ラーメン&つけ麺食べ歩き
華ざん
(栃木県 足利市)

店名 手のべ 華ざん(かざん)
住所等 栃木県足利市宮北町1-1 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2004年12月上旬 手打ラーメン 630円
           手のべラーメン 630円



〜華山 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
JR足利駅から徒歩15分ほど。
道路の向かいに広い駐車場があります。






ラーメンは380円から。
手のべラーメンで知られるお店です。
ガラス戸には「華山」と書かれてますな。






店内は結構広いですね。
50席位ありそう。
右側一帯が厨房です。






小上がり席も充実。
壁にいろいろ貼られてますな。






細かいメニュー構成。
「足利風細麺」「佐野風手打麺」「当店だけの手のべ太麺」
の3種類の麺が選べますぞ。
「手打らーめん」と「手のべらーめん」を注文。






メニュー裏。
「生野菜らーめん」とはユニーク。
チャーシューが美味しそうです。










2004年12月上旬 手打らーめん 630円



味だけでなく、きちんと「食事」としての栄養面の配慮もされ、
どことなく中華料理店っぽい造りを感じます。
「ご当地」「マニア向け」と言うよりは、
ファミリー客や日常食向けのイメージかな。

チャーシューは厚みがあり、味付けもしっかり、
肉の旨味も残っていて美味しいです。
スープが超熱々でビックリ。









青竹による手打ち麺です。
手揉みしていないのか「ちぢれ」や「ねじれ」がないストレート麺。
すすると「ジョボジョボ」と水音が聞こえて来そうなほどの
「超多加水」ぶりです。






スープの素材は動物系だけでなく、
海産物や野菜など色々使っている感じ。
旨味もハッキリ強調されています。
いかにも一般ウケしそうな味付けですな。




2004年12月上旬 手打らーめん 630円

青竹による「手打ち麺」と、両手で引き延ばす「手延べ麺」という、なんと二種類の手作り麺を出すお店。
メニューにはさらに極細麺もあり、何と3種類の麺を使い分けている。そしてチャーシューも自慢で、普通、上肉、特上肉と3種類あるらしい。
お店に到着すると、「ラーメン380円」と窓に書かれている。雰囲気的にも店内はいろいろな貼り紙があったり、物が置いてあったり、客層も地元のご家族連れや高校生などが多く、いかにも地元密着と言う気取らない感じである。メニューをみると毎週(木)半額サービス日・・・とある。と言うことは毎週木曜は中華ラーメンは190円・・・と言うことになるのだろうか。

登場した手打ラーメン・・・まずはレンゲでスープを飲もうとして、非常に「熱々」なので驚いてしまった。少し冷ましてから味わってみると、スープの素材は、豚や鶏などの動物系だけでなく、海産物や野菜など色々使っている感じがあり、なかなか複雑な感じである。油が適度に浮いて厚みも良く出ている。そして、中心にはとても判り易い旨味もしっかりと強調されて存在していて、いかにも一般ウケしそうな味付けと感じられた。
昨今のニューウェーブ系ラーメンや無化調ラーメンなどと比較すれば、あくまで「トラッド」路線の味と感じられ、それほど目新しい物を感じることはないし、使っている化学調味料も少なくないと思う。それでも老若男女、「世の大多数」の人には間違いなく「美味しい」と思わせる「ツボ」をしっかりと抑えている味だと思える。決して「フリーク」相手ではない、近隣の客層を踏まえて、年月をかけてまとめあげた味・・・というイメージだ。

いよいよ「手打ち麺」であるが、箸でつかんでみると「ちぢれ」がなく、どうやら手揉みはしていないようだ。やや平打ちっぽいその麺をすすってみると、加水率が非常に高い感じで、かつ、ユルーリとするコシの「たおやかさ」があり、すする際にスープをたっぷりとからめて「ジョボ、ジョボ」と言う音が聞こえて来そうな麺である。ストレートゆえ、唇当たりの楽しさは控えめだが、いかにもカンスイ少なめと言う感じであり、アゴの力の弱い人にもとても優しそうな食味である。小麦の素材感が控えめながらも素直に出ている。

チャーシューは厚めの巻きバラ肉。味付けもしっかりしていて肉の旨味が残っていてなかなか美味しい。
メンマは甘く、ソフトな食感である。海苔は大判、キクラゲやホウレン草も入るのは店主さんによる栄養面での配慮らしい。きちんと「食事」としての配慮があるのはなかなか嬉しいことだ。
麺の量はさほど多くはないが、たっぷりのスープや、厚みのあるチャーシュー、様々な具と、なかなかの食べ応えを感じさせられる。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




↓続きあり






〜華山 その2〜










同上日 手のべらーめん 630円



お隣の「佐野市」にもないような、まさに「究極の超多加水麺」。
麺は「手延べ」の中でも、ひときわ個性的。
今まで食べた事のない麺はおそらく生涯忘れられない食味でした。

スープが多く、そこへ溶け込むほどに水分が多くゆるい麺なので
麺料理と言うよりも、むしろスープ料理と言うイメージ。









まるで「天女の羽衣(はごろも)」のような・・・
薄く、滑らかで、柔らかく、無縫な、麺と言うイメージ。

何かの料理の口当たりと良く似てるなぁ・・・と思っていたら、
まるで「フカヒレスープ」のような食味。
「ユル〜リ」とする緩やかで柔和な口当たり、
スープと麺の境界が極めて不明瞭な感じです。






ほとんど圧延していないような特有のナイーブなコシ。
口当たりはワンタン皮を超多加水で作ったような感じ?
まるでとらえどころのない「半固体」と言うか・・「半透明」な食味。
実際、箸が透けて見えますな・・・。






うーん・・・見事な「柳腰」。
なんか、ちょっと色っぽい感じ・・・。
( ´∀`)






スープは「手打ち」と共通のようです。
とてもしっかりとした味のピントを感じます。
油は少なめですが決して弱いスープではない。




同上日 手のべらーめん 630円

続いて待望の「手延べラーメン」を食す。店主さんはこの独自の手延べ麺を完成するまでに8年の歳月を費やしたと言う。。
手延べというと、私としてはどうしても「馬賊」(浅草)を基準に考えてしまうのだが、こちらのお店の手延べ麺は全くタイプの異なるものであった。

スープや具は、先に食べた「手打ちラーメン」と共通のようだが、麺を箸で一つかみ持ち上げてみると、幅広で平たく、非常に不規則な形状であり、また表面に無数の微妙な溝が付いている。箸で掴んだだけで、その柔和な感じが明確に伝わって来るのが判る。そして、箸で器の中をまさぐっても、箸に「抵抗」がかからないと言うか、箸の動きに沿って麺がマッタリと流れるように動き、まさしく「柳に風」と言うか、「方円の器に従う麺」というイメージだ。

一口すすってみると、予想通り口当たりはあくまで柔和であり、ほとんど圧延していないような特有のナイーブなコシを備えている。まるでとらえどころのない「半固体」と言うか・・「半透明」な食味であり、ユルユルと歯や舌をなで回すような食感である。
すすっても、ツルツルとかチュルチュルとか、いわゆる一本一本独立した「麺」をすする感じではなく、「ズ、ズゾゾゾ・・・」と、渾然一体になった麺の塊りを飲み込む感じ。飲み込んだ後も「噛む」という行為はほとんど介在せず、スルリと喉を通り、胃の中へと落ちてゆく。ちょっと溶けかかったような・・・麺とスープとの境界が極めて不明瞭な感じが、何とも独特な味覚の世界を現出させている。何となく、「万里」(佐野市)の麺と一部で共通するイメージもあるような気もした。

幅広なのでワンタン皮を超多加水で作ったような感じにも思えるが、他の何かの料理の口当たりと良く似てるなぁ・・・と思っていたら、溶き玉子と春雨を入れて作った「フカヒレスープ」の食味にも近いイメージを持った。まさに「究極の超多加水麺」なのは間違いないと思うが、スープが多く、そのスープへまるで溶け込むほどに、水分が多くゆるい麺なので、麺料理と言うよりもむしろ「スープ料理」と言うイメージを受ける感じ。

麺だけだとちょっとデリケートと言うか、ナイーブな食味と感じる気がするが、その分、スープの味のピントがしっかりと明瞭なので、全体としてはバランスが良いと言うか、決して弱くなりすぎてはおらず、一杯のラーメンとして良くまとまっている。
「手延べ」のお店も割と食べ歩いているが、こちらのような麺は今まで食べた事のない麺であり、はっきり言ってかなり個性的な麺だと思う。それだけに一度ハマったら、おそらく足繁くこちらのお店に通う事になるだろう。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




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