ラーメン&つけ麺食べ歩き
一福
(東京都 渋谷区)

店名 ラーメン専門店 一福(いちふく)
住所等 東京都渋谷区本町6-6-4 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年9月下旬 味噌らぁめん 670円



〜一福〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店に到着しました。
京王線の初台駅や幡ヶ谷駅が近いですね。
いずれからも徒歩10分ちょっと。






店頭には沢山の鉢植えが飾られています。






入ってすぐ左に券売機。
メニューの数は多めですな。
つけ麺やカレーライスもあります。






事前情報で「味噌」がメインのお店と聞いていたので
「味噌らぁめん」を購入しました。
確かに券売機の筆頭に置かれています。






店内はカウンター形式。
スペースを上手に使った席配置ですね。
店員さんはお二人でした。










2005年9月下旬 味噌らぁめん 670円



クセがなく万人に優しい感じ・・・。
きれいに優しく「円く」まとまった感じの味噌ラーメンですな。
体調にかかわらず、いつでも安心して食べられる一杯。

モヤシやニラ等の野菜が入らないので
純粋に「味噌」の滋味がじっくりと堪能できるタイプ。

ふっくらした肉厚チャーシューも美味しいです。
クルトンが軽妙なアクセント。









多めの背脂が溶け込んだスープ。
味噌ダレは数種類の味噌のブレンドらしいです。
味噌の風味が大切に生かされている感じ。






何とも口当たりの良い麺です。
熟成感が豊かでシコシコする噛み応え・・・。
これぞ「札幌味噌」の麺の美味しさですね。






スープをしっかりと吸っていて明確な味わいの麺。
多めに頬張って噛み砕いてゆく・・・その過程で「至福」が訪れる。




2005年9月下旬 味噌らぁめん 670円

札幌味噌ラーメンにインスパイアされて、女性店主さんが独学で完成させたと言う味噌ラーメンで知られているお店。
「渋谷区本町」と言う地名からは、渋谷のど真ん中というイメージが浮かび、ついついファッショナブルな大都会をイメージしてしまうが、実際には狭い道路が入り組んだ昔ながらの街並みと商店街が色濃く残る一帯である。入店すると左に券売機があり、迷わず「味噌らぁめん」の券を購入。店主さんへ差し出そうとすると、「今日はいかがなさいますか?」と言われた。どうやら券売機が導入されたのは、ここ最近なのか、以前からの口頭注文の名残りと常連客の多さを暗示させられた。

登場したラーメン・・・麺も具も、その大部分が味噌スープに埋もれているため、ビジュアル的にはちょっとシンプルな感じを受ける。
一口スープを飲んでみると、スープは熱々であり、適度に味噌の濃さと塩分が舌を捉える感じで、飲み口をやや重くしている感じはあるが、クセがないと言うか、強烈なインパクトが控えられ、行儀良く味が整列している感じを受ける。
素材としては豚骨、鶏ガラ、煮干、昆布、背脂、香味野菜等を10時間以上煮込んでいるらしい。味噌ダレは数種類の味噌のブレンドを十分に寝かせてから使っていると言う。
何より、「味噌」の風味や滋味が大切に生かされている感じで、きれいに優しく「円く」まとまった感じの味噌ラーメンと言う印象だ。スパイシーとか辛味とかを効かせた「UP系」ではなく、味噌のまろやかな滋味深さがジワジワやって来る「DOWN系」の味のまとめ方だと思う。味噌ダレの味も赤味噌よりも白味噌が感じられて私の好みと合致する。ただ、味付け的には決して薄くなく、「味が濃いかな・・」と感じるギリギリ手前を見切っている感じ。ドスンと来る重さはあるのだが、クドさはない感じ。味噌が効いているので味噌が含む塩気も感じられる。
また、ラードは量の割にはあまりギトギトとかゴテゴテはせず柔らかな口当たり、そこへ「カリッ、サクッ」とするクルトンが浮いて歯応えのアクセントになっている。

麺は太麺でよく熟成させたような、いわゆる「札幌味噌ラーメン」の定番路線的な歯応えを備えたもの。
すするとポヨポヨと振動する感じで、独特な湿度感があり、噛み締めればシコシコとした腰が楽しめる美味しい麺だ。多めに頬張って噛み砕いてゆけば・・・ほどなくして味噌スープとシコシコ太麺のコラボレーションならではの「醍醐味」、そして「至福」の時間が訪れる。
この麺もまた奇をてらったような感じが一切なく、見事に教科書どおりと言うか、クセがなく素直で、実に善意に満ちた麺をセレクトしていると言う印象を受ける。作り手の自己満足でいろいろいじるのではなく、食べ手にスムースに受け入れられる「素直な味」を念頭に置いて、きれいにまとめている印象だ。この方向性は地元密着的なお店の立地を考えれば、まさに的を射ていると感じる。

チャーシューは厚めのものが2枚入っていてボリュームがある。肌理(きめ)の細かなしっとりとした肉質で、歯を入れるとサクサクとほぐれるような繊維感がどことなくシーチキンを連想させるソフトな歯触りだ。味は鶏肉のようにあっさりとしていて淡白なもので、ふっくらした歯応えと優しい口解け感で、とても上品で美味しい。
メンマは柔らかめで、この柔らかさなら、もう少し太く、大振りに切ったほうが合っているように思えた。このサイズではちょっと存在感が大人しめに感じられた。
チャーシューのボリュームなどはスゴイと思うのだが、不透明なスープに沈んでしまうと、見た目には判らず、最初に登場した際のビジュアルがややシンプルに感じられるので、黄色と白の固茹で玉子を半分載せたり、緑のキヌサヤを入れるなどして色彩的にもう少し豊かに見せても良いかも知れない。

本場札幌系と比較すると、スープは挽き肉が入らないので肉のコクがさほど感じられず、肉の旨味的にはあっさりとしている感じがある。また、定番とも言えるモヤシが入らないので味噌スープの濃さが一本調子と言うか、味の濃淡や抑揚が付かない感じはあるが、その分、歯応えや食感がうるさくならず実にシンプルにまとめられている。モヤシとともにニラも入らないので、人によっては抵抗を覚える匂いの強い「葷」(くん)の香りも除かれている。また、僅かに一味唐辛子が浮くが辛味はさほど感じられない。
つまり、全体としてご当地っぽさやインパクト路線と言うよりも、あくまでも上品な路線の仕上げを目指しているようである。本場札幌の味そのまま・・・・と言うよりも、味噌のメリットを生かしつつ、クセを抑えて「円く」「品良く」「食べやすく」の方向で上手にまとめている印象を受けた。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)










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