ラーメン&つけ麺食べ歩き
旭王
(東京都 港区)

(2006/1閉店)

店名 旭川ラーメン 旭王(きょくおう)
住所等 東京都港区西新橋1-15-7 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年7月上旬 650円−100円引き(感謝サービス)=550円



〜旭川ラーメン旭王〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
東京メトロの内幸町から徒歩1分、
新橋駅や虎ノ門駅からも徒歩4分ほどでしょう。
日比谷通りから20mほど路地へ入ります。






濃いオレンジ色の看板とノレンで視認性抜群。
ノレンには「青葉姉妹店」と銘入り。
旭川の名店「青葉」の姉妹店なんですね。






ドアに営業時間が書かれています。
感謝サービスで麺類は100円引きでした。
ラッキーです(゚∀゚)。






店内はL型カウンターとテーブル席。
落ち着いた空間です。






メニュー。
旭川ラーメンの定番と書かれた
「醤油ラーメン」をオーダーしました。










2005年7月上旬 ラーメン(醤油) 650円−100円引き=550円



一言で言えば、何とも「硬派」なラーメン。

「甘さ」や「柔らかさ」がなく、旨味がダブつかず・・・
まるでビターチョコレートか・・・ブラックコーヒーのような・・・
ほろ苦い大人の味ですね。
この味・・・ハマると抜けられなくなりそうです。

圧倒的な噛み応えの麺には、
結構、カルチャーショックを受けますた。









スープは一見ぬるそうに見えて、実はすんごい熱さ。
まったく「甘味」がなく、削り込まれたような「旨味」。
昔の東映の仁侠映画を観るような・・・実にストイックな大人の味。






麺は強く縮れてゴワゴワとかなり固め、強めの食感。
ワシャ、ワシャ、ワシャ、と主張しながら口に入って来る。
非常に低加水で、強烈にボソボソするハードな噛み心地は独特。
小麦がザラ付くような「ラフ&ストロング」な舌触り。




2005年7月上旬 ラーメン(醤油) 650円−100円引き=550円

北海道旭川市の有名店「青葉」の姉妹店。以前、新横浜ラーメン博物館に青葉が出店していた際に店長を勤めていた方が、青葉の閉店に合わせて独立してこちらへ出店したらしい。
お店は日比谷通りから20mほど路地へ入るのだが、濃いオレンジ色の看板とノレンで視認性は抜群だ。たまたま「感謝サービス」と言うことで、麺類は100円引きになっていた。

登場したラーメンは濃い醤油色のスープに透明なラードの膜が浮いている。
まったく湯気が立っていないので、油断してスープを飲んだら、これが何とも驚くべき熱さで、危うくヤケドしそうになった。
加熱され、すっかり透明の液体となった芳ばしいラードの層の下には濃い醤油の醸造風味がビシッと利いたスープが控えている。素材としては煮干や昆布など魚系の出汁をベースに鶏ガラなど動物系の出汁をブレンドしているらしいのだが、旨味がダブついたり、余ったりしているような感じが全くなく、ギリギリまでかなり「削り込まれた」ような・・・・かなりストイックな味わいである。太った肥満体的な旨味ではなく、筋肉質でギリギリまで体重を絞り込んだボクサー体型のイメージの「旨味」だと思う。
そして魚風味の利いたラーメンは、一般にほんのりとした甘味が足されていて口当たりが良い事が多いが、こちらはそういった「迎合的」な味付けを好まないのか、むしろほんのりとした苦味を生かし、甘味をほぼ完璧に拒絶したような、見事なまでに「硬派」の味わいになっているのが、ともかく印象的だ。

一方の麺も、「硬派」と言う面では負けていない。かなり強く縮れていてゴワゴワと固く、ワシャ、ワシャ、ワシャ、とかなり主張しながら口に入って来る。非常に低加水で芯がしっかりしていて、強いボソボソ感を放つハードな噛み心地は、かなり強烈な個性である。
ツルツルと軽快にすすれるのではなく、ちぢれた硬めの麺を箸で口中へ押し込んで、歯で麺の一本一本を「噛み潰して」食べていく感じ・・・になる。そうして噛み潰してみると、小麦粉がザラ付くような、粒子の粗さを感じる舌触りがあり、レトロなカンスイ臭とともに茶色い小麦の風味が湧き立つイメージだ。
熱いスープに浸かっているせいか、後半は多少なりとも柔らかめになって来るが、ツルツルした軽快で従順な麺とはまるで正反対の、食べ手と真っ向勝負するかのような・・・「ラフ&ストロング」な、かなーり食べ応えのある麺である。ある意味、この強烈な個性の麺は、ハマると抜け出せなくなるような、強い常習性の要素がある麺だと思う。

チャーシューは醤油でしっかりと味付けされているが、食感はバラ肉にもかかわらずちょっと乾燥したようなカピカピした感じがあり、モグモグと良く噛んで食べる感じだ。メンマは柔らかめで、輪郭はあるのにトロッととろけるような柔らかさがあり、味付けは素直で薬臭さなどは全くない。

ただ、食べ進んでいて中盤になると、「何か」が足りないような気がして来た。何だろう、何が抜けているのだろう・・・と考えていると、やはりスープに「甘味」がないと言う事だろうか。
要は、味付けや食感に「遊び」がないと言うか、「迎合的要素」がないと言うか、スープの味には「甘さ」がなく、麺の食味には「柔らかさ」がなく・・・・・・まるでミルクや砂糖なしのビターチョコレートか、ブラックコーヒーのような・・・ほろ苦い「大人の味」に満ちているのだ。さらに、塩気や化学調味料感がないこともあって、ともかく全体的に玄人向けの「いぶし銀」のような渋い味わいに仕上げてあるイメージを受ける。

そうして食べ終えてみると・・・・なぜだか昔の東映の任侠映画を、一本、観終えたような気分になってしまった。
笑いやロマンスのシーンを一切排除し、女性や子供もほとんど登場せず、登場するのは何かを背負ったような武骨な「侠」(おとこ)達ばかり・・・・そしてただただ目の離せない緊迫感と哀切漂うストーリーが続く・・・・。
このラーメンからは、昨今のCGを駆使したエンターテイメント性オンリーの娯楽映画や、ありがちなラブストーリー映画とは、一味も、二味も異なる「硬派」な侠の世界を描いた昔の東映の任侠映画のイメージと強くダブる要素を感じてならない。歴代の名優、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎・・・・・達の世界が脳裏に浮かんで来るのだ。お世辞やギャグ、気の利いた甘いセリフは言えないけれど・・・・まさに、「男は背中で語ります」・・・のイメージである。
そして、流行の味や、東京の色に、決して染まらず、決して流されない、「ひたむきな味」「頑固な味」をひたすらに貫いているイメージでもある。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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