ラーメン&つけ麺食べ歩き
インディアン 蓮沼本店
(東京都 大田区)
店名 インディアン 蓮沼 本店(いんでぃあん) 住所等 東京都大田区西蒲田7-16-1 【地図表示】 禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2004年10月中旬 支那そばと半カレー 1000円
〜インディアン蓮沼本店〜
(各写真はクリックで拡大します)
東急池上線の蓮沼駅です。
蒲田駅の一つ先。
お店は蓮沼駅の真ん前です。
徒歩30秒ほどですな。
蒲田駅からも徒歩8分位、池上駅も徒歩圏内。
「武田流古式カレーライス」「支那そば」
の二枚看板。
カレーライスには「コシヒカリ」の新米使用。
店外にまでカレースパイスの
素晴らしい香りが漂っていますぞ。
ヽ(´ー`)ノ
店内はテーブル4卓と小カウンター。
グルメ雑誌も数冊置かれていたり、
雑誌掲載記事なども貼られていますね。
肖像画が飾られています。
先代の店主さんでしょうか。
メニューです。最高級カレーライス。
「当店より美味しいカレーがございましたらご一報下さい。
勉強にまいります。」と書かれています。
支那そばと半カレーを注文。
「屋久杉」のお箸ですな。
使い心地抜群です。
2004年10月中旬 支那そばと半カレー 1000円
うーん・・・まさに
「イノセント・テイスト」
実に磨き抜かれた「清浄なる味」です。
ナチュラルな淡い旨味の「泉」の中を
縦横無尽に、自由奔放に、実に伸び伸びと、
「舌が泳ぐ・・」感覚。
舌にとって、
つくづく「無限の開放感」がある
スープと麺ですね。
まるでラーメン界の「摩周湖」。
「透明度」日本一かも?
動物系の素材を一切使っていないそうな。
馥郁な芳香、透明度の高い旨味・・・。
天然水仕立ての「オーガニック・ハーブティー」を連想する
実に「汚れていない味」。
まさに
「アルティメット・ナチュラル」
の世界
実にその食味たるや
「無添加」「無添加」「無添加」「無添加」・・・。
ナチュラルを超える、あまりに感服ものの
スーパー・ナチュラル・テイスト。
半カレーです。
洋食技術の「粋」を結集したようなカレー・ルー。
非常に高度な技術と材料密度が濃厚に渦巻く
超ヘヴィな「焙煎」テイストは
まさに「唯一無二」の味。
美味ライスとの見事なパートナーシップも必食。
ビターチョコのような深く濃い色合い。
実に大量の「素材」と「スパイス」の存在を感じます。
同じ味には未だかって出会った事さえない・・。
「甘・辛・苦・酸・旨」の新五味を
見事にバランスさせたルー。
カレーと支那そばの奏でる味覚ハーモニーは
まさしく、「濃」と「淡」の美味混声合唱団。
カレーは「バス&テノール」、支那そばが「アルト&ソプラノ」
というイメージですな。
2004年10月中旬 支那そばと半カレー 1000円
こちらのお店の存在を初めて知ったのは、10年ほど前のTVだったと思う。たしかグルメ系の番組に登場して、支那そばとカレーの美味いお店として紹介されていたが、その時に、支那そばとカレーを食べるタイミングをなぜか「今、カレーを食べてください、今。」と細かにTVレポーターに指導していた。食べるタイミングがあるカレーなんてあり得るのか?と、非常に印象的だったのが記憶に残っている。
店前に立てば、既にとても芳ばしいカレースパイスの芳香が漂っている。店内はあまり飾らず、昭和の面影を残す雰囲気である。水はけを考えてなのか床は微妙に傾いている。箸は割り箸ではなく、屋久杉を削った箸を使っている。おそらくは先代店主と思われる肖像画が飾ってある。聞けば既に50年以上の歴史を持っているお店という。
こちらへは今までもかなりの回数訪問しているが、昼時はいつも混み合うため、午後2時〜4時頃に訪問することが多かった。しかし、今回初めて開店直後の11時少し過ぎに訪問してみると、登場した「支那そば」は、いつも以上に何とも淡い色の透明なスープだった。一口飲んでみれば、この澄んだスープ・・・・実に繊細で淡麗なる味わいで、「クリア」と言うよりも「クリーン」と言う印象を受ける。
鶏はおろか、豚や牛などの動物系を一切使っていないスープだそうだ。いつもは焼アゴ(トビウオ)とセロリの風味がやや目立つ気がするが、今日のスープは素材がさらに一層渾然一体となっていて、上品な「旨味」としてより一層パーフェクトな姿に昇華していた。
穏やかな塩味で丸みのある柔らかい口当たりではあるが、非常に品のあるしっかりした口調で素材の旨味が語りかけてくる。
つまり、「薄味」ではあるが、決して「薄っぺらな味」ではない。鰹節、アゴ、干し貝柱、昆布、玉ネギ、セロリ、果物などを使っているらしい。動物系を使っていないゆえの、飲み口の無類の「軽さ」「なめらかさ」は本当に素晴らしいと思う。表面に浮くネギ油も、抜群の鮮度と軽さと香りの良さ。さすが自家製だ。
私にとっては、今回の開店直後のスープが今までで一番美味しいと感じられた。夕方に近づくと多少煮詰まってしまうのかやや味が濃く、芳ばしくはなるが、その分、微妙にクドくなるというか、この「清浄」なテイストがやや弱くなる気がする。
いつも、なぜスープに動物系を使わないのだろう?と思っていたが、今回、初めてその真意を理解できた気がした。いつもは、「あっさり」だなと感じていたスープが、今回のは「すっきり」なのだ。しかもその「すっきり」のレベルと質が他店とはまるで違う。
今回は、塩分も相当に控えめで、「セロリ」「ネギ」などの清々しい香味野菜の風味もあるせいか、まるで天然水仕立ての「オーガニック・ハーブティー」を彷彿とさせるものを感じさせられた。
中細のウエーブ麺は、無カンスイの玉子麺。口に入れるとフルフルと震えるふくよかで非常にやさしい味わい。これほどに、口当たりの優しい麺も珍しい。なにしろ、すすっても、噛んでも、飲み込んでも、全く「ひっかかる」部分がないのだ。このスープと麺を味わっていると、兎にも角にも「無添加」「無添加」「無添加」「無添加」「無添加」・・・・圧倒的な「無添加」の三文字が、私の脳裏に何度も大きく浮かび上がって来る。
まさに、「ナチュラル」を大きく超える、「アルティメット・ナチュラル」の世界。実に、現代の「食の踏み絵」の様相である。
食べていて気付いたのは、 いつも以上に私の「舌」が、やたらと活発に、実に生き生きと、本当に「楽しそうに」動き回っている事だ。このナチュラルな淡い旨味の「泉」の中を、縦横無尽に、自由奔放に、実に伸び伸びと、「舌が泳ぐ・・」感覚なのだ。
舌にとって、つくづく「無限の開放感」があるスープと麺だなぁ・・・という印象。
例えるなら、まるで雲一つない真夏の青空の下、「水質透明度」日本一の摩周湖を、素っ裸で一人自由に泳ぎ回るようなイメージ・・・。もちろん空想に過ぎないが、おそらく、肌に何の抵抗もない素晴らしい「軽快感」で、スイスイと体が進む感覚、この上ない心地よさだろう。これが、「動物系を使わない」真の意味だったんだなぁと、つくづく理解させられる想い。どれだけ有名な「無化調」「あっさり」系ラーメンのお店も、こちらと比べれば、少なくとも小さな水着を一枚「着ている」感覚がある。ましてや、ラードや化学調味料や塩や添加物をたっぷり使ったお店のラーメンでは、服を着たまま塩素タップリのプールをのたうつように泳ぐ感じに思える味の「重さ」「クドさ」「にぶさ」がある。
唯一の動物系として肩ロースのチャーシューが載っている。以前は、割と味が濃い目で、まるでプレス機で圧力をかけたような繊維感の心地よいブロック状で、そのブロック感のあるチャーシューへ歯を入れると絶妙な繊維感を持ってホロリとほぐれ、肉の中から濃厚な旨味が舌の上へと流れ出して来た。薄味スープのちょうど良いアクセントになっていたものだ。しかし、今日のものは比較的、味、繊維感とも普通に良く見かけるチャーシューの食味に近い感じの物だった。ブレの範囲なのだろうか。
メンマは繊維が優しく柔らかめで、しっかりした濃い目の味付け。青菜は小松菜ではなく、ホウレン草のように感じられたが、柔らかめに茹でられ、緑の色彩と心地よい苦味で清涼感を演出している。
ラーメンを食べていると、頃合いを見ていよいよカレーが登場する。
ビターチョコレートの色をしたカレー・ルーは、口に含んだ瞬間は、ピリッとした辛味とフルーツのような酸味が感じられた。しかし、カレーが舌の奥に進む頃には、濃密な「甘辛い苦味」の味に変化し、同時に圧倒的なスパイスの「香気」が口中と鼻腔いっぱいにあふれ返る。
スプーンで「ルー」だけをすくって食べてみると、あまりに濃密過ぎて舌が味を判りにくい。混雑したスペースで、大勢の人(味)に一斉に語りかけられて、同時にはうまく聞き取れないイメージである。
ルーとライスを一緒に食べてみると、「コシヒカリ」ライスの淡白で無垢な味わいが、適度にルーの濃密さを溶きほぐし、引き延ばしてくれることで、やっとルーの「輪郭」が、その「正体」が、その「全容」が、判り始めて来る。凝縮していた旨味が一気に「花開く」感じだ。と、同時にあまりに「美味すぎる」と思わされる。
普段よく口にする類のカレーとはまさに別世界の味だ。スパイスと油脂類をフライパンで徹底して「上手に炒め焦がした」深い味。いわゆる伝統的な「洋食技法」によるカレーである。上手に焦がし、炒める事で、その香ばしさは比類のないものとなっている。スパイスの辛さと芳ばしさ、油脂類のコク、肉類の旨味、フルーツの甘さ、野菜類の風味、そしてビターチョコレートのような甘い苦味・・・・高温の中でこれらの味が二度と分離不可能なほどに「融合」し、どこまでも深く、どこまでも濃密な味に仕上がっている。
ひとかけらの牛肉以外に具の姿はない。しかし、具がないのではなく、具はすっかりルーの中へ溶け込んでいると言うイメージなのだ。もの凄い量の素材を感じさせられる超「濃縮」された味。
このカレーはやはりラーメンのスープとのコンビネーションを前提にしていると思う。両者を食べてみると、その意図するものがはっきりと判り始めてくる。
薄味のあっさりラーメンが先に出される。ずいぶん味が薄めで繊細だなぁと、ついつい舌の感度を「MAX」まで上げてゆく。すると頃合いを見て超濃密カレーを持って来る。
「超あっさりラーメン」対「超濃密カレー」・・・・まるで超一流お笑いコンビのごとく「ボケ」と「つっこみ」の見事なコンビネーションである。
味の「濃」「淡」の対比で、見事にお互いを引き立てあう。まさに光と影、光が強いほどに影もくっきり濃くなるという「マジック」だ。
さらに、カレーを食べている途中、残っていたラーメンのスープを再び飲んでみる。
直前まで食べていたカレーの超濃密なルーがまだ舌先にベッタリと残っている。
すると、ラーメンの熱々スープが、舌に残っていたその超濃密ルーを、見事に口中いっぱいに「溶き延ばす」のだ。無数のスパイスが、熱いスープの中へと「揮発」する過程で、爆発的な香りと旨味を口腔内に残してゆく・・・。
今まで潜んでいた無数のスパイス類が、熱いスープに誘われて、その芳醇な旨味と馥郁たる香りが、砂浜に砕け広がる「波」のごとく、ザザザザザーーッと、口中いっぱいに一気に広がってゆくのが判る。
まるでその時をずっと待っていた、海の「満ち潮」のごとき豊かな広がり方、まさに味わいの「満ち潮」・・・・という印象。
もともと、この支那そばのスープは、当初はカレーの付け合せで出していたスープだったらしい。そのスープに麺を入れてみたところ好評だったため、支那そばとして独立したメニューになったようだ。実に相性抜群のはずである。
なぜインディアンという店名にしたのか、ずっと考えていたが、もともとはカレー中心の洋食屋さんだったとの事。今も看板やメニューのトップには「カレー」が来ている。つまり、今もメインはカレー屋さんと言う事なのだろう。店名もおそらくは「インド」カレーから命名したものではないだろうか。
(麺は完食。スープも完飲。)
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