ラーメン＆つけ麺食べ歩き
麺好
（東京都 中野区）

2004年6月中旬　みそらーめん　750円

以前、ＴＶ「どっちの料理ショー」で「塩ラーメンＶＳ味噌ラーメン」を特集した際に登場したお店らしい。
ヒサシもノレンも紺一色で、なかなか渋い店構え。店主さんは気合の入った感じで、やたらとキビキビ良く動いている。

供されたラーメンは、とても穏やかで洗練された味噌の香りが心地よく漂って来る。スープを飲んでみると、何かが突出してやって来るという事は一切なく、ふくよかな味噌の旨味が口中いっぱいにあふれる。どうやら私の好きな「白味噌」ベースの味噌味であることが判り、うれしくなる。さらに店内の説明によるとこの味噌ダレには、各種野菜、くだもの、ハチミツなどが混ぜてあると言う。この説明を読むと、何だか甘そうなスープかと思ってしまうが、決して甘いということはなく、穏やかさや、ふくよかさを加えている印象だ。
味噌自体の味にも、「とがり」とか「カド」と言うものがなく、口当たりが素晴らしく柔らかい優しい味だ。また、味噌ラーメンでありがちなラードの層がなく、スープ自体にコクがありながら、しつこさやクドサがまったくなく、ライト＆スムースな印象を持っている。「コッテリ」と「コク」とは、やはり全くの別物なんだなぁと、改めて理解する想い。そして、脂っぽさが少ないため、味噌の大豆感や麹の風味がとてもよく舌に伝わってきて、随分と滋味深い味わいである。また、出汁は穏やかで静かに利いているという印象、塩分もかなり控えめなヘルシー路線なので、ついついゴクゴクとスープを飲んでしまう。やはり、穏やかながらも、しっかりした味わいで美味しい。上部に少しオレンジ色のラー油状のものが浮いているが、さほど辛さは感じられない。

麺は思っていたほど太くはなく、丸みのある中太麺。表面が柔らかくビロードのようになっていて、スープを良くからめそう。食べてみると柔らかめで和やかなコシを持っている。このナチュラルスープに、まさに「好相性」の素晴らしく口当たりの優しいおいしい麺である。
多少、思った事は、単体ではとても美味しいスープであるが、麺やモヤシ、白髪ネギ等とからめると、ちょっとスープが自然体過ぎて、やや「ひっかかり」がない感じを受ける。特に麺を多めにほおばると、体積比で、どうしてもスープの量が減るため、やや薄く感じてしまう時がある。ただ、一口、一口、に焦点を当てたと言うよりは、おそらくもっと大きな視点で「一杯全体を食べ終えた時」のバランスを考慮して、味を決めているのだろうと理解する。

少量の挽肉が入っているが、チャーシューはなく、器の中からは肉っぽさや、動物系の脂感はあまり感じられない。半熟玉子は味付けなしで玉子の味がストレートに出ている。白身がポヨポヨした、とても柔らかな食感である。メンマはほとんど味付けなしで「ナチュラル」という感じ。味を組み立てるに当たって、「ヘルシーさ」、「ナチュラルさ」、を最も優先した感がある。

ただ、普段、ひとクセも、ふたクセもあるインパクト系やニューウェーブ系のラーメンを食べている人にとっては、こちらのラーメンはやや優等生的すぎると言うか、美味しくても、何となくどこかしら満たされない部分を感じる人もいるかも知れない。あまりに「ピュア」というか、ちょっときれいにまとまり過ぎているというか、やはりラーメンとしては、何か一つは「クセ」が欲しい気もする。
また、壁に貼ってあるラーメン素材などの説明が、ちょっと文字が小さいのと、初訪問であったため、頭上にあるメニューを発見するまで、だいぶキョロキョロしてしまった。カウンタースペースには余裕があるようだし、できれば見やすい卓上メニューなども置いてくれると嬉しい。


（麺は完食。スープは７割飲んだ。）

---

ホームへ


−　ＢＢ！ラーメン＆つけ麺　名店集　−



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。

Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.


.