ラーメン＆つけ麺食べ歩き
七志 とんこつ編 向ヶ丘遊園店
（神奈川県 川崎市）

2005年4月上旬　七志らーめん　700円

横浜に本店を持つ豚骨ラーメンのお店。
お店の公式ＨＰを拝見すると非常に細かくスープや具材の作り方が紹介されていて、ぜひ一度食べてみたくなった。お店のＨＰなどによれば、「九州系より臭みがなく、家系よりクドくない」豚骨ラーメンと言うことらしい。
こちらの向ヶ丘遊園店は、小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩２分ほどと大変便利な場所にあり、かつ、大きな大学が近所にあるせいか、「学生盛り」というサービスメニューもあった。厨房には大きな寸胴が鎮座していて、時折店員さんが大きな櫂で大切そうにかき回していた。寸胴の中身はゲンコツ（豚の大腿骨）をメインに、背ガラを加え、仕上げに鶏ガラも入れるようだ。

登場したラーメンは、細かく刻んだニンニクとゴマ、そしてそれらを炒めた焦がしラードが表面に浮いている。これらの薬味の香ばしい風味と豚骨のミルキーな風味が交じり合ってなかなか食欲をかき立てる。
一口飲んでみると、最初はこの香味油の風味がやや支配的に感じられ、ジリジリと舌へまとわりつくように独特な旨味が伝わって来る。

しかし、スープを適度にかき混ぜてから再度飲み進むと、豚骨のコクが次第に姿を現し始め、実に奥深い味の広がりがあるスープであることに気付く。確かに、濃厚な味わいながら、クドくなく、まろやかな舌触りで、コクと飲みやすさを上手に両立させている印象だ。鮮度の良い豚骨を使い、アク処理もしっかりしているせいか、動物系の臭みのようなものも感じらない。
前半、スープは豚骨の旨味とともに化学調味料がちょっと目立つように感じられたが、途中で卓上の粒ニンニクを、二粒ほどクラッシャーでつぶして入れてみた。すると、風味が一層増強され、旨味の強さと匂いのバランスが均衡し、グイグイと飲みたくなる一層美味しいスープとなった。

麺は太麺で、すすると波打つように口の中へ入ってくる。
かなりコシがしっかりしていてモムモムと歯応えが豊かだが、噛み締めて行くとモチモチして来て美味しい。思っていたよりも量が多く、おそらく２００ｇ近くはあるのではないだろうか。しかも最後までまったくダレず、かなり存在感がある麺だ。
チャーシューはモモ肉のようだが、モムモム、モグモグと、しっかり良く噛んで食べるタイプ。脂身が少なく、繊維感の結束が豊かな感じで、ホロホロとほぐれるタイプではない。
また、茎ワカメがこの濃厚スープと非常に良くマッチしていると思う。磯臭さも無く、「ツルリ」とする小気味良い歯触りと、その「味の無さ」が、この濃厚スープのほど良い箸休め、アクセントになっている。

スープの醤油ダレは穏やかであり、塩加減も控えめに感じられ、微細な甘味もあるので、とても口当たりが良く、香ばしく、後を引く美味しさであり、レンゲがなかなか止まらない。
しかし、スープを飲んでいる時は、全くクドいとは思わないのだが、冷水代わりに出されたプアール茶を飲むと、口中がスッキリする感じがあり、鮮やかにリフレッシュされる感覚があるので、やはり濃厚な豚骨スープなのは間違いないだろう。


（麺は完食。スープは７割飲んだ。）

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