ラーメン&つけ麺食べ歩き
自然洞
(埼玉県 さいたま市)
店名 自然洞 麺舗(じねんどう めんほ) 住所等 埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-21-13 【地図表示】 禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2004年12月下旬 自然洞ラーメン(白・普通盛) 480円 2005年4月中旬 ざるラーメン(正油・普通盛) 380円
〜自然洞 麺舗 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
お店はJR北浦和駅の東口から
徒歩7分ほどの地にあります。
道の前方が駅です。
実にさりげない店構え。
しかし、近所の高校の下校時間は
学生服の集団で黒山の人だかりに・・。
( ´∀`)
営業時間とともに、
「麺は自家製です、お好みの量を同一価格で茹であげます」
「食材は厳選した天然素材のみ使用」
「昔たべた懐かしい味の体にやさしいラーメンです」
などのメッセージが書かれていました。
メニューです。
醤油は「白」と「黒」があります。
かけラーメンは280円という超良心価格。
券売機制です。
「自然洞ラーメン(白)」を購入しますた。
店内はL型カウンター。
皆さん、本当に心からの「大満足」の
笑顔で食べております。
客の背中から幸福のオーラが出ている感じです。
麺の量の説明書き。
なんと「小盛」〜「ダブル」まで同一価格ですぞ。
私は「普通盛」でオーダーしました。
トッピングメニュー。
チャーシューは「普通」と「乱切り」の二種類を用意。
男性スタッフお二人で切り盛り。
ガラス戸の向こうには小上がり席があるのかな?
冷水ポットのお替りの声が聞こえてきました。
2004年12月下旬 自然洞ラーメン(白・普通盛) 480円
まさに「ハートフル&テイスティ」。
すべての「ラーメン好き」へ贈られた「至福のメッセージ」。
心底「客冥利」に尽きる実に心温まる一杯です。
これほどのナチュラル&上質&大ボリュウムなラーメンが、
超驚異的な低価格で「振る舞われて」いることに敬服。
店主さんの素晴らしいお人柄がそっくりそのまま現れていますね。
近隣の方が実にうらやましいですな。
もし近所にあったら毎週5回は通い詰めそう・・。
添加物感も、塩辛さもない実に「ふくよか」なスープ。
本当に安心できるゆっくりとした味わいに満ちています。
鶏ガラ、ゲンコツ、鰹節、サバ節、野菜類を使っているそうな。
ちょっと具のモヤシ風味も溶け込んだ味わいに・・。
混じり気のないとても優しい食感の自家製麺。
シコシコとかプリプリではなく、「ホクホク」とする温かな食味が素晴らしい。
価格からは考えられない上質な小麦粉を使っている印象。
美味「絶品」の乱切りチャーシュー。
舌に「からみつく」ようなモチ肌的肉質には大満足。
ボリュームも本当に言う事なしですな。
2004年12月下旬 自然洞ラーメン(白・普通盛) 480円
こちらのお店は2001年の開店らしいが、価格とボリュウムのバランスにおいては全国屈指と言う話を聞いて興味を持ち、訪問してみた。
JR北浦和駅から徒歩7分ほどで、駅前の喧騒からは少し離れているものの、近所の高校生から絶大な支持を集めているらしく、下校時間と重なると大混雑必至のようだ。実際、私が訪問した際も、3時近くであったが、15名程の男子高校生が店前に集まっていて、これは相当待つかと思ったが、どうやら食べ終えた集団だったようで、最後の一人がお店から出てくると、そのままワイワイと駅方向へと姿を消してしまった。
こちらのお店の何よりの特徴は、ラーメンが280円からと言う超低価格からスタートすることと、しかも同一料金のままで麺の量が120g〜300gまで(つけ麺は150〜400gまで)四段階で自由に増やせる事である。しかも、食材は厳選された天然素材のみを使用していると言う。
入店するとL型カウンターがあり、男性お二人で切り盛りされていた。券売機があり、食券を渡すと麺の量の希望を尋ねられたので、「普通」でお願いした。
場所柄か、常連の方が多いようで、店主さんは非常に自然体のままですべてのお客さんと見事なコミュニケーションを取っていた。
ラーメンが目の前に置かれると、真っ先に「モヤシ」の風味が感じられた。見ればドッサリと茹でモヤシが載せられている。そして乱切りチャーシューとメンマもかなり多めに載せられていた。
スープをレンゲに取ってみると、軽さのありそうな油がやや多めに浮き、動物系素材からの滓(おり)のようなものが少し混じっている。
一口飲んでみると・・・・これが、何と言うか、妙な「ギミック」のない実に「ふくよか」で「穏やか」なスープであり、ややはっきりとした塩味を感じるものの、化学調味料感や添加物感もない、なかなか安心できる「ゆったりとした味わい」に満ちたスープだ。
素材には鶏ガラ、ゲンコツ、鰹節、サバ節、野菜類を使っているそうだが、これらの素材感がグイグイ主張している感じではなく、絶妙な「節操」を持って共存しているイメージである。また、多めに載せられた具のモヤシ風味もちょっと溶け込んだ味わいになっている。何とも過不足のない、地に足の着いた、原点回帰のような美味しいスープである。
何と言うか、世の有名店や一流店を徹底してリサーチして、いきなり高級食材をズラリと揃えたり、流行や新規性を意識して狙いを定めて大上段に作り始めた味ではなく・・・・・最初は鶏ガラ一つから始めて、徐々に素材を一つ一つ増やして行ったような・・・コツコツと手作りで下から積み重ねて行ったような、そんな「気取らない美味しさ」に満ちている味。ゆえに良い意味で「シンプル」、そして「衒い(てらい)」のない、実に「質実」な味の作りになっている気がする。
要は「コンクール」や「コンテスト」の上位入賞を狙ったような戦略的な上昇志向の造り込みではなく、あくまで毎日食べられるような「日常食」としての「ベスト」を目指している造りのイメージだ。
そして、このスープと呼応するかのように、麺もまた「質実」で素晴らしい。
自家製の麺と言うと、やたらと「太かったり」、「固かったり」、「個性的すぎたり」と、やや創意工夫につっ走りすぎている気のするお店も少なくないが、こちらのお店の自家製麺はそういった「気負い」「あざとさ」が全く感じられず、あくまで「自然体」の麺である。
中細で丸みを帯びた断面、白っぽくて、やや少しだけよじれた感のあるその麺は、口に入れてみると、混じり気のないとても優しい食感を備えている。噛み締めると、シコシコとかプリプリではなく、「ホクホク」とするなんとも温かな食味が心地よい。荒っぽさがなく、滑らかな舌触りであり、価格からは考えられない上質な小麦粉を使っている印象を受ける。
また、乱切りチャーシューは、「ふっくら」とした肉質が素晴らしく、鮮度感のある肉の旨さがダイレクトに味わえる感じで、ともかく美味しい。臭みとか、固いとか、薄いとか、脂身ばかりとか、そういったネガティブな要素とはまさに金輪際「無縁」と言う感じである。
特に、口に入れるとまるで舌に「からみつく」「まとわりつく」ような「超モチ肌」的なしんなりとした肉質には驚かされるとともに、舌に直接「浸透」してくるような旨味の伝わり方にさらに驚かされる。しかも、見た目以上に量もドッサリと入っていて実に食べ応えがある。このチャーシューを食べるだけでも来店する価値があるだろう。
価格から考えれば、当然のように輸入の冷凍肉を使っていておかしくないところだが、紛れもなく国産豚の上質な生肉を使っていると思う。
チャーシューは、ラーメンの構成要素の中でも原価率が最も高いらしく、しかも肉質によって原価もピンからキリまである。このチャーシューを食べただけでも、店主さんの並々ならぬ「良心」「善意」「自負」「決意」がひしひしと伝わって来るようだ。
茹でモヤシは量が多いという事もあってか、ちょっとその風味がはっきりと感じられ、少なからずスープへも影響している。ただ、このモヤシの素朴な風味が、ラーメンの持つ独特な「郷愁心」を煽るというか、B級グルメの王者であるラーメンの「エスプリ」を強調しているようで、なかなかいい感じである。量が多いということもあってたっぷりと食べられ、まるで「第二の麺」の役を担っている趣きさえ感じられて来る。
また、ここまで大満足の連続でありながら、さらにダメ押し的に「メンマ」までもが非常に美味しい。歯を入れる度に「パリッ、パリッ、」「カリッ、カリッ」と弾けるその小気味良い食感は、チェーン店などでよく出会うグニグニした元気のないメンマとは、まさに天と地ほどの食感の差がある。
しかも、通常の他店ならメンマは4〜5本程度が普通だと思うが、こちらのラーメンでは「これでもか」と言うほどドッサリ多めに入っていて、食べても食べてもなかなか無くならないのには驚いた。
また、モヤシやメンマがかなり多く、チャーシューも多めに入っているため、麺の量は普通の150gであったが、それでもかなりの食べ応えがあった。単純に麺のグラム数だけで大盛りやダブルなどにしてしまわず、具の大ボリュームも計算に入れてオーダーした方が良いだろう。
世の中、他にも「大勝軒」や「二郎」など、大ボリュウムをウリにしているお店は決して少なくないが、それらのラーメンのいずれもが大抵は化学調味料のパワーに少なからず依存していると思う。つまり、巨大ボリュウムのラーメンを「食べ切らせる」には、化学調味料の強いパワーの支援がない限り、なかなか困難なのが実際のところなのだろう。
しかし、こちらのお店は、化学調味料感や塩辛さに頼った感じが全くなく、それでいて、300g〜400gもの麺を客にスルスルと食べ切らせてしまうのであるから・・・・心底、敬服に値するラーメンだと思う。
店頭に並ぶ高校生の集団を見て、高校生向けのボリューム一辺倒のジャンクなラーメン店かと思うのはとんでもない誤解である。そもそも「味覚」が一番鋭いのは高校生位の年代のようだ。
以前、ある浄水器メーカーの人と話していたら、ミネラルウォーターのテイスティングをさせると高校生位の年代が一番正解率が高いと言っていた。確かに味を感じる舌の「味蕾」は、肉体組織の一部であるから、20歳位をピークに、その数が減少してゆき機能も衰えたりするようだ。そういう意味では、「味覚」を身体能力の一部と考えれば、20歳前後が味覚のピークとも言えるわけだ。
ただ、単純なミネラルウォーターと違って、複数素材を掛け合わせて作る「料理」ではその味覚の情報解析に「知識」や「経験値」と言うものが必要になってくるので、ある程度年齢を召した人のほうが的確なコメントをする事ができるのだろう。
実際、食べ終えてみれば、まさに「ハートフル&テイスティ」な、実に心温まる「一杯」であった。
これだけ、至れり尽くせりで、500円硬貨でオツリが来て、しかも麺はダブルまで同価格と言うのだから・・・・・「採算度外視」と言う言葉がこれほど似合うラーメンも少ないのではないか。
何とも、これだけの内容と超驚異的な低価格を考えれば、心底「客冥利」に尽きるお店であり、まさにご馳走を「振る舞って頂いた」と言う感覚さえ持ってしまう。
近隣にお住まいの方が実にうらやましいと感じた。私など、もし近所にあったら毎週5回以上は通い詰めそうだ。
大満足とともにラーメンを食べ終わって顔を上げると、店主さんに「後光」が差して見えた・・・・・気がした。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
↓続きあり
〜自然洞 麺舗 その2〜
2005年4月中旬 ざるラーメン(正油・普通盛) 380円
たっぷりの細麺があって・・・
透明なツユが添えられ・・・、薬味のネギが少々・・・。
イメージとしては、まさに「ざるそば」ですね。
極めてシンプルに・・・・しかし、とことん徹底して「麺」を楽しむ。
実に「迷いのない」「ごまかしのない」一杯。
サッパリした後口なので、本当にいくらでも食べられそうです。
つけ汁の中は一切の具が入らず、薬味のネギが少々浮くだけ。
ゴテゴテしない非常に潔い造りが、むしろ新鮮。
透明感のあるつけ汁は、まさしく「そばツユ」のイメージ。
醤油風味とともにミリンのような甘味があります。
微妙に油分が浮き、一味唐辛子が混じって意外にピリカラ。
自家製ちぢれの細麺は同一料金のまま四段階で量が選べますぞ。
その味わいは、一切の虚飾やあざとさ等とは無縁のもの。
欲のない、肩肘張らない、等身大の美味しさです。
ふぅわりする軽さと優しさに満ちた瑞々しさ(みずみずしさ)あふれる麺は、
つけ汁との相性も良く、シンプルでありながら、決して飽きの来ない深い味。
何とも衒い(てらい)のない「さりげない美味さ」の美学を感じますな。
2005年4月中旬 ざるラーメン(正油・普通盛) 380円
前回の訪問以来、こちらのお店のもう一つの看板メニューである「ざるラーメン」(=つけ麺)が気になっていたので、再訪してみた。
券売機で券を買う際に、前回から気になっていた、正油の「白」と「黒」の違いについて尋ねたところ、「白」は塩味と醤油味の中間だそうで、一方の「黒」は完全な醤油味になるとのお返事であった。ちなみに、今回購入した「ざるラーメン」は自動的に「黒」になるようだ。麺の量を尋ねられ、前回、具が多めで普通盛で十分だったので、今回も「普通」でオーダーしてみた。
しかし、実際にざるラーメンが目の前に登場すると、しっかり200gの細麺が盛り付けられてはいるものの・・・透明感のあるツユが添えられ・・・薬味のネギが浮くだけ・・・と、まさに「ざるそば」そのもののシンプルこの上ない造りであり、これであれば「大盛」もしくは「ダブル」でも良かったとも思えた。
まずは何もつけずに、ちぢれた細麺をそのまま一口食べてみると・・・・・ツルツルと軽いすすり心地を持ち、口の中に入れば、プヨプヨ、ポヨポヨする感じのたおやかで優しい口当たりの麺である。
噛み締めると、ふくよかな「小麦」の風味と、瑞々しい(みずみずしい)「水」の匂いがゆっくりと香り立ち、なんとも「くつろげる味」「安心できる味」だ。
極めて「ゆったり」として、まさに自身の「あるがまま」をそのまま脚色せずに味わってもらおうと言う印象であり、一切の威圧感や虚飾やハッタリ、あざとさなどとはあまりにも「無縁」という印象を受ける。
いや、無縁と言うよりも・・・・・むしろ「無欲」と言う言葉の方がよりしっくり来るかも知れない。
食べ手にインパクトを与えようとか、主張を伝えようとか、ファンを増やそうとか、絶対美味しいと思わせようとか・・・・そういった「欲」や「力み」がなく、ただただ「自然体」な、肩肘を張らない、あくまで等身大のさりげない美味しさを持った麺・・・なのだ。
一部のマニアにはちょっと個性が弱くて物足りないなどと思われてしまう麺かも知れないが、むしろ誰でも安心して食べられる、そして毎日でも繰り返し食べられ、食べていて決して疲れることがない・・・・そういった日常食としての「ベスト」を目指していると思える明快なスタンスを感じさせてくれる。
とは言え、決してどこにでもあるような凡庸な麺なのではなく、まぎれもない上質な小麦感に満ち、ふぅわりする軽さと優しさに満ちた瑞々しさあふれる麺であり、透明感のあるつけ汁との相性も良く、シンプルでありながら、決して飽きの来ない深い味を創造しているのは「さすが」である。
特にこの瑞々しい「多加水感」は、作業効率優先の製麺所ではなかなか手の出せない部分であると思われ、まさに自家製麺ならではの独壇場と言う印象だ。
一方のつけ汁は、つけ麺の汁と言うと、動物性素材のダシでしっかりと濁っている事が、いつの頃からか・・・・当然のように感じてしまっていた私としては、この透明感にあふれたシンプルなつけ汁を目にして、新鮮な驚きを覚えてしまった。しかも、器の中には一切の具が入らず、見えるものと言えば少量のネギが表面にユラユラと漂っているだけであり、なかなかのカルチャーショックでもある。
麺を浸けて食べてみると、濃密な醤油風味が、太りすぎていないダシ風味と重なり合って、なかなか明快な輪郭のしっかりとした味を生み出している。
また、一味唐辛子の微細な破片が浮いていて、これが結構ピリピリとした辛さを放っていて、味にインパクトとメリハリを与えているとともに、その一方では、ベースにミリンのような微妙な甘ったるさが存在していて、この「辛」と「甘」の見事な対比で、次々と麺を食べさせるパンチを生んでいるようだ。
そして、良い意味でファーストフード的と言うか、決して複雑すぎるような、難解すぎるような、上品すぎるような、高尚すぎるような路線の味ではなく、むしろ地にしっかりと足を付けた実に親しみ易い、極めてフレンドリーな路線の味であり、明快な味の判り易さとともに、どことなくシックで、懐かしささえ感じるような風味がある。
たまり醤油のような濃い醸造風味が、ほんのりとエグみのようにも感じられるが、そのちょっとしたクセが、全体を大人っぽく引き締めているような印象も受ける。
スルスル、ツルツル、ポヨポヨ、サクサク・・・・と、200gの麺は、次々に消費され、あっと言う間に私の胃の中へときれいに収まってしまった。
食べ終えてみると、つけ汁に動物性の濁りがなく、具も一切入らないと言うこともあってか、後口が恐ろしいほどに「サッパリ」としている。胃の中も、ただただ純粋に植物性の炭水化物(=小麦)が詰め込まれたという印象で、まったく体に負担がかかっていない感じと言うか、まさに「麺類」が本来持っている「つゆモノ」独特の、ゴテゴテしない、あっさりした、軽快感のある、極めて淡白な後味を放っている。
まるで一陣の風の如き、スムースな「麺食」・・・・どこにも威圧感がなく、贅肉を取り去った、無駄の介在しない、究極的にシンプルな一杯に、「麺」そのものの食べ方を、その本来の姿を、その真の魅力を・・・・・つくづく再認識させられる気分であった。
(麺は完食。スープ割はせず。)
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