ラーメン&つけ麺食べ歩き
一の蔵
(栃木県 栃木市)
店名 青竹手打ちら〜めん 一の蔵(いちのくら) 住所等 栃木県栃木市野中町1382-7 【地図表示】 禁煙 タバコ完全禁煙 訪問日 2007年6月上旬 塩ら〜めん 577円
ら〜めん 525円
〜青竹手打ラーメン一の蔵 その1〜
歴史ある「日光例幣使街道」の宿場町の一つ「栃木宿」の
雰囲気を今も残す「栃木市」の市街地です。
例幣使街道に面して立つ黒っぽい建物は「とちぎ蔵の街観光館」。
蔵造りの商店等も多く、同じく蔵の街として知られる「川越市」を連想させる。
お店に到着しました。
とても手入れの行き届いた並木が美しい道路です。
右手の六月の鮮やかな新緑は、「栃木市総合運動公園」の木立。
白い壁に立派な瓦屋根の重厚な「蔵」風の店構え。
店名や建物デザインは、栃木市が「蔵の街」として有名だからかな?
「共栄ラーメン」と同じく、入口に「招き猫」がお出迎え。
たまたまなのか、「当分の間、夜の営業はお休み」中とのことでした。
平日は一日「三時間」だけの営業。
清潔感にあふれる広くて明るい店内。
窓の外には、向かいの大きな公園の「新緑」の景色が一面に広がる・・・・
食事には最高の爽やかなロケーションですな。
厨房もかなり広めで、調理や接客もテキパキしています。
客席も、カウンター席、テーブル席、小上がり席と「三役」が揃う。
メニュー構成にも「共栄の系譜」を強く感じます。
店内は、全席禁煙で「空気」も非常に美味しいです。
2007年6月上旬 塩ラ〜メン 577円
(この写真はクリックで拡大します)
修行先の「共栄」の味をベースに、
味のウェイトを「優しく」、「円く」、「繊細」にした印象・・・のラーメンです。
適度なあっさり感のあるスープと、優しい多加水の麺ゆえ、
あくまで「テンダー&スムーズ」な食べ心地。
奥ゆかしい「あっさり優しい味」を目指している・・・・ような印象。
それでいて、麺も、スープも、チャーシューも・・・・
しっかりボリュームがあって、お値段も良心的なのは実に嬉しい。
とにかく「穏やか」&「ジェントル」な柔らかテイストの塩味スープ。
豚骨の重さを感じさせない、極めて穏やかな、上品で優雅な味わいですな。
やや薄めの「平打ち」形状の手打ち麺。
口に入ると「フワッ・・・」と軽く舞い、噛むと「クニュ・・・」とはにかみ、
舌の上で「トロン・・・」と蕩けていく・・・・「たおやか」な食味。
うーん・・・・見た目からして「超多加水」。
さらに、麺の形が、まるで「リボン」のように細め(薄め)なので、
食感がとてもソフトで優しく、口当たりが滑らかで素晴らしくデリケート。
いわゆる「佐野の麺」の王道スタイルです。
2007年6月上旬 塩ラ〜メン 577円
1999年に創業、栃木市の青竹手打ちラーメン店。こちらのお店を紹介しているサイト「栃ナビ」によれば、店主氏は南栃木の人気店「共栄ラーメン」で修行されて、独立されたようだ。
今年の一月、「共栄ラーメン」で、その独特な手打ち麺の美味しさに大感激してしまったことから、今回、栃木県のラーメンツアーでは、「共栄」への再訪を筆頭に、その「共栄」から輩出されたお弟子さんのお店も巡る事にしてみた。
つまり、「共栄レシピ」の手打ち麺が持つ独特な美味しさの可能性の世界を、より一層余すことなく完全制覇する計画である。
お店はJR栃木駅から北へ約3Kmほど、「栃木市総合運動公園」のすぐ隣りにある。駐車場も広く、立派な瓦屋根の重厚な建物は、どうやら店名どおりの「蔵」をイメージしたデザインのようだ。
入店すると・・・・まず、「空気」がとても美味しい事に気付く。ゆったりと開放感のある広い店内は完全禁煙で、清潔感にあふれる広くて明るい店内は好感度「大」である。
窓の外には大きな公園の「新緑」の景色が一面に広がり・・・・食事には絶好の爽やかなロケーションに恵まれている。
メニュー構成として、「醤油」、「塩」、「みそ」、「ねぎ辛」等のラーメンが揃い、「揚げ餃子」が加わる辺りに「共栄の系譜」を強く感じる。
私的には、「手打ち麺」に組合せるスープとしては、絶対に「鶏ガラ醤油スープ」がベストだと思っているのだが、この日は既に醤油ラーメンを二杯食べていたので、目先を変える意味で「塩ラーメン」をオーダーしてみた。
登場したラーメンは、塩スープの色合いや、ワカメ、白ゴマ等が加わる辺りに、やはり修行先の特徴を色濃く感じさせられるが、「玉丼」タイプの器に入った麺やスープの量は、かなり多めにアレンジされているようだ
麺は・・・やや薄めの「平打ち」形状で、口に入ると「フワッ・・・」と軽く舞い、噛むと「クニュ・・・」とはにかみ、舌の上で「トロン・・・」と蕩けていく「たおやか」なタイプ。
すする度に、この「フワッ・・・」「クニュ・・・」「トロン・・・」の三連コンボが口中に繰り返される。そして、やはり微かに「ヌクッ、ヌクッ・・・」する低反発マットレス感もある。ただ、それよりも「クニュ、クニュ」「クニャ、クニャ」と歯にまとわり絡む感覚と、「モチモチ」とする粘りが目だって感じられる。
こちらを紹介しているラーメン本などを読むと、修行先の「共栄」同様に麺には卵白を使用しているが、こちらは麺の「打ち立て」にこだわらず、数日「熟成」させるような事が書かれていた。そのせいなのかどうか、香りも落ち着いていて、小麦粉のフレッシュな風味が強く香り立つと言う感じはなかった。
また、「共栄」よりも麺が細め(薄め)なので、麺の食感がソフトで優しく、口当たりが滑らかでデリケートだ。厚みのある中太スタイルの「共栄」の麺とは、やや趣きを異にするが、これぞ、いわゆる「佐野の麺」の王道スタイルである。
スープは・・・とにかく「穏やか」&「ジェントル」な柔らかテイスト。ダシはしっかりと出ているが、「優しく」、「円く」、「繊細」さ・・・が持ち味であるようだ。
塩ラーメンは「地鶏ベースのあっさりスープ」だそうだが、青背魚の魚介系の風味をほんのりと感じる気がする。後日、少し調べてみると動物系と魚介系のダブルスープと書いているラーメン本もあった。しかし、都内のダブルスープ店のような濃濁したコクの強い味のタイプではなく、上手に透明感を残した、極めて穏やかな味わいだ。
どうやら「共栄」に比べると、スープには「肉の味」が控えられているようだ。そのせいか、あまり積極的に味が迫ってくるタイプではなく、やや取り澄ましたような大人しめの一面も感じられ、強烈な「クセ」や「ハマる」感覚は少ないかも知れないが、上品で優雅な味わいは、女性客や年配客にとっては、かなり好感度「大」ではないだろうか。
ただ、香りの少ない塩スープに対して、具の「ワカメ」の磯の匂いが勝ってしまうようで・・・・この磯の匂いがやや気になる人はいるかも知れない。
チャーシューは厚みがある分、トロけるというよりも適度な噛み応えを持つタイプ。口当たりはふっくら&しっくりとして、薄目の味が付いているが、雑味がなくジューシーで非常に美味しい。
メンマは硬めで味付けも濃い目だが、とてもジューシーで旨味や甘味がどっさりと内包されたもの。メンマからカツオの味が感じられたが、味付けに使っているのか、それともスープの魚介風味が移ったのだろうか。
麺の量は多めだが、優しい多加水の麺ゆえサクッと抵抗なく食べ終わる事ができ、あくまで「テンダー&スムーズ」な腹心地である。
「あっさりスープ」と「多加水の麺」の効用であろうか、胃腸への負担は一切感じられず、消化も非常に良い感じであり、この食後感のライト感&心地良さから、店主氏の「目指すスタイル」「作りたいラーメン」が明確に伝わって来る。
(麺は完食。スープは4割飲んだ。)
↓続きあり
〜青竹手打ちラーメン一の蔵 その2〜
「一の蔵」を出てから、
近所にあった栃木温泉「湯楽の里」へ休憩を兼ねてピットイン。
とても貴重な炭酸水素塩温泉(重曹泉)の「かけ流し天然温泉」なのだとか・・・。
実際、お肌もスベスベになり、英気が養われますた。
ヽ(*゜∀゜*)ノ
同上日 ら〜めん 525円
(この写真はクリックで拡大します)
佐野ご当地とは一線を画す「共栄」のラーメンを、
やや「佐野ご当地テイスト」へと回帰させたような味と言う印象。
「濃さ」や「インパクト」や「パンチ」ではなく、
どこか「和」の格式を感じるような・・・・「雅やかなお味」と言うイメージ。
「和みのテイスト」と「寛ぎの美味しさ」に、舌と心が癒されます。
具の味付けも優しい感じで統一。
伝統の「佐野ラーメン」を一皮むいて、
良い感じに「洗練」させた一杯。
塩と醤油の「中間」のような色と味わいのスープ。
それでも、醤油のアミノ酸が加わり相乗効果を生む分、「旨味」がグッと増して感じられる。
地鶏ガラ、豚ガラ等を使い、澄んだスープを作る事を意識しているとの事。
うーん・・・・「この麺」にホレボレ。
ほんのりと薄い醤油の色をまとった「肌色」の麺が素晴らしく美しい。
「フワッ・・・」「クニュ・・・」「トロン・・・」の三連コンボで、
ご当地「佐野手打ち麺の醍醐味」を主張。
青竹打ちによる「佐野」独特の多孔質感も生きて感じられる美味しい麺。
ある程度、熟成させた多加水の手打ち麺には、
やはり「鶏ガラ醤油スープ」が素晴らしく良く似合う。
同上日 ら〜めん 525円
さて、「塩らーめん」を食べ終えると、その「和みのテイスト」と「寛ぎの美味しさ」・・・・そして広々とした店内の畳席の居心地の良さに、すっかりと腰が落ち着いてしまった。
こちらの後に訪問する予定の次のお店まで少々時間が空くこともあり、やはり、手打ち麺には「醤油スープ」を合わせなければ真価は判らないかも・・・・との思いも頭をよぎった事から、続けて醤油ラーメンも食べてみた。
連食でも多加水麺は消化が良いし、あっさりスープは腹心地が軽い、さらに525円と言う良心価格も実に財布に優しい。
スープは、一口飲んでみると・・・・おそらくはタレのみが変更され、スープそのものは塩と同一なのだと思うが、やはり醤油スープの方が「香り」が加わるうえ、醤油のアミノ酸が相乗効果を生む分、「旨味」もグッと増して感じられる。
そのせいか、「塩」よりも積極的な味付けになっているように感じられるが、ただ、「共栄」のコッテリとした肉の旨味が詰まったスープに比較すると・・・・それほどは肉の旨味があまり強調されていないようで、やはり幾分アッサリ感が増して感じられる。また、あの芳ばしくも「クセ」として感じられるバーベーキュー鶏の炙った油も感じられない事もあって、とても「素直」と言うか、誰の口にも合いそうな、優しい穏やかな美味しさとして感じられる。
麺は・・・・「フワッ・・・」「クニュ・・・」「トロン・・・」の三連コンボが口中で展開されるのは、先の「塩」とほぼ全く同じ印象だ。
卵白はあまり多くは使っていないのか・・・・麺が呼吸するかのような「佐野」独特の多孔質感も微妙に感じられる。つまり、青竹打ちによる麺の「孔」が、卵白の添加で塞がれてしまっていない感じがある。
これがもし、「打ち立て」であれば、フレッシュな小麦風味がエクストラ・ピュアに堪能できる「塩」の良さが生きるのだが、私的な好みで言えば、ある程度熟成させた多加水の手打ち麺には、やはり「鶏ガラ醤油スープ」が素晴らしく良く似合うと思う。
チャーシューやメンマ等の具は、「塩」と同様の印象であり、スープのあっさり感に合わせて、こちらの直前に食べた「共栄」や、その共栄から輩出された「丸富」(小山市)などに比べれば、具の味付けも優しい感じでまとめられている。
また、器が重心が低くて安定感のあるゆったりとした「玉丼」タイプであることも、全体のイメージの「穏やかさ」に拍車をかけているようだ。
食べ終えてみると・・・・この「醤油ラーメン」も、先の「塩ラーメン」同様に・・・・とにかく、穏やかで、柔らかで、威圧感や荒ぶる感じが全くない。
佐野ご当地とは一線を画すパンチを持つ「共栄」のラーメンを、あっさり系の「佐野ご当地テイスト」へと、やや「回帰」させたような味・・・・と言う印象を受ける。
さらに、全体的に非常に「上品」で、「雑っぽさ」や「俗っぽさ」と言うものがない。「この店ならではの味」と言うハマる感覚や、心身ともに「喰ったーッ」と言う「のしかかられるような圧倒的な満足感」などよりも・・・・どちらかと言えば、マナー良く、「スマートな食事をした」、「安堵できる美味しさ」・・・・と言う印象だ。
窓の外に広がる緑豊かな公園の静かな景色を楽しみながら・・・・「慌てず」、「騒がず」、寛いでゆったりと食事を楽しめる「憩いの美味しさ」「和みのテイスト」・・・・に包まれる。
ちなみに、この日は二名で訪問していたのだが、同行者は「みそら〜めん」を食べた。
少しだけもらったところ、こちらも具や野菜の構成や、味の組立て方は修行先の「共栄」とほぼ同じ構成だったが、やはり、柔らかくて上品な口当たりと、雅やかな味付けの方向へと明らかにウェイトを寄せている印象だった。
今回、「共栄ラーメン」からの出身店を二軒回ったが、どうやら、「共栄」をスタートラインとして、「丸富」はより一層「ストロングスタイル」系の方向へ歩を進め、こちらの「一の蔵」は奥ゆかしい「あっさり優しい味」への方向を選んだ・・・・・と言うような印象を受ける。
そもそも「共栄」で修行したとは言え、お店の「看板」(屋号)は全く別であり、しかも既に独立してから8〜9年も経過している事を考えれば、両店を比較する事にあまり意味はない訳だが、店主氏の好みや目指すスタイルもあるだろうし、場所が変われば客層も変わるのだから、「個性」が出るのはこれはむしろ当然の事なのだろう。そして、おそらくは、こちらの店主氏自身・・・・かなりの「佐野ラーメンファン」とお見受けする。
目指している味は「濃さ」や「インパクト」や「パンチ」と言うよりも、どこか「和」の格式を漂わせるような・・・・「雅やかなお味」と言うイメージを受けた。
伝統の「佐野ラーメン」を一皮むいて、良い感じに「洗練」させた一杯と言う印象である。
(麺は完食。スープは4割飲んだ。)
絶品手打「佐野ラーメン」にトライ!!
“佐野ラーメン”の美味しさを知るには超お薦め!
青竹手打麺のご当地「佐野」を名実ともに代表する
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本物の「青竹」手打ち麺をぜひ一度ご賞味下さい。
お値段も非常に良心的で格安に抑えています。
賞味期限 : 製造より90日
青竹手打麺&スープ 各4人前 : 1050円(税込)
(佐野ラーメン万里 [直送] )
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