ラーメン&つけ麺食べ歩き
シャリ
(千葉県 市川市)

店名 和風ラーメン シャリ(しゃり)
住所等 千葉県市川市市川1-2-8 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2007年5月中旬 醤油らーめん 600円 


〜和風らーめんシャリ〜



「五月晴れの青空」が広がり、川風が優しく頬をなでる・・・
気持ちのいい春の一日。

目の前を流れる川は、東京都と千葉県の県境でもある「江戸川」です。
今からこの「市川橋」を歩いて渡り、いざ市川の街へ。






江戸川河川敷は、草野球のメッカでもあります。
本物の「土」と「芝」のグラウンドに、なぜか心がホッとする・・・・。

遠くに見える2基の大型クレーンは・・・市川駅南口の再開発で
建設中のツインタワー型の超高層マンション。

右手にはJR総武線の鉄橋が見えます。






長〜い橋を渡り切ると・・・・
「ようこそ千葉へ」の白い看板が出迎えてくれます。






江戸川を渡って、さらにテクテク数百メートルほど歩くと、
JR市川駅の「北口」に到着しました。
逆側「南口」の一帯は大規模再開発中だそうな。






市川駅の北口の高架線路の脇に沿って伸びる路地。
左手に「シャリ」と書かれた白い看板を発見。






白い小さなノレンが春の風にそよいでいます。
JR市川駅から徒歩1分、
京成線の市川真間駅からも徒歩4分ほどの場所。






店内はカウンター席のみです。
実に飾らない質実な造り、アットホームでノスタルジックな雰囲気。
厨房には「浅草開化楼」の麺箱。






卓上に置かれたメニュー。
「醤油らーめん」を注文しました。






「ゴトトーン、ゴトトーン・・・・」、JR総武線に乗った帰り道。
江戸川を越える際に、先ほど徒歩で渡った「市川橋」が良く見える。










2007年5月中旬 醤油らーめん 600円
(この写真はクリックで拡大します)



うーん・・・・パーフェクト。
こと、「煮干系和風ラーメン」では、
全く他を寄せ付けない素晴らしい完成度でしょう。

全く見えない・・・・「抜刀の瞬間」。
知らぬ間に・・・・バッサリと、「美味の一太刀」を浴びてしまう。
これぞ、まさしく・・・・美味しさの「居合い術」。

この一杯に・・・・どれだけの気持ちと時間、
どれほどの技量とセンス・・・・が詰まっていることか。
業界屈指の「技巧派ラーメン」「プロの造る一杯」・・・と言う印象です。









まるで・・・レーダーに映らない「超音速ステルス爆撃機」のような旨味の侵入速度に驚愕。
しかも・・・舌へ着地する寸前、「クルクルッ」と二回転「宙返り」&「ヒネリ」の超高等演技・・・・に舌を巻く。
まさに、「ムーンサルト」の、特別技術点が加算される感覚。






丸太で、口当たりが柔らかく、モチモチとして、非常に人なつっこい感じの太麺。
「ゆったりと寛げる」「ホンワカ癒される」・・・・美味しさ。
まさに「教本」の如き、パーフェクトな麺の扱いと見事な茹で加減です。




2007年5月中旬 醤油らーめん 600円 

千葉県のラーメン激戦区の一つである「市川市」。その激戦区で2001年創業、今や同市を代表する名店の一つとして評判の高いお店。
JR総武線に乗ってお店へ向かったのだが、この日は文字通りの「五月晴れ」の青空が広がり、非常に天気が良かったので、敢えて市川駅の一つ手前のJR小岩駅で下車し、蔵前橋通りをテクテクと歩き、県境となる江戸川に架かる「市川橋」を歩いて渡ってみた。大きな江戸川の水面が春の日差しを浴びてキラキラと眩しく光り、気持ちの良い川風が頬をなでる。

長い橋の袂(たもと)に着くと、「ようこそ千葉へ」の大きな白い看板が出迎えてくれた。
江戸川を渡って数百メートル歩くと、JR「市川駅」である。ちなみに市川駅の南口側は再開発の真っ最中のようで、ツインタワー型の超高層マンションを建設中のようだ。
お店はその市川駅の北口の「駅前」と言える場所、高架線路の脇に沿って伸びる路地に面している。

入店すると、客席はカウンター形式で、実に飾らない質実な造り、デザイナーが設計したようなコジャレた内装ではなく、マンガ雑誌も積み上げられ、さながらアットホームでノスタルジックな雰囲気に満ちている。店主氏は「中華」と「和食」の道を歩いて来られた方だそうだ。見ていても調理の手際の良さが光る。
冷水ポットの中の「水」を飲んでみると・・・・これが、非常に美味しくてびっくりした。水差しの中に備長炭でも入っているのかと確認したが、そのような事はなく・・・・何か浄水器を使っているのか・・・・とも思ったが、この直後に市川市でもう一軒ラーメン店へ伺ったところ、そこの冷水も同じような「浄水感」のある驚くレベルの美味しさだったので、おそらくは市川市に給水している「浄水場」の能力が非常に優れているものと思われる。

ラーメンは・・・・・店名に冠される「和風」をイメージしたと思しき、うどんや蕎麦等に良く使われている「玉丼」タイプの器で登場した。
それはある程度予想していたのだが、それに反して、添えられたレンゲが洋食風の「ステンレス」製であったのには少々意表を突かれた。

しかして、スープを一口飲んでみると・・・・・
「ん・・・・」「んん・・・・?」「う・・・・おぉ・・・・?」
一口スープを飲んでみると、その直後、まるで一瞬、時空が「ワープ」したのかと錯覚するような不思議な「幻覚感」に襲われた・・・・。

そして、さらに数秒後・・・・・「うーん・・・・?」「な、なんとも・・・・」「や、やるなぁ・・・・」と言う驚き・・・・に包まれる。
食べ歩きを趣味にしている人であれば、誰しも一口目のスープを舌の上に置く瞬間は、まさに「いざ」と言う気持ちに溢れ、どんな細かな味も、どんな小さな情報も・・・・見逃すまいとして、最も神経が研ぎ澄まされている瞬間だと思う。
ところが・・・・こちらのスープ、その最高感度で差し出したはずの私の舌をスルリと容易にすり抜け、一閃、瞬間移動の如く、「スッ・・・・」と背後へと移動してしまった。
しかし、気づけば・・・・私の舌の根には、「バッサリ・・・」と見事な「太刀筋」(美味)の鮮やかな痕跡が・・・・くっきりと残っている。一瞬にして、冷や汗である・・・・。

まるで・・・・・「居合い」である。
江戸時代の剣術の試合で言えば、居合いの達人と立ち合うかの如き心境・・・・。いざ「始め」の合図で、こちらが剣を構えようと腕を動かす間に、刀を交えようと一歩前に出る間に・・・・目の前にいたはずの相手が、気づけば自分の後ろに瞬間移動している。
一瞬、わずかに肩が触れ合ったような感触はあったものの・・・・次の瞬間、「ハッ」と、自分の懐の深い位置にバッサリと見事な一太刀を浴び、烙印にも似た「美味い」と言う感覚が舌に焼き付いてしまっている事に気付く・・・・。
「あれ・・・・一体、いつの間に味合わされた(斬られた)んだろう?」・・・・と唖然としてしまう。

あれほど舌先に神経を集中させていたのに・・・・「抜刀の瞬間」が全く見えない・・・・「斬られた瞬間」が一向に判らない・・・・のだ。
過去に食べて来た幾千のラーメンとの「立ち合い」「対峙する」中で、相手の「太刀筋」はともかく、「抜刀の瞬間」さえ、見せてもらえなかった経験は実に初めてである。
「ううむ・・・・やるなー・・・・」と嬉しさ半分、畏敬の念半分・・・・こちらの店主氏、相当の「使い手」とお見受けしてしまう。

そして・・・・他のお店のスープであれば、続いて二の太刀、三の太刀が続くところなのだが・・・・それが「来ない」のにも驚いた。
そもそも「居合い」とは、一の太刀に全身全霊を注ぎ込み、「鞘離れの一刀」で勝負を決める剣技なのだそうだが、この感覚は・・・・まさに「それ」である。決して「打ち合わず」、決して「長引かず」・・・・ただ「一刀」の元に・・・・一瞬で「勝敗」を決せられてしまった気分だ。

気持ちを引き締め、さらに一層できるだけ味覚神経を集中させて、二口目のスープを味わってみた・・・・・が、再び、味が立ち上がるタイミング、その「抜刀の瞬間」がまったく見えず、「相手の動作」がどうしても読めず・・・・これから味がやって来るのかと思っていれば、実はとっくに胸元深くを「ズバッ・・・・」と斬られてしまっていて、一瞬で勝敗が決してしまう。相手は既に、私の後方に移動し、刀を鞘に納めてしまっている状態だ。

まるで・・・・レーダーに映らない「超音速ステルス戦闘機」のようでもある。
レーダーがいくら頑張っても探知できず、ハッ・・・・と気づけば、領土の遥か奥深くまで容易に侵入され、核心部へ「一撃」をくらってしまっている。
明らかに私より「上級者」を相手にしている感覚・・・・このスープの前では、私の舌など、まるで「赤子」のように翻弄されてしまう気分だ。

そして、さらに・・・・まだまだ「驚き」は続いた。
一口目は、その「居合い」の如き驚異の抜刀術に度肝を抜かれ、あまり意識できなかったのだが・・・・・こちらのスープ、舌へ着地する寸前に、舌の上で「クルクルッ」と二回転くらい体を軽やかに「宙返り」させ、さらに「一ヒネリ」の高等演技が加わる感覚がある。
思わず、「お見事・・・ッ」と声に出して言いたくなるほど、鮮やかに姿勢をひるがえす身の軽さ、オリンピック体操競技の「鉄棒」の降り技で言う、「ムーンサルト」の演技を見るような感覚・・・・「二回転&一ひねり」の特別高等技術点が加算される感覚だ。

もしくは、「ボリショイサーカス」か、「中国雑技団」の花形演技を、最前列で堪能した感じか・・・・空中ブランコから手を離し、華麗なるスピードでクルクルッと空中回転をしてから、ストッと見事に着地し、両手を挙げてニッコリと笑顔を見せる・・・・そして舞台裏(喉の奥)へと消えて行く感じ・・・・なのだ。
この素晴らしい「着地感」に比べると・・・・他店の多くのスープは、まるでマネキン人形を放り投げたかのように、手足が動かず、無演技、無表情で、ドタッ・・・と硬直したまま、「味」が地面に落ちてしまうイメージ・・・・だろうか。
うーん、こんなスープを作る人がいたのか・・・・やはり世間はまだまだ広い・・・・と、すっかり感激してしまった。

それにしても、果たして、何をどう作れば・・・・こう言う「アクティブ・ホーミング」な驚異のスープが出来上がるのだろうか・・・・。
素材としては、鶏ガラと煮干などが中心で、カツオも使われているようだが、豚骨はあまり沢山は使われていないようだ。特に、「煮干」の旨味、エグ味、苦味、酸味・・・・が順番に姿を現し、そして最後にはそれらがスパイラル的に絡み合う様子が最高に素晴らしい。

そもそも豚骨主体の動物系乳化スープでは、こう言う味が刻々と交錯し変化するアクティヴなスープは作れないと思う。牛や豚などの大サイズの生き物は、得てして「大味」になりがちである。
こちらのスープは・・・・イワシ等の小サイズの生き物に特有の細かな「ミニチュア的複雑さ」のあるスープ独特の何とも言えない「ヒネリ」が加わっている味なのだ。
そして、私が思うに・・・・「煮干系ラーメンスープ」に必要なのは、ズバリ、この「ひねり」なのだと思う。
素材本来の「生の響き」を持つアコースティックな旨味でありながら・・・・単調ではないこの絶妙な「ひとひねり」「ふたひねり」・・・・・に夢中にさせられてしまう。

さらに、魚の「ナマ臭味」が絶無なのも感服に値する。魚の扱いの下手なお店が魚を使いすぎると、青背魚特有のナマ臭さが出ている事が少なくない。また、魚介系の和風スープは、長時間加熱すると風味が飛びやすいのだが、その点も、こちらのスープはフレッシュで疲れた感じが全くないのもいい。
醤油ダレも、ナマすぎず&煮詰めすぎず、明るすぎず&暗すぎず・・・・火入れにより香りがほど良く消えかかり、しかし、完全に飛んで消えてしまうギリギリ直前・・・・を完璧に見切っている感じ。そしてその素ダレが絶対に「一人」で表に出ず、常にダシと「二人羽織」を演じるかのように、一分の狂いもなく影にぴったりと寄り添っている。
まさに、パーフェクト・・・・。こと、「煮干系和風スープ」では、私が過去に食べた限りにおいて、最も「成功」しているスープだと思う。

ただ、すべてがナチュラルと言う訳ではなく、少量だが化学調味料は使われているようで、チラチラと舌先で仕事をしている感じは受ける。
また、味の上ではあまり目立たないが、「油」もそれなりに使われていて・・・・唇周りが油でペトペトする感じもあり、後口にほんのりとした甘味が残り、後を引く。

一方の「麺」だが、厨房に置かれた麺箱によれば、「浅草開化楼」の麺を使っているようだ。
一口、食べてみると・・・・丸太で、口当たりが柔らかく、モチモチとして、非常に人なつっこく、本当に食べ手の幸福だけを考えてくれているような・・・・「ゆったりと寛げる」「ホンワカ癒される」美味しさである。硬質な極太麺のようにアゴが疲れることもなく、かと言ってデリケートな細麺のような神経質なところもなく・・・・脅迫感や、切迫感、威圧感、神経質感・・・・等が絶無なのだ。それでいて、玉子も使われているようで、カンスイ臭がなく、モチモチとしている。
今はなき「東池袋大勝軒」の美味しかった玉子麺を少々細くしたイメージであり、こと、「中太麺」のジャンルに於いては、私の好みのズバリど真ん中を射抜かれる想いだ。

浅草開花楼の麺と言うと「太麺」ジャンルにおいては、今や押しも押されもせぬ不動の人気ブランドであるが、一方で私の訪問したお店の限りにおいては、推奨茹で時間の半分も茹でていないかのような・・・・やたらと「固ゆで」の状態で提供して来るお店と出会ったりする事がある。きちんと茹でない限りデンプン質がアルファ化しないので「麺の旨味」も出て来ないし、カンスイが抜けなければ胃にも悪い。まるでナマのモチを食べているような硬すぎる食感の麺を出されて閉口した事もある。
当然だが「固茹で」と「ナマ煮え」とは全くの別物である。そう言うお店は、せっかくの「ブランド麺の良さ」を殺しているとしか思えないのだが、こちらのお店は、まさに「教本」の如き、パーフェクトな麺の扱いと見事な茹で加減に感じられた。

チャーシューも肉の旨味とタレの旨味が完璧に一体化し、マリアージュした見事な美味しさ。
しかも、「ハラリ」「ホロリ」と、柔らかくほぐれながらも・・・・フチの部分には絶妙に「カパカパ」と乾いた感じがあるドライ&ウエットな食感。なぜか「昭和」のペーソスと郷愁を感じるレトロチックな口当たりだが、これがまたこのラーメンのノスタルジーな全体像の中にマッチし、抜群に美味しい。以前に食べた「のざわ屋」(新宿区)のチャーシューを思い出した。
思わず、これこそが、そもそもラーメンに乗せるべきチャーシューの「真の姿」「あるべき姿」であると・・・・改めて教えられる気分だ。昨今の「炙りチャーシュー」や「ふっくらトロトロチャーシュー」は、単品料理としては優れている美味しさかも知れないが、ラーメンの持つ「下町のご馳走」「大衆食のイメージ」には相容れないような・・・・気にさえさせられてしまう。

玉子も見事に舌の上でトロける柔らかさ。「ネッ・・・トリ」と舌にからみ付く黄身の旨味がダシ汁と混じり合いながら口中に広がってゆく様子は・・・・「筆舌に尽くせない」美味しさだ。スープの濃度や味付けと、この黄身の相性の「一致度」がアンビリーバブルな素晴らしい美味しさへと昇華している。
メンマは・・・・見た目からして水分でプクッと膨れ、とても柔らかそうだ。実際に食べてみると、表面こそ「フニフニ・・・」とする柔らかめの歯触りなのだが、歯を入れると「クニッ、クニッ」とする小気味良い歯応えがあり、変に粘る事のない歯切れの良さがある。そして中には「旨味のエキス」がドッサリと詰まっていて、これまた素晴らしい美味しさ。
味付けが濃いと言うのとは次元が違い、美味しさの素であるダシの旨味が見事なまでに内包されていて、まるでメンマ一本一本の中に、ダシの旨味が真空パックされているかの如き印象だ。「含め煮」の調理法を連想してしまう見事な「プロの技」である。
そして、味のアクセントとして唐辛子の粉片がまぶされ、ピリッとする微細な辛味の刺激が見え隠れする。

微塵切りされたネギが、麺をすすると歯触り良く紛れ込み、その「シャリシャリ」とする可愛らしい食感が、食感と香りの両方で、スープの美味しさを「倍増」させる絶妙なアクセントになっている。ドロッとしたゼラチン濃濁スープだと、ネギは厚めの小口切りが一番合うと思うが、逆にこう言うあっさりとした透明感のあるスープには、この細かな微塵切りは、実に秀逸なアィディアだ。
単にネギを微塵切りしただけ・・・・と、軽く考えがちだが、これが毎日に何十杯分ともなれば、大変な作業量になる。本心から「美味しさ」を追求している人でなければ、こう言う面倒な作業は決してしないものだ。

食べ終わってみると・・・・実に他店十軒へ訪問した分くらいの「良い勉強」をさせて頂いた気分になってしまった。
まず、何より「煮干」の持つ真の魅力を教えてもらえた。一口に「煮干」とは言っても、「アジ干し」、「サバ干し」、「アゴ干し」など、いろいろある訳だが・・・・それらをやたら混ぜ合わせるのではなく、この味はズバリ、「カタクチイワシ」の味を100%前面に出しているところが実にイイ。
「片口いわし」の味・・・・これぞ、「下町大衆の食卓っぽさ」「昔日のレトロっぽさ」「庶民のごちそう的ペーソス感」の王道であり、同時に、ズバリ「日本人のソウルフード」そのものである。おそらくは、この味・・・・昔からのラーメン大好き人間の中には、「この味、この味こそが真のラーメンだ」と言う人も決して少なくないと思う。

煮干スープに、モチモチした丸い中太麺と言うと「永福大勝軒」の味を連想しがちだが、こちらは「ラード」がない分、非常に味が優しく、あっさり感が活き、旨味がストレートに舌に届いて来て、ダシの機微が伝わって来る。味に「ひとひねり」ありながらも、透明感があり、クドさがない。
まさしく・・・・頬をなでる「五月のそよ風」のような柔らかさ、透明感があり、足取りが非常に「軽やか」・・・・何の違和感もなく、スルッと喉に落ちてゆく。

それにしても、決して力づくで一方的に「押しまくる」のではなく、相手が一歩押せば、一歩引き・・・・相手が一歩引けば、一歩押す・・・・その「間合いの取り方」、「合い気の上手さ」に、飲めば飲むほど感心させられてしまう。
まさに、「力」ではなく、食べ手の呼吸や思考を読み、相手とのやり取りや、掛け合いの出来る「技」と「合気」で食べさせるラーメンだ。

そして・・・・何より、数々の構成要素のすべてが、見事に「シンクロ」している事に驚きを禁じえない。すべてが本当に良く「まとまって」いて、一つとして「いじりようがない」のだ。
食べれば食べるほど・・・・・ この一杯に、どれだけの気持ちと時間、どれほどの技量とセンスが詰まっていることか・・・・業界屈指の「技巧派ラーメン」「プロの造る一杯」・・・・そして何より、「ラーメンを真に理解している人の仕事」であることを確信させられる。
おそらくは、この先10年、20年経っても・・・・このジャンルとして、一切「いじる必要のない」完成形の域に到達している一杯とさえ思える。


(麺は完食。スープも完飲。)









【本日のベストセラー・チャンネル】
(クリックで画面が切り替ります)

 (1ch)最新メガヒットCD集  (2ch)話題の感動書籍集  (3ch)人気ラーメン本集




ホームへ


− BB!ラーメン&つけ麺 名店集 −



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。

Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.


.