ラーメン&つけ麺食べ歩き
むさし坊 東川口店
(埼玉県 川口市)

店名 ラーメン 麺匠 むさし坊 東川口店(むさしぼう ひがしかわぐち)
住所等 埼玉県川口市戸塚2-24-4 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年2月中旬 細麺 むさし坊らー麺(味薄め) 680円



〜麺匠むさし坊東川口店〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店はJR武蔵野線の東川口駅から徒歩すぐ。
埼玉高速鉄道の東川口駅も近いです。






徒歩1分ほとでお店を発見しました。
左手に見える土手が武蔵野線の線路です。






「むさし坊」の三店舗目。
ガラス張りの開放的な店構え。
すぐ左側には駐車場も数台分ありますぞ。






券売機制です。
メニューはバラエティ豊かですね〜。
「細麺むさし坊ラーメン」を購入しました。






清潔感にあふれる店内はL型カウンター式。
ともかく明るく、ピカピカの店内ですね。
冷水ポットの中身はブレンド茶。






オープンキッチンですが
厨房は一段高くなっています。
調理も接客も若いパワーを感じますな。










2005年2月中旬 細麺 むさし坊らー麺(味薄め) 680円



上品にまとめながらも、何とも「サプライズ」のある一杯。
食べ進むにつれ、その繊細、可憐、精緻な作り込みに驚かされます。

すべてのパーツから・・・「上質素材」テイストが漂う
若い才能にあふれた「創作料理」の世界。
中華というよりも、むしろイタリアンの技法を感じますね。









濃厚でありながら、どこまでも「可憐(かれん)&ピュア」な鶏白湯スープ。
「カツオ」風味が一枚、ベースに敷かれて味の膨らみを与えています。
基本のスープが良いので、麺も具も美味しさ倍増。






自家製麺だそうです。
ノドゴシ重視とのことで、ユルーリとする滑らかな食感。
微妙に魚粉がからんできます。






「芋がら」(里芋の茎?)は実に珍しい具。
表面はザラザラして、中は繊維質と水分が豊富。






とても深さのある器なので熱々スープがタップリです。
替玉も可能で、50円と言う超良心価格。




2005年2月中旬 細麺 むさし坊らー麺(味薄め) 680円

埼玉県で人気の「むさし坊」の三店舗目で2003年9月の開店らしい。こちらの東川口店はスープにも具にも豚を一切使わないお店との事で、世間での評価もすこぶる高いようだ。
JR東川口駅から徒歩1分ほどの便利な場所にあるが、店舗のすぐ左に数台分の駐車場もある。 店内はL型カウンター式で、ともかく明るく、ピカピカで、この上ない清潔感にあふれている。メニューは豊富で「つけ麺」「塩ラーメン」「味噌ラーメン」「担々麺」など揃っているが、先日食べた「武蔵浦和店」での印象が良かった「細麺 むさし坊らー麺」にしてみた。オーダー時に好みを尋ねられたので、武蔵浦和店ではやや塩味が目立って感じられたので、今回は「味薄め」にしてみた。

登場したラーメンは、一見、武蔵浦和店と良く似ているものの、海苔がなくなって万能ネギ(?)が入り、チャーシューも豚肉から鶏肉に変えられている。また、器の形も洗面器のような広口のタイプから、深さのあるややすぼまったタイプに変更されていた。
スープ表面はしっかりとゼラチン膜が浮いているが、いかにも「鶏」からのものと思われる柔らかそうなゼラチン膜だ。そして、新鮮そうな黄色い鶏油とともに、カツオ節粉のようなものが散らされていた。

そうして、一口スープを飲んでみると・・・・唇に「マッタリ」と触れる「ふくらみ感」のあるスープの口当たり・・・鶏を強火でしっかりと煮出した白湯スープは、雑味や臭みが全く感じられず、とても品の良い一流の「料理」の如きスープの様相を備えている。さらに「薄味」にしたこともあって塩味がとても大人しく、行儀良くまとまっている様子には何となく「ブルジョワ階級の食べ物」と言うような上品な印象を受けた。
鶏の濃度が豊かで、油も出ていて決して軽くないのだが、いわゆる「ラーメン」というにはあまりに「上品」なテイストが漂うスープなのだ。無化調だそうだが、それだけに止まらない「育ちの良さ」のようなものをひしひしと感じさせられる。

ゆったりとした、ふくよかな鶏の旨味が、極めてピュアに存在している印象のスープだが、その足元には「カツオ」風味が一枚、ベースとして敷かれている事がわかる。鶏の風味に伴走し、見え隠れするように絶妙な魚介風味を付与し、味に膨らみを与えているようだ。また、揚げネギも散らされているが、これがまた極めて繊細に仕上がっていて、夜空にまたたく小さな星の如くデリケートな風味をキラキラと放っている。

このスープから感じるのは、「荒々しい造り」「インパクト路線」「ジャンク的うまさ」などとは180度「逆」のベクトルであり、非常に「繊細」、「可憐」、「精緻」な作り込みが成されている事が判る。はっきり言って傑出したセンスを感じる相当な「力作」だと思う。

麺は自家製麺で、ノドゴシを重視した作りになっているという。そのせいか、「ユルーリ」とするちょっと柔らかめの非常になめらかな食味。実に「柳腰」という表現がピッタリ当てはまりそうな、何とも柔らかで摩擦係数の低い口当たりである。
この辺はやはり好みもあるとは思うが、個人的な好みとしては、もう少し「シャキッ」としたキレや、「プリプリッ」とするハリがある麺だと、ぐっと躍動感が出て、このマッタリ感の豊かなスープとも一層合うような気もした。自家製の太麺もあるようなので、その太麺との相性も気になるところだ。

鶏肉のチャーシューは非常にふっくら、しんなり、柔らか・・・箸でつかむとホロホロ崩れるとても上質な食味である。臭みやクセも一切なく、鶏ならではの優しい味わいがともかく素晴らしい。しかし、スープに散らされた魚粉が影響しているのか、味わいはまるでちょっと「ツナ」のような風味を感じる。もともと鶏肉ゆえの淡白な味わいなので、影響を受け易いのだろうと思うが、何しろ「シーチキン」(海の鶏肉)という位だから肉質自体もよく似通っている。

芋がらはメンマの代わりと思われるが、その表面はキウイフルーツの皮を連想させるザラザラしたもので、なかなか面白い舌触りだ。噛み締めるとブドウの「巨峰」の実のような「ブチュッ」「プニュッ」とつぶれる感じで水分と繊維質が豊か。武蔵浦和店で食べた時よりも固めの歯応えと感じた。赤いクコの実は強い酸味があり、まるでフルーツのような風味がある。万能ネギ(?)が長いまま載せられているのは珍しいが、予め熱を通してあるのか、食感的には柔らかくて違和感はまったくない。

食べ終えてみれば、「薄味」にしたこともあり、ナチュラルな素材味に終始した感じだが、唇の周りに残ったうっすらとした塩っ気で、やはり多少なりとも「タレ」が使われていた事が判る。
ともかく、スープも、具も、「奇をてらった」・・・・というような安易なレベルではなく、既存のセオリーにとらわれない、若い才能にあふれた「創作料理」の世界を感じる。
そして、何より「中華」というよりも、むしろ「イタリアン」の技法をどこからともなく感じてしまう。さすがにオリーブオイルは使われていないようだが・・・。

冷水ポットの中身は、ジャスミン茶、鉄観音茶、麦茶のブレンドと書かれていた。一口飲んでみると、非常に「薄く」抽出されたお茶で、ほとんど風味が感じられず、その真意を量りかねたが、ラーメンを食べ進むにつれ、この繊細、可憐、精緻な作り込みで醸されたデリケートな味わいのラーメンの風味を、決して邪魔しないように配慮されていたのだと言うことが理解できた。

途中で卓上の「塩昆布」を少し入れてみた。旨味の補強が出来ると言うことらしいのだが、正直言ってその「磯風味」の強烈さが、このスープの醸す繊細な味覚ワールドを壊してしまうように思えてならない。また、自家製と言う「黒七味」なども置いてあり、珍しいので少し入れてみたが、やはりこれも「ピュア&可憐さ」が身上のこのスープとはあまり合うとは思えなかった。

器がかなり深く、タップリとスープが入っているので、武蔵浦和店の時のように不意にスープの底が見えると言うようなことはなかったが、それでも結局はスープを飲む手が止まらず完飲してしまった。
しかし、その後20分ほど様子をみたが、武蔵浦和店で感じたような食後の「第二幕の美味」の上演は感じられなかった。
味薄めにしたせいなのか、それとも私の体調のせいなのか、もしくはその他の要因なのかは判らないが・・・。


(麺は完食。スープも完飲。)











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