ラーメン&つけ麺食べ歩き
すずらん
(東京都 渋谷区)
店名 |
中華そば すずらん(すずらん) |
住所等 |
東京都渋谷区渋谷3-7-5 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可否不明 |
訪問日 |
2004年10月中旬 玉子そば 750円 |
〜中華そば すずらん〜
(各写真はクリックで拡大します)
お店が見えて来ました。
渋谷駅から徒歩3〜4分。
右手に見えるビルの1Fです。
渋谷警察署のほぼ裏側になります。
真っ白な外観。
「地鶏卵麺使用」の看板が出てますな。
自家製麺のお店です。
店内はコの字型のカウンター席。
「秋」の演出なのか、
「栗」と「柿」が飾ってありました。
メニュー(表)。
「味噌」がトップに来ています。
鹿児島産銘柄豚使用の表示もありますね。
玉子そばを注文。
メニュー(ウラ)。
こちらには「つけそば」が並んでいます。
つけそばだと、同額のままで
「大盛」にもできるようですな。
かなーり活気のある厨房。
動作がとてもキビキビしていますね。
2004年10月中旬 玉子そば 750円
上質な「厳選素材」を確実に生かしていますね。
そのために、調理は敢えてシンプルに抑えた部分も感じます。
清湯スープは、意外に醤油の味が濃く、「深み+キレ」がある感じ。
自家製の細麺はまるでクリスタルのような食感。
スープ、麺、具・・・と
一切の「隙」がないですな。
相当な「プロのキャリア」を感じる味。
実に「美しい」スープは
透明感のある外観からは想像できない
複雑で、深く、強い味わい。
うーん・・・未経験、まさに「新食感」の麺。
まるで「トコロテン」を連想するような透明感のある食味。
ツルルンとする上品な軽さがあり、味わいは実に無垢な感じ。
麺のアップ。
エッジの立った角断面なのが判ります。
非常に上品で、限りなく「透明」感のある味わい。
かなり上質な小麦を使っている印象ですな。
肩ロースの上質チャーシュー。
ぜひ、20〜30回は噛み締めるべし。
噛めば噛むほど「肉の旨味」が次々とあふれて来ますぞ。
大振りの味玉もまさに「絶品」。
半熟の黄身がねっとりと舌にからみつき、
どこまでも深く、限りなく豊かな「味」を堪能させてくれます。
まじまじと感じる「素材の良さ」。
2004年10月中旬 玉子そば 750円
2003年の春に出来たお店とのこと。渋谷駅の東口からほど近い場所にある。
店内はコの字型のカウンターのみで、店内のスペースをとても上手に生かしてレイアウトされている印象。
「秋」の演出なのか、カウンター上には「栗」と「柿」の実がなった小枝が飾ってあった。
メニューのトップには「味噌」系がずらりと並んでいるが、初訪問と言うことで普通の中華そばで味玉付きとなる「玉子そば」を告げた。
登場したラーメンは真っ白な器に、きれいな醤油色の透明なスープが注がれている。器の中にある麺の全容が見えるほどの透明度だ。大きめな味玉が存在感を放っていた。
スープをひとさじレンゲですくってみると、まさに息を呑むような非常に「美しい」ビジュアルのスープだ。素材をコトコトとゆっくり煮込み、丁寧に何度も灰汁取りをして、濁りを極力排除した、いわゆる「清湯スープ」の路線である。
見た目からの想像は「じんわり」とするふくよかな甘味のある鶏のダシを想像したが、一口飲んでみると、予想を超える結構強いインパクトのあるスープだった。
まず、最初の一口目は、スープ表面の油が舌を覆ってしまって、意外な油っぽさを感じたが、そのスープを飲み干した後には、舌の上にしっかりとした「重さ」と「キレ」のある醤油ダレの味がキラリと残る。そして、あざとい「旨味」や「甘味」を排除したような「引き締まった」ダシと複雑な香りが口中を満たす。
スープの出汁は、豚骨とトリガラに、カツオ節や椎茸を合わせたものらしいが、何口か飲み進んでゆくと、醤油ダレがかなりしっかりと濃いめに感じられ、しかも完全には火入れしていないような生醤油っぽさもちょっと残っていて、実に「深み+キレ」がある感じの味付けだ。店頭の建て看板に「濃口醤油」という文字があったのを思い出した。
スープだけ飲むと表面の油が多めに感じられたが、麺を食べ始めて、次第にスープがかき回されると、油も全体に回って適量になるように計算されているようで、麺を食べ始めてから先は、油の存在は適度に感じられた。
また、スープに揚げネギの姿は見当たらないが、かなり芳ばしい焦がしネギのようなコクのある風味が感じられたので、ひょっとして表面の油はネギ油なのかも知れない。
そして、何より驚いたのが「麺」であった。店頭にも書かれているように「自家製麺」なのだが、 これが今までに全く未体験な、実に「新食感」の麺なのだ。
細麺ストレートで、透明感のある白っぽい色、切り歯のカドが立った四角い断面、箸で持ち上げるだけでは特段のインパクトはなかったが・・・一口すすってみると、スープの油が絶妙にからみ、実に「ツルルン♪」とする素晴らしい滑らかさ、とても上品な軽さがあり、噛み締めるとその味わいは、小麦風味が豊かと言うよりも、クリアーで、実に極めて「無垢」な感じ・・・。
例えるならクリスタルガラスのような透明感があると言うか、まるで上質な「トコロテン」を連想するような、限りなく「透明」に近い食味だ。つまり、「小麦の練り物」っぽさが非常に希薄な食味なのである。
また、決して柔らかくはなく、キレがあり、良い意味でちょっとプラスチッキーな不思議な硬さがある。そのため、麺の四角い断面のエッジが生きていて、一層クリスタルっぽい食感に感じられるのだ。
一応、語弊のないように言えば、あまりに色が茶色っぽくて、強い小麦の風味がする麺は、「外皮」に近い安い小麦粉を使用した麺である。逆に、高価な小麦粉、上等な小麦粉になるほど、小麦の「芯白」に近い部分のみを使うため、白っぽく、ピュアで、野暮ったさのない、極めて上品な風味の小麦粉になる。つまり、小麦らしい強い「穀物風味」は、上質な小麦粉になればなるほど、むしろ洗練されて希薄になってしまうのだ。
日本酒などでも、「純米酒」、「吟醸酒」、「大吟醸酒」と、上のクラスになればなるほど、素材である「米」の風味は洗練されて、クリアになって、むしろ穀物としての「米らしさ」をほとんど感じさせなくなるのと同じだ。
そういう意味で、こちらの自家製麺も、非常に上質な小麦粉を使っているのは間違いないと思う。
また、店頭の看板によれば、地鶏の卵を練り込んでいるらしいが、黄身の濃い風味よりも、むしろ卵白をイメージさせられる「淡白さ」と「軽さ」がある印象だ。
ただ、かなり繊細な麺のようで、時間の経過とともに、結構伸びやすいようだ。最初の無類の食味が、終盤になるとちょっと普通の麺の食味に近づいて感じられた。そういう意味では、この「新食感」を完璧に堪能するためにも、意図的に早めに食べた方が良いと思う。
また、「具」に関してもまったく抜かりがない。肩ロースのチャーシューは、大きさ、厚みこそ普通だが、非常にしっかりとした肉質で、程よい歯応えが感じられるもの。味付けもしっかりとあるが、それよりも噛めば噛むほど、本来の「肉の旨味」が次々とあふれ出てきて、実に感心させられてしまう。「ぜひ肉質の違いを知って欲しい」というお店の声が聞こえて来そうな感じ。
むしろ、「ホロホロ」と崩れる柔らかい物ではどうしてもすぐに飲み込んでしまうため、心地よい口解け感は味わえても、「肉の味」のすべてはしっかりと楽しめないよと、教えられる感じ。確かに肉の味そのものの旨味をしっかりと堪能し切るには、これ位の歯応えがベストだと思う。
また、大振りの味玉も本当に「絶品」だ。味付けウンヌンの前に、その「素材」があまりにもずば抜けて「良質」という感じ。食べてみると、半熟の黄身が「ねっとり」と濃厚に舌にからみついて来る。そして、そのまま舌を動かさずにいると、それからの数十秒間、どこまでも深くて、限りなく濃くて、想像を超えて豊かな「味」を、これでもかという位に舌に堪能させてくれるのだ。まさに、こういう類の美味しさは、まじまじと感じる「素材の素晴らしさ」に他ならない。
さらに、小松菜が乗っているが、これもまた素晴らしい「素材の質」と「茹で具合」で、心地よいシャキシャキ感であり、実にほれぼれする歯切れの良さだ。そして、青菜特有の苦味や土っぽさが絶妙に残されていて、美味しい上に、口中を見事にリフレッシュさせてくれる。メンマはやや固めのウェット感のある食感だ。
とにかく、スープ、麺、具・・・・と、いずれも「素材」に関しては、すべて相当に上質のもので取り揃えている感がある。いわゆるチープな「業務用品」の匂いが一切しないのだ。
また、意外と「量感」があり、食べ終えるとしっかりとお腹にたまる感覚があった。
ただ、ちょっと気になったのは、醤油ダレが強く、スープが透明感のある外観からは想像できないほどに、複雑で、深く、強い味わいであることだ。あまりスープをからめそうにないストレートのツルツル麺なので、この位の強い味でないとバランスが悪いのだとは思うが、油を浮かせて口当たりに「丸み」を持たせてはいるものの、醤油ダレ自体はかなり「強さ」「鋭さ」「キレ」「深さ」のあるものだ。後味的にも、食べ終えてからかなり長時間に渡って醤油が舌に残った。
こちらのお店は2003年の春に開店したらしいが、こういったどこにも隙のない高いレベルのラーメンは、とてもではないが素人が1年や2年で作れるものではない。店主さんの前職は判らないが、おそらく和食系などの「プロ」の道を相当に長らく歩いて来られた方ではないかと思えた。
(麺は完食。スープは4割飲んだ。)
ホームへ
− BB!ラーメン&つけ麺 名店集 −
本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。
Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.
.