ラーメン&つけ麺食べ歩き
増田家
(千葉県 千葉市)

店名 横浜ラーメン 増田家(ますだや)
住所等 千葉県千葉市中央区富士見2-22-5 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年12月上旬 ラーメン(並・味薄め)600円 + 煮玉子100円 



〜横浜ラーメン増田家〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店が見えて来ますた。
京成千原線の千葉中央駅から徒歩1分。
千葉都市モノレール1号線の葭川公園駅から徒歩2分。
JR千葉駅からも徒歩7〜8分かな。






赤い看板には「横浜ラーメン」の文字。
この周辺は有名ラーメン店が多数林立し、
なかなかのラーメン激戦区の様相。






カウンター席、テーブル席、
そして奥には小上がり席もあります。






メニューその1。
「ラーメン並」を味薄めでオーダー。






メニューその2。
味が調節可能なのは「家系ラーメン」のお約束。
評判の「煮玉子」もオーダーしてみました。






レンガ張りの壁や椅子のデザインなど
どことなくパスタ店っぽい感じ。










2005年12月上旬 ラーメン(並・味薄め)600円 + 煮玉子100円



私の知る限り・・・横浜家系ラーメンの中でも、
「スープ」「麺」ともに明らかに「別格」と感じる一杯。

決して「押せ押せ」の力ずくや、闇雲な物量作戦ではない、
スッキリと旨味だけが見事に分離抽出された
どこまでも上品で透明感のある見事な仕上がりの絶品スープ。

加えて「麺」の美味しさは・・・まさに「一生もの」の感激。
珍しいキクラゲも抜群の品質&美味しさ。









明らかに「グレードが違う」「高級感が違う」スープ・・・。
臭み、濁り、エグ味、雑味が一切感じられず、後口も非常に軽快。
ともかく行儀良くきれいに本物の動物の旨味(エキス)が出そろっている感じ・・・。






麺も、これまた「絶品」。
あまりの凄まじいまでの美味しさにビックリ。
「ツルッ」として、「モチッ」として、「フゥンワリ」として・・・
唇の上を滑空し、舌の上を優雅に跳ねるような動きに思わず「放心」・・・。






「ツルツルッ」と動きが速く、思い切り大胆でアクロバティックな動き・・・。
口中の空間をフルに使った麺の三次元のダイナミックな動きで、
麺が舌の上を見事に「行き来」するイメージ。






利尻昆布で味付けがされたと言う名物の煮玉子。
黄身がホクホク、ホッコリとして、ややお菓子っぽい甘味を感じます。




2005年12月上旬 ラーメン(並・味薄め)600円 + 煮玉子100円 

同じ千葉市内の「末広家」とともに、千葉県の家系ラーメン・シーンの牽引役として評判の高い人気店。
もともとは旭川ラーメン店のお店だったらしいが、2001年5月に新たに「家系」としてリニューアルオープンしたようだ。お店は京成千原線の千葉中央駅から徒歩1分、JR千葉駅からも徒歩7〜8分と便利な場所だが、この周辺は有名ラーメン店が多数林立し、なかなかのラーメン激戦区の様相をなしている。店内は「家系」としては珍しく、レンガ張りの壁や椅子のデザインなど、どことなくソフトムードでパスタ店っぽい感じがあり、女性同士などでも入りやすい雰囲気である。
注文の際に「好み」を尋ねられ、大抵の家系は私にとっては味付けが濃すぎると感じることが多いので、こちらでも「味薄め」でオーダーした。

登場したラーメンは、定番の青菜の代わりに家系ラーメンとしては珍しく「モヤシ」や「キクラゲ」が乗っている。
まずはスープをレンゲに取り、一口飲んでみれば・・・・・一瞬にして、「金縛り」である。
ともかく、家系の中でも、明らかに「グレードが違う」「高級感が違う」スープ・・・と直感する。
一口目からワイルドさが先行する家系が多い中で、ほんのりとした甘味があり、非常に口当たりが良いのにまずは驚くが、単にマイルドと言うのではなく、ともかく行儀良くきれいに本物の動物の旨味(エキス)がきちんと出そろっている感じで、なんとも「出来が違う」「グレードが違う」味わいである。

旨味もコクも素晴らしく良く出ているのに、味に透明感があると言うのか・・・・全く「乱れ」がない感じ。濁りや臭みなどが絶無で、力ずくで闇雲に炊き込んだのではなく、「混沌」や「乱雑」な部分が全く感じられず、スッキリと旨味だけが見事に分離抽出された絶品スープだ。
ただ、私には醤油ダレがちょっと強すぎる気がする。「味薄め」で頼んだのだが、薄めでもこの位の濃度なのか、それともラーメンが置かれる際に「味薄めです。お待ちどうさま」ではなく、単に「ラーメン、お待ちどうさま」と言われたので・・・ひょっとして「味薄め」を忘れられたのだろうか。
これだけ素晴らしく良くスープが取れているなら、全体的にもう少し醤油ダレを控えた味付けでも良いと思えてしまう。

一方の麺は・・・これまた、「絶品」としか言いようがない、あまりに凄まじいまでの美味しさ。
「ツルッ」として、「モチッ」として、「フゥンワリ」として・・・唇の上を滑空し、舌の上を優雅に跳ねるようである。舌にベタッと寝そべってしまうことがなく、まるでバレエの演舞のように、手足を大きく広げてビビッドに円を描くようにステージを動き回る感じ・・・。動きに淀みがなく、舌や歯にベッタリと「面」として触れてしまうのではなく、常に「点」で触れてくるイメージだ。
普段、家系を食べると麺がやや短めなため、すすり心地に物足りなさを感じる事があるが、こちらの場合はむしろその短めな事が奏功して、麺の表面の摩擦係数がゼロになったかのように「ツルツルッ」と動きが速く、思い切り大胆でアクロバティックな動き・・・・まるで空中ブランコのように口中の空間をフルに使った麺の三次元のダイナミックな動きで、麺が舌の上を見事に「行き来」する。
噛み締めれば限りなく上質で高級感のある歯応えと、玉子の甘味と言うか風味があふれ返る素晴らしい美味しさ・・・。

丸のまま入ったキクラゲは通常見かけるものよりも明らかに身が「薄く」、まるで透き通るかのようだ。しかも、このキクラゲ・・・・メチャメチャ美味しい。
舌の上をビロードが撫でるかのような舌触り、この薄さゆえの「クニックニッ」としたデリケートで可憐(かれん)な歯ざわりと無垢で上品な香りが、驚くほどに繊細でふくよか、高尚な食味を生んでいる。家系ラーメンにおいてこのような「繊細なパーツ」に出会うと、感激もひとしおである。
モヤシは「しんなり」「フニャフニャ」とかなり柔らかめに茹でられていて、「ポキポキ」するような歯応えは全くない。そのためあまり存在を主張せず、何より「絶品麺」の歯応えの邪魔になっていないのは嬉しい。濃厚スープの「濃」一辺倒にならないよう、控えめながらもこのモヤシの「淡」の味が配置され、味の抑揚を描くよう配慮されているようだ。

煮玉子は利尻産の昆布で味付けがされた名物の一品らしい。玉子は黄身がホクホク、ホッコリとして、サラサラした粉っぽい舌触りで、ちょっとお菓子っぽい甘味を感じる。白身の部分は利尻昆布のタレにしっかりと漬け込んだらしく濃紫色に染まり、強めの味付けでややしょっぱく感じられた。
チャーシューはモソモソ、モサモサする歯触りで、口解け感やジューシーな旨味と言うものはあまり期待できないが、このラーメンの中ではなぜかフィットしている。

ただ、一つ贅沢を言わせてもらえれば、これだけパーフェクトなスープとパーフェクトな麺を出すお店であれば、ぜひ卓上の薬味類にも同等のこだわりを見せてほしいと思ってしまう。
試しにオロシニンニクを入れてみたが・・・スープがあまりに上出来なため、普通の業務用オロシニンニクでは風味が弱くて水っぽく、あまりに不釣合いに感じられてしまうのだ。また、なぜか「オロシショウガ」が見当たらなかったが、この両者は「家系ラーメン」には必須とも言える薬味だと思うので、ぜひ置いてほしい。
また、なぜか白ゴマが置かれていたので使ってみたが・・・・博多系ラーメンなどには良いと思うが、このやや甘めのスープには個人的には白ゴマの風味は合わないと感じた。もう一つのメニューである「味噌ラーメン」用なのかも知れない。

普段、家系を食べ歩くと、時折、スープの味が濁っていたり、酸化してしまったような発酵臭が出てしまっていたり・・・のスープと出会うことがあるが、こちらのスープは発酵臭がなく、いかにも出来立て新鮮な風味であり、コクやパワーが漲り(みなぎり)、実に生き生きとしている。さらには添加物感がなく、後口も非常に軽快な素晴らしい美味しさ。醤油ダレがもう少し薄めであれば、是非完飲したいスープであった・・・。
また、この極上スープのパートナーを務める「麺」であるが、私が今まで食べて来た「家系」の麺の中でも間違いなくトップクラスの美味しさと感じた。
果たして、この麺こそが「家系」の実力としての本来の姿なのか、それともこのお店独自に「進化」させたものなのか・・・は判らないが、スープに負けない野太さがありながらも、非常にしなやかでダイナミックな動き、茹で加減も完璧。そのあまりに見事なパフォーマンスぶりは、ミュージカルなどで言えば、まさに「拍手喝采」「スタンディング・オベーション」級の仕上がり、決して忘れられない「一生モノ」の感動を頂いたような感じである。

いやはや、こちらのお店・・・既に千葉県内うんぬんではなく、首都圏全域レベルで見ても、間違いなく横浜家系ラーメンの「名店」の一軒に数えられるお店だと思う。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)










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