ラーメン&つけ麺食べ歩き
大勝軒 東川口店
(埼玉県 川口市)
店名 大勝軒 東川口店(たいしょうけん ひがしかわぐち) 住所等 埼玉県川口市戸塚2-25-1 【地図表示】 禁煙 タバコ完全禁煙 訪問日 2005年2月中旬 ワンタン麺 800円
〜大勝軒 東川口店〜
(各写真はクリックで拡大します)
看板が見えてきました。
JR東川口駅から線路沿いに徒歩2分ほど。
ちょうど左側に見える電車がJR武蔵野線です。
埼玉高速鉄道の東川口駅も近いです。
永福町大勝軒のノレン分店です。
大きな看板で夜も目立ちますな。
店内は結構広めです。
マンガ雑誌などもあり、地元向けの雰囲気。
メニューです。
「ワンタン麺」を注文しました。
営業時間と定休日。
この場所で通し営業とは・・・さすがです。
テーブル席も充実。
大振りの椅子が座り心地良さそう。
ガラス面積が広く、昼間は明るそうですね。
好みで油の量や麺の固さが選べるようです。
「おみやげラーメン」もありますぞ。
2005年2月中旬 ワンタン麺 800円
ゆったりと構えた「大ボリュウム」ラーメンですね。
どことなく「昭和」を感じるクラッシック・スタイルでまとめられた感じ・・。
ともかくめいっぱい「小麦粉」を感じさせられる味わいです。
「歳月」という熟成期間を経て
「オーソドックスさ」と「唯一無二的個性」
が見事に融和した印象ですな。
きっと「このラーメンでなきゃイヤ」
と言う人も多いでしょうね。
煮干の効いた醤油スープはややしょっぱめなものの、
グイグイ食べさせるパンチがあります。
余計な添加物感も感じませぬ。
うーん・・・実に「小麦粉と水」をしっかり感じる麺です。
何より、この絶妙に「クラシカル」&「素朴」な個性派食味には、
知らぬ間に「心を奪われる」感じ・・・。
麺のクローズアップ。
麺の「ムチュ、ムチュ・・・」と歯にくっつく吸盤的感触がヤミツキ?
この麺の「虜」(とりこ)になる人も多い事でしょう。
ワンタンもまた・・・絶妙に「クラシカル」&「素朴」。
皮は、やはり歯にまとわりつく、からみつくような・・・独特な食感。
挽き肉の餡はあくまでもシンプル。
2005年2月中旬 ワンタン麺 800円
有名な「永福町大勝軒」からノレン分けを受けたお店の一つ。ここ東川口の地元で、広い客層から大きな支持を集めているらしい。
お店はJR東川口駅から線路沿いに歩いて2分ほどの場所である。ガラス面積が広く取られた店舗は外から中が良く見える。L型カウンターとテーブル席があり、なかなかの広さ、マンガ雑誌などもあり、くつろいで食べられそうな地元向けの雰囲気がいい感じだ。メニューは割とシンプル、「ワンタン」が名物らしいので、ワンタン麺をオーダーしてみた。店主さんは腰の低そうな、とても感じの良い方という印象。
ステンレスのお盆に載って登場したそのワンタンメン、判ってはいたつもりでも、一瞬、やはり器の「大きさ」にたじろいでしまう。通常によく使われている器のサイズから比べれば、明らかに二回りは大きいだろう。また、大抵ボリュームのあるラーメンは太麺であることが多いのだが、こちらでは中細麺であるため、大ボリュームの中細麺というのも新鮮な感じだ。
ワンタンは、そのほとんどがスープの中へ沈んでしまっていて、あまり入っていないのかと思ったが、スープをまさぐって簡単に数えてみると、何と10個前後も入っていてびっくりした。
まずは、スープを一口飲んでみると、ベースは豚骨らしいのだが、煮干の風味と醤油ダレの風味がジワーッと「ダブル」で明確に立ち上がってくる。ラードが浮いているが、柔らかさ、ふくよかさのあるラードであり、スープを味わう上で邪魔になるようなことはない。また、割と濃い目の味と感じるが、臭みなどもなくきちんとした素材感に満ちていて、決して化学調味料や塩分に頼った味ではないのもいい感じだ。
ただ、ややオーソドックスと言うか、普段ニューウェーブ系を食べ歩いていると、煮干と醤油ダレをストレート&素直に使ったこちらのスープは、ちょっと「クラシカル」、やや「単調」にも感じられる部分もある味わいではあると思う。
麺はスープから顔を出すほどに、器の中央にゴソッとかたまって盛り付けられている。一つかみすすってみると、軽く縮れた一見オーソドックスなその外観とは裏腹に、非常に印象の強い個性的な麺だ。
いわゆる「ツルッ」とキレのある滑らかさや、「プリプリッ」とした小気味良いハリのある食味の麺とは正反対、好対照を成すような食味であり、例えるならまるで「すいとん」を細く切ったような食味に感じられた。
表面の摩擦係数がとても高い感じで、すすると「ポソポソ・・・」「モソモソ・・・」として動きが遅い感じがあり、そして噛めばまるで歯にまとわりつくような、歯を包み込もうとするような、「ムチュ、ムチュ・・・」とする歯にからみつくような独特な「粘性」がある。
いわゆる「歯ぬかり」するような感触なのだが、しかし決して悪い感触ではなく、軽く「ツルツル」すすれる麺とはまた違ったモノを感じさせられ、「麺」と真正面から向き合う感じ、しっかりと麺の相手をさせられる感じ・・・になるのだ。
カンスイが極めて少なめな印象を受け、ややザラッとした舌触りがある麺であり、玉子の風味はほとんど感じられない代わりに、ピュアでシックな「小麦粉と水」の風味があふれかえっていて、良い意味で見事な「クラッシックスタイル」、「質素さ」を堅持している印象を受けた。
そして、ちょっとしょっぱいかなと感じる位にやや強い醤油ダレの効いたパンチのあるスープが、このやや動きの遅そうな、歯切れの重そうな麺を、見事に「軽々と」、「次々と」消費させてくれる。
そう考えると、このパンチのある醤油スープとの相性は「さすが」と言う感じだ。もし、穏やかな薄味「ジワジワ」系スープでは、麺をすする動きが少なからず滞ってしまいそうだ。
やや小振りのワンタンもまた、その「皮」はおそらく麺と同じ小麦粉&同じ手法で作られたと思える同一の食感だった。
箸でつかむと、薄めでピロピロした皮なので、「チュルン」と軽妙な口当たりを予想したが、実際は、すすっても「モソモソ・・・」として動きが鈍く、噛めばまるっきり麺と同様の「ムチョ、ムチュ・・・」とする歯にまとわりつくような、からみつくような・・・独特な食感である。餡は少なめで挽き肉オンリーのあくまでもシンプルなもので、それほど鮮度や風味を感じるジューシーなタイプではないという印象。
バラ肉のチャーシューは、全体のボリュームの中ではやや小さめに感じ、やや豚の臭みが残っていたが、肉質は柔らかくホロリとほぐれるタイプ。味付けなしの固ゆで玉子やメンマも見た目どおりの実にオーソドックスな味わい。
全体のボリュームは多めだが、風味とパンチの効いた醤油スープにあおられる感じで、麺もワンタンも軽々と食べ切ることができた。
そして、食べ終わって感じたのは、やはり、「麺」と「ワンタン」の、歯にからみつくような独特な「粘性」、そして「小麦粉と水」を感じさせるやや「質素」とも言えそうな味わい、この二者こそが、やはりこのラーメンの何よりの「アイデンティティ」を成していると言う事だろう。
最近ではあまり出会わないタイプの麺であっただけに、最初こそ意表を突かれた感じであったが、終盤に近づくにつれ、むしろ徐々にその絶妙に「クラシカル」&「素朴」な懐かしい食味に深い感慨を覚え、次第に「心を奪われる」感じになってしまったのには、「さすが」と感心してしまった。
明らかに、昨今の「新参ラーメン」が持っていない「モノ」を、しっかりと持っているラーメンだと思う。
昨今の高級食材ばかりを追求したようなラーメンや、新規性や創意工夫にあふれたラーメンも良いとは思うが、「歳月」という最も過酷な評価を経て、今なお一層の人気を維持している「永福町大勝軒」系列のラーメン・・・・・やはり、その看板は決して「伊達ではない」と言うことだろう。
(麺は完食。スープは3割飲んだ。)
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