ラーメン&つけ麺食べ歩き
せたが屋 雲
(東京都 港区)

店名 せたが屋 雲(せたがや くも)
住所等 東京都港区高輪3-26-20 品達内 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年5月下旬 ラー麺 700円



〜せたが屋雲〜

(各写真はクリックで拡大します)




品川駅横にある「麺達七人衆」の一つ、「雲」です。
「せたが屋」のプロデュースです。






半オープンな造りなので
通路近くはちょっとしたテラス席の雰囲気。






入店するとすぐ左に券売機。
ラー麺を購入しますた。






厨房はまだ新しく、ピカピカですな。
スープを大きな櫂でかき回しています。
スタッフはどことなくパン屋さんっぽい服装。






卓上のメニュー。
自ら「ソースラーメン」を名乗ってますな。
麺のおかわりもありますぞ。










2005年5月下旬 ラー麺 700円



ううむ・・・・スープのイメージ的には
「カレー粉+中濃ソース」という印象かな。
野菜の旨味、甘味、酸味・・・等が複雑に絡み合った独特なトロミ味に
カレー系香辛料のスパイシーさが骨格を与えている感じです。

「モッタリ」とした口当たりの粉っぽいスープ、
「ペトペト」するプレーンな噛み応えの平たい麺など、
食感的にはどことなく「マッタリ」感のあるラーメンですが
濃い目の塩分とスパイシーな香辛料がいい感じにパンチを付与。









野菜の旨味が凝縮したスープは香辛料が利いています。
水分を多くしてゆるめに作ったカレールーのような・・・トロミのある舌触りが独特。
もう少し塩分控えめでもいいかも。






ラーメンらしさを意識させる平打ち麺。
エッジ感はあるものの、すすっても、噛んでも、飲み込んでも・・・
実に「プレーン」で「平坦」なユニークな食味。
スープとの相性は良いですね。




2005年5月下旬 ラー麺 700円

「品達」に入居する七店舗の中でもソースラーメンと言うユニークなコンセプトで話題のお店。
店名に小さく付くとおり、「せたが屋」(世田谷区)のプロデュースであり、「新鮮な野菜をふんだんに使った今までに無い旨みを持った食べる感覚のスープ」がウリらしい。お店は通路側が透明なビニールシートで仕切られただけの、半オープンな造り。通路近くはちょっとしたテラス風の雰囲気になる。厨房で働くスタッフの服装は、洋食屋さん・・・と言うより、どことなくパン屋さんを連想させられた。

運ばれて来たラーメンを見て、そのまるでターメリックのような黄色い色合いとトロミ感、そして独特なスパイスチックな香辛料の香りに、一瞬、「こ、これはカレーラーメン?」と言う思いが頭をよぎった。
スープをレンゲにとってみると、「モッタリ」とした粘り気と重さがあり、独特な表面張力の高さがあるのか、スープ表面がやや盛り上がっている感じがある・・・。

一口飲んでみると、トロミのあるスープは独特な粒子感があり、舌触りがユニークである。10種ほどの野菜をふんだんに使った・・・と言うフレコミではあるものの、ジャガイモのポタージュスープのような優しい味ではなく、オニオンスープのような甘トロミのある味でもない。もっとスパイシーで、かつ、塩分の重さを感じる強い味、まさしく「ソース」系統の味・・・である。
野菜の旨味、甘味、酸味・・・等が複雑に絡み合った味であるが、酸味がわずかに頭一つ出ている感じなので、トマトなどの酸味の強い野菜が使われているのだろう。
そして、同時に、スープベースにどうしてもカレーに使われる香辛料系の風味を感じてしまう。

食べてみて、このスープ・・・・以前食べたことのある味に良く似ているなぁ・・・・と思った。
ジャガイモを裏ごししたようでもあり、小麦粉を溶かし入れて出したようでもある「モッタリ」「タプタプ」としたトロミのある口当たり、優しいカレーのスパイス感、そして畜肉エキスの旨味・・・・子供の頃に好きで良く食べた昔の日清食品の「カップヌードル・カレー味」のカレースープの味を想起させられた。

特に「カップヌードル・カレー味」専用の「具」として入っている小さなサイコロ状のジャガイモを、歯で噛み砕いた時に舌先へ流れ出すジャガイモのサラサラした粒状感が、このスープの食味とダブって感じられ、さらにわずかに浮く独特な油感が、その思いに拍車をかける感じ・・・。
ひょっとして当時使われていたスパイスの組成と似ているような・・・気がしてならない。最近は、そのカレー味も、世間の健康志向の影響か、スープがずいぶんサラサラして、旨味もあっさりした感じになってしまったが・・・。
ともかく、伊達に世界トータルで200億食を売っていないと思わせる「味の完成度」を誇るカップ麺のトップブランド、その往年の「カレー味」に、酸味のある中濃ソースを適量加え、さらに全体の素材感をグレードアップさせたような味が、私的には、このスープのイメージとして浮かんで来る。

そして麺を食べると、麺は中太の平打ちタイプであり、今回はこの「平打ち」という点が重要なファクターに思えた。
もしこのスープに丸太ストレートの麺を組み合わせてしまうと、ラーメンと言うよりもむしろ「パスタ」に近いイメージになってしまう気がするからだ。食べ手にラーメンらしさをイメージさせる意味でも、平打ち麺であることは重要な意味があると思えた。

そしてすすってみると、しっかりとした硬さのあるエッジは残って感じるものの、平打ちゆえか見た目よりも細く感じられ、「ヒョロヒョロ」「ペトペト」とするコシのおぼつかなさがある。噛み締めてみても、「プレーン」で「平坦」なユニークな食味であり、食感に抑揚がないと言うか、麺に厚みがない感じ・・・そしてひっぱると麺が縦方向へちょっと伸びるような、弾性がある。
粘性のあるスープを良くからめ、あくまで「スープの運び役」に徹していると言うか、上手に主役をスープに譲っている感じであり、相性的には良いと思う。

チャーシューはサイコロ状に小さく切られ、フライパンで炒めて煮汁を焦がし付けたような感じで、フチの部分に調味液の味が凝縮されていて芳ばしく美味しい。見た目はカチカチに硬そうに見えたのだが、サクリと歯の通りが良くジューシーである。濃い目の味付けが、スープともよく合っていて、味、歯応えともにこのラーメンの中で重要なワンポイントを成している。

白ネギは、量が少な目と言うこともあると思うが、この個性派スープの前に、存在が埋もれがちであった。ミジン切りにせず小口切りのままでも良いかも知れない。
青菜は中に空気をふくんだような軽さのある食感、爽やかで瑞々しい風味がありながらエグミや苦味もなく、とても美味しく感じられた。
また、海苔が入っているが、海苔があることで「ラーメンらしさ」をイメージ的に補完している役柄があるようにも思えるものの、このスープと磯の風味の海苔は、あまり合っているようには感じられなかった。

スープには野菜だけでなく鶏やカツオ節のダシも加えているらしいが、食べ終わっての印象としては、やはり「カレー粉+中濃ソース+ジャガイモや小麦粉のトロミ」という印象を受ける。
ただ、「食べる感覚のスープ」ということだが、一口、二口飲むにはちょうど良い濃さなのかもしれないが、さらに飲み進もうとすると、ちょっとしょっぱく、味が濃いと感じてしまう。ふんだんに野菜や果物を使っているらしき口当たりではあるものの、それらの繊細な風味が、濃い塩分のせいでやや判りづらくなってしまっているような気もするのはもったいない。

そういう意味では単独の飲み物としてのスープの味付けと言うよりも、まさに麺を食べさせるための「ソース」としての味付けになっている気がするが、ただ、モッタリとしたトロミがあり、化学調味料に頼った味でない分、塩分がこの位は強くないと味にパンチや芯が出ないような気もする。
その辺のサジ加減はなかなか難しいのかも知れないが、それでも次回はこのスープの真価や素性の良さを堪能する意味でも、もし味薄めでのオーダーができるようなら、そうしてみたい。また、野菜の旨味がダイレクトに判ると言う塩ラーメンも気になるところだ。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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