメン・・・・単なるあっさり路線ではなく、有りがちな「化学調味料」っぽさが絶無な事に驚かされた。
おそらくは「無化調」か、もし使っていたとしても極微量なのは間違いない。ラーメンだけでなく、餃子からも化調感が感じられなかったので・・・・決して「入れ忘れ」ではなく、お店の明確なポリシーなのだろう。
しかし、さすがにここまでやると・・・・濃い味付けや化調味に慣れた客の中には「味がしない」とか、「旨味が足りない」と思う人もいるのではないだろうか・・・・と、少々心配になるが、お昼時とは言え、「店内満席+待ち客」の大繁盛ぶりを見ると、それは単なる杞憂なのだと判る。

「複雑さ」「濃厚さ」ばかりが強調されるこの時代に・・・・敢えて、「複雑さを捨て、シンプルになること・・・・」で、見えて来る美味しさの世界がある事を教えられる。
こちらのお店の繁盛ぶりは、言うなれば・・・・「シンプリシティ(Simplicity)の勝利」と言うところだろう。
まさに、美味しい「ご飯」を「お茶漬け」でサラリと食べるような・・・・そんな「あっさりした美味しさ」の価値観が支持されているのだと思う。
確かに、この「あっさりした美味しさ」と言うものは、時には、実に捨てがたい物がある。特に、疲れている時や、脂っこい食事が続いた時など、あっさりとした美味しい食事は「天の恵み」かと思うほど、身体に優しく、心に嬉しいものだ。

ただ・・・・こちらのラーメンは、佐野の超人気店「おぐら屋」などもそうだが、あくまで「ラーメン」単品ではなく、一緒に「餃子」を食べる事が「大前提」となった味のチューニングのようにも感じられる。
実際に、餃子とラーメンを交互に食べる事で、餃子のパンチのある味わいが非常に良いアクセントになって、一方のラーメンの淡い味わいも、さらに一層、グーンと「生きて来る」のだ。
餃子の「ガツン」と来るパンチを、クセのないあっさりラーメンで「溶き延ばしながら」食べる感じになり・・・・まさに「オカズ」と「白飯」の関係のようなイメージである。ほとんどの客がラーメンと一緒に必ず餃子を頼んでいる事からもこの仕組みが理解できる。

そしてさらに・・・・もし、あまりお腹が空いていないのでラーメンを「単品」で食べたいと言う人のニーズにも、しっかりと対策が講じられているようだ。
おそらく、そう言う人達のために、壁に貼られた「しょうがラーメン」を追加で考案したのだと推察する。実際、相席となった他の客が、その「しょうがラーメン」を食べていたが、どうやら普通のラーメンをベースとして生姜の千切りと挽き肉(?)を合えたような物が親指の頭位の大きさでトッピングされていた。
料理をする人は判ると思うが、「しょうが」や「柑橘類」や「酢」を使うと、「あっさり感」「スッキリ感」を損なわずに、味の輪郭がクッキリと明確に描かれるようになり、全体をキリリッと引き締める役目を果たしてくれる。
つまり、餃子の代わりに、生姜を「味のワンポイント」として付け足すことで、ラーメンスープに明瞭な味の目鼻立ちを加えるアイディアなのだと思う。

うーむ、さすが「行列店」・・・・シンプルなメニュー構成の中にも、きちんと巧みな「工夫」が織り込まれ、「あっさり」と「パンチ」を両立させてしまう、佐野ラーメン独特の見事な「マジック」が存在している事が判る。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)




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