ラーメン&つけ麺食べ歩き
くじら軒 本店
(神奈川県 横浜市)
店名 くじら軒 本店(くじらけん) 住所等 神奈川県横浜市都筑区牛久保西1-2-10 【地図表示】 禁煙 タバコ完全禁煙 訪問日 2005年5月上旬 らーめん 650円
〜くじら軒 横浜本店〜
(各写真はクリックで拡大します)
到着しました。
右の建物の1Fに看板が見えます。
横浜市営地下鉄「センター北駅」から徒歩8〜9分ほど。
周辺は緑豊かな新興住宅地「港北ニュータウン」。
神奈川を代表する有名店の一つ。
店頭には行列用のロープが張ってあります。
店頭に置かれていた営業時間の案内。
店内はウッディな造り。
どことなく居酒屋っぽい雰囲気がありますな。
上手に天然木を生かした卓や椅子。
カウンター上のヤカンには冷たい緑茶が入っておりますた。
メニューです。
営業時間と定休日も書かれていますな。
ん?開店時間が店頭の看板と微妙に違う気が・・・。
「らーめん」をオーダーしました。
2005年5月上旬 らーめん 650円
うーん・・・しみじみと美味しい一杯ですね。
有名店なので、何か「ガツンッ」と来る味かと思いがちですが、
インパクト路線やパワー系の味ではなく、
とても丁寧で上質、かつ、親しみやすい味です。
ターゲットは近隣の新興住宅地にお住まいのニューファミリーかな?
「家族みんなで仲良く食べられる美味しいラーメン」
を目指している印象を受けます。
「プチぜいたく」「日常の中の幸せ」を感じられるラーメンですね。
あっさりして、とても素直そうにみえて・・・ちょっとひとクセ持たせた味。
やや甘味を伴う誘惑するような旨味は・・・昆布の旨味なのかな?
決してマニア向けなのではなく、家族連れや子供連れの客層にこそ
真価を発揮しそうな味付けですな。
スープと麺は相性最高、「トーン」「波長」が見事に一致しています。
微妙にちぢれて奥ゆかしい口当たりの極細麺の
ちょっとからみ合った感じの食味がまた・・・絶妙にツボに来ます。
2005年5月上旬 らーめん 650円
ご存知、神奈川を代表する人気店の一つ。
1996年、脱サラした店主さんが独学で作り上げたラーメンは、ほどなく大評判になり、今や都内にも三店舗、大阪や北海道にも店舗を広げている。
入店すると、店内は天然木を上手に生かした卓や椅子がしつらえられていて、気取りのないウッディな造り。どことなく居酒屋っぽいくつろげる雰囲気がある。
登場したラーメン・・・・まずはレンゲでスープを一口飲んでみると・・・・ふんわりとする良い香りとともに、脂の少ない軽いタッチでスープが口中に流れ込んで来る。
あっさり路線のスープなのだが、優しい風合いの出汁がしっかりと感じられて、次第に口中に「じんわり」と広がってゆき、いつの間にか「しみじみ」とする美味しさが口腔をいっぱいに占領している感じだ。何と言うか、旨味が一つの「団子状」になってしまっておらず、太陽光をプリズムを通して七色に分解したように、淡いトーンの様々な風味や旨味が、上手に折り重なって自身の味を残しつつ、全体として大きな一つの美味しさを醸している印象なのだ。
味付けは「塩味」と言っても通じてしまいそうなほど、醤油の醸造風味が控えられていて、あくまで色づけ程度に使われている印象。
また、素材には豚ガラ、鶏ガラ、カツオ節、サバ節、煮干し、昆布や野菜類などを使っているそうなのだが、あっさりして、とても素直そうにみえて・・・実はちょっとひとクセ持たせたような味を感じる。そのひとクセが何なのかまでは特定できないが、やや甘味を伴う誘惑するような独特な旨味、舌がひんやりするような透明感のある旨味・・・・は、おそらくは昆布の旨味のように感じられた。
節系の風味もジェントルに香り、鷹の爪がほんのちょっとだけ入っているが辛味はほとんど感じられず、化学調味料も随分と穏やかと言うか、とても控えめであり、あくまで「素材感」とその「調和」を大切にしている印象だ。
一方の麺は、微細なウェーブの付いた極細麺。
すすってみると、ツルツルとか、スルスルとかではなく、細かく縮れているせいか「ジョボジョボ」とスープをよくからめ、「プルプル」と軽く振動するちょっと可愛らしい口当たりである。噛んでみても「ふぅわり」「ホクホク」とした優しい食味の細麺だが、コシもそれなりに残っていて柔らか過ぎるようなことはない。
また、細くて、ちぢれて、長めなので、結構からみ合っていて、ちょっとこんがらがっている感じの食味なのだが・・・・むしろそれがまた、絶妙にツボに来る。
こんがらがっているものを一気にすする感じの、そのちょっとアナーキーな感じがなかなか面白いすすり心地を生んでいるのだ。麺の一本一本が明確に分離して主張するのではなく、集合体として一つの独特な食感を生んでいて、何層にも複雑に重なり合った柔らかいパイ生地を食べているようなイメージに通じるものがある。
カンスイ感はほとんど感じられず、あっさりしたスープと、この奥ゆかしい口当たりの麺は相性も素晴らしい、お互いの持つ「トーン」や「波長」が見事に一致している印象だ。
チャーシューはふっくら、しんなりとした食感、脂身部分でハラハラほぐれる柔らかいもので、かつ、肉の旨味がしっかり内包されていてかなり美味しい。なかなか厚みもあって、チャーシューを食べるという醍醐味を十分に楽しめる。
ホウレン草はあくまで緑の彩りとして入っているような感じで、柔らかく歯切れは良いのだが、香りや味がやや抜け出てしまった感じであり、風味は薄めに感じられた。それでいてホウレン草特有のシュウ酸がちょっと残っているような・・・やや歯がザラ付く感じがある。
メンマはちょっと繊維がからまってしまった感じでボリボリ、ボリボリと力を入れて噛まないとなかなかちぎれず、たまたまなのか歯切れがあまり良くなかった。
それにしてもこのラーメン・・・・どこかしらフレンドリーで、何となく身近に感じられる味・・・・食べているうちに、味の路線として、どことなく郊外のショッピングセンターなどのフードコートやファミリーレストランなどで供される家族連れ向けタイプのラーメンの味を連想させられる。
もちろん、業務用品を多用してマニュアル的な調理をするフードコートやファミレスなどとは明確に異なるハイレベルな味ではあるのだが、しかし、根底に流れる味の傾向にはどこかに共通するものを感じてしまうのだ。
その共通項とは・・・・一部の食通向けの高尚な味や、マニア向けのインパクト重視の味を目指したラーメンではなく、ごくごく普通のパパ、ママ、そして小さな子供達、お年寄りまで・・・・とても親しみやすく食べやすい味、垣根が低く間口が広い味、あくまで日常の中で「普通の人」を対象とした味作りがなされている気がすることだ。
つまりは、「くじら軒」のラーメン、有名店ではあるものの決してマニア向けのラーメンなのではなく、むしろ家族連れや子供連れの一般の客層にこそ、その本来の真価を大いに発揮しそうなラーメンだと思えてならない。
そうした思いが脳裏に浮かんだ時、こちらのお店の所在地が・・・・横浜市の誇る新興の巨大住宅地「港北ニュータウン」である事実を思い出して、思わず合点がいった。
「港北ニュータウン」は面積的に横浜市都筑区の約90%ほどを占めていて、都筑区=ほぼ港北ニュータウンとも言えるほど巨大な街になっている。そして新興住宅地ゆえか、都筑区は横浜市内はもとより、神奈川県下においても最も居住者の平均年齢が若い地区の一つらしい。その実態は30才代の両親と9才以下の子供で構成される若いファミリーが非常に多く、特に幼児の割合は圧倒的で横浜市のトップであり、当然その親も若い30才代が多く、いわゆるニューファミリー層を形作っている街だと言う。
広大な丘陵地帯の新興住宅地「港北ニュータウン」・・・・10年近く前、ラーメン店と言えばまだチェーン店程度しかなかったであろうところへ、このような上質で美味しいお店がオープンすれば、日曜などに家族でちょっと近くへ外食でも・・・・と考える周辺の膨大な数のニューファミリー層に、こちらのお店が注目されない訳がなかったのだろう。結果として、地元でウワサがウワサを呼び、ほどなく大行列に・・・・・と、いうのは想像に難くない。
そして、あれだけ人気化して連日大行列ができれば、普通ならついつい天狗になって、もっと高級な味、さらなる至高の味・・・・と浮き足立ってしまいそうなところだが、いまだに良い素材で丁寧な調理を成しながらも、良い意味でどこかしらインスタントチックな、絶妙にチープなエッセンスが感じられて、とても美味しく、かつ、親しみやすいラーメンのスタイルを堅持しているのは、しっかりと地元ファミリー志向の味を大切にしている証拠だろう。
近隣の方たちが、小さな子供も含めてご家族そろって気軽に来店でき、しかも全員が今日はしっかり美味しいものを食べたと口をそろえて言えるような・・・・「プチぜいたく」「日常の中の幸せ」を感じられるようなラーメンだと思う。
(麺は完食。スープは7割飲んだ。)
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