ラーメン&つけ麺食べ歩き
かおたんラーメン
(東京都 港区)

店名 かおたんラーメン エントツ屋(かおたんらーめん えんとつや)
住所等 東京都港区南青山2-34-30 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年9月中旬 正油ラーメン 650円



〜高湯ラーメンえんとつ屋〜

(各写真はクリックで拡大します)




やって来ました「かおたんラーメン」。
乃木坂駅から徒歩5分程、六本木駅からなら9分程。
六本木の喧騒の裏手と言う感じの静かな場所になります。
左脇の道は青山霊園入口。






グルリと右側へ回って見るとこんな感じ・・・。
正面に開いた扉は厨房入口。
客用の入口は建物の左右にあります。
背後には青山霊園の豊かな緑が広がります。






通称「エントツ屋」の由来になったとおぼしき
煙突が屋根に並びます。






店頭に掲げられたメニュー。
ベニヤ板にマジック書きされております。
「正油ラーメン」を注文することに。






左手の入口です。
札に営業時間の表示がされています。
これから入店すると思うと・・・何だかワクワクして来ますな。
(((゚∀゚)))






いざ、ドアを開けると・・・店内は思ったよりも広いですね。
ブロック積みの壁にいろいろ貼られています。
ランチタイムサービスもあるようです。






長テーブルに長椅子と言う、ズバリ中国風「屋台」の造り。
入口脇に3席ほどの小上がり席もありますた。






飲み物やオツマミのメニュー。
ブロックがむき出しの壁がイイ・・・ ( ´∀`)






天井には何本もの配線が・・・。
手作り感満載ですな。








2005年9月中旬 正油ラーメン 650円



「高湯 中国福建省の高級スープ」だそうです。
繊細で薬膳系の・・・うっすらと体に優しい繊細なスープを想像していたら、
実際は力強いスープ、太い芯の通った明確な味付けです。

スープとともに、むしろ縮れた細麺の・・・
その「ポソポソ」と弱々しくも健気(けなげ)なコシの動き、
ちょっと「はにかんだ」ようなデリケートでナイーブな歯応えに、
このラーメンの「屋台的」真の魅力を感じます。









揚げネギと揚げニンニクが大量に浮くスープ。
油もたっぷりと多めです。






一見、平凡そうに見えて・・・・何とも「非凡」な細麺。
時間の経過と共に次第にヘタる感じなのも・・・むしろこの麺の「持ち味」。
細麺ならではの「ツボ」を絶妙に具現。






もう一つかみ、ハフハフ・・・うーん美味しいですな。
何とも言えない哀愁感、レトロ感が漂い、
絶妙な「切なさ」、「儚さ」、のようなテイストがある。
すするほどに・・・どんどん深みへと引き込まれてしまう。




2005年9月中旬 正油ラーメン 650円

何ともユニークな店構えが興味を引くお店。随分と以前から気にはなっていたが・・・なかなか入店する機会に恵まれなかった。
六本木交差点からも歩いて十数分と言う場所ではあるが、ちょうど繁華街のバックヤード的な位置にあり、裏手一面が青山霊園と言うこともあって緑が多く、周囲は静かである。明け方近くまで営業しているので、六本木で遊んで終電を逃した後、こちらで朝を迎える輩も少なくないらしい。

屋根の上にそびえる四本の煙突がユニークな店舗は、実にシンプルで気取りのない造り、入口脇には大量の醤油缶が積まれていて、看板には「高湯 中国福建省の高級スープ」と書かれている。自然木を生かしたドアの取っ手をつかんで開け、中へ入るとやたらと長いテーブルにこれまた長いベンチが横たわっている。「なるほど・・・」、どうやら中国や台湾などの露天の屋台をイメージしている造作だと気づく。

登場したラーメンは・・・・多めの油がキラキラと輝き、大量の揚げネギと揚げニンニクが浮いている。
一口飲んでみると・・・・実は「高湯 中国福建省の高級スープ」という言葉から、何となく漢方薬膳系のじんわりと滋味深い、舌や体に優しいうっすらとした繊細なスープを想像していたのだが、実際は力強い味わいのスープであり、太い芯の通った明確な味付けである。化調感は感じられないが、醤油が多めに使われているようで、食べている際は多めの油で気づきにくいが、食後は舌の上に醤油がやや残って感じられた。
スープだけを見ると、醤油がしっかり出て、ラードと揚げネギが多めに浮き、茹でモヤシが加わるこのテイストは・・・・同じく中国系、台湾系である「喜楽」(渋谷区)のスープと良く似ているように感じる。こちらの方がやや油が柔らかめではあるが・・・。

スープもしっかりした味で美味しいと思ったが、むしろこちらのラーメンの最大の美点は、その縮れた「細麺」にあると感じた。
すすると、ツルツルと滑らかな感じではなく、ズルズルと重い感じでもなく・・・・ちょっと遠慮がちに舌に触れて来る、その「ポソポソ」と弱々しくも健気(けなげ)なコシの動きに・・・・絶妙な切なさ、儚さ、のようなテイストがあるのである。
噛み締めても、シコシコとかモチモチという感じは全くなく、やはり「ポソポソ」とちょっと空気を含んだような感じなのだが、単に無機質的に「柔らかい」という食感ではない。特有の縮れが作用しているのか、ちょっと「はにかんだ」ようなデリケートでナイーブなコシの動きがあり、何とも言えず細麺ならではの「ツボ」を絶妙に突いていて、思わず夢中ですすってしまう・・・。
ちょっと表面の摩擦係数が高そうな麺は、スープの油をたくさんからめている割には、ツルツルと言う滑らかな感じはなく、しっかりと唇や舌に擦れてゆく感じが伝わって来るのも、レトロ感をあおる。

チャーシューはしっかりと豚の風味が感じられる。嫌な臭みなのではなく、豚本来の香りと旨味が強く出ていて美味しい。サックリと軽く歯が入るほどではないが、硬すぎたり筋張ったりすることもなく・・・いかにも「肉」と言う感じで、なかなか印象的なチャーシューだ。
サヤエンドウは、ちょっとカピカピと乾燥している感じがあり、歯切れが今ひとつと感じられた。メンマの歯触りは柔らかめ、味はしっかりと濃い目に付けられている。
モヤシはシャクシャクと軽く歯が入る軽さと共にきちんとした繊維感が残っていて、火の通し方はベストだと思う。このモヤシが、この油多めで味の濃いスープに、サッパリ感を付与し、かつ、細麺の食感を補強する役目を担っているのだろうと思うし、実際に良い役割を演じているのだが、いかんせんちょっと量が少ない。できればこの倍はモヤシを入れて欲しいと思えた。

食べ終わってみると、やはり何よりも「細麺」の出来が素晴らしいと思う。
その「ポソポソ」と弱々しくも健気(けなげ)なコシの動きに・・・・何とも言えない哀愁感が漂っていて、ついつい深みへと引き込まれてしまう。
まさに「屋台」で良く出るタイプの、茹で上がり易く、ノビ易いタイプの麺であり、そのせいか、時間の経過と共に次第にヘタる感じ、柔らかくなってゆく感じなのだが、その「移り行くさま」に、こちらもついつい夢中になって追いかけるように食べる感じになり、次々に箸が進んでしまう。まさに「細麺の命」の短さ、儚さ、薄命さ・・・を体現しているかのような、そんな感じの麺である。
こう言う麺は・・・・町の古い中華屋さんにでも行けば、いくらでも出会えそうなようにも思えるが、実際にはそれらとは微妙に異なり、実に稀有な食感を備えた美味しい麺だと思う。

ちなみに、ブロックがむき出しになっている壁面には大量のメニューが貼られ、どうやら昼はランチサービス、夜はお酒とオツマミ等も楽しめるスタイルを目指しているようだ。
店員さん同士は完全に中国語(?)で話している。しかし、接客は実に心のこもったもので、素朴で飾らない笑顔とともに、非常に居心地の良い雰囲気を醸し出してくれている。南青山の瀟洒(しょうしゃ)な街並みに「忽然」(こつぜん)と現れる屋台風のシンプルな店舗は、見栄や虚栄心と言うものから見事なほどに「開放」された真の寛ぎの空間でもある。
その「空間」で食す本場中国の「高湯ラーメン」・・・なかなかオツな「一杯」である。次回はぜひホロ酔い気分で、深夜に訪問してみたいものだ。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)










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