ラーメン&つけ麺食べ歩き
南湖
(東京都 中野区)
店名 |
奥州白河らあめん 南湖(なんこ) |
住所等 |
東京都中野区中野5-35-8 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可(灰皿あり) |
訪問日 |
2005年1月中旬 白河ラーメン 600円 |
2005年1月下旬 南湖ラーメン 650円 |
〜奥州白河ラーメン 南湖 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
中野の有名な「ラーメン激戦区」
「ふれあいロード」にお店はあります。
実際、周囲はあちこちに著名店がわんさかと・・・(@_@;)。
前方150mほどでJR中野駅です。
艶消し黒に塗られた板張りのお店が渋い感じ。
奥州白河ラーメンのお店です。
白塗りの壁がちょっと「蔵」の中を連想。
コの字型のカウンターと、テーブル席があります。
新作「南湖ラーメン」の貼り紙も。
黒塗りの太い「梁」が重厚なイメージ。
とても落ち着く雰囲気ですな。
メニューです。
平日のランチタイムは半ライスサービス。
白河ラーメンを注文しました。
2005年1月中旬 白河らーめん 600円
まさに天下の白河ラーメン「ここにあり」ですね。
東北の雄「白河」で生まれ育った「麺文化」の深〜い魅力を
あますことなく披露された気分です。
麺の素晴らしさもさることながら、
スープや具との「必然の組合せ」「必然のバランス」に
白河ラーメンの「定理」を説かれる思いですな。
単にラーメンと言うより、白河の「郷土料理」と言う印象・・・。
う、ぅ、う、美味すぎです・・・(TーT*)
醤油のキレのある醸造風味が最前面に位置したスープ。
一切の「迷い」なく、動物ガラのみを「すっきり」と煮出した
透明感にあふれる一重(ひとえ)の味わいが素晴らしいスープですね。
時代に媚びないこの「潔さ」が魅力でしょう。
ともかく「麺」の美味さ、その食感に驚愕・・・。
一口すすって、そのあまりの美味さに「ぶったまげた」。
うーん・・・この「お姿」、そそりますな〜。
本場「白河」から直送している麺だそうです。
あまりに美味すぎて
感涙にむせび泣きながら食べますた・・。
。゚(゚´Д`゚)゚。
さらに、もう一つかみ・・。
ズルズル、ハフハフ、ゴクリ・・・。
ハァハァ(;´Д`) う、美味すぎる。
食べ手を「洗脳」してしまいそうな、
「複雑なちぢれ」「絶妙なコシ」「特有の平坦さ」が醸す芸術的食味・・。
まさしく「絶賛」以外の何ものでもないでしょう。
2005年1月中旬 白河らーめん 600円
都内では数少ない本格白河ラーメンのお店。
中野名物「ふれあいロード」の一画にあるお店は、艶消しに塗られた板張りで、どことなく田舎のうどん店のような昔懐かしい造りをイメージしているようだ。窓が小さいため、店内はちょっと薄暗い感じになっていて、黒塗りの太い梁、白塗りの壁とあいまって、何となく「蔵」の中に入ったような落ち着いた雰囲気を醸している。
厨房は壁で仕切られていて調理の様子が全く見えず、オーダーをしてくつろいでいたら、2分位であっと言う間にラーメンが出てきて結構びっくりした。
目の前に置かれたラーメンは、透明感のある醤油の濃い色が特徴的で、しっかりと醤油の香りが漂って来る。
一口スープを飲んでみると、「凛」とした醤油ダレが舌の上で非常にきれいな「味の稜線」を描くスープである。
まるで「一筆書き」のようなシンプルな線であるが、しっかりとした「香り」と「キレ」のある醤油ダレの味がキラリと光る。そして、あざとい「旨味」や「甘味」を排除したような「引き締まった」ダシのスープであることが判る。
いわゆるご当地としての「白河ラーメン」は、豚ゲンコツと鶏ガラスープに醤油の組み合わせが特徴であり、煮干や鰹節や昆布などの海産物を使わずにスープをとるようだ。実際、こちらのお店のスープも、豚骨とトリガラのみを「すっきり」と煮出したもののようだ。雑味がなく、濁りがなく、ともかく余計な味がしない。
何口か飲み進んでゆくと、かなりしっかりと濃いめに感じられる醤油ダレは、完全には火入れしていないような生醤油っぽさもちょっと残っていて、実に「香り+キレ」がある感じだ。油があまり浮かないスープと言うこともあって、醤油がダイレクトに舌に触っている感じもある。
塩っ気の強さや化学調味料感は感じられないものの、この明確な醤油、パンチのある醤油、が、かなーり強めに出ているので、ちょっとしょっぱく感じる気もするが、むしろこの香り豊かなフォルテッシモの醤油味こそが、白河ラーメンの醍醐味なのだろうと思う。この醤油のしょっぱさに誘われる感じで、次々と「麺」が欲しくなるのである。
「麺」は本場の福島県白河市から取り寄せているらしい。そしてシーズン毎に熟成日数を変えて提供されると言う。
箸で一つかみ持ち上げてみると、スープをしっかり「吸って」ちょっと赤みを帯びたその麺は、不規則に強い「ちぢれ」や「ねじれ」が付けられた平打ち形状の中太麺である。ややゴワッとした手応えと充分な量感から、結構「ストロング」な食感であることが容易に想像できる。
そうして、その平打ちのちぢれ麺を一口すすってみれば・・・、いや、半分もすすらないうちに、そのあまりの美味さに「ぶったまげて」しまった。
表面がやや固めでコシも強めの食感、そして、不規則なちぢれが生み出す独特のリズム、すする度に口先に発生する「ト、ト、ト、ト、ト、ト、ト」とも、「パタ、パタ、パタ、パタ、パタ、パタ、」とも取れる独特の感触が素晴らしい快感として伝わって来る。「コッコッコッ」と軽く歯をノックされる感覚にまるで洗脳されてしまいそうだ。そして、噛み締めれば、豊かな「ソリッド感」のある明瞭なエッジが素晴らしい目の覚めるような食味が待ち受けている。
決してモチモチとかプリプリなどの「柔和路線」ではなく、どちらかと言えば「硬派路線」の麺という気がする。そのため、やや固めでコシも強めの食感ではあるが、しかし、平打ち形状のため、固くなりすぎず食べ易さも兼ね備えている。
つまり、一方向へは曲がりづらいが、別方向へは曲がりやすい、しかもちぢれやねじれがあるため、麺にかかった外力に対して、麺の内部で発生する応力が、麺全体をまるで生きているかのごとく複雑に「うねらせる」。麺がフニャフニャせず、しっかりした固さなのでその応力がきちんと麺全体によく行き渡る感じなのだ。
また、平打ち独特の「平坦さ」のあるプレーンな食感も感じられ、ともかく食べ手の心をくすぐってやまない、実に飽きさせない麺である。そうしてゴクリと麺を飲み込んだ後には、小麦の心地よい風味と動物性のダシ風味が後を追いかけるように口中に姿を現す感じだ。
この口当たり、歯触り、舌触り、噛み締めた感触、ノド越し・・・・・まさしく私の「好み」のど真ん中を見事に射抜かれた思いである。
また、割と厚みのあるチャーシューが3枚も載っていて驚いた。どうやら肩ロースの部位のようで鹿の子状のサシが入っているが、一口食べてみると、意外にもムグムグする歯切れのあまり良くない食感で、ボソボソと言うか、結構パサついた感じもある。味わいは醤油スープが湿潤した感じだが、ともかく肉汁が感じられないと言うか、おそらくチャーシューを煮る際に煮汁へ肉の旨味が流れ出してしまったと思われるダシガラ風の味わいだ。
昨今のジューシーなチャーシューを食べ慣れていると、ちょっと物足りない気もするが、このややドライな食味のチャーシュー、その味わいの素朴さこそが、むしろ郷愁心をあおる白河ラーメンの特徴でもあるようだ。
ほうれん草は実に丁寧に茹でられた感じで、ほんのりと心地よい苦味が残っており、しっとり滑らかな歯切れの良い味わいで美味しい。
パンチのある醤油味に誘われる感じで、次々と「麺」が欲しくなり、同時にその麺が絶品・・・・これはたまらない。まるで何かに「とりつかれたように」無我夢中で食べ尽くしてしまった。この麺とスープとの「必然の組合せ」「必然のバランス」に白河ラーメンの「真髄」を見た思い、「白河」で生まれ育った「麺文化」の深い魅力をあますことなく披露された気分である。
しかも、またスープの「味離れ」の良さが素晴らしい。醤油味が立っているものの実に後口が「スッキリ」「アッサリ」なのである。味が良い意味で「明快」「平ら」なのだ。板張りの廊下を裸足で歩くような清々しい感覚に近いと言えるだろうか。
食べ終えてお店を出た後も、ほんのりと醤油の余韻が舌先に残るだけであり、油のしつこさがなく、意外に洗練されていて、尻上がりのキレがあるスープなのが心地よい。
メニューには「塩ラーメン」もあり、あの強い醤油風味がなくなる塩スープは、一体どういった味になるのか、麺との相性なども含め、実に興味のあるところだ。
また、壁に貼られた説明によれば新作としてカツオ魚介系をブレンドした「南湖ラーメン」というものもあるようだ。おそらく昨今の流行を意識した和風メニューだと想像するが、こちらのメニューも大いに気になった。
再訪必至のお店だ。
(麺は完食。スープは5割飲んだ。)
↓続きあり
〜奥州白河ラーメン 南湖 その2〜
前回の「麺」が忘れられず再び訪問。
相変わらず静粛感の漂う落ち着いた店内がいいですな。
天井には大きなハシゴ?がつるされてます。
メニューの裏にはおつまみ類。
営業時間や定休日も書かれていました。
2005年1月下旬 南湖らーめん 650円
「南湖ラーメン」は動物系スープにカツオ節などの魚介系をブレンドした和風タイプ。
穏やかな魚介風味とともに、かなーりの甘口ですね。
とてもソフトで口当たりが良いスープなので
「今風」で「万人向け」な美味しいラーメンだと思います。
相変わらずの「麺」の美味しさとともに、
固ゆで玉子が非常に旨くてビックリ。
昨今ブームのWスープを一切濁らせずに提供。
魚ダシは「ほんのり」程度で、これみよがしに強くは出てませぬが、
醤油風味が抑えられて「甘味」が強めなソフト路線です。
麺は前回どおりの絶賛食味ですが・・・
スープとの相性の「妙味」「バランス」は前回とは大きく変化。
結局は食べ手の「好み」で選ぶ感じですな。
2005年1月下旬 南湖らーめん 650円
前回の印象があまりに素晴らしかったので、再び訪問してみた。
非常に気になっていた「塩ラーメン」と和風の「南湖ラーメン」のいずれをオーダーすべきか、かなり迷ったが、やはりあの麺であれば醤油味が合うのでは・・・・との思いから「南湖ラーメン」をオーダーしてみた。今回も、オーダーから2分ほどでラーメンが登場してちょっと驚いた。どうやら茹で時間がかなり短めの麺のようだ。
前回の白河ラーメンと比較すると50円アップした訳だが、動物系スープにカツオ魚介系をブレンドした和風タイプになるだけでなく、固ゆで玉子が半分追加されていた。
目の前に器が置かれると、非常に上品な、ほのかなカツオ節や煮干などの香りが見え隠れするように、ほんのりと漂っている。
一口、スープを飲んでみると、いかにも素材類を「すっきり」と煮出したような、雑味のない、濁りのない、透明感にあふれたスープであるのは前回の「白河ラーメン」と同じである。また、新たに足された魚ダシも実に「うっすら」「ほんのり」という程度で、これみよがしに強くは出ていない。
味の「厚み」が増した感じではなく、「広がり感」や「開放感」が出たと言う感じであり、味が垂直にではなく、どこまでも水平方向へ広がったイメージである。
確かに、昨今ブームの魚ダシを加えた「トレンド」の味であり、かつ、「まったり」とした甘味があってとても口当たりの良いスープなので、これはこれで大いにウケると思う。
私的にも決して悪いと思わないが、 しかし、前回の、あの「凛」とした強めの醤油風味が、今回はかなり抑えられてしまっていて、逆に「甘味」が割とはっきりと感じられるため、いかにもソフト路線なスープ・・・とも感じられる。
つまり、前回の、まるで「白河ラーメンここにあり」と宣言しているかのような、あの凛々しく「きりり」と引き締まった「唯一無二」的な気骨にあふれた味とは別な路線・・・を感じるのだ。
何となく、「万人向け」になったと言うイメージで、良くも悪くも、結構、「一般化」してしまった印象を受けてしまう。
実際、麺は前回と同様の見事な食味のものであり、豊かな「ソリッド感」のある明瞭なエッジが素晴らしい「硬派路線」の麺であったものの、このスープと合わせて食べ始めると・・・・最初は口当たりよくて美味しく食べられるものの、後半に入ると、スープの「甘さ」と「緩さ」(ゆるさ)がちょっと気になり始めてしまう。
あの、パンチのある醤油のやや強めのしょっぱさで、次々と「麺が欲しくなる」というバランスがなくなり、何となく全体がゆったりと弛緩してしまったイメージを受けるのだ。
ただ、前回の「白河ラーメン」も、あの気骨にあふれた頑固なほどの味わいは、多少食べ手を選ぶ部分もあるような気がするので、こちらの「南湖ラーメン」の方が、美味しいと言う人も少なくないと思う。結局は「好み」の問題と言うことになるのだろう。
チャーシューは今回はやや大きめの物が2枚になっていた。前回のものとは変わってパサつき感は抑えられて、しんなりとした食味で、割とふっくらしていて歯切れも良くなっていた。しかし、薄味と言うか、肉汁が抜け出た感じなのは前回と同じだ。大判なうえに肉の厚みもあるのでボリュームは十分ある。
また、驚いたのが半分載っていた固ゆでの玉子であり、ややしょっぱめの塩味が付いていたが、これが何とも素晴らしい茹で加減であり、これほど「ふっくら」とした固ゆで玉子は初めて食べた気がする。素材が良いと言うよりも、調理の行程や技術によるものだと思う。
メンマはボリボリとするやや固めの食感で、繊維が密着した感じのもの。ホウレン草は相変わらず柔らかく歯切れが良い。
卓上には「ホワイトペパー」と「ブラックペパー」の二種類のコショウが置かれていた。よく見ると「ホワイトペパー」には「南湖ラーメン専用」と紙が貼ってある。きっとお店なりの「こだわり」があるのだと思う。
いずれにしても非常にまじめに作っていることが良く伝わって来るラーメンであり、麺、スープ、具、いずれをとっても調理の「志し」「技術」は相当なものだと思える。
ぜひ中野を代表する人気店になってほしいものだ。
(麺は完食。スープは4割飲んだ。)
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