ラーメン&つけ麺食べ歩き
燦燦斗
(東京都 北区)

店名 らーめん つけめん 燦燦斗(さんさんと)
住所等 東京都北区中十条3-16-15 【地図表示】
禁煙 タバコ分煙(待ち席は可)
訪問日 2006年12月上旬 らーめん 650円




〜燦々斗〜



JR京浜東北線の「東十条駅」北口です。
「燦燦斗」へはここから徒歩1分弱。






お店に到着しました。
まさに「知る人ぞ知る・・・」ような隠れ家的立地。
このままもう少し坂道を下りると、JR京浜東北線の線路脇に出ます。






赤い看板が目印。
シックな引き戸に海老茶色のノレンがかかります。






営業時間と定休日。






店内はカウンター形式で、どこかしら小料理屋風。
冷水の入ったヤカンが並びます。






店主さんの調理の様子は、素晴らしく静謐(せいひつ)で、非常に丁寧。
「木枠」の「窓」が懐かしさを演出します。






ほう・・・シンプルなメニュー構成ですな。
「らーめん」を注文しました。会計は食後の手会計です。






裏面には「飲みもの」と「おつまみ」の表示。
「むむ・・・3310って何・・・?」
と思ったら、「さんさんと」と読ませるんですな。






客席の背中側には製麺機が鎮座。
木枠のガラス戸が、ノスタルジーを煽ります。










2006年12月上旬 らーめん 650円
(この写真はクリックで拡大します)



どこか、ノスタルジーを感じさせる年代調の店構えとは裏腹に・・・
提供されるラーメンは、かなーり「最先端の味」。
このギャップが楽しいですね。

まるで力強い絵筆のタッチで描かれた「極彩色の油絵」のように・・・
ビビッドで、輪郭の「クッキリ」とした味わいです。

背後に、食べ手の舌を見事に攻略してしまう、
非常に高度な味の設計図を感じます。









熱々のスープは、見事に整った味の輪郭が「キッチリ」と強く浮き出るとともに、
まるで「活火山」のような・・・・「エネルギーの噴出感」がある。
曖昧さが一切なく、「ガツンッ」と力強いパンチのある積極的な旨味は、
がっつり太麺を「勢い良く食べさせる」ベストなチューニング。






自家製の太麺は、卵白粉を感じさせる「ツルツル、コツン」とする食感。
特に表面は「磨き込んだ」ようにツルツルで、スープの多めの油が絡んでとても滑らか。
見た目はストレートでも、食べると5cm置き位に「節」があるような印象も・・・。






歯が食い込む過程が如実に伝わって来て、「噛み潰す」感覚が楽しめる太麺。
なかなかガッツリとした「歯応え」が堪能できながらも、
決して硬すぎる茹で方ではないのも好印象。




2006年12月上旬 らーめん 650円

2006年9月創業、千葉県にある有名な「らーめん寺子屋」ご出身の方が営むお店らしい。
お店はJR東十条の北口から徒歩1分ほどと非常に便利な場所でありながらも、かなり狭めの路地に面しており、渋めの小料理屋のようなシックな佇まいだ。
去年辺りから流行の兆しを見せてきた「隠れ家系」「路地裏系」のラーメン店と言えるだろうか。

店内はカウンター席のみで、厨房が広めに取られた「本格派」の造作。客席の背中側に待ち客用の席と製麺スペースがあるのだが、製麺スペースは木枠のガラス戸で仕切られていて、どこかノスタルジーな雰囲気を醸している。
訪問時は店主氏お一人で切り盛りされていたが、調理の様子は素晴らしく静謐(せいひつ)で、決してバタバタせず、非常に正確&丁寧な印象だ。
「らーめん」にするか、「つけめん」にするか少し迷ったが、メニューでは「らーめん」が上段に書かれていたので、ラーメンを注文した。

しばし後、登場したラーメンは・・・・一瞬、「カレーラーメン?」と見紛うような「ターメリック調」の橙色を帯びた色合いをしている。
まずは、レンゲでスープを飲んでみると・・・・・表面に浮いたやや多めの脂で適度なコッテリ感があり、かつスープがかなり「熱々」なので、一口目から実にインパクトがある。
動物系の旨味もタップリと乗り、厚みのあるスープであるが、加えて魚節や煮干が「舌の一点」に向けて、力強く、かつ、鋭角的に焦点化しながら、「ドリル」のように舌の奥、喉の奥まで突き進んで来るような・・・・何とも「力強い味」である。
これほど、魚介の風味が強烈と言う事は、表面の油は魚節や煮干を使った香味油なのだろうか?

そして何より・・・・特徴的なのは、スープの「熱さ」とともに、まるで「活火山」のような「エネルギーの噴出感」があるスープだと言う事だ。
この煮えたぎるような・・・・沸騰するような・・・・舌に沸き立つ「エネルギッシュさ」が非常に印象的であり、太麺を、「勢い良く食べさせる」にはベストなチューニングだと思える。実際、ツルッとしたストレートの太麺にも拘らず、油とスープが良く絡んで来る。
ジワジワと始まって、次第に味が立ち上がり、完飲に至らせると言うタイプではなく・・・・一口目から、強烈な旨味と濃密なパンチを伴って、「ドカッ」、「ガツンッ」と味が舌に乗って来るタイプのラーメンが好きな人には、大いに支持される味だと思う。

ただ、その力強さを出すためか、塩気はやや多めに感じられ、また、化学調味料や加水分解調味料(蛋白加水分解物)類なども駆使して積極的に旨味をブーストアップさせているとおぼしき味であり、一口毎に非常に「明確に」味が際立ち、整った味の輪郭があまりにも「クッキリ」と強く浮き出て来る。これなら・・・・どんな人でも「味の物足りなさ」は実に絶無だろう。
言うなれば、こちらのスープ・・・・イメージとしては、繊細であっさりとした「水彩画」ではなく、ビビッドで力強い絵筆のタッチでクッキリと起伏を付けて描かれた「極彩色の油絵」と言う印象だろうか・・・・。

自家製麺の太麺は、卵白粉を多めに使っているとおぼしき「ツルツル、コツン」とする食感。
特に表面は「磨き込んだ」ようにツルツルで、スープの多めの油が絡んで、一層の「滑らかさ」を生んでいる。見た目はストレートなのだが、食べてみると5cm置き位に「節」がある感じで、その部分で折れ曲がりながら、口に入って来るような不思議な印象がある。

噛むとモニモニとするが、結構太い芯が残されている感じで、モチモチと粘る感じではなく、噛み潰すような食べ方になるが、噛み切る際の歯の食い込む過程が伝わって来てなかなか楽しめる。太麺を次々に「噛み潰しながら」・・・・食べるのが好きな人には、大いに喜ばれそうだ。
がっつりと「歯応え」が堪能できながらも、それでいて、最近良く出会う「生煮え?」と疑いたくなるような・・・・硬すぎる茹で方ではないのは好印象。
この歯応えのある太麺には、今のパンチのあるスープはバランス的にも実に良いマッチングだと思う。

チャーシューは、ややしょっぱめの味付けで、肉汁の豊富なジューシーなタイプではなく、「カパカパ」と乾いたドライな食感だった。そして、ワイルドな風味と言うか・・・・豚肉の「生々しさ」が残って感じられ、特に脂身に強いクセがある感じで、たまたまとは思うが、少しだけ豚肉の臭みが感じられた。
メンマは繊維感が細かいながらも、繊維がくっついた感じがなく、「ジョキジョキ」と良くほぐれる物で、味付けは薄目だった。

食べ終わってお店を出ると、後味は決して「あっさり」という訳ではなく、使われている旨味が強い分、どうしても舌や唇の周りに多少の調味料の後味がまとわり残る感じはある。
スープだけでなく、「油」にもかなりの「味」が付けられている印象で、食後も、その油が唇周りにピトピトと残ってしまうのだが、煮干の風味が強いこの油を、むしろ「アフター」として楽しむ人もいるかも知れない。
また、がっつりとした太麺が胃の中でゴツゴツと言っている感覚が残るが、その分、腹持ちが良いとも言えるだろう。

食べる前は、どこか年代調のノスタルジーを感じさせる店構えから、懐かしい「中華そば」系のラーメンが提供されるのかと思っていたが「さにあらず」であった。
背後に、現代のラーメントレンドを完全解析した上で、最新の「ノウハウ」と、百戦錬磨の「タクティクス」を投入したかのような・・・非常に「高度&優秀」な味の設計図の存在を感じさせられてしまう。
特に「ガツンッ」と来る旨味の豊かなスープも、「がっつり」とした太麺も、多めの「油」の味付けも・・・まさに「今のラーメンの流行」や「最近の若い人の嗜好」をつぶさにリサーチして生まれたラーメンという印象を受けた。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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