ラーメン&つけ麺食べ歩き
中村屋
(神奈川県 大和市)
店名 中村屋(なかむらや) 住所等 神奈川県大和市下和田1207
↓ (2008年4月移転)
神奈川県海老名市中央2-5-41 サティ駐車場1階 【地図表示】禁煙 タバコ完全禁煙 訪問日 2005年5月上旬 特中村屋(塩・あっさり・極細麺) 950円
らーめん(醤油・こってり・真空平打ち麺)750円 + 味玉(割引)50円
辛口韓国麺(あっさり・極細麺) 850円
〜中村屋 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
お店に到着しました。
小田急江ノ島線「高座渋谷駅」から徒歩3〜4分。
ジャスコのお隣の判り易い場所です。
左手に見える植込みがジャスコの敷地。
看板はレトロな右書き。
駐車場が5台分あり、店頭に地図が出ています。
営業時間と定休日。
通し営業のようですね。
店内はL型カウンターとテーブル席。
壁や床がレトロ調に仕上げられています。
キャスケット帽のようなものを被ったスタッフの服装も個性的。
明治時代を意識したような・・・レトロな内装はくつろげる雰囲気。
ちょっとタイムスリップしたような感じ・・。
スタッフの動きは無駄がなく、実に統率がとれています。
皆さん背筋がビシッと伸びていて、
気合や意欲と言うものが伝わってきますな。
メニューの上段です。字が小さめ・・・。
麺類は大きく「淡味」と「強味」に分かれております。
「淡味」メニューは、それぞれ「塩」と「醤油」が指定でき、
さらに「あっさり」か「こってり」、
さらに「極細麺」か「真空平打ち麺」が選べます。
特中村屋を「塩、あっさり、極細麺」で、
らーめんを「醤油、こってり、真空平打ち麺」で、
辛口韓国麺を「あっさり、極細麺」でオーダー。
味玉がキャンペーン価格で50円だったので、らーめんへ追加。
【動画】(約1.3MB)
中村屋のオリジナル湯切りパフォーマンス
「天空落とし」のシーン。
この日は中村店主ではありませんでしたが、
実際に見るとなかなかカッコイイですな。
2005年5月上旬 特中村屋(塩・あっさり・極細麺) 950円
スープも、麺も、具も・・・厳選素材が勢ぞろい。
まさに選び抜かれたエリート食材の名競演と言う感じです。
さらに、器の中には様々な工夫やアイディアが詰まっています。
スープ表面付近に濃厚な旨味が集中していますね。
独特な形の器はスープ量が少ないのがネックかな。
「あっさり」指定でも鶏油は割と多めですね。
鶏の美味さを感じ、豚骨のベースを感じ、昆布の旨味を感じ、香味野菜の風味を感じる。
塩味は控えめながら、全体がきれいに調和し、デリケート過ぎない美味しいスープ。
デフォルト設定となる極細麺。
極細にもかかわらず生き生きしたハリがあり、食感がはっきりとしています。
意外にシャキっとして、割と硬めに仕上げられている印象。
何ともソツのない優等生的な食味ですね。
器の窪みにピッタリ納まる形で麺が入っているので
スープの中を「泳がせる」ことができず、「横」の動きがないと言うか、
「ゆとり」がないと言うか・・・ちょっと窮屈さを感じます。
2005年5月上旬 特中村屋(塩・あっさり・極細麺) 950円
1999年の創業以来、メキメキと頭角を現し、今や神奈川に「その店あり」と謳われ、不動の地位を築く人気店。
その典型的サクセスストーリーに、創業と同時に人気化したかのように思われているが、開店当初は思ったような味が出せず、店を閉めていた時期もあったらしい。
店内は明治時代(?)を模したようなレトロな造りで、スタッフの服装もキャスケット帽のようなものを被る独特ないでたち。接客も礼儀正しさの中にフレンドリーさと言うエッセンスを織り交ぜた絶妙なもので、客を客として満足させてくれる素晴らしく心地よいもの。
ラーメンは、優しい味の「淡味」シリーズ、強めな味の「強味」シリーズの二系統に分かれていて、「淡味」系のオーダーは、「塩」か「醤油」が選べるようになっている。また、「あっさり」か「こってり」が選べ、さらに何も言わないと「極細麺」となるが、希望すれば追加料金なしで「真空平打ち麺」にもできるようだ。
「特中村屋」は、麦わら帽子を逆さにしたような真っ白い器で登場した。
一見、奇抜に見える器であるが、イタリアンのパスタ料理などを入れたら似合いそうな器であり、中華の枠にとどまらず、新感覚で「麺」を提供したいと言うスタンスを感じさせられる。
スープの一口目は・・・・意外にも表層の鶏油がいきなり舌へ覆い被さるように流れ込んで来た。
この鶏油・・・・非常に口当たりが良く、上品な風味でありながら、同時に深い旨味がたっぷりと溶け込んでいる素晴らしい美味しさ。
鶏油の美味しさに驚いた直後、今度はちょっとビリビリするほどの、無数のミネラル感と明白なアミノ酸的な旨味が、舌の上へと小爆発的に広がって、一斉に舌を覆い尽された。濃厚なミネラル感があり、非常に旨味の「幅」のある複雑な味だ。
もっとジワジワと味が立ち上がる繊細なスープを予想していたので、この予期せぬ先制攻撃にはちょっと面食らってしまった。
このややあざといほどのグルタミン酸系の旨味の濃さには、まるで「あじ塩」をそのまま舐めたような感覚を受けた。そのちょっとわざとらしいような明白な旨味、もしも、無化調と言う事前の情報がなければ、あやうく化学調味料の味と勘違いしてしまいそうだ。
二口、三口と飲み進むと、スープ表面の下には穏やかなダシの世界が広がっている。鶏のふくよかな美味さを感じ、豚骨のベースを感じ、昆布の旨味を感じ、香味野菜の風味を感じる。全体がきれいに調和しているが、デリケート過ぎず、なかなか強さのある美味しいスープである。ニンニクや揚げネギのような芳ばしい風味付けも微妙に感じられ、インパクトをプラスしている。
最初に感じたやや濃縮されたようなグルタミン酸系の旨味・・・・この旨味が何によってもたらされているのかは判らないが、鶏の濃縮エキスなのか?昆布の濃縮出汁なのか?はたまた強力な天然旨味成分トリコロミン酸を含むキノコの出汁なのか?いずれにしても、誰しも、ラーメンが目の前に置かれて、最初の一口目には特に味覚神経を集中させて味わうであろうから、このようにスープの一口目に「旨味のパンチ」を持ってくるのは実に頭の良い方法だと思う。
特に無化調ラーメンは、パンチがないとか、味の輪郭が弱いなどと言われがちだし、特にシンプルな「塩」となると、何らかの「努力」「工夫」をしない限り、どうしても「物足りない味」になってしまいがちだ。ちょっとだけ、「わざとらしさ」「トリック」のような要素も感じてしまうが、一口目のインパクトを確保しつつ、全体の塩分量を減らせるという意味では大いに歓迎すべきだろう。
実際、中盤以降は、むしろあっさり、すっきりとした軽快感のある旨味に感じられて来る。
また、スープ表面こそ塩味を感じたわけだが、途中から何味なのか意識できなくなってしまうほどに、スープ本体には塩分の存在感がなく、言われてみれば、「確かに塩が使われているよなぁ」・・・・と改めて気付くほどに、「塩化ナトリウム」の味が意識できない感じだ。それだけタレに頼らず、しっかりした素材感で味が構築されているということだろう。
ただ、三口ほどスープを飲んだだけなのに、既にスープの位置がかなり下がってしまっていて、いきなり麺の上部が空気中に姿をさらす感じになってしまった。
独特な形の器ではあるが、窪み(くぼみ)にピッタリと納まる形で麺が入っているので、スープはその隙間を埋めるように入れられている感じで、そのせいかスープの量は結構少ないように思える。
極細麺は、箸で持ち上げると一本一本がきれいにほぐれ、極細にもかかわらず生き生きしたハリがあり、食感がはっきりとしていてなかなか美味しい。
小麦と玉子が比率良く混じった感じのなめらかな舌触りであるが、天然カンスイを使ったような優しい食感、ナイーブなコシの麺ではなく、意外にシャキっとして、割と硬めに仕上げられている印象だ。ただ、いかにも「上質」と言う食味ではあるものの、ちょっと予想通りと言うか、何ともソツのない優等生的な食味にも感じる。
また、独特な器の窪みにピッタリと納まるように麺が入っているので、スープの中で麺を「泳がせる」ことができず、「横」の動きがないと言うか、「ゆとり」がないと言うか・・・麺を食べていて、ちょっと窮屈さを感じてしまう。
具はいずれも特筆物ばかりを揃えたオールスター戦と言うイメージだ。
炙られたチャーシューは、今でこそ珍しくはなくなったが、当初はずいぶん斬新なアイディアに感じられたものだ。一口食べてみると、炙ったカドに適度な歯応えがあり、微妙に焼き目が付けられて芳ばしく、かつ、肉汁がきちんと残っていてジューシーでもある。そして噛み締めてゆくと、内包されていた肉の旨味が次々にあふれて来て、単に炙っている事だけがウリではない、何より「肉質」そのものが抜群に良質なものである事に気付く。肉の上質な旨味がみっちりと詰まった感じで、相当良い肉を使っていると思えるとても「濃い」旨味なのだ。
もう一種類の角切りされた刻みチャーシューは、赤身と脂身が交互に入るもので、プルンプルン、ボワンボワンする弾力がある口当たり。チャーシューと言うよりもソテーした豚肉を細く切った感じで、脂身の美味しさを味わってもらおうと言う意図のようだが、味付けが薄目ということもあって、途中から多めの脂身にはちょっと飽きを感じてしまった。
ほうれん草は量はさほど多くないにもかかわらず、噛み締めれば、しっかりと「大地の味」が炸裂する驚くべき美味しさ。新鮮で、濃厚な緑の野菜の魅力が何とも見事に生かされていて、まさしく絶品である。しかも、その鮮烈な香りがなぜか上手に閉じ込められていて、スープへ流れ出ておらず、スープの味を乱していない。
また、千葉県産という海苔は、見た目からして黒々と色が濃く、ツヤツヤと光り輝いているものが5枚も載っている。風味が素晴らしく、味も良いのはもちろん、スーパーなどで買う安い海苔は繊維が荒く、舌触りがギザギザするが、この海苔は繊維が非常に細かくて舌触りが優しい。
メンマは本場台湾産らしいのだが、薬臭さもなく、甘すぎたりもせず、薄味でスープとも良く調和している。ただ、確かに上質で品の良い仕上がりではあるものの、まるでキンピラゴボウのように細く切られていて、コリコリとする食感を楽しめるタイプではない。箸休めとしては細かく切られ過ぎているように感じられた。
味玉は、黄身が赤っぽい半熟でネットリと舌にからみつくタイプ、それほど味付けは感じられず、具の一つ一つがきちんと主張する全体の中では、割と無難な造りのイメージを受けた。
食べ終えてみると、無粋な調味料感が舌に残ったり、ノドが乾くなどの後味の悪さも、当然ながら「絶無」であった。レベルの高さはもちろん、新しいセンス、斬新なバランス感覚のもとで、美味をプロデュースしたいという意欲も感じられる。
ただ一点、やはりスープの絶対量は・・・・どうしても少ないと感じられてしまい、それが全体の完成度をワンランクダウンさせてしまっているような気がしてならない。
(麺は完食。スープも完飲。)
↓続きあり
〜中村屋 その2〜
同上日 らーめん(醤油・こってり・真空平打ち麺)750円 + 味玉(割引)50円
無化調+厳選素材系のジャンルにおいては、
今現在、私の中では文句なく「最高峰」のラーメンです。
キーテイストは「厳選鶏の脂の美味しさ」でしょう。
その味わいたるや・・・・
超高級コニャック・ブランデーのナポレオンクラスを口に含んだ時の感動・・・。
鏡面仕上げのクリアブラックの光沢に満ちた新品グランドピアノの神々しい輝き・・・。
はたまた、心の奥底へ響く、一切の濁りのない優しいフルートの澄んだ音色のイメージ・・・。
醤油+コッテリ+真空平打ち麺・・・
この黄金の組合せにこそ、
中村屋の真髄、真価、真意があるように思えます。
ダシとともに、何よりも鶏油の美味しさが「最大の美点」に感じます。
この無類のファンタジーテイスト・・・・鶏のふくよかで芳醇な脂の美味しさなんですよね。
その「鶏の違い」こそが他店には決してマネのできないレベルの「大差」を決定付けている印象。
真空平打ち麺は超絶品、素晴らしい新食感。非常に美味しいですね。
麺は真空ミキサーで練り、多加水麺仕上げにしているらしいです。
唇や舌の上を自由自在に「滑空」するかのように、「スルンスルン」と口の中へ入って来て、
意外なほどに「どっしり」とした重みを伴って舌の上へと乗って来る。
味玉は、黄身が赤っぽい半熟でネットリと舌にからみつくタイプ。
それほど味付けは感じられず、割と無難な造りのイメージを受けますた。
同上日 らーめん(醤油・こってり・真空平打ち麺)750円 + 味玉(割引)50円
続けてラーメンを「醤油」「こってり」「真空平打ち麺」で食す。味玉が半額キャンペーンだと言うので頼んだら、1.5個になってしまった。
食べる前は、「あっさり」の方が基本的に出汁の旨味がよく判って美味しいだろうと予想し、また真空平打ち麺は以前に中村屋の関連店である「AFURI」(恵比寿)で食べて、あまり好みではない印象だったのだが・・・・それらの予想に反して、あまりにも驚愕ものの「大感激の一杯」となった。
スープを一口飲んで・・・・・数秒・・・・・「うーん・・・・なるほどねぇ・・・・」と思った。
「中村屋」がこの地にして、わずか数年にして、なぜ全国区の有名店になり得たのか・・・・・このスープを飲めば、おそらく誰もが理解できることだろう。
この味を言葉で表すのはとても難しいのだが、あえて例えるとしたら・・・・超高級なコニャック・ブランデーのナポレオンクラスを、口に含んだ時の感動が近いだろうか・・・。
カミュ、クルボアジェ、ヘネシー、マーテル、レミー・・・・・世界に冠たる一流ブランデーだけが醸せる優雅で繊細で芳醇な香り、まろやかで上品な口当たり、そしてまるで脳髄がとろけるような・・・・限りなく深く、めくるめく濃密で、究極的に甘美な味わい。飲み込んだ後も口中に残るウットリとする香りと味の長い余韻は、ビロードのようになまめかしい・・・。
先に食べた「塩」よりもさらに旨味が自然な感じであり、遥かにレベルアップしている味。醤油の醸造風味はその姿を消し去り、そのアミノ酸組成だけが静かに、かつ、満遍なく出汁のサポートに回っているのが奏功している感じなのだが、それにしてもこの超絶美味、醤油のお手柄だけではないと思う。どうしてこんなに美味しいんだろうと思ったが、三口ほど飲んで、その陰の立役者の存在に気付いた。
このスープ・・・・・「出汁」も美味しいと思う。「タレ」も美味しいと思う。しかし、何よりも他店には決してマネのできない美味スープとしてのレベルの「大差」を決定付けているのは・・・・・まぎれもなく、使われている「鶏の脂の美味しさ」に他ならないだろう。
その無類の「鶏油」の良質さこそが、実はこの美味スープの最強の武器、最高の美点、最大の魅力、最終の奥義なのだと思えてならない。
超上質な鶏の油が、スープに深いコクを与え、なまめかしい艶を与え、かぐわしい芳香を与え、甘さとまろやかさを与え、五臓六腑に染み渡る奥深い滋養感を与え、結果として・・・「非凡」なスープへと仕上げていると、はっきりと感じるのだ。
今回、おそらくは「コッテリ」とした事で、鶏油が増量され、もともとのハイレベルなスープが、いよいよ「完全体」へとグレードアップして、ついにその実力の「全容」を現して来たという印象だ。
こちらの鶏油と比べると、普段口にしている鶏油は、随分と風味も旨味も貧相に感じられてしまい、まるで「カサカサ」した乾燥肌のようだし、もしくはブロイラー鶏などのあまり質の良くない鶏油を大量に使っているだけの「ギトギト」した脂性肌に感じられてしまう。それらと比較してこの鶏油は、まさに「しっとり」とキメ細かな健康的で「ツヤツヤ」と輝く美しい肌、手に吸い付くような白いモチ肌のイメージだ。
また、以前は、こちらのラーメンが、同じ神奈川県にある「くじら軒」(横浜市)のラーメンと似ていると言う話を良く聞いたことがあったが、以前はどうだったのか判らないが、少なくとも今は全く似ていないと思うし、目指している方向性も完全に異なっているように感じる。
もしあえて似ていると言うならば、むしろ3〜4年前の「支那そばや」(ラーメン博物館)と共通するモノを強く感じる。ともに厳選素材系と言うだけではない、何よりも「鶏の油の美味しさ、その香りとコクの魔力」に着眼し、良質で驚愕の美味しさを持つ「鶏」を探し当て、そしてその美味しさを実際に極限まで生かし切っているスープなのだと思える。
さらに、この超絶美味な鶏油スープのパートナーを務める「真空平打ち麺」が、これまた出色の出来栄えで、思わずうなってしまう美味しさであった。
まるで定規で測って切ったようなその麺は、平打ちストレート麺独特のスマートな軌跡を描き、やや多めのスープの油分を身にまとって、唇や舌の上を自由自在に「滑空」するかのように、「スルンスルン」と口の中へ入って来る。
そして意外なほどに「どっしり」とした重みを伴って舌の上へと乗って来ると、舌の上でまるであぐらをかいたように落ち着いた動きを見せ、その存在感を放つのだ。
麺自体は正確な平打ちストレート形状なのだが、すすった印象は「紡錘形」(ぼうすいけい)のようなイメージがある。最初と最後がすぼまっていて、中間が膨らんでいるかのような・・・・中央付近に一段の盛り上がりを感じるのだ。おそらくは数本がからみあった結果、中央付近にボリュームが出ているだけなのだろうが、何とも珍しいすすり心地であり、フラットでプレーンなコシと相まってかなりの新食感に感じられるとともに、文句なく「美味しい」と思う。
製法としては、どうやら真空ミキサーで練り込んでいるらしいのだが、小麦粉がミクロン単位で均質化され、顕微鏡レベルで整列したかのような、舌触り、唇ざわり、なめらかさ、密度感、均質感・・・・確かに他では出会った事がない麺だ。
「自在に滑空するような動き」、「絶妙な重さ」、「ノドの通りの太さ」、この真空平打ち麺と比較してしまうと、先に食べた極細麺があまりにも凡庸に感じられてしまうほどだ。以前に「AFURI」で食べた時よりも、全くの別物と思える出来栄えと感じられた。
また、具も結構充実していて、最初から味玉半分やホウレン草も入って来る。「特中村屋」と比較しても刻みチャーシューが入らないのと、海苔が一枚になるだけの違いのようだ。それでいて、200円安くなり、スープもたっぷり注がれて来るのは嬉しいことだ。チャーシューや味玉も、塩スープよりもこちらの醤油スープの方が、味付けの相性的に合っているようにも感じられた。
食べ終わってみて、もしこの超絶美味スープを「色」に例えるとしたら何色になるだろうかと考えてみた。
そうして思い浮かんだのは・・・・・このスープの「艶やかさ」「なまめかしさ」「豊かさ」「深さ」「美しさ」は、新品未使用のグランドピアノの光り輝く「クリアブラック」のイメージだと思った。
スープ表面に浮く非凡な「鶏油」という優れた層の存在が、黒色に上塗りされることで、艶を生み、深みを生み、単なる「ブラック」を、「クリアブラック」へと成長させるクリア層のイメージと見事にダブるのである。
また、新品未使用と言う点も大事な要素だ。傷一つ、くすみ一つ、色むら一つない、指紋一つ付いていないクリア層にコーティングされたピアノブラックの深い漆黒の輝き・・・・一切の雑味がなく、きれいに輪郭の整ったクリアな味わいのスープからは、どう光を反射させてみても、細かなスジ傷や指紋一つ付いていない、神々しい光沢に満ちた鏡面仕上げの新品グランドピアノの輝きを連想させられる。
(麺は完食。スープも完飲。)
↓続きあり
〜中村屋 その3〜
同上日 辛口韓国麺(あっさり、極細麺) 850円
ステンレスの器で登場する塩味ベースのピリ辛スープ。
透明感のあるあっさりした辛味が優しく上品。
炙りチャーシューが、この韓国風ピリカラスープに入ると、
焼肉風に感じられ、美味しさアップしますな。
遊び心と言うか、スナック風と言うか、どことなくオヤツっぽい軽いノリがある。
透明感のあるあっさりしたスープに、上品なこの辛味は良く合いますね。
ただちょっと辛味のパンチの後に続く旨味がやや大人しめ・・・。
もう少し「厚み」が出るとさらに満足度アップでしょう。
同上日 辛口韓国麺(あっさり、極細麺) 850円
最後は「辛口韓国麺」をオーダー。昨今の韓国ブームに影響されたのか、ピリ辛スープのラーメンだ。なぜかギラギラと輝くステンレスの器に入れられて登場して来た。
スープを飲んでみると、ベースは塩味スープのようだ。そこへ辛味のある香味油を注ぎ、一味唐辛子と白ゴマを浮かせたというような印象。
この「辛味」、スープ全体に満遍なく浸透している感じなのであるが、ジンジンと蓄積してゆくような鈍い辛味ではなく、一筆書きのような単純な辛味でもない、何と言うか一つのだんご状のような固まった辛味ではなく、小粒の辛味が口中のあちこち複数の場所でポッポッポッと同時発生的に生じて、全体として無数の粒立ち感のあるしっかりした辛味を生んでいる感じ。
それほど激しい辛味ではないが、味のリード役を担っていて、スープ自体の出汁や素材感は、やや脇役になっているイメージを受ける。
透明感のあるあっさりしたスープに、この辛味は良く合うと思うのだが、ただちょっと辛味のパンチの後に続く旨味がやや大人しめに感じられてしまう。辛味と言うパンチがあるためか、味の舌離れが良く、あっさり、すっきりしているのは良いのだが、言い方を変えれば味の層が「薄着」と言うか、ちょっと表層的に感じられてしまう味にも思えた。
極細麺をすすると、刻まれた水菜がからんで来て、唇回りがワラワラとする面白い食感を生み出している。そのまま噛み締めると、今度は葉のとがった水菜と炒った白ゴマの食感が加わって、スナック菓子のようなパリッ、ポリッ、シャクッ、プチッとする面白い食感を生んでいる。
美味しさだけでなく、何となく愛嬌のあるメニューと言う感じであり、遊び心と言うか、どことなくオヤツっぽい軽いノリがあるように感じられる。
また、炙りチャーシューが、この韓国風ピリカラスープの中に入ると、何と言うかちょっと焼肉風に感じられて・・・・一層良く「合っている」印象になり、これならチャーシュー増量などをしてみても面白いかも知れない。
全体としても、確かに韓国風テイストがあり、スープを飲んでいても、焼肉を食べた後のテールスープを飲んでいるような感覚になった。
また、レンゲを使わずにステンレスの器に直接口を付けてスープを飲んでみたところ、歯の表面の水分が奪われるような、金属イオン独特の「キンキン」する感じがある。やはりラーメンの器としては磁器製が良いと思える。
食べている際は、なかなか辛いなと思ったが、お店を出てから、辛味は5分ほどで完璧に口中から姿を消し去って行った。さすが・・・・何とも潔い後味である。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
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