ラーメン&つけ麺食べ歩き
まこと食堂
(福島県 喜多方市)

店名 まこと食堂(まことしょくどう)
住所等 福島県喜多方市小田付道下7116 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年7月上旬 中華そば 550円



〜満古登食堂〜

(各写真はクリックで拡大します)




会津喜多方ラーメン館です。
店内はオミヤゲやグッズ類でいっぱい。






ラーメン館の壁に貼られた
「喜多方ラーメン」食べ歩きマップ。






喜多方のラーメン文化の解説。
学校給食や病院食にもラーメン!?
田んぼに出前も・・・!?






そのラーメン館のすぐ近く、2分ほど歩くと、
こちらの「まこと食堂」があります。
お店の道路の反対側が駐車場です。






喜多方でも屈指の人気店。
土日は観光客で大行列になる事も多いようです。
左の入口がテーブル席、右の入口が座敷席。
達筆な看板は「満古登」(まこと)と書いてあります。






左の入口からテーブル席スペースへ入店。
奥に囲炉裏が見えますな。






左手一帯が厨房です。
棚にはすごい数のコップが・・・。






麺類のメニューは四種類のみと非常にシンプル。
ソースカツ丼も人気のようです。
「中華そば」を注文。










2005年7月上旬 中華そば 550円



まるでヘヴィ級ボクサーのパンチの如き、
脳天に「ガツンッ」と来るほどの旨味と深〜いコクに満ちた
何とも「アグレッシブ」なスープ。

舌の深い位置にまで太い「クサビ」を打ち込まれるような・・・
驚くべき重量級のコクと旨味に満ちています。

「初代」の味を守ろうと言う
作り手の「真剣さ」と「熱意」がとても強く感じられますな。









実に「ガッツリ」した骨太な重層的スープです。
分厚く、力強く、前向きで、荒々しい・・・・美味しさ。
まるで「旨味」と言うパンチでノックアウトされそう。






見た目以上に「ぶっとさ」を感じる縮れた太麺。
モソモソする動きでちょっと朴訥な印象ですが、
スープに負けない食感の強さ、存在感を持ってますな。




2005年7月上旬 中華そば 550円

喜多方ラーメンブームの火付け役となったお店の一つと言われている人気店。
昭和22年、「うめばあちゃん」と愛称された方が創業し、その際に旦那さんのお名前である「まこと」を店名としたらしい。既に親子三代に渡って営まれているが、店主以外のスタッフにはスープを作らせないことで、大切な伝統の味を頑なに守り通していると言う。
お店は、入口が二つ並んでいる一見すると不思議な造り。以前は左側の店舗部分だけだったが、人気化してお客さんをさばき切れなくなり、右手の母屋の座敷までも客席として使うようになり、入口も二つとなった・・・と言う旨の話をどこかで聞いた記憶がある。座敷席をちょっと覗いたところ、確かに民家そのままの雰囲気であった。

登場したラーメンは、やや小振りな器に入り、いかにも「昔のスタンダード」の量だと思う。薄手で気取りのない模様の器に「ご当地」らしさを感じる。
スープはやや濁りのある半透明な醤油スープで、周囲に「滓」(おり)が微かに浮いていて、動物系の強い旨味を予感させた。
レンゲが見当たらなかったので、器から直接スープを一口飲んでみると・・・・いきなり「ガツンッ」と来るスープの奥深〜いコクが待ち受けていて、そのひとかたならぬパンチにまずは驚いてしまう。

このスープ・・・まろやかな口当たりでありながらも、かなーり、アグレッシブな旨味に満ちたスープである。
スープは、豚骨や煮干し等のダシと、何種類もの厳選醤油をブレンドしたタレの組合せらしいのだが、相当な量のダシ素材を使っているのは間違いないと思う。それでいて、鼻に付く煮干の「魚臭さ」や「苦味」は全く出ていないのだから・・・・実に恐れ入る素晴らしい仕上がりだ。
何よりも、「豚骨のコク」と「煮干の旨味」・・・・そしておそらくは「野菜ダシの甘味」・・・・が見事に「シンクロ」することで、まるで「ドリル」のようなパワーと・・・「クサビ」のような鋭さで・・・舌の深い位置にまでガンガンと旨味が「打ち込まれて来る」かのような・・・・重量級のコクとダイナミックな旨味に満ちている。これぞ、素材の相乗効果、まさに「テコの原理」に思えてならない。

東京のラーメンは、煮干を「魚味」として使っているお店が多いと思うが、喜多方のお店は、「源来軒」もそうだったが、むしろ魚としての味を完璧に消し去って、スープの「コクの増幅」「強烈なパンチ」として、ひとかたならぬ「深〜い旨味」の創成に昇華させている気がする。そして、あまり話題には上らないようだが、喜多方のスープは何より「野菜ダシ」の甘味の生かし方が素晴らしい。「甘い」のではなく、スープに非常に心地良い「深み」を加える見事な存在になっており・・・・他の土地のスープではあまり経験できない、これぞ喜多方ラーメンのスープに特有の魅力である。

結果として、華やかで軽く、若い旨味のスープではなく、じんわりとした旨味のあっさり繊細系のスープでもない・・・・もっと、分厚く、力強く、前向きで、荒々しい・・・・うかうかしていると、まるで「旨味」と言うパンチでノックアウトされてしまいそうな・・・・良い意味で「大人しくない味」「腕力のある味」が誕生している。
やはり何より、「アグレッシブ」、と言う言葉がとても似合いそうな印象を受ける。

一方の麺は、喜多方の中でも結構太めに感じるちぢれ麺である。
食べてみると、まず「ぶっとさ」を感じる。そして、たまたまなのかちょっと硬めに茹でられていたようで、麺全体の動きがモソモソすると言うか、重いと言うか、遅いと言うか・・・ちょっと朴訥で、不器用そうな印象を受ける麺だ。
チュルチュルとかツルツルとかの軽快なすすり心地ではなく、全体的にモサモサとして、リズム感がないと言うか、「すする」と言うよりも、重くて長いものを「口に入れた」・・・という感覚になる。噛んでみると、所々でちぎれて行くような噛切れ方だが、さらに噛み締めてゆくとモチモチして小麦の風味が湧き立って来た。

おそらくは、もう少し茹で時間が長い時の仕上がりが、この麺の本来の実力を発揮できるベストのように感じられた。
ちょっと朴訥な食感の麺ではあるが、旨味の強いパンチのあるスープには、このような「物事に左右されない」ようなキャラクターの太麺は良く合っていると思う。

チャーシューはモモとバラの二種類が乗っていた。煮干のスープで煮込んだ後に醤油に漬けているらしい。
モモ肉はややモサモサする歯触りであるが、これが噛めば噛むほど、まるでスルメのように旨味が湧き出て来る。臭みもなく、豚肉の旨味が「みっちり」「ぎっしり」と詰まっている感じで、非常に美味しい。バラ肉の方は醤油の味付けがややしょっぱく感じられたが、ハラリ、ホロリ、と口中できれいにほぐれ、軽やかな口当たりと淡白な旨味、肉汁がほとばしり出る感じでこれもまた美味しい。メンマは柔らかめであるが、ちょっとだけ薬臭さが気になった。

ネギがたっぷり乗って来るのは嬉しいが、ゴソッと固まってしまう感じで最初はやや邪魔に感じる。しかし、青い部分も混じったそのちょっと強めの香りと食感が、パンチのある濃厚スープにネギ特有の辛味や清涼感を付与し、野太い口当たりの麺にシャキシャキするキレのある軽快な食感を付与している。
濃厚なスープの味が続くとやや舌が疲れてしまう感じはあるが、この多めのネギが上手にリセット役を担っている印象だ。

食べ終えての感想としては、有名な老舗店と言うことで・・・・郷愁に満ちた、長閑(のどか)でのんびりした懐かしい味・・・・を想像していたが、意外にも、かなり強烈なパンチのあるガッツリした骨太な重層的スープである。
このアグレッシブな豚の旨味とコクに満ちたスープからは、浮ついた感じが全くなく、作り手の「真剣さ」と「熱意」が強く感じられ、喜多方の旗手の一人として、この地に誕生し、根ざした伝統ある味を、毎日真剣に連綿と作り続けて来た・・・と言う印象を強く受ける。
それだけに、食べ始めると「引き込まれる感覚」「語りかけられる感覚」が確かにある、独自の世界を持ったラーメンになっていると思う。


(麺は完食。スープは6割飲んだ。)










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