ラーメン&つけ麺食べ歩き
のぶ工房
(東京都 荒川区)

店名 ラーメン のぶ工房(のぶこうぼう)
住所等 東京都荒川区西日暮里2-40-3 【地図表示】
禁煙 タバコ可
訪問日 2006年2月上旬 牛筋らあめん800円 + 味付き玉子100円



〜のぶ工房〜

(各写真はクリックで拡大します)




日暮里駅と西日暮里駅いずれからも徒歩4〜6分、
尾久橋通り沿いにお店はあります。
そういえば昔、日暮里を「ひぐれざと」と読んだ知人がいた。
確かにそう読めるが・・・(´Д`;)






黄色い看板が目印。
入口はビルのコーナー部分。






カウンター席は「ろ」の文字に近い複雑な形状。
漫画が数冊置いてあり、くつろげる雰囲気。






壁に貼られたメニュー。
牛筋煮込みは単品でもオーダー可能。







絶品マークの付いた「牛筋らあめん」と
「味玉」を注文しました。










2006年2月上旬 牛筋らあめん800円 + 味付き玉子100円



透明感のある旨味の豊かなスープを多種の薬味が覆う
手が込んでいながら、押し付けがましさのない美味しい「一杯」です。

自慢の「牛筋煮込み」もしっかりとした出来栄え。
牛筋から流れ出す濃厚なビーフエキスと笹切りネギの食感で、
後半は「牛丼」もしくは「すき焼き」風テイストに・・・。

美味しい「牛」の旨味をたっぷり堪能できる
数少ないラーメンでしょう。









きれいに整ったクリアな旨味、透明感のある飲み口の「清湯スープ」。
味が水平方向へきれいに広がる感じで、
あまり厚みを持たせずに軽快に仕上げてある印象。
終盤は、甘味がかなり強めに感じた・・・。






牛筋煮込みは、舌の上で「トロ〜リ」ととろける部位、
舌に「ヌメヌメ」と吸い付く粘性のある部位、
「ポヨポヨ」と弾力のある部位・・・と、いろいろ混じる。
味付けは「牛丼」ライクかな。






縮れた中細麺は「レトロ」な下町中華テイストを大切に守りながら、
現代的にやや上質に仕上げたと言う感じ。
ワサワサと摩擦係数が高く、ハグハグと噛み潰すような食べ方になる。
まさに「中華麺」を食べている事を強く自覚させてくれる麺。




2006年2月上旬 牛筋らあめん800円 + 味付き玉子100円

荒川区の尾久橋通り沿いにある人気店。特に「牛筋ラーメン」が自慢の品らしい。
訪問してみると、まだ新しいビルに入居しているのだが、入口がビルの三角コーナーのような場所にあり、かつ、入店するとカウンター席は「ろ」の文字のような複雑な形状をしていて、なかなか凝った造り。飾らないインテリアであるが、窓が大きいので店内は自然採光で明るい。漫画が数冊置いてあり、くつろげる雰囲気。

一口スープを飲んで、一瞬、驚いた。
何に驚いたかと言えば、その「スープ温度」の見事なまでの「適温さ」である。やたらと熱過ぎず、何とも驚くべき「的を射た熱さ」なのだ。いろいろラーメンを食べていても、これほど「ストレートど真ん中」の適温スープは珍しいと感じた。「うーむ、なかなかやるな・・・・」と思う。

スープの素材は鶏ガラ、豚骨、カツオ節、サバ節、煮干、昆布、野菜やフルーツ等・・・・らしい。表層にはネギ油が足されている。
スープは、見た目どおり、実にきれいに整ったクリアな旨味、さらに透明感のある飲み口の良さがあり、醤油ダレの輪郭がきれいに出ていて、揚げネギの風味が影になって寄り添う感じである。味に水平方向の広がりはあるが、あまり厚みを持たせずに軽快に仕上げてある印象を受ける。サクサクッと歯触りが軽快な薄焼きの大判ウエハースのような・・・口当たりを連想させられる美味しいスープだ。最近やや食傷気味の「濁り系スープ」「節粉投入スープ」には、決して出せないクリアな味の世界である。

麺は中細の縮れタイプ。食べてみると見た目以上に太さを感じ、ワサワサ、モソモソとする麺の摩擦係数が高いすすり心地。
カンスイ臭は感じられないのだが、食感はいかにも「レトロ」な下町中華テイストを大切に守りながら、現代人の味覚レベルに合わせてやや上質に仕上げたと言う感じを受ける。
スルスルと喉の通りが滑らかなタイプとは異なり、ワサワサと口の中に一度滞留する感じがあり、それを噛み締めると言うか・・・ハグハグ、モムモムと噛み潰すような食べ方になる。前半はしっかりとアゴを使って食べるような歯応えを感じさせる麺だが、後半になると徐々に柔らかくなって来て歯応えも大人しめになって来た。
最近多くなった「そば」「うどん」「スパゲッティ」・・・などの麺と見紛うようなタイプの麺とは異なり、本来の「中華麺」にしか出し得ないテイストをしっかりと持っている。単なる「麺食」ではなく、きちんと「ラーメン」を食べている事を強く自覚させてくれる麺だ。この手の麺のファンも多いと思う。

待望の「牛筋」は、いくつかの塊りが入っていたが様々な部位が混じっていた。
舌の上で「トロ〜リ」ととろける柔らかなトロトロの部位、ゼラチン質の粘りが「ヌメヌメ」と舌に吸い付く筋の部位、「ポヨポヨ」と弾力のあるゼリー質の部位・・・と、それぞれに違った美味しさを楽しませてくれる。
お店のメニューで「絶品」と書かれているだけあってしっかりと柔らかく煮込まれた確かに美味しい「牛筋」である。ただ、牛筋の味付けはラーメンのスープとは全く別の味付けで・・・この点にちょっと違和感を感じた。おそらくは、もともとは「牛筋」単品として味付けを考えて作られていたものなのだろう。

この「牛筋」の味付けのイメージとしては・・・牛丼、それも一番人気の「吉野家」の牛丼の「ツユ」の味に近いと思う。ちなみに「牛筋」が入るとチャーシューは入らなくなるようだ。
味付け玉子は、やや小振りなもので黄身がトロ〜リと舌にまとわり付きなかなか美味しい。しかし、たまたまなのか、味付けがややしょっぱ過ぎるように感じられた。

後半になって来ると、「牛筋」から流れ出したビーフエキスがスープに混ざり、スープからも明らかに「牛」の味がして来る。何だかちょっと「牛丼のツユ」をスープへ混ぜたようなイメージだ。
さらに後半になってスープに甘味が感じられ始めて来ると・・・この甘味のせいか、今度は「スキヤキの汁」っぽい味わいになって来た。さらに笹切りネギの食感が加わると、一層スキヤキ風テイストに感じられる。この甘味、スープが熱いうちはさほど気にならなかったのだが、終盤、温度が低下したスープは、器の底へ砂糖が溶けずに溜まっていたのかと思うほど甘味がかなり目立つようになり、この甘さのために後口がちょっとクドく感じられてしまい、スープを飲み干すまでには至らなかった。

今まで牛骨やオックステールなどを使ったと言うラーメンを食べてもはっきりと「牛」を感じ取れることは少なかったが、こちらのラーメンは、かなりリアルに牛肉の旨味が良く感じられてとても美味しい。都内でも美味しい「牛」の味を堪能できる数少ないラーメンではないだろうか。
お店を出てから、口に残る後味、胃の感じとしては、ラーメンの後味とともに、やはり「牛丼」や「すき焼き」を連想させる「牛肉」の風味がはっきりと香り、何とも贅沢な残り香を堪能させてくれる。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)










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