ラーメン&つけ麺食べ歩き
めんくい亭
(埼玉県 所沢市)
(2004/12閉店)
店名 |
めんくい亭(めんくいてい) |
住所等 |
埼玉県所沢市東狭山ケ丘3-2890 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ完全禁煙 |
訪問日 |
2004年11月下旬 塩ラーメン 750円 |
〜めんくい亭〜
(各写真はクリックで拡大します)
到着しました。
狭山ヶ丘駅から徒歩12分ほど。
お店はパチンコ店の駐車場内にあります。
逆光がマブシイ・・。
営業時間と定休日。
中休みなしで営業しています。
店内はカウンターのみ。
とても清潔で落ち着いた雰囲気ですな。
メニューです。
醤油、塩、味噌、ワンタン麺と揃っています。
塩ラーメンをオーダーしました。
完全なる無化調宣言のお店です。
店主さんは、無化調の名店「波里」で
修行されたようですね。
穏やかな物腰ながら、非常に真摯な調理ぶり。
とても感じの良い店主さんでした。
2004年11月下旬 塩ラーメン 750円
あくまで「素材が主役」のスタンスですな。
作り手の好みやクセを消し去り、「素材を最大限に生かす事」を突き詰めてゆくと、
こういうラーメンになる・・・というイメージ。
ベースには、非常に強固な味の「設計図」がある印象です。
さらに一切のゴマカシや妥協をせず、その設計図どおりに完璧に作り込んだ感じ・・。
作り手の明確な「決意」が伝わって来ますね。
うーん・・・・
キラキラと無数に光またたく旨味のギャラクシー。
まさに旨味の「大銀河」ですな。
無化調でありながら、かなりパンチのある味わい。
私的にはちょっと油が多めかも。
中細麺は多めの油を身にまとったちょっと独特なノドゴシ。
カンスイ控えめと言う感じのとても優しいコシ、
しかし決して軽すぎる食味ではなく、むしろやや重めの食味。
なかなか厚みのあるチャーシュー。
ふっくらとしつつも歯応えをしっかり残していますな。
ナチュラルな味わい、モグモグと繊維に沿って噛み砕く感じ。
2004年11月下旬 塩ラーメン 750円
以前、「無化調ラーメン」で名を馳せたお店の一つに三軒茶屋の「波里」(ハリー)があった。近いうちに食べてみようと思っている内に閉店してしまい、心底、残念でならなかった。
こちらのお店は、その「波里」で修行された方が、同じく完全無化調でラーメンを提供しているお店と知り、晩秋の一日に訪問してみた。
お店はパチンコ店の駐車場の一角に設けられている。ドアを開けると店内は柔らかな日差しが差し込む落ち着いた空間が広がっていた。メニューには「無化学調味料ラーメン」と書かれている。裏面には「当店が化学調味料を使用しない理由」が丁寧に書かれていた。
店主さんの物腰や調理の一挙手一投足を拝見していると、ラーメンの「料理」としての高尚さを「無欲に」「一心に」追求している人特有の、あるレベルの「悟り」の境地にあるかのような・・・そんな印象を、誠に勝手ながら受けてしまった。
穏やかな雰囲気でありながら、実に「正々堂々」「包み隠さず」とした雰囲気に相当な「自信」のほどが窺えるのだ。
いよいよ登場した塩ラーメン、まずはレンゲにてスープを一口飲んでみると・・・・・まさに一気に、素材の「旨味のシャワー」を舌先に浴びせられたイメージだ。
しかし、この辺りが天然素材オンリーの由縁なのだろうか、決して旨味が「出っ放し」なのではなく、「またたく」というか、「きらめく」というか・・・言うなれば夜空にきらめく「天の川」の如く、キラキラと小さな無数の光が、それぞれの色、それぞれの光度、それぞれの周期で、真に「またたき」「きらめき」ながら、舌の上へと次々と舞い降りてくるような・・・・・まさにそんなイメージである。
さらに、何かの素材が目立っているスープと言うタイプではなく、2〜3種類の素材だけでは到底出せない、相当多くの素材を使った、まさに素材の「掛け合わせ」の「妙味」を深く感じさせられる、実に複雑な味わいの美味しいスープだ。
つまり、非常に入念な味の「設計図」の元に、いずれの素材もが突出されておらず、「黄金分割」的な比率のマジックの存在を強く感じる。
しかも、作り手が日々のちょっとした思い付きや単なる小手先技で、その肝心で重要な「設計図」を変にいじってしまうことがなく、最初にオーソライズされた「味の設計図」どおりに、「無心」に、「完璧」に、「枝葉末節」まで、本当にしっかりと作り込まれている印象を受ける。
ともかく、無化調と言うと「難しい」「パンチ不足」という印象が浮かんでしまうが、こちらのラーメンはダシが穏やかながらも、実にしっかりと出ているので、決して繊細すぎる味ではなく、一口目から「明確に」美味しいと感じさせられる。
塩味はしっかりと効かされているが、とがった塩辛さや重さではなく、「ニガリ」などのミネラルの多そうな、「旨味」の豊かな深い味わいが堪能できる。
ただ、ちょっとだけ気になったのは、スープ自体の旨味が充分であるので、載せられている揚げネギが風味的にやや主張しすぎているというか、この「設計図」の中においては、私的にはあまり必要性を感じられなかった事だろうか。
また、麺は、いかにもカンスイ控えめと言う感じのとても優しいコシ、ナチュラルでふくよかな食味の中細麺だ。
しかし、すすってみると・・・油のベールをなかなか「厚めに」まとったような・・・たっぷりとオイルを塗ったような・・・ものすごく滑らかで、ちょっと不思議な口当たりである。スープの多めの油がからんでいるのかと思うが、決して軽すぎる食味ではなく、やや重めで、なかなか珍しいすすり応えのある麺だ。
メンマはコリコリとかではなく、「パリッ、パリッ」と弾けるような、実に小気味良い食感。味付けはスープと同化したものでなかなか美味しい。
チャーシューは厚みがあり、ふっくらとしつつも歯応えをしっかり残しているのはなかなかお見事。味付けは丁寧だがナチュラルで肉の味が生かされたタイプである。ホロホロ崩れるほど柔らかくはなく、モグモグと繊維に沿って噛み砕く感じだ。
玉子はまったく味付けなしで、丁寧に半熟になっていた。
食べ終えてみれば、何と言うか、全体的に「キレ」や「スピード感」を楽しむと言うよりは、「厚み感」「ゆとりのある味わい」・・・と言う感じ。しかし、後味的にやや油が唇回りに残るのはちょっと気になった。
それにしても、多量の素材が溶け込んだスープは実に深い味わいがいがある。そして、何と言うか良くも悪くも、一切の後ろめたい部分なく、真っ直ぐにスクスクと育った「健康優良児」のような、無化調の「モデル」的な実に堂々とした味わいでもある。
ただ、やはりそれゆえに、「ある趣向」の人にとっては、こちらのラーメンはやや優等生的すぎると言うか、逆に何となくどこかしら満たされない部分を感じる人がいるかも知れない。
つまり、ラーメンの持つ、どこかしら「悪びれた」「陰の」要素を求める方には、ちょっときれいにまとまり過ぎていると言うか、やはりラーメンとしては、もう一つ何か「クセ」が欲しい気もする。
(麺は完食。スープは7割飲んだ。)
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