ラーメン&つけ麺食べ歩き
神楽屋
(東京都 新宿区)

(2004/11閉店)

店名 鰹だし醤油らーめん 神楽屋(かぐらや)
住所等 東京都新宿区百人町1-20-3 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年5月下旬 ラーメン 600円



〜神楽屋〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店は小滝橋通りに面しています。
この辺はラーメン激戦区の一つですな。
最寄駅は大久保駅、新大久保駅ですが、
新宿駅からも徒歩圏内。






「鰹だし醤油」と銘打っております。
間口の広い立派な店構え。






営業時間。
変更予定ありと( )付き。






券売機です。
左半面が普通盛り。
右半面が大盛り用。






店内はウッディな和食風。
落ち着いた優しい照明ですな










2004年5月下旬 らーめん 600円



目の前に置かれただけでカツオと判る
まさに「全力投球」の鰹出汁ラーメンですな。
動物感、脂感は控えめです。

この方向性、この姿勢、一切の「迷いなし」です。




2004年5月下旬 らーめん 600円

以前は練馬区にあったお店が、2004年の春に新宿区のこちらへ移転。お店はラーメン激戦区の一つ小滝橋通り沿いにある。
店内はテーブル席のみで、和食屋さんのようなちょっと低めの席配置になっている。しかし、この低めの席配置とやや落とされた照明のせいで、妙に落ち着く空間になっている。

ラーメンが運ばれてくると、真っ先にカツオ節の心地よい香りが鼻腔を埋め尽す。
鶏などの動物系の風味も多少感じられるが、比率的には8対2位でカツオ節の風味が器の中を完全に支配している。一口スープを飲んでみると、カツオの出汁が猛然と襲い掛かってくる。ちょっと驚くほどで、「なぜここまで?」と思ったが、店の看板が「鰹出汁醤油ラーメン」となっていたことを思い出して納得した。鰹の魅力をとことん追究しようと言うことなのだと思うが、まさにちょっと圧倒されてしまうほどだ。

ただ、今回はたまたまかも知れないが、香りや旨味とともに、魚節系特有の酸味がちょっときつめに出てしまっていて、塩分も結構効かせていることもあって、良く言えばシャープでインパクトのある味だが、舌を刺すような「とがり」のある味とも言える。
鶏や豚の脂感が控えめということもあって、一層ダイレクトにそう感じられてしまう。ちなみに、化学的な味わいがないのは好印象。なお、煮干も少し感じる気がした。

現在、魚出汁スープはまさにブームとも言えるほどの人気だが、その反面、風味が飛びやすく、酸味や苦味が出やすく、なかなか難しい面も持っている。
ただ、以前、練馬区で営業していた時は「鰹出汁醤油」ではなかったらしい。移転を機に、この路線にスイッチしたようである。もしそうなら、まだ1〜2ヶ月しか経っていない事になり、ひょっとしてまだスープも、発展途上の部分が少なからずあるのかもしれない。

麺は中細のストレート麺である。すすると素直な食感で食べ易いものだが、噛んでみると食味がちょっとモソモソする感じではっきりせず、印象がやや弱めである。このスープなら、もう少しモチモチしたやや甘めの麺が合うように思う。

バラ肉のチャーシューは厚みがあり、脂のサシがきれいな層を描いている。魚節系スープの中へ入れるチャーシューの味付けは結構難しいと思う。魚の味の中に、どのように「肉」の味を入れるか、色々なアプローチがあると思うが、こちらのお店の手法は、味付けも肉の旨味も控えめにして、なるべく魚出汁の味を邪魔しないようにしつらえた印象を受けた。メンマも比較的大人しめの味で、やはりスープの出汁を濁らせないようにしている印象だ。

ともかく、カツオ節が中心、出汁が最優先という印象である。しかも、スープには魚粉は入っておらず、完全に「出汁」で勝負したいというお店の強い決意表明が伝わって来る。流行の魚出汁であるが、お店によっては実際には魚粉を入れて強調しているだけであったり、化学調味料やエキス類を投入して補強しているだけのケースが実に多い。しかし、少なくとも私が味わった限りでは、こちらのお店は、あくまで「鰹節」から抽出している出汁の味である。こういったお店は実に貴重であろう。

なにしろ、鰹出汁といっても、柚子や三つ葉などを足す「和風」ではない。また、動物スープと合わせて使う前提の「ダブルスープ」でもない。店名どおりに徹底して「カツオ路線」に特化した新ジャンルを狙っている味のようだ。つまり、万が一にも、鰹が上手く出ない場合は、一切の援軍がいない、一切のごまかしが利かない、「背水の陣形」である。
ラーメン激戦区の一つ、「小滝橋通り」で名を上げるには、半端な事ではないが、この方向性と、このお店の姿勢には、結構、期待が持てる気がする。今後が大いに気になるお店の一つである。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)











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