ラーメン&つけ麺食べ歩き
むさし坊 本店
(埼玉県 さいたま市)
店名 麺匠 むさし坊 武蔵浦和本店(むさしぼう) 住所等 埼玉県さいたま市南区沼影1-7-6 【地図表示】 禁煙 タバコ完全禁煙 訪問日 2004年12月下旬 むさし坊ラーメン(細麺) 680円
〜麺匠むさし坊〜
(各写真はクリックで拡大します)
右に見える高架がJR武蔵浦和駅。
駅前には「ラーメンアカデミー」があります。
武蔵浦和駅や「ラーメンアカデミー」から
徒歩1〜2分ほどでお店に到着。
蕨市、川口市にも支店があります。
ガラス張りの明るい店構え。
店内はL字型のカウンターのみ。
壁に沿って待ち客用の席もありますぞ。
券売機です。
手書きの文字がフレンドリーですな。
太麺と細麺が選べます。
「むさし坊らーめん(細麺)」を購入。
大きく「無化調」の宣言。
右のケースには大量の麺箱が・・・。
「むさし坊らーめんの美味しい食べ方」です。
「化学調味料を使用していないので、
味がもの足りないと感じる場合には塩昆布を加える・・」
と書かれてます。
これがその「塩昆布」です。
カウンター上に置かれていますた。
2004年12月下旬 むさし坊らーめん(細麺) 680円
本当に美味しいものは「食べ終えた後にこそ判る」
と言うセリフを聞いた事がありますが・・・
事実、食べ終えてから十数分後・・・
口中に徐々に始まる「第二幕のショータイム」は
実に深遠で奥ゆかしくナイーブな味わいの名競演・・・。
非常に「内省的」な味わいのラーメンですな。
スープは「鶏」中心で、豚は一切使っていないそうな。
軽い塩味が水平に「ピーン」と張り詰め、
その水平線に沿って鶏の優しくふくよかなダシが、
実にゆったりと「漂う(たゆたう)」イメージ。
そして何より長らく後を引く、
後味の「きれいさ」、「豊かさ」は特筆に価しますな。
ふくよかで奥ゆかしい細麺がスープとベストマッチ。
添加物感とかカンスイ臭は絶無です。
替玉もオーダー可能ですぞ。
奥ゆかしいラーメンの中で、
極厚チャーシューがたっぷりの量感を演出。
実に1cm超の上質肉の噛み応えは「感涙もの」ですぞ。
肉質、味付け、食べ応えともに「必食」です。
2004年12月下旬 むさし坊らーめん(細麺) 680円
今や埼玉県内に三店舗を構え、無化調にこだわりを持つ人気店。
武蔵浦和駅の西口を降りると、駅前にラーメン複合施設「ラーメンアカデミー」があり、その前を通り過ぎて一分ほどの場所にお店はある。入店すると客席はL型のカウンターのみ、「無化調」と大きく壁に貼ってあった。
券売機で「むさし坊ラーメン」を購入する場合、麺は「太麺」と「細麺」が選べるのだが、穏やかな無化調スープには細い麺が合いそうなので、細麺で購入した。食券を渡す際に、「麺の固さ」「味の濃さ」を尋ねられたので、初訪問と言うこともあり、いずれも「普通」でお願いした。
カウンター上の説明書きによれば、スープは鶏が中心で、チャーシュー以外には豚を一切使っていないそうだ。また、無化調なので、万一、味がもの足りないと感じる場合や味が薄いと感じる場合は、卓上の「塩昆布」や「醤油ダレ」を加えて欲しい旨の記載があった。
登場したラーメンは、白濁したスープが、鶏をいかにも強火で長時間煮込んだことを窺わせる。揚げネギがほんのりと香っていて、風味を増幅させていた。
まずはスープを一口飲んでみると・・・・意外にも「ピーン」と張り詰めたピュアな塩味が感じられた。その塩味、はっきりとしたキレとインパクトを放っているものの、軽さがあり、かつ、水平にきれいに伸びた塩味というイメージで、「塩辛い」とか「しょっぱい」という無粋な印象ではない。そして、その塩味のインパクトがどこへともなく消え去ると・・・後には鶏のふくよかな丸い味わいが徐々にその姿を現してくる。
豚骨を使っていないせいか、とても「軽く」「丸く」「柔らかい」動物系スープである。「ソフト」とか「マイルド」とも言えるかも知れないが、そこへややはっきりした塩味が前後を伴走するように横たわっているので、味が奥へ引っ込んでしまうような事はなく、決して手探りで食べ進むような難解な味わいにはなっていない。
また、揚げネギの香ばしい風味が鶏のソフトな風味を絶妙にフォローする感じで、スープ全体としても、次々に食べ進ませるパワーを備えていると思う。
数口飲んでみて思ったのは、何と言うか「雑味のない」「きれいな」味わいのスープだと言う事だろうか。ただ、私的には、舌が鶏のダシをじっくりと味わおうと追いかけてゆくと、やや強めの塩味に舌の行方を邪魔されてしまう感じで、これなら「味薄め」でオーダーすれば良かったと思った。この辺の塩味のさじ加減は、一口目での「明確な味の立ち上がり」と、ダシの繊細さを損なわない「薄味さ」のバランスがなかなか難しいところなのだと思う。
麺はとても奥ゆかしい食味の細麺、やや縮れた感じで、モニュモニュとする柔らかめの歯応えになっている。意外にも長めの麺だが小麦がふんわりと軽い感じで、ソフトな口当たりがこのスープとは非常によく合っていると思う。量はそれほど多くないが、「替玉」ができるようになっていて、実際に他のお客さんは替玉をオーダーしていた。
また、驚いたのがチャーシューの「厚み」であり、何気なく箸で掴んでみると、ゆうに1cmを超える分厚さで、しかも「ガッシリ」とした噛み応えながらも、「サックリ」とスムースに歯が入ってゆく繊維感が最高である。噛み締めれば、これぞ「厳選された上質肉」そのものと言う美味しさ。ホロリとする柔らかなブロック感とモグモグと良く噛んで食べる歯応えが見事に同居している。臭みもまったくなく、味付けはとても控えめで、肉自体がとても美味いと言う印象だ。卓上の説明にあったように、フチ(皮)の部分もブヨブヨした脂身の感じがなく、確かにコラーゲンのようなマッタリした口当たり、やや冷めたい状態だったのだけは残念に感じた。
メンマのようなものは、どうやら芋ガラ(里芋の茎?)らしい。食べてみるとプニプニしてデリケートな繊維感があり、甘苦い味、まるでぶどうの「巨峰」の実のような不思議な歯触りだった。その他、赤いクコの実が目を引くが、甘じょっぱいような独特の味わいで果物のような酸味があった。
塩味が効いていたこともあり、味の物足りなさは感じなかったが、途中で試しに「塩昆布」を入れてみた。この薬味を入れることで塩味とグルタミン酸を補強できると言う意図なのだと思うが、やはり昆布の磯の風味が目立ってしまうように感じられ、何も足さないままの方が、やはり「完成形」と思えた。ただ、意外にもコショウがよく合うスープで、少し入れてみると、パンチやキレが加わり、スピード感が倍増する印象だ。
替玉も視野に入れているせいか、器もスープも最後まで超熱々であったが、器が広口で底が平らと言うこともあって、食べ進んでゆくと、不意に器の底が見えて来て、心の準備もおぼつかないまま、突然のジェントルなエンディングを迎えてしまった。いつのまにかスープを飲んでしまっていた感じだ。
食べ終わった時点では、単に「うーん、まろやかなラーメンだったなぁ・・・」という印象であった。後味も確かに無化調特有の「すっきり」「爽快」で、クドさのない味わいである。
しかし、食べ終えてお店を出てから十数分後・・・口中には、二度目の類まれなる「味覚のショータイム」が徐々にその「幕」を上げつつあった。
食べ終わって随分と時間が経つにもかかわらず、鶏の旨味が絶妙な塩味とともに口の中に甦って来て、なぜか唾液が次々にとめどなくあふれ出て来るのである。
「鶏」のふくよかな風味が口中に蘇生し、その味わいの「記憶」が鮮明に脳裏に呼び覚まされる。
何と言うか、食べていた時には見えなかった「鶏」の味わいの細かな部分が、「残像」となった時点で、むしろ一層鮮烈にはっきりと見えてくる、感じられてくる・・・・と言う印象なのだ。また、揚げネギの風味も心地よく舌の奥に甦って感じられる。
何とも実に深遠で奥ゆかしくナイーブな味わいの名競演・・・が私の舌の上で奏でられて行く。まさに、このラーメンの真価を発揮する「第二幕」が上演されているイメージだ。
まるで、登山に出かけ、頂上に到達したにもかかわらず、天候に恵まれず靄(もや)に覆われていた山岳風景が、いよいよ靄が晴れた後に、隠されていたその息を呑むような見事な風景の全容が、くっきりと眼前に浮かび上がり、存分に展開され始めたような・・・そんなイメージでもある。
この「第二幕」は、その後30分ほどに渡って私の舌の上で奏でられ続けていた。
実に何とも後を引く見事なスープであり、非常に「内省的」なスープである。やはり、ひとかたならぬ実力を備えた「鶏スープ」なのだろうとはっきりと確信する。
これならやはり是非とも「味薄め」で食べてみたい・・・いや・・・むしろ、思い切って「タレなし」で是非一度食べてみたいなぁ・・・と思った。
(麺は完食。スープも完飲。)
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