ラーメン&つけ麺食べ歩き
呑助飯店
(愛知県 名古屋市)
店名 呑助飯店(のみすけはんてん) 住所等 愛知県名古屋市千種区今池5-14-8 【地図表示】 禁煙 タバコ可(灰皿あり) 訪問日 2004年11月上旬 ラーメンA 500円
〜呑助飯店〜
(各写真はクリックで拡大します)
雨上がりの夜道・・・
呑助飯店まであと70mほどです。
到着しました。
今池駅から徒歩5分ほど。
池下駅も徒歩圏内でしょう。
むぅ・・・
思っていたより親しみ易い店構え。
「ラーメン、ギョーザ」の大きな垂れ幕が目立ちます。
店内はカウンターと小上がり席。
トーゼンのように皆さん「飲んでます」。
明るい笑い声が響く、屈託のない雰囲気。
メニューです。
「呑助」という店名から居酒屋ぽさを想像してたけど、
どうやら中華料理店のようですな。
当然、ラーメン「A」をオーダーしました。
壁紙も中国風。
小上がり席にはペットボトル入りの
お水が常備されています。
2004年11月上旬 ラーメンA 500円
東京から名古屋まで実に「366km」を移動して
ついにご対面できました、ウワサのラーメン「A」です。
スープを、ゴ、ゴクリ・・・
麺を、ツ、ツルツル・・・ハグハグ・・・。
うぅ、こ、これは・・・まるで、
○○○○○の味とそっくり同じぢゃん。
(@Д@)
表層の油とスープの境界が実に不鮮明ですな。
後付のラードではなく、いかにも長い年月の積み重ねで
豚骨から自然に出た油と言う感じ・・。
はっきり言って○○○○○そっくりの味ですね。
多種の旨味にあふれたとても美味しいスープです。
麺は中太ストレートで
「ゆるーり」とする柔らかめの口当たり。
麺の先端がすぼまった形なのはなぜ?
麺のアップ。
油をたくさーんからめて
「ギラギラ」「ヌラヌラ」と光っております。
(゚∀゚)
2004年11月上旬 ラーメンA 500円
今回の名古屋ツアーの目玉の一つとしていたお店。その「個性派ラーメン」の噂は東京にいても良く耳にするほど。
こちらのお店のある「今池」駅は、どうやら名古屋でも賑わいのある繁華街のようで、パチンコ店や飲食店がとても多い。その裏通りを入ってゆくと、5分ほどでこちらのお店を見つける事ができる。
開業は戦後間もない頃というお話である。そしてお店の創業以来、今日まで、実に50年以上に渡って、ひと時も火を絶やす事なく煮込んでいるという豚骨スープが、こちらのお店の何よりの「ウリ」である。しかも、ただ豚骨を炊き込んでいるのではなく、最初に豚骨を良く焼いて、黒く焦がしてから使っているらしい。実際、そのせいか黒ずんだ油が多めのスープは、一部の人からは「重油ラーメン」などとも呼ばれている。
カウンターに座って、ラーメンが出てくるのを待っている際に、コップで出されていた冷水を一口飲んでみた。すると・・・「あ、甘い?!」、これが、何とただのお水ではなく、何かパイナップルとかパパイヤとか・・・そういった甘い南国系の果物のような甘味がほんのりと感じられる気がした。もう一度、確かめるため飲もうとしたところ、ラーメンが登場してしまったため、その後はラーメンに気を取られ、冷水のことはすっかり忘れてしまったが・・・・あれは一体何の甘さだったのだろうか。
登場したラーメンは、やや茶色みのある黒ずんだスープ。表層には確かにラードと思われる油が多めに浮いているが、下のスープの層と混濁している感じで、どこからどこまでが油か良く判らない。つまり、後付のラードではなく、いかにも長い年月の積み重ねで、豚骨から自然に出てきた油と言う感じを受ける。
まずはレンゲで慎重にスープを一口飲んでみると、かなり熱めのスープはラードが多い割には、とてもスムースに口に入って来る優しい味わいだ。
そして、味わって数秒後・・・・「うん?こ、これは・・・以前そっくり同じ物を、どこかで食べた事がある味だ」と思った。
しかも、どこか別のお店のラーメンで食べたのではなく、ラーメン以外の「全く別な食べ物」とそっくり同じ味なのだ。スープをもう一口飲んでみる。「やはり、以前食べた事がある味」と確信した。しかし、それが何なのかは思い出せない。
今度は、麺を食べてみた。箸で持ち上げてみると、やや緩めの手応えであり、柔らかそうな麺だ。そして表面にはたっぷりの油を身にまとって「ギラギラ」「ヌラヌラ」と輝いている。一口すすってみると、麺は思ったとおり優しい柔らかめの食感だ。そこそこしっかりとしたコシはあるが、ちょっと「グッタリ」とした食べ応えに感じる。
そして、その直後、このラーメンが「何」とそっくり同じ味なのか、やっと思い出すことができた。やはり、それはラーメン以外の食べ物であった。
そう、それは、ズバリ、「五目焼そば」である。
しかも、ソースを使わず、「塩」と「ラード」だけで炒めた「五目焼そば」の味である。そして、かなり美味しい。
まず、こちらのスープは焼いて焦がした豚骨の「焦げ風味」がしっかりと出ていて、これが、フライパンで「焼そば」を炒めた時に出る黒い微粉末の、あの「焦げ」の風味と実にそっくりなのだ。
そして中華専門店などでは、焼そばや炒飯などを炒める際は、サラダ油ではなく「ラード」を使って炒める。
そのため、「熱々ラードをたっぷりと身にまとった焦げ風味のある麺」・・・となると、味わいが非常に似かよって来るのだろう。
しかも、中華料理店が炒める際にラードの量を間違えて、ちょっと多めに入れてしまって、油がお皿の底にタップリたまって出てきたような時の「五目焼そば」の味と、まさしく「酷似する味」だと思えてならない。油が唇の回りにピトピトはね飛ぶ位の、あの「油多め」の時の「五目焼そば」の複雑な滋養分ある旨味にあふれた味・・・である。
なぜ、「塩味」の焼そばかと言えば、こちらのお店のラーメンからは、火入れされて飛んでしまったのか、醤油の風味があまり感じられないからだ。
また、なぜ「五目」焼そばかと言えば、それは、こちらのお店のスープが、実に豊かな様々な旨味にあふれているからである。
つまり、単に麺をラードで炒め焦がした単純な味ではなく、多種類の野菜や果物や肉などの複雑な素材の「旨味」が、渾然一体となってこのスープにしっかりと溶け込んでいるのだ。
最初は油の膜に舌が覆われてしまい判りづらいが、数秒もするとじんわりとした多数の素材の旨味の大合唱がじわじわと鳴り響いて来るのだ。まさに、豚骨や野菜の様々な旨味が凝縮されている実に豊かな味である。
また、化学調味料や粉末エキス類などの安直で人工的な味も全くと言って良いほど感じられない。実に「真摯」に作られた本物のスープと思う。
一度、「五目焼そば」テイストと判ってしまうと、食べれば食べるほど、油多めの「五目焼そば」の味とそっくりだなぁと思った。
実際、「五目焼そば」がとても美味しいように、こちらのお店のラーメンも本当に美味しいと思う。表層に浮いているラード自体も、とてもナチュラルで、豚骨の旨味が深くしっかりと溶け込んでいる複雑で滋味深い味わいがある。他店のように、精製ラードを後で投入したスープとはまるで異なる深い味わいだ。
訪問前は、単なる話題や宣伝のためのラーメンなのかとか、いかなるキワモノ的ラーメンなのかとか思っていたが、実際に食べてみれば、「きちんと美味しい」ラーメンである。そもそもきちんと美味しくなければ、到底50年以上もお店が続かないはずである。
具は1cmほどに分厚く切られた小さなチャーシューが2枚入っていた。これも肉質良く、しっかりと繊維感があり、ホロホロしてなかなか美味しい。
メンマは、このスープの中では味わい的にはあまり主張していないが、歯触りの良さなどから考えると決して業務用などではないと思う。丁寧に切られたネギがほど良い清涼感を放っている。
食べていて後半、何かカレー粉を炒めてちょっと入れたような・・・そんな風味もスープから感じられたような気がしたが、定かではない。
そして、退店してから約10分後、口の隅や舌の先から、再びパイナップルとかパパイヤとか・・・そういった甘い南国系の果物のような微妙な甘味がほんのりと、見え隠れするように感じられる。なかなか心地よい甘味ではあるが、ラーメンの中にこういった味が入っていたのか、それとも冷水に入っていたのか・・・・謎は深まるばかりだ。
また後味的には、スープを4割ほど飲んだにもかかわらず、口中は決してコテコテにはならず、絶妙な旨味とスパイス感のような物だけが心地よく口に残っている。あれだけ大量のラードが一体どこへ消えたのか、実に不思議なほどだ。
一回食べた程度では、こちらのお店のラーメンの持つ真の魅力を、まだまだ半分も理解できていないんだろうなぁ・・・と感じた。
(麺は完食。スープは4割飲んだ。)
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