ラーメン&つけ麺食べ歩き
水明亭
(東京都 新宿区)
店名 ちゃんぽんの店 水明亭(すいめいてい) 住所等 東京都新宿区霞ヶ丘町11-2 【地図表示】 禁煙 タバコ可(灰皿あり) 訪問日 2006年2月中旬 チャンポン870円 + サービスライス0円
〜チャンポンの店 水明亭〜
(各写真はクリックで拡大します)
JR信濃町駅です。
外苑東通りに架かる歩道橋からパチリ。
お店はここから徒歩3分ほど。
歩道橋の逆側の景色。
真っ直ぐ行けば「青山一丁目」交差点です。
遠くに青山ツインビルが見えます。
神宮外苑の案内図がありますた。
ふむふむ・・・絵画館や東京体育館、
国立競技場や神宮球場も。
神宮外苑は冬でも緑が鬱蒼と茂る
外界と隔離されたような独特なサイレントムードを持つ世界。
お店はこの神宮外苑の「静かなる杜」の中にあります。
テクテク歩いて約3分・・・お店の看板を発見しますた。
都営大江戸線の国立競技場駅から徒歩約1分、
JR千駄ヶ谷駅からも徒歩約4分の距離。
道路を入ること数十メートル・・・。
うむむ・・・鬱蒼と茂る木立の中に忽然と佇む一軒の建物。
まさに都心のトワイライトゾーン・・・「知る人ぞ知る」お店でしょう。
手前に見える扉はダミーと言うオチも。
ぐるりと奥へ回ってこちらが本当の入口。
横に「営業時間AM11:00〜PM2:00」と書かれていました。
既にこの地で創業四十年以上とか・・・。
いざ、店内へ突撃です。
開店と同時の一番乗りでした。
白一色の壁やテーブル、パイプ椅子など・・・
どこかしら社員食堂風(?)
店内の太い柱や梁に時代を感じますな。
梁に並んだメニュー。
他に、「餃子400円」、「ビール460円」なども・・・。
トーゼン、「チャンポン」を注文しました。
食券も懐かしいプラスチック製。
「サービスライス」も付けて頂きました。
神宮球場が近いせいか
プロ野球の有名選手の色紙がズラリ。
このガラス壁の向こうが厨房のようです。
2006年2月中旬 チャンポン870円 + サービスライス0円
お店の雰囲気もチャンポンの味も、まさに「昭和」のイメージ。
おそらくは40年以上前の創業時から・・・
一切レシピを変えていないかのような・・・とても「素朴」な味に心打たれます。
その素朴で自然な味こそが、まさに長崎の「郷土料理」のイメージ。
ちゃんぽんの「ルーツ」の味に近いんじゃないでしょうか。
どこかしら温かい「家庭の味」、懐かしい「オフクロの味」にも
通じるものがあるようにも思います。
横から見るとこんな感じ・・・。
平皿に近いお皿に野菜や具が「てんこ盛り」。
笹切りの竹輪が見てるだけで楽しい。
溶け込んだ野菜の旨味がキラキラとまたたくスープ。
塩気や出汁が控えめな「あっさり」「まろやか」な優しい味です。
後口に残るのは砂糖の甘さですな。
フカフカする柔らかな口当たりの丸太麺。
大量の野菜や練り物と渾然一体になって
「麺」も「具」の一つとして位置している感じ・・・。
2006年2月中旬 チャンポン870円 + サービスライス0円
神宮外苑の閑静な森の中に佇む創業40年以上と言う「チャンポン」の老舗店。
信濃町駅で降り、てくてくと神宮外苑を歩いていると、神宮外苑は冬でも緑が鬱蒼と茂る外界と隔離されたような独特なサイレント・ワールド。都心とは思えないほど閑静で、すれ違う人も少なく、時が停止したかのような不思議な空間だ。
お店は、広い道路から数十メートルほど木立を入ったところに佇むコテージ風のエキゾチックな一軒家である。事前に知っていたつもりでも、やはり「え?こんな場所に・・・」と思ってしまう。営業は昼の3時間だけと言う、ある意味「難関」のお店でもある。店の周辺には10台程度の駐車スペースがあるが、敷地入口に遮断機があって時間制の有料駐車場になっている。
入店してすぐ右手にあるカウンターで食券を購入するシステム。美味しい「チャンポン」と「皿うどん」で知られていると言う事で、長崎料理のお店のようだが、他に簡単な定食物もある。が、ラーメンはない。雰囲気や接客は町の大衆食堂やどこぞの社員食堂のそれに近いと感じられた。
チャンポンは、平皿に近いお皿に野菜や具が「てんこ盛り」になって登場した。
一口スープを飲んでみると、一口目は割と味が濃いめに感じられた。しかし、食べ進むうちにタップリの野菜とスープが混じり合う事で、野菜の水気でスープが溶き伸ばされ、素晴らしく「あっさり」「まろやか」なスープへと変貌していった。
砂糖によると思われるはっきりとした甘味があるため、後味「すっきり」とまでは行かないが・・・塩気が控えめなのでともかく食べやすい。
濃い味に慣れている人にとっては味付けが「優しすぎる」「大人しすぎる」と感じるかも知れないが、昨今のラーメン専門店などのスープと比較すれば、そもそも出汁をとるという観念があまりない感じで、野菜や具から染み出す旨味で食べさせる事を意図しているイメージだ。化学調味料は使っていないのか、極々少量なのか、その存在は感知できず、僅かな塩とやや多めの砂糖により味を整えているイメージである。
麺をすすってみると「プルンプルン」と柔らかく動き、噛んでみると「フカフカ」していかにも小麦密度が軽いタイプ。
しかし、何より麺と同量かそれ以上に野菜と具が多いため、「麺」単体をツルツルとすすれる感じではなく、常に多めの野菜や練り物類と一緒に頬張って食べる感じになる。器の中では、麺も、キャベツも、モヤシも、竹輪も、さつま揚げも、イカも、豚肉も、カマボコも・・・・「全員が主役」「全員が平等」と言う印象を受ける。そのため、「麺」料理と言うよりも、汁気がタップリの野菜炒めを食べるイメージにも近い。
野菜は「シャキシャキ」と「クタクタッ」の丁度中間位の歯応えに熱が通されていて、歯応えと食べやすさが両立している。
普通ならこれだけ野菜を入れると、強めの「塩気」によって味を調律しようとするところだが、こちらのは全く逆で「砂糖」によって味をまとめ上げている感じ。甘いスープはちょっと・・・と言う人は、本来は皿うどん用だと思うのだが、卓上の「酢」を入れると甘めの味が引き締まる感じになりよく合うと思う。またショウガの千切りが少量入っていて、ピリリッと味を引き締めている。
たっぷりの野菜の合間に、豚バラ肉の小さなこま切れやイカなども入っているが、量的には控えめであり、あまり印象には残らなかった。「竹輪」や「さつま揚げ」なども普通に市販されているレベルの物のように感じられるが、普段、ラーメンを食べていてもまず出会わない種類の具なので、なかなか楽しい。
私は「長崎チャンポン」はあまり食べた経験がないので、この「ちゃんぽん」が本場の味なのかどうなのかは判らないが、本場の長崎県では料理の味付けとして「砂糖」「甘味」がとても重要視されているらしい。
また、場所柄か、店内にはプロ野球の有名選手の色紙がズラリと飾られている。スポーツ後の疲労した体は生理的に甘いものが欲しくなると言う。
そう言う意味では、こちらのチャンポンの甘めのスープは、本場長崎の伝統を頑なに守った味と、神宮と言うエキスパートな顧客ニーズが求める味が、偶さか(たまさか)一致した千載一遇の結晶のようにも思えて来る。
そして食べ終わって感じた事は、おそらくは創業時から40年以上・・・一切レシピを変えていないかのような・・・何とも「素朴」な味である事だ。
その素朴さが気取らない「長崎の郷土料理」を感じさせるとともに、どこかしら温かい「家庭の味」、懐かしい「オフクロの味」にも通じるものがあるようにも思う。
実際、壁で仕切られた厨房からは30〜50代と思しき4〜5人の女性スタッフ達が仲良く調理する賑やかな声が聞こえて来る。
気が付けば、いつの間にかスープまですっかり完飲してしまっていたことに気付き、「さすがに40年の歴史は伊達じゃないな・・・」と思う。
まるで「昭和」の時代へタイムスリップしたかのような懐かしく素朴なチャンポンを食べ終え、お店を出ると、再び神宮の深い杜の不思議なサイレント・ワールドが広がっている・・・・。
まさに「非日常」の世界。ちょっとした「トワイライト・ゾーン」を体験したような気分にさせてくれるお店だ。
(麺は完食。スープも完飲。)
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