ラーメン＆つけ麺食べ歩き
神座 新宿 歌舞伎町 店
（東京都 新宿区）

2004年5月中旬　たまごラーメン　750円

大阪でトップクラスの人気を誇る有名店が、初の東京進出で2003年12月、新宿歌舞伎町にオープンした大型店。
真新しいビルの１Ｆ、２Ｆが店舗で全69席もある。自動券売機ではなく、入口横の赤い球形のブースに人がいて券を購入するシステム。深夜営業がメインなのか昼間はサービスタイムと位置づけられており、麺類は５０円引き。
たまごラーメンを注文すると、半熟と固ゆでのどちらにしますかと尋ねられ、半熟を選択。また、チャーシューはトロ肉かあっさり肉を尋ねられ、あっさり肉を選択した。お金を払って食券と領収書をもらう。
店内はカウンター席のみ、半オープンキッチンで厨房内のスタッフは全員が洋食のコック服で調理している。

登場したラーメンは、ザクザクと切られた白菜が多めに入り、薄切りの肉が乗っている。
一口スープを飲んでみると意外な熱さでやけどしそうになった。調理を見ていると、スープはフライパンで白菜や肉と一緒に火にかけたものを注いでいる。熱いはずである。
スープは豚骨ベースのようだが、かなりあっさりしていて、鶏油のようなものでやや厚み感を出している。スープの味付けは甘めだが、白菜の自然な甘味以外に、意図的に甘味が足されている感じで、人によってはやや甘ったるいと言うかも知れない。スイートコーンの汁のような甘味もわずかに感じる気がする。この甘味に対比させる形で一味唐辛子が少しだけ浮くが、辛さは控えめ。もう少しピリ辛にしても良いと思う。

麺はまるで太さ１．６ミリほどのスパゲッティ風の丸太麺で、プリプリする食感がある。形状のせいかスープはあまりからまないが、洋食風にアレンジしたような感じで面白いと思う。最近は「中華麺」の範疇にこだわらず、「うどん」「そば」「フォー（ベトナム米麺）」とのハイブリッドのような麺が多くなっている。こちらはスパゲッティとのハイブリッドという感じだ。

たっぷり載った白菜は、シャクシャクする歯応えが心地よい。味は素直で塩分も控えめで好感だが、野菜としての旨味があまりなく、やや水っぽい味に感じてしまう。チャーシューはあっさりタイプを選んだせいか極薄に切られたモモ肉。薄切りの食感は洋食の「ソテー」風で面白いと思うが、肉自体の味はいま一つ。チャーシュー以外にもこま切れの豚バラ肉が入っているが、これもちょっとジューシーさ不足。
今回たまたまだったのかも知れないが、もう少し野菜と肉がジューシーになれば、これらの旨味が出たスープ自体も、必然的に数段美味しくなるはず。

丸のまま入る味玉は半熟で、かじると黄身がまるで蜂蜜のようにキラキラとろけて出てきて感激した。味も黄身までしっかりと付いていてかなりおいしい。
無料の薬味として、豆板醤、おろしニンニク、ニラの辛味漬けのような物がカウンターに置いてある。不思議とコショウはない。

麺と具を食べ終わって、最後にスープを改めて飲んでみると、変な雑味や添加物感もなく、かなり素性の良いヘルシーな美味しいスープであることに気づく。以前も一度、ここで食べて、そのナチュラルで豊かなスープの美味しさに感激したことがあった。

しかし、今回のものは、ちょっと全体に大人しすぎるというか、肉や野菜の風味不足のせいもあって、何となくファミリーレストランやフードコートなどで食べるファーストフード的なメニューを連想してしまう。
そもそも、ここのラーメンの本当のウリは、おそらく豚肉と淡色野菜を高火力で炒めて出す「ホイコーロ」のような美味しさだと思う。実際、以前は、豚肉や白菜の本来の香ばしさや旨味が上手に引き出されていて、もともと素性の良いスープとマッチして、かなり美味しいラーメンだった。
何と言っても関西でトップクラスの人気を誇る位なのだから、その真の実力は相当高いものがあるはず。次回訪問時はぜひ本調子である事を願う。


（麺は完食。スープは７割飲んだ。）

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