ラーメン&つけ麺食べ歩き
蘭蘭 サンシャイン通り店
(東京都 豊島区)

店名 中国家常菜 蘭蘭 サンシャイン通り店(らんらん)
住所等 東京都豊島区東池袋1-28-4-3F 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2004年10月下旬 担々刀削麺 800円 
2004年11月中旬 鴨、野菜塩味刀削湯麺 980円



〜刀削麺 蘭蘭 サンシャイン通り店 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
池袋駅東口から徒歩5分ほど。
東急ハンズの裏手です。
「桂花ラーメン」の斜め向かい。






お店はビルの3Fにあります。
看板では「中国酒家」となっています。






営業時間。
深夜3時までOK。
刀削麺は「土・日」限定ですぞ。

「麺の達人来日」 Σ(゜o゜)!






エレベーターを降りると
ランチメニューが貼られています。
スープと杏仁豆腐は無料サービス。






テーブル席のみでカウンター席はなし。
焼酎類も充実しておりますぞ。
Uヽ( ´∀`)ノ






いかにも「中華飯店」の造りですな。
液晶TVが点いていました。
この赤い壁の向こうが厨房です。










2004年10月下旬 担々刀削麺 800円



生粋の「熟練職人」以外には作れない
非常にレベルの高い「本物」の刀削麺です。

麺生地の素晴らしさ、刀削の高度な技術、綿密な味の構成とバランス
まさに、高尚な「料理」の世界になっていますね。
本場「中華料理」の片鱗が窺えます。









(;゜Д゜) な、なんかスゴイ色ですな。

様々な粒子が溶け込み、色々な香辛料も浮いています。
トップに「辛味」、ミドルに「旨味」、「ベース」に酸味・・・という印象。
辛味とともに、かなーり、「パンチ」のある味。






こそが「刀削麺」です。
「硬」と「軟」が絶妙に織り交じる「複合的」食感。
とても「密」な歯応えがある非常に素晴らしい「コシ」にうっとりです。
とにかく、麺「生地」の非凡さを強く感じますな。






まさに刀で切った形状、表面に真っ直ぐに付いた
数本の「スジ」が、実に心地よい「ストレート」な舌触りを生み、
縁側部分のノコギリ状の微細な縮れが、
無類の「デリケート」な口当たりを演出。

製麺所の機械による大量生産では「100%不可能」な領域。
まさに「職人芸」「アート」の世界ですね。






小皿で登場した付け合せ。
湯葉、セロリ、きゅうりですね。
いずれもこの辛味スープとの組合せでは
意外なほど、良い「息抜き」。




2004年10月下旬 担々刀削麺 800円 

池袋西口に本店がある中国料理のお店。こちらの2号店が2004年の春に東急ハンズ裏手にオープンし、秋から「刀削麺」(とうしょうめん)を土日限定で始めたと知って訪問してみた。
実はラーメン食べ歩きをしていても、その味に本当に感動するお店のほとんどは、「手打ち麺」か「自家製麺」か「特注麺」のお店である事が多い。
そう考えると、やはり、ラーメンを「食べる」メインは、あくまで「麺」と言うことなのだとつくづく悟らされてしまう。実際、本場中国ではスープの種類もさることながら、何十種類と言う「麺」の形態があると言う。そして、その中の一つ「刀削麺」は、こねた麺生地の塊りを手に持って、包丁で一本一本を「削り飛ばし」ながら鍋で茹でていく方法だ。

しかし、刀削麺は、都内でもなかなか出すお店も少なく、また完全な「職人技」のため、調理の技術レベルで麺の味わいが大きく左右されてしまう。こちらのお店は、北京の五つ星ホテル「中苑賓館」出身の中国人の方が経営しているらしく、今回の刀削麺もわさわざ「麺の達人来日」という「フレコミ」なので、おそらく刀削麺のマスターを中国本国から招いたものと思われる。
刀削麺は「担々刀削麺」と「鴨・野菜塩味刀削湯麺」の二種類あったので、担々刀削麺を注文した。

登場した刀削麺は、まるで「蒙古タンメン中本」(上板橋)の「北極ラーメン」のような「真っ赤さ」である。スープの上には香辛料が散りばめられ、挽き肉と香草のようなものが浮いている。一口、スープを飲んでみると、「ピリリ」とする鋭い辛味が感じられるが、ドッシリとした辛さではなく、線が細いというか、ライトさや清涼感のある辛さだ。味噌やゴマの風味はそれほど感じられないもののコクや旨味は充分にあり、辛味とともにとても「パンチ」のあるスープだ。そして、何かの酸味がベースに感じられ、酢も使っているのかも知れないが、タイ料理などで使われるレモングラスのような香草系の酸味に感じられた。この香味のある酸味が微妙に見え隠れして、パンチだけではない繊細さを感じさせ、なかなか良い感じの美味しいスープになっている。
ほんの少し化学調味料も感じられるが、後味が悪くなるほどではない。太くて短く、スープをあまりからめない刀削麺の場合、こういったインパクトのある濃い目の味のスープが合う。

いよいよ麺であるが、スープが不透明なので麺の位置が全く見えないのと、麺自体が短く太いので、慣れないとかなり掴みづらい。箸でスープをまさぐるように食べる事になる。
しかし、いざ対面したその「刀削麺」は、その「切り口」の見事さに、実に「ほれぼれ」してしまう出来栄えの素晴らしさがあった。
いざ、すすってみると、一呼吸で「スルリ」と、口の中へ入ってきたその「麺」は、ビロードのようなとても滑らかな唇触りであり、舌の上をまるで生き物が「這う」(はう)かのように進んで来る。そのままゴクリと飲み込むと、まるで「身をよじる」ような独特の喉越し感を放ち、ノドの壁をゆっくりとなで回しながらスルーリと胃の中へと落ちてゆく・・・。
普段口にする出来合いの中華麺とは、明らかに「すべてが異なる」、実に見事な食感だ。

まるで「きしめん」のような超極太麺の野太い喉越しと、極薄の「ワンタン皮」のような非常にデリケートな舌触りが共存し、この「硬」と「軟」、「厚」と「薄」、「太」と「細」、が絶妙に織り交ざったような「複合味」、「変化する食感」、こそが、まさに刀削麺の醍醐味だと感じた。
特に、麺の断面を良く見ると、確かに刀で「そぐ」ように切った形状であり、表面に「スラーーーッ」と真っ直ぐに何本かの「スジ」が付いていて、すする際にとても心地よい歯触りを生んでいる。また、麺の縁側部分が薄くピラピラと「ノコギリ状」に微細に縮れていて、まるで羽毛のような柔らかく何とも言えないデリケートな食味を生んでいる。この食味を一度知ってしまうと、まさに刀削麺の「虜」(とりこ)になってしまう。

すぐに飲み込まずに噛み締めてみると、今度はとても「密」な歯応えがある非常に素晴らしいコシに、本当に「うっとり」とさせられてしまう。
噛み締めれば、その太さゆえ、「すいとん」のような食味かと思っていたが、さにあらず、「すいとん」のようなゴツゴツ感、野暮ったさ、が全くない。もっと小麦感がはるかに滑らかで、非常にスムースで上品な舌触りなのだ。相当にしっかりと圧力をかけたような生地の練り込みの「重さ」と「均質さ」がある。麺の量も結構たっぷりとあって、おそらく200g位はあったと思う。
具として、挽き肉が入るが量はちょっと少なめ、もう少し多いとスープに肉のコクも出て嬉しい。チンゲンサイのような物が載っていて、シャクシャクした歯応えと心地よい清涼感を加えている。

終盤になると、スープの底からゾロゾロと「生ニンニク」の小口切りが沢山出て来た。ニンニクの匂いは、それほどしなかったもののこのニンニクの「辛気」パワーが、スープのパンチにかなり貢献していたと思われる。辛味も単調ではない複雑さがあり、とてもスパイシーなので、山椒なども使っているのかも知れない。
小皿で登場した付け合せは、湯葉、セロリ、きゅうりで、その冷たさ、その柔らかい風味が心地よく、いずれもこの辛いスープの意外なほど良い箸休めになっていた。

全体として、確かに本場の「麺の達人」が来日して作っていると思わされるレベルの高い「刀削麺」であり、以前、本場中国で食べた刀削麺よりも正直言って美味しかった。特に一定の、長さ、幅、断面、表面、形状、で「削ぎ切る」技術も素晴らしいが、それとともに麺の「生地」の練り込み技術のレベルの高さが本当に印象に残った。
製麺所等の機械による大量生産では「100%不可能」な「麺」であり、まさに「職人芸」「アート」の世界、厨房にはお二人の男性がいたが、茹で釜の位置は壁で隔てられていて、調理シーンが全く見られなかったのが実に残念でならない。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




↓続きあり






〜刀削麺 蘭蘭 サンシャイン通り店 その2〜




店内は赤で統一。
ビルの3Fなので窓から入る自然光が豊かですな。






土日限定の「刀削麺」のメニュー。
今回は、「鴨、野菜塩味刀削湯麺」を注文しました。










2004年11月中旬 鴨、野菜塩味刀削湯麺 980円



鴨肉がどっさり入ってとても豪華な刀削麺です。
とても「鳥類」とは思えないような、鴨肉のちょっとクセのある「濃厚風味」は、
実にジビエ的インパクトがある「レアな美味」。
ベースの野菜の優しい風味とも良くマッチしています。
鴨肉はちょっと小骨が多いので食べるのに時間が必要ですぞ。









鶏ガラベースに野菜の旨味がたっぷり溶け込んだスープ。
塩味も穏やかで優しい感じですが、
鴨肉のスパルタン・フレーバーをはっきり感じます。






刀削麺は「紡錘形」のような独特な形状。
やはり、「麺」の種類に関しては、
中国やイタリアに「一日の長」を感じますね。






スパルタンな「ワイルド・フレーバー」の鴨肉。
まるで「血合い肉」を感じるような複雑な栄養分がギュウッと
凝縮した感じの何とも「非常に濃い味」です。

パリパリした皮は香辛料で味付けされ抜群の美味しさ。
こりゃ「北京ダック」に充分に匹敵しますな。






鴨肉は部位によって小骨がちょっと多いです。
左は大腿骨?右は脊椎でしょう。
骨髄エキスがたっぷりとスープへ流れ出して、
独特な鴨のコクや旨味を付与しています。






ランチタイムの杏仁豆腐(無料)をGET!
中華スープもありましたぞ。
(゚∀゚)




2004年11月中旬 鴨、野菜塩味刀削湯麺 980円

前回の感激が忘れられず、再び週末を待って再訪してみた。今回は刀削麺のもう一つのメニュー「鴨、野菜塩味刀削湯麺」をオーダーした。

登場した刀削湯麺には、大きな「鴨肉」が中央にゴロリと載せられている。また、セットの小皿がタレのかかったお豆腐になっていた。おそらく辛くない「湯麺」と言うことで、セット物も冷たい湯葉やキュウリから変えているのだろう。

一口スープを飲んでみると、じんわりとする塩味スープは「滋味」豊かな優しい味わいであるが、ちょっとクセのある意外な「何か」の風味が強く感じられた。塩と野菜の湯麺でこんな風味がするものなのか・・・と思ったが、すぐに納得した。その動物系のちょっとクセのある強い風味こそが、まさに「鴨肉」の風味だったのだ。上に乗っているだけでなく、結構スープの中にも鴨肉がゴロゴロと沈められていて、かなりのパワフルな「芳香」を放っている。
家畜である「ニワトリ」の淡白で優しい風味とはまったく異なる、ホントに同じ鳥類なのかと思えるほどの、実にスパルタンな「ワイルド・フレーバー」だ。鶏と言うよりも、むしろ「羊」とか「猪」などのジビエ系の肉の風味に近い気がする。
スープ自体は、やや控えめな塩加減に野菜の旨味がたっぷりと溶け出した穏やかな味わいであり、人工的な味や添加物感などは感じられないのは好感。

麺を持ち上げてみると、再びあの「刀削麺」と再会することができた。一口食べてみると、一呼吸で「スルリ」と口の中へ入って来る軽快感、ビロードのようなとても滑らかな唇触り、ノドの壁をゆっくりとなで回すような独特の喉越し感・・・・相変わらずの素晴らしく独特で心地よい食味である。しかも、今回も量的にもかなり多めであり嬉しい限りだ。
また、鴨肉を食べてみると、先に感じたスパルタンな「ワイルド・フレーバー」から予想したとおりの、何とも「非常に濃い味」「限りなく深いある味」である。赤身肉の部分は、まるで「血合い肉」を感じるような、複雑な栄養分がギュウッと凝縮した感じの味わいの「濃さ」に満ちている。
そして皮の部分は、中華系の香辛料などを使ってとても香ばしい味付けがしてあって、これが非常に美味しい。この皮の美味しさは、「北京ダック」に充分に匹敵するものがあると思う。皮には微妙な「照り」が出ているので、ひょっとしたら同じような技法で調理と味付けをしているのかも知れない。

しかし、前回の「担々刀削麺」と比較すると、ちょっと気になる点があった。一つは、鴨風味のインパクトは凄いものの、やはりベーススープが、穏やかな湯麺であり、塩味もかなり控えめであることもあって、もともとあまりスープをからめない刀削麺の場合、どうしてもちょっと「薄味」に感じられてしまうことだ。
そして、さらに大量に載る「白菜」自体は歯触りも良く美味しいのだが、この大量の白菜が、すすった刀削麺に混じって口の中に入って来てしまう確率が結構高く、そのため、刀削麺自体の絶品の舌触りや喉越しを堪能するのに、ちょっと邪魔に感じられてしまう事が何回かあった。

それと、鴨肉自体はとても美味しい上に、量もどっさりと入っていてすごく「お得」な感じで嬉しいのだが、その肉の部位によってはかなり「小骨」が多かった。そのため、「パクパク、ゴクリ」と、リズム良く食べられる感じにはならず、小骨を飲み込まないよう舌先で注意深く選別しながら食べ進む事になる。そのため、鴨肉を食べるのにかなり時間を取られてしまうのだが、そうしているとせっかくの「刀削麺」がどんどん「のびて」しまうのだ。
そのため、麺を先に食べていると、今度は鴨肉の香ばしいパリパリした「皮」が、どんどんスープに湿潤してしまい、せっかくの味付けや食感がスープの味と混濁してしまう。そのため、食べていてどうしても「ジレンマ」を感じてしまった。後半になって、最初に鴨肉を別皿へ取り分けるなどしておけば良かったとちょっと悔やんだ。

鴨の小骨自体は、その骨髄エキスの濃厚な旨味がスープへ流れ出すこともあって、このラーメンに、かなり個性的な強い風味と旨味を付与しているので、事前に食べ方の順序などをシュミレーションしておけば、完成度はかなり高い一品だと思う。
また、前回、気付かなかったが、テレビ前のテーブルに「中華スープ」と「杏仁豆腐」が置かれていて、ランチタイムは「食べ放題」になっているようだ。
ラーメンを食べた身としては、さすがに中華スープは飲まなかったが、杏仁豆腐は美味しく頂いた。


(麺は完食。スープは6割飲んだ。)










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