ラーメン&つけ麺食べ歩き
平野屋 支店
(群馬県 館林市)

店名 手打 平野屋 支店(ひらのや してん)
住所等 群馬県館林市緑町2-24-28 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2004年9月下旬 ラーメン 550円 



〜平野屋支店〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
お店の左手が広い駐車場になっています。
東武線の館林駅からは徒歩20分ほど。





店構えは、まさに「そば屋さん」ですな。
ノレンには「平野や支店」と入っています。
入ると右が厨房、左手に客席が広がっています。






やはり店内も「そば屋」の造作。
小上がり席もありますぞ。






メニューにはしっかりと「ラーメン」の四文字。
大盛や特大ラーメンもあります。
特大は何グラムか気になりますな・・。
普通のラーメンを注文。






もちろん「そば」や「うどん」もあります。










2004年9月下旬 ラーメン 550円



朗々として、力強く、ほとばしり出る
天然極上の旨味。
まさに「千杯一遇」の超絶スープ。

スープ素材の旨味が、まるで釣り上げたばかりの小魚のように、
ピチピチと本当に「飛び跳ねて」います。
私の舌もダンスして喜んでました。

さすがは「蕎麦屋」さん。
ダシの取り方は、実に「天下一品」ですね。









本当に今まで経験したことのない
スプリング仕掛けのような超生き生きしたダシ。
舌の上で「旨味」がブレイクダンスしています。
もし都内にあったら連日超大行列確実でしょう。






青竹による手打ちの麺。
一本一本は「ゆるーり」とする非常にソフトな歯触り。
超絶スープをどっさり抱き込んだ
「塊り」として味わうタイプ。






実に「柳腰」ですな。
外見どおりのソフトで奥ゆかしい口当たり。
カンスイや塩が超控えめなナチュラルな麺。




2004年9月下旬 ラーメン 550円 

「ラーメン通」の知人から、「群馬で五本の指に入るお店だから、是非一度食べて来給え。」と言われ、興味を持って訪問。
どうやら、おそば屋さんがラーメンも出しているらしい。先日食べた「一二三」(東京都・武蔵野市)のような、ラーメンと蕎麦のハイブリッドのような物が提供されるのかと思ったが、どうやらいわゆる「手打ちラーメン」のようだ。
その知人によれば、夕方近くでは絶品スープのダシ風味が飛んでしまう事があるので、必ず開店直後の早い時間に行くように念を押された。

知人の言葉に従い、昼の12時頃に訪問すると、20台以上は入れそうな駐車場はほぼ満杯。店内にも空席待ちの客がいるほどであり、地元での絶大な人気のほどが伺えた。
店内はもろにお蕎麦屋さんの造作で、低めの卓や、小上がり席が並んでいてなかなか広い。空席が出来て、相席のテーブルへ案内され、メニューを見ると、なるほど、「そば」「うどん」と並んで「ラーメン」と書かれている。実際、客の多くはラーメンを注文していた。

供されたラーメン、見た目は何の変哲もないトラディショナルな中華そばの趣きではあるが、実に芳ばしい芳香が漂っている。
引き寄せられるように、レンゲにてスープを一口飲んでみた。すると・・・その直後、「舌」と「上アゴ」に太い棒を突き立てられたかのような衝撃を受けた。剣道で強烈な「突き」をくらったような感覚だ。もしくはボクシングで強烈な「アッパー」をアゴにくらうような感覚。
何の衝撃かと、驚きながらもよくよく味わってみると、なんとこれが「ダシの旨味」なのである。
スープを飲むたびに、まるでトランポリンで跳ねるかのように、旨味が「ポーン」と、舌に、上あごに、ぶつかってくる。まるで、太いスプリング仕掛けのような、口に入れたとたんスープの旨味が「跳ねる」「ジャンプする」「炸裂する」感覚だ。
いや、そんな軽いイメージではないかも知れない。むしろ「旨味」と言う名の熱い「火の球」がギューンと飛んできて、バシンッと舌にぶち当たって四方八方へに砕け散る感じだ。
レンゲの一杯、一杯、に詰まった旨味が、まさに大砲の「実弾」という感じで、口の中で音を立てて炸裂する印象。
もちろん物理的に本当に炸裂する訳ではないが、スープ素材の掛け合わせによる見事なアミノ酸「相乗効果」が生む、味の小爆発的なインパクトが確かにある。

別な言い方をすれば、旨味がじんわりと「横」に広がるのではなく、真夏の入道雲のようにズンズンと「縦」に突き上げるように広がって来るのだ。
つまり、スープの旨味が「立体的」であり、「三次元」的なのだ。こちらのスープに比較すると、他店のスープがいかに平面的、二次元的で、平べったい味であるか、つくづく理解させられる。
しかも、間違っても「化学調味料」や「濃縮エキス」類による旨味ではない。もっとずっと「フレッシュ」な美味しさであり、弾けるような「生命感」があり、食後は舌も胃も非常に「爽快」なのだ。

正直、こんなスープは初めてだ。しかも、最初の数口を過ぎれば慣れてしまうかと思ったが、このエネルギッシュで鮮烈な小爆発的旨味は食べ終わる最後の一口まで全く変わらなかったのだから恐れ入る。
このラーメンのスープは、蕎麦やうどんのスープとは全く別に仕込んでいて、素材にはトリガラ、豚骨、昆布、カツオ節、野菜などを使っているらしいが、体感的には丸鶏の強い旨味と、煮干のジーンとする心地よい風味も感じられるような気がした。
しかも、いかにも「出来立てのスープ」という感じであり、素材の芳ばしい香りや豊かな旨味が、そっくりそのまま残っているスープというイメージだ。見た目は醤油ダレが強そうに見えるが、実際は一切のカドが立たず、醤油は自身の存在を意識させることはなく絶妙な味の柱として存在している。

「手打」と看板にあるように、ラーメンの麺も、また手打ちである。
やや幅広で不規則にちぢれがついた麺は、白く透き通るような色合いをしている。箸で持ち上げてみると、「ユルユル」として、つかみ応えが弱い。そして、一口すすってみると、「ユルーリ」とするソフトで滑らかな食味、見た目どおりのソフトで奥ゆかしい口当たりの麺だ。カンスイや塩がいかにも「控えめ」にされた、非常にナチュラルな歯応えの麺である。
まるでスープに溶け込んでしまいそうなほど限りなく「ソフト」なその手打ち麺は、美味しいスープを少しでも沢山抱き込むようにわざとソフトに打たれているのか、それとも一度に沢山茹でて、たまたま私の物が最後の方になったのかは判らないが、個人的にはもう少しエッジが立って、麺の一本一本の存在感が鮮明になった方が、メリハリがついて一層美味しく感じられる気がする。もし麺の「固め」指定が出来るならやってみたいところだ。
しかし、この麺の「緩さ」など、実にご愛嬌である。この「千店一遇」とでも言うべき、「突き上げる美味さ」を持つ超絶スープの前では、実に「些細な事」に過ぎないとも思える。

また、チャーシューが非常に美味しかった。あまり大きくはないが、サクサクと肉厚で柔らかく、非常に芳ばしいタレの味がついており、ジューシーな肉の味そのものとタレの芳ばしさがとてもよくマッチして、文句のつけようがない美味しさである。
メンマは歯茎にグリグリと当たるしっかりと固いもの。味付けは濃いめでしっかり甘め。

スープの美味しさで言えば、同じ群馬県内の「ちなり」(伊勢崎市)が同じタイプの味かも知れないが、都内では同じタイプ&同じレベルのスープが全く思い当たらない。あえて近い店を探して言うとすれば、「麺屋武蔵」(新宿区)・・・・。
ただし、知人が言うように、この手のスープは風味のピークを長時間維持するのが至難である。確かに訪問するなら開店一番乗りが良いと思う。

また、「突き上げてくる」ような、「せり出してくる」ようなダシは、人によってはちょっと濃厚すぎるとも感じられるかも知れない。ダシがやや効きすぎていると言うか、美味さのパンチが強く、深いコクがあり、決して「あっさり」タイプではない。
割と「濃いめの味」であり、インパクトのある美味が隙間なく連続するため、私も終盤になるとちょっと食べ疲れして来てしまった。
そのため、これだけの美味スープでありながら、すべて飲み干すには至らなかった。なんとも贅沢すぎる話だが・・・。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)











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