ラーメン&つけ麺食べ歩き
丸永
(埼玉県 所沢市)
店名 つけそば 丸永(まるえい) 住所等 埼玉県所沢市和ヶ原1-180-45 【地図表示】 禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2004年11月下旬 丸永のつけそば 650円
中華そば 600円
〜丸永 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
お店を発見しました。
狭山ヶ丘駅から徒歩10分ほど。
「トコロード」という地元商店街の一画にあります。
橙色の幟が粋な感じ。
つけそばで有名な「丸長」にインスパイアされたとか・・。
入ってすぐに石神氏のサイン。
コミック単行本が50冊ほど置いてあります。
券売機はなく、食後の手会計。
店内は「玉子」の風味であふれています。
麺のツナギに使った玉子かな?
メニューと営業時間など。
昼間だけの営業です。
「丸永のつけそば」をオーダーしますた。
その後、スープの美味さに驚き、「中華そば」を追加。
奥には座敷席も2卓あります。
うむ、家族連れには嬉しい造りですな。
2004年11月下旬 丸永のつけそば 650円
なるほど・・・
がっつり感のある麺、透明なつけ汁、青磁の器・・・
確かに「丸長」インスパイア系と言うビジュアルですね。
しかし、丸長をフィーチャーしつつ、
その「個性」「特徴」「美点」をさらに思いっ切り拡張させている印象。
今では明らかにオリジナルな味の領域ですな。
いやー、物凄い「噛み応え」です。
これほどに容赦なく「がっっつり」した歯応えの麺も珍しい。
箸で持ち上げても、ちょっと「曲がりづらい」ほどのコシ。
客は、その麺を噛み砕く「仕事」を楽しむイメージ。
濁らないつけ汁も丸長ライク。
しかし、丸長つけそばの三大特徴である
唐辛子と粗挽きチャーシューとナルトの柵切りがないせいか、
味わい的にはちょっと別路線というイメージです。
チャーシューは短冊切り。
白ゴマが浮き、ネギも多めに載ります。
つけ汁の油は割と多め。
スープ割をして頂きました。
まさに「覚醒」するかのような魚介系の美味に驚嘆。
本当に美味しいスープですね。
しかも、原価のかかった美味スープをこれほど「たっぷり」と、
沢山注いでくれる良心的なお店は超希少でしょう。
2004年11月下旬 丸永のつけそば 650円
2001年の開店らしいが、最近は関東のラーメン本などによく登場する人気店。
こちらの店主さんは、つけそばで有名な「丸長」と「矢沢永吉」の大ファンだと言う話を何かで読んだ記憶がある。それで、「丸永」と言う店名にしたのかと想像しながらテクテクと地元商店街「トコロード」を歩いてゆくと、そろそろ商店街も終わろうかと言う頃に、お店を発見した。入口には石神氏のサインが飾ってあり、つい先月の日付となっていた。入店するとカウンター席が続いているが、奥には座敷もあり卓も2つあるのでご家族連れ等にもとても便利だろう。
入店して、すぐに気付いたのは、スープ素材などの香りに混じって、茹で上げられた麺の小麦の匂いや、その麺のツナギに使ったと思われる玉子の風味が、なかなか濃厚に立ち込めている事だ。まさに、銘菓「ひよこ」などの玉子をタップリと使った和菓子の箱を開けた時に漂うあの甘く芳しい玉子風味である。この匂いをかがされて、一気に期待が高まった。
正直言って、「つけそば」か「中華そば」かで、かなり迷った。お店の一押しである「つけそば」を頼むのがセオリーだろうが、「中華そば」に対する高い評価をあちこちで目にしていたからだ。
しかし、やはり丸長インスパイア系と言うことならばと思い、「つけそば」を頼んだ。極太麺ゆえに茹で時間が結構かかると言う事だが、コミック単行本が50冊位置いてあり、一人で行っても退屈しないで待っていられる。
登場した「つけそば」は、いかにも「がっつり感」のある麺、醤油ダレの透明なつけ汁、青磁の平皿・・・確かに「丸長」を感じさせられるビジュアルだ。しかし、ナルトの柵切りがなかったり、チャーシューも普通の短冊切りだったり、白ゴマが多めに振られていたりと、明らかにオリジナル色も見て取れる。
そして、麺を箸で一つかみしてみた。すると・・・うーん・・・実に「重い」「がっつり」「非弾性」と言う麺の掴み応えである。箸で持ち上げても、ちょっと「曲がりづらい」ほどのコシ。
まずは、つけ汁に漬けず、そのまま食べてみて、なんとも「ぶったまげた」。こんな位だろうと思う咬合力を想像して普通に噛んでみたら、あまりにも強い麺の反発力があり、何と、麺の半分ほどまでしか歯が通らなかったのだ。いやはや物凄い固めの「噛み応え」、これほどに容赦なく「がっっつり」した歯応えの麺も珍しい、と言うか私は他にほとんど記憶がない。お客の身としては、そのガッッツリ麺を次々と噛み砕く「仕事」を楽しむイメージである。
また、小麦や玉子の風味は、このガッツリした麺の加水率が少ないせいなのか、内部に「閉じ込められている」印象であり、あまり口腔内に風味があふれ出て来る事はなかった。この「ガッツリ」した食味は、「丸長」よりも、むしろ「頑者」(川越市)の麺に近いと言う印象を持った。
つけ汁は豚骨や鶏ガラがベースであるが、魚介系の味わいはあまり感じられなかった。意外に油が多めに浮いているせいだろうか。
麺を浸けて食べてみると、なかなか品のある旨味が穏やかに口中にあふれる感じで、コクや厚みもあり、ミディアムボディ的な安心できる美味しさである。しかし、ちょっと曲がりづらいほどの固めの極太麺のため、箸で掴むと麺同士がバラバラな方向を向いてしまい、掴まれた麺の束の中につけ汁を「抱き込む」事がないため、つけ汁の持ち上げ自体は今一つと感じられた。
こういう場合は、強めの辛味を加えたり、目立つ酸味や甘味を出したり、挽き肉を入れてコクを増したり、化学調味料を多めに入れたりと・・・、何か一本明確なインパクトを出して味を補強するのが常道だと思うが、こちらのお店では、やや厚めの油の層が感じられるだけで、そういった虚勢を張らない、地に足の着いたナチュラル路線を選んだようだ。
ただ、別メニューで「辛いつけそば」もあるので、そちらだとつけ汁と麺の「マッチ&ポンプ」的なやり取りが楽しめるかもしれない。
丸長つけそばの三大特徴である唐辛子や、粗挽きで濃い味のチャーシューや、粉っぽいナルトの柵切りが無いせいか、つけ汁は割と起伏が穏やかで、麺のガッツリ感と比較すると意外に平穏にまとまっている印象を受けた。
茹で玉子が半分入り、短冊状に切られたチャーシューが入っている。このチャーシューはラーメンに使うように薄く切ったものを、さらに柵切りにしたもののようだが、ちょっと軽量級のイメージを持ってしまうので、私的にはつけそば用には、厚みを持たせた角柱切りの方が重量感が出て、より一層合うような気がした。
他のつけそばのお客さんが食べ終わる頃、店主さん自ら「スープ割」を勧めている。私も最後にスープ割をお願いすると、器いっぱいになみなみとスープが足されて戻って来た。
経費の節約のためか、なかなか思うように沢山スープを入れてくれないお店が多い中でこれには実に感激してしまった。
目の前に器が置かれると、素晴らしい魚節系の芳香が匂い立っている。さっそくレンゲで一口飲んでみると、まさに「目が醒める」ような素晴らしい魚介出汁が、私の口の幅いっぱいに広がって一気に流れ込んで来た。あまりに予期せぬ美味しい伏兵に、既に「お帰りモード」に入りかけていた私の心が強引に引き戻される。素晴らしい「素材感」に満ち満ちた芳醇なスープに、すっかり意識が釘付けにされてしまう。
「このスープ、なんて美味いんだろう・・・」と、無心に飲み進みながら、ふっと我に帰って思った。スープがこれだけ美味しいと言うことは・・・・つまり、やはり、おそらくは、「中華そば」も大いに期待できるのではないか、と。
急遽、追加で中華そばをオーダーした。せっかくのこれほど美味しいスープ割も連食に向けてちょっと残してしまった。
(麺は完食。スープ割は8割飲んだ。)
↓続きあり
〜丸永 その2〜
同上日 中華そば 600円
いやー、本当に大満足です。
素材感豊かで美味しいスープに、麺もタップリ多く、具も実に多彩です。
スープ、麺、具、と実にいたれり尽くせりなラーメンですな。
小口切りのネギも素晴らしく良く合っています。
これで600円は超大バーゲンプライスでしょう。
客の身としては頭が下がりっぱなしです。
素晴らしい「清冽な素材感」を湛えた美味スープ。
ゲンコツ、鶏ガラなどの動物系と
カツオ節、サバ節、昆布などのWスープだそうです。
体感的には魚節風味が主役ですな。
麺はタップリ。200gはありそうですね。
滑らかな歯触り、適度なコシ、ふくよかな味、
ストレート麺ならではのスムースなノドゴシ・・。
まさしく「逸品」の領域。
同上日 中華そば 600円
続けて「中華そば」を食す。開店当初はつけそばオンリーで始めたらしいが、途中からこの中華そばもメニューに加わったらしい。
中華そばをオーダーすると「太麺と細麺どちらにしますか?」と言われたので、せっかくなので「細麺」でお願いした。
しばしして登場したラーメンを見て、そのすごい「ボリューム」にびっくりしてしまった。想像していたよりも一回り以上も器が大きく、しかもスープがなみなみと注がれ、しかも麺の一部はそのスープを押しのけて顔を出している。他店なら間違いなく「大盛り」の領域だろう。さらに具もあれもこれもと実に多彩に載せられている。
そして、スープを一口飲んでみて、その素晴らしい「美味しさ」にまたまたびっくりしてしまった。スープから匂い立つ魚節風味である程度の予想はしていたものの、本当にズバ抜けた「素材感」がギュウッッと詰まっているスープである。それでいて、油が少なく、魚粉も入らないため、非常にスッキリとした後口になっている。ゲンコツ、鶏ガラなどの動物系とカツオ節、サバ節、昆布などのWスープだそうだが、体感的には鮮烈な魚節風味が主役に感じられた。動物系3:魚介系7と言うイメージだろうか。
そして醤油や塩分感はやや控え気味だが、おそらくはミリンと思われる甘味が結構出ていて、優しさやまろやかさを加えている印象だ。味の組み立て的にはそれほど珍しい路線ではないと思うが、ともかくその「到達レベル」が恐ろしく高いと言うイメージ。
インパクトや強引路線と言う感じではないのだが、ともかく、一口目からグイグイと引き込まれるスープであり、食べ始めると他の事が一切考えられなくなる感じだ。しかもスープは非常に美味しいうえ、量がとても多くたっぷり注がれていて実に嬉しい限り。
指定した細麺ストレートは、器の大きさに負けじとばかりに量が驚くほどタップリと入っていて、おそらく200gは楽にありそうだ。箸で一つかみ持ち上げると、細麺なのでたっぷりとスープを抱き込んでくれる。そしてスープの油の少なさのせいなのか、ツルツルとかスルスルなどの軽い感じではなく、割と長めの麺と言うこともあり、「ズルズル」とすすること自体を楽しめる感じだ。口に入れば、内包していた美味スープを、ドバッと舌の上に解き放ってくれる。そして、その滑らかな歯触り、適度なコシ、ふくよかな味、ストレート麺ならではのスムースなノドゴシ・・などなど、まさしく「逸品」の領域。
具はなかなか多彩である。巻きバラチャーシューは一見あまり色が付いていないが食べてみると醤油でしっかり味付けされている。玉子は味付けなしのシンプルなもの。メンマは甘めで歯応えは優しい感じ。また海苔とワカメが両方載っているのは珍しい。さらに、小口切りのネギが多めに載せられているが、このネギの風味がこの魚介系スープと非常に良く合っていて、抜群の名脇役を演じている。意図的にこのネギを多めにかき集めて、麺やスープと一緒にほおばると、いやはや筆舌に尽くせない本当に「至福」の時が訪れる・・・。
もし東京でこのラーメンに近い味を探すとしたら・・・ベストコンディションの時の「瞠」(池袋)のラーメンを「細麺&あっさり」で指定した時のラーメンが最も近いかも知れない。魚介の素材感が豊かなスープの作りやそれに組み合わさる長めのストレート細麺の食感など、ダブるものを感じた。
お店としては「つけそば」をメニュー筆頭に出しているし、実際、私がお店にいた間、入れ替わり立ち替わり10名ほどのお客さんが来たが、つけそばオーダーが7割位を占めていた。しかし、あくまで好みの問題だが、私としてはこの「中華そば」の方が猛烈に気に入ってしまった。
今回は連食だったため、次第にお腹がタプタプして来てしまいスープ完飲できなかったのが後ろ髪を引かれる感じで残念であった。後味には、ミリンのような甘味が結構心地よく残っている。
そして席を立とうとして、何気なく再びメニューを見ると、なんとこの大満足の中華そばが・・・・実にわずか「600円」という価格であった事実を思い出し、愕然としてしまった。
会計をする際に、店主さんから「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げられてしまったが、これではむしろ客の身である私の方が頭が下がりっぱなしである。
うーむ、兎にも角にも・・・・こういったラーメン、こういったお店に出会ってしまうと、本当に、まだまだ「ラーメン食べ歩き」はやめられないなぁ・・・・と心底思う。
(麺は完食。スープは7割飲んだ。)
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