ラーメン&つけ麺食べ歩き
○元
(東京都 新宿区)

(2006/6閉店)

店名 東京らぁ麺つけ麺 ○元(まるげん)
住所等 東京都新宿区百人町1-15-4 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年9月上旬 らぁ麺 700円 
2005年9月中旬 つけ麺(大盛) 700円



〜○元 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店に到着しました。
JR大久保駅の南口から徒歩数十秒です。
新大久保駅からも徒歩4分位。






紺色のノレンが風に揺れています。
電飾などを排した渋めの店構え。






営業時間と定休日です。






店頭に貼られたメニュー。
ランチタイムサービスの記載も。






入るとすぐ右に券売機。
ラーメンとつけ麺の二系統構成です。
「らぁ麺」を購入しました。






店内はカウンターのみ。
シンプルな造作は「味」への自信の表れなのでしょう。
店主さんの手元に麺箱がチラッと見えます。






壁にもメニュー。
券売機にはなかったですが
「辛口らぁ麺」と言う物もできるようです。










2005年9月上旬 らぁ麺 700円



「醤油味」にどこまでもこだわった一杯です。
無化調ですが、繊細系とか、あっさり路線とか・・・ではなく
強めの醸造風味で芯の太い、パンチのある路線。

組合せられる「麺」は・・・その類まれなる「熟成感」で
「都内屈指」とも思える素晴らしい美味しさです。
猛烈に気に入ってしまいました。









厳選素材と自慢の醤油ダレを使った無化調スープ。
醤油の味がドーンと前面に出た強い味わい。
旨味自身は慎ましく穏やか、あまり飾らずにストイックな感じ。






この「麺」です。
一口すすって・・・歯を入れた瞬間、その美味しさに「ぶったまげた」。
麺が「硬い」のと「コシがある」のとは全く違う・・・とは
正にこの事かと・・・如実に悟らされる感じ。






すすればツルツルと軽く跳ね上がるようなコシの動き、
噛めばプルプルと小刻みに反発し、まるで歯の上を転がるような感触。
小気味良い躍動感とリズム感・・・まるで歯列をステージにして
麺に見事なブレイクダンスを披露されるよう。




2005年9月上旬 らぁ麺 700円 

「東京ラーメン」を謳い、厳選素材の無化調ラーメンを出すお店。
新大久保駅や大久保駅の界隈は極端に狭い道が多いうえ、多国籍色が強く、都内でもなかなか異色の雰囲気を持っていて、昼間にぶらぶらと「街を探索する」には絶好のロケーションだと思う。夜だと雰囲気がちょっと怪しい感じに変わってしまうが・・・・。
こちらのお店はその大久保駅の南口から歩いて数十秒と言う立地にある。電飾系の看板がなく、紺色のノレンがかかるだけの店構えはシンプルで渋めであるが、店内も気取った感じのないシンプルな造作であり、いかにも「味」で勝負しているお店という印象を受ける。ただ、入口の扉が開け放たれていたせいか、火にかかった寸胴が近い席だったせいか、店内はちょっと暑く感じられた。スタッフはお二人であったが、いかにも「自分達のお店」と言う感じで、とても大切に営まれている雰囲気が伝わって来る。

スープは鶏ガラとモミジ、豚のゲンコツでとったスープと、昆布、椎茸、煮干し、魚節類等でとったスープを合わせるWスープであるらしい。
さらに醤油ダレは17種類もの天然素材を使った店主こだわりの味で、一定の期間熟成させたうえで使っていると言う。
一口飲んでみると・・・無化調で良くある「繊細系」とか「あっさり系」とかではなく、醤油の味がドーンと前面に出た芯の太い味わいになっている。
判り易い味付けで良いとは思うものの、自慢の醤油ダレに自信があるせいか、醤油ダレがやや多すぎるような気もしないでもない。二口ほど飲むと、醤油がちょっとしょっぱく感じられて来るうえ、せっかくのダシの風味が相対的には弱く感じられてしまう気がするのである。スープの旨味は、慎ましく、穏やかな感じであり、あまり飾らずにストイックに仕上げられていると言う印象を受ける。
やや舌を刺すような塩気を感じ、味が濃く感じられるのでゴクゴクと次々に飲める感じではないが、麺を食べる限りにおいては、むしろこれ位の濃い味でも良いのかも知れない。スープには油がほとんど浮かないため、一層醤油が舌にダイレクトに触り易いのかも知れないとも思える。また、醤油味の影に隠れて最初は判りづらかったが、よくよく味わうと、昆布のほのかな旨味が舌にからむ感じがあるのと、ほんのりとした優しい甘味がベースに感じ取れる。

一方の麺は、中太で軽く縮れが付けられているタイプで、ツヤツヤとしてハリのある美しい麺だ。
一口すすってみれば・・・・・歯を入れた瞬間、その桁違いの美味しさに、まさしく「ぶったまげた」。あまりのレベルの違う美味しさに表現方法に困ってしまうほどである。
敢えて一言で言えば、まさに上手に「熟成」させる事で醸し出される「プリプリッ」とした小気味良いコシの動きを持つ麺なのである。

すすればツルツルと軽く跳ね上がるようなコシの動きで口中に入り、噛めばプルプルと小刻みに反発し、まるで歯の上を転がるような・・・・小気味良い躍動感とリズム感と巧みな動き・・・まるで歯列の上で麺に見事なラインダンスを披露される思いだ。
特に麺に歯を半分入れた位の時の・・・プルプルと軽く振動しながら絶妙に歯を押し返してくる様は、まさしく「ヤミツキ」になる最高の快感である。
モチモチとかシコシコと言う感触ではなく、ちょっとパスタのようなプラスチッキーぽさも感じるが、まさに歯と手を取り合ってダンスをしているような動きの明るさとリズム感がある。
ともかく動きの楽しい麺、豊かな表情を持った麺、何とも愛想の良い麺・・・・と言う印象だ。
これこそが、真の「コシのある麺」なんだなぁ・・・と改めて理解させられる。麺の味的にも美味しく、良く練り込まれれた感じの透明度のある味わいで、ふくよかな旨味も感じられる。

チャーシューは肩ロースのようだが、箸で持った感じではカピカピする硬さのある肉のように感じられたのだが、口に入れると脂肪に沿ってパラパラと舌の上でほぐれるように分解し、肉片の角は立っている感じなのにふっくらした食感で、独特な芳ばしさがある美味しいものであった。
メンマは食感はほど良いのだが、結構しょっぱめで、塩分が強めに感じられた。逆に玉子は味付けがあまり感じられず、黄身がほとんど液状で、ツルリと滑らかな歯触りの白身とともに、柔らかめに仕上げられている。味付けが薄いのは、この濃い味のスープの中では、むしろ口直しに丁度良い感じ。

食べ終わってお店を出てから、歯の裏に1cm位にちぎれた麺が隠れて残っていたのに気づいた。これを噛んだところ、こんな小さな麺の切れ端にもかかわらず「やっぱり美味しい」と思わされるのには、ちょっとびっくりしてしまう。
今回、こちらの麺を食べて、「麺が硬いのとコシがあるのとは全く違う・・・・」とは正にこの事かと、心の底から感嘆させられた。
例えるなら・・・同じソファでも、5万円のバーゲン品とイタリア製の50万円の高級ソファとでは、もし見た目はあまり変わらないように見えたとしても、実際に座った時に体に伝わって来る感触の差は、まさに「雲泥の差」である。目をつぶって座ってもその「格の差」「造り込みの違い」は誰にでもはっきりと体感できるだろう。この麺と、他店の麺を比べると、まさにそんな「差」「格の違い」を感じてしまうほどに、あまりにも抜群に美味しい。

ちなみに思わずどこの製麺所かと麺箱を見たところ、厨房に置かれた麺箱には、少なくとも私の見た角度からは製麺所名は見当たらず、手書きで「まるげん」とのみ書かれていた。都内で色々食べ歩いていても、この麺と同じと思える麺には過去に出会った記憶がないので、ひょっとして自家製麺か特注麺と言う可能性も頭をよぎるが、いずれにしても中太クラスの麺の中では、私にとって確実に「都内屈指」と言える麺との衝撃的な出会いとなった。
メニューには「つけ麺」もある訳だが・・・・麺の美味しさや食感が一層はっきりと際立つ「つけ麺」で、こちらの麺を食べたら、一体どんな事になるのか・・・・正直、想像も付かない。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




↓続きあり






〜○元 その2〜




ほう・・・・前回はなかった案内板ですな。
お肉タップリの「ワンタン麺」だそうです。
数量限定品のようです。










2005年9月中旬 つけ麺(大盛) 700円



軽さと優しさの「麺」、重さと濃さの「つけ汁」。
個性豊かなバランスですね。
実にストイックな旨味の出し方は「通好み」と言うイメージ。

ラーメンの時と比較すると、
麺がソフトなコシに感じられるのは意外でした。









つけ汁は油がほとんど浮かず、醤油色が濃いです。
ワカメが浮き、中には分厚いチャーシューが二枚入り。






四角ではなく、「丸み」を帯びた断面。
多加水でふんわりとした優しい口当たりです。
玉子を沢山使った感じですね。






持ち上げた感じは「軽め」ですね。
ポヨポヨしたつかみ心地。
いつまでも反復して、振動が良く長続きするタイプ。






つけ汁に浸して引き上げたところ。
つけ汁は油分やトロミがないので、見た目はあまりからまない感じ。
しかし、実際は苦味としょっぱさで味がギューン・・・と収束する印象。






スープ割をしたところ。量はもう少し欲しいですな。
煮干やカツオ節類の渋めの旨味がキラリと感じられます。
それにしても、最後まで「浮かれない味」ですね・・・。




2005年9月中旬 つけ麺(大盛) 700円

前回、あまりに「麺」が美味しくて感激したため、どうしても「つけ麺」を食べてみたくなり再訪してみた。
早めの時間に訪問してみると店頭に「ワンタン麺始めました」の案内が出ている。前回もメニューにないワンタン麺を頼んでいた客が居て、売り切れましたと謝られていたのだが、その際にスタッフと客の交わした会話によれば、どうやら現時点では一日15食程度でワンタンが売り切れるらしい。おそらく、ワンタンが売り切れるとこの案内板を仕舞っているのであろう。
つけ麺の券を購入し、ランチタイムサービスの「大盛」でお願いすると、「辛味は入れますか?」と尋ねられたが、スープ割を堪能したいと思ったので「いいえ」と答えた。

登場したつけ麺・・・・麺はつかみ上げると軽さがあり、フルフルと振れ、揺れる。
まずは汁に浸けず麺だけを食べてみると、多加水でふんわりとしたとても優しい口当たりである。
玉子を沢山使った感じがあり、口に入れると柔らかく「ポヨポヨ」と小刻みに良く振動する。加わった力に対して、スーパーボールのようにいつまでも反復して、振動が良く長続きする感じなのである。食味的にはややプラスチッキーな感じで、小麦粉風味は控えめだ。やや多めの塩気を感じる。

ラーメンの時と比較すると、冷水締めが入る分、もっと小麦粉がギュウッと密に詰まったような、元気なコシの動きがさらに増幅したような・・・そんな感じになるのかと想像していたが、不思議な事にどちらかと言えば、より「ソフト」な食べ応えに感じられる。
前回と比較すると、まるで空気を含んだように・・・・「ふわっ」と優しく静かに舌の上へ堆積して行く感じの軽さのある麺に変貌したような印象だ。

つけ汁は醤油の色が濃く、ほぼ黒に近い色合いであり、油はほとんど浮いていない。
麺を浸け入れてみると、油分やトロミがないので、見た目はさほどからまない感じであるが、食べてみると醤油ダレの苦味としょっぱさで味が「ギューン・・・」と収束する印象になる。
背後で出汁も感じるが、やはり比率的に醤油ダレが多すぎるような気もしないでもない。何となく「一条流がんこ」のつけ汁を連想する感じであるが、しょっぱさと共に、火入れされた醤油独特の苦味、エグ味のようなものが強く感じられ、かなり「通好み」の大人の味わいに感じられる。方向性としては、前回食べたラーメンのスープと同じものを感じるので、おそらくは意図的にこういう路線を目指しているのだろう。

つけ汁の中には、チャーシュー二枚、玉子半分、メンマ、ワカメが入っている。
チャーシューはラーメンの時と同じ肉質と味のものであるが、前回より明らかに厚く切られていて、食べ応えが増していた。メンマはやはりしよっぱめであるが、つけ汁自体が味が濃いので、目立たなくなっている。

麺を食べ終わってもつけ汁があまり減らなかったので、汁を半分ほど麺皿へ移して減らしてから、スープ割をしてもらうと、煮干のような魚介系の風味が、醤油風味の間にキラリと感じられるスープになる。
それでも、何と言うか・・・・実にストイックな旨味の出し方であり、最後まで「浮かれない味」と言うか、素材の香りや味が華やかに舞い上がる感じにはならない。客にこびるような味付けや、ウケ狙いのあざとい部分がまったく感じられず、実に「通好み」と言うイメージを受ける仕上がりであり、いぶし銀のような「渋さ」が感じられるつけ麺と言う印象だ。


(麺は完食。スープ割も完飲。)










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