ラーメン＆つけ麺食べ歩き
○超
（千葉県 市川市）
（2006/9閉店）

2004年7月中旬　らうめん　650円

正しい店名は○の中に「超」の文字が入る。黒豚の軟骨をテーマにしているお店。高速の市川インターから車で２分ほどの場所にある。
入ると券売機があり、席はL型カウンター、ＴＶがついていて、くつろげる雰囲気。

登場したラーメンは、かなり不規則に波打った独特な形の器に入って登場した。確か、醤油スープのお店と思っていたが、スープはほとんど「塩味」と言う感じの色合いである。
さっそく、レンゲで一口、スープを飲んでみると、非常に「滋味深く」「洗練された」「美味しい」スープである。かなり、丁寧に、省略せず、妥協せず、スープをとっている印象。脂は極力少なめで、調味料も極力控えめ、あくまで出汁が主体である。濁りや荒さのないスープはあっさりとした繊細系ながらも、弱さは一切なく、いかにもコツコツじっくり仕上げたと言う感じで、声高らかに「本物宣言」をしている印象を受ける。

素材は、ふくよかな動物系ベースで、味の輪郭が非常に「丸く」て、どの素材も突出していないため、何がどうの、何がこうの、という感想にはならない。あくまで、ひとつの「スープ」という完成形として存在している。こういったスープは、素人出身者には作れないタイプのものだ。歴史のある技術と体系化された知識を段階を追ってきちんと修得したエリートタイプの人が作るスープである。逆に言えば、あまりに素晴らしく「まとまっていて」インパクトや意外性という点ではやや弱いかも知れない。
おそらく自家製だと思う揚げ玉ネギが入っていて、心地よい香ばしさを加えている。

麺は中細ストレートだが、食べてみると意外に珍しい食感で、きちんとハリがありながら、噛むと「ジャブ、ジャブ、」という、液状感というか、水分を沢山含んでいるようなあまり経験のないものであった。味は、小麦や玉子の味はあまりせず、スープに身を任せているような控えめな味の麺。ストレートだが、ツルツルという感じでもなく、ありそうで、ない食感の麺と言う印象だ。スープとは合っていると思う。
また、徹底して良くアク抜きされたホウレン草やワカメなどが入り、栄養面でも気を使っていてくれるのが、よく伝わってきて嬉しくなる。しかも、いずれもスープの味を壊さないように「透明感」のある味になっている。彩りなのかニンジンの細切り天ぷら状の物や、清涼感の演出か三つ葉とネギが散らされているが、やはりスープを邪魔しないよう細かく刻まれ、風味も控えめ気味だ。

具の主役は何と言っても「黒豚」チャーシューである。あまり大きい物ではないが、しっかりと軟骨部分が付いている。味付けは甘くコクがあるもので、ともかくホックリとした肉の美味しさが印象的。そして軟骨部分は「トローリ」として、いかにもゼラチン質たっぷりという感じである。文句なく美味しい。この時点で、やはり、黒豚軟骨らうめん（チャーシューメン）を頼むべきだったと激しく後悔した。
また、カウンター上に「ニンニクエキス」と書かれた液体の入った容器が置かれていた。ちょっと入れてみると、ニンニクの臭いは控えめで「旨味」だけを見事に抽出したようなエキスで、なかなか美味しい。もともと塩味っぽいスープなので、このニンニクエキスはかなり合うと思う。
出汁の味を最前面に出すため、あえて、醸造風味の強い醤油を控え、スープに浮く脂も控えて、「あっさり」でまとめている印象を受けたが、確かにその狙いは成功していると思う。


（麺は完食。スープは８割飲んだ。）

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