ラーメン&つけ麺食べ歩き
ひら乃
(神奈川県 鎌倉市)

店名 ラーメン ひら乃(ひらの)
住所等 神奈川県鎌倉市小町1-6-13 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2006年8月上旬 正油ラーメン 600円




〜ひら乃〜



8月、真夏の江ノ島へ上陸してみますた。
気持ちの良い海風がそよぎ、まさに絶景ですのー。

灯台の先は、七里ヶ浜、稲村ヶ崎、由比ヶ浜、鎌倉方面です。
この辺りは、なぜか「ヶ」の付く地名が多いですな。






いざ鎌倉に来たなら、やはり、まずはこちらの「鎌倉大仏」に行かねば・・・。
鎌倉市長谷にある「高徳院」のご本尊であり、「国宝」ですぞ。
正式名は「国宝阿弥陀如来坐像」、拝観料が200円かかります。






デ、デカイ・・・。
近づくと見上げる感じで・・・デカさが良く判る。
台座を含めた像の高さは約13.35メートルだとか・・・。
像の中に入ることも可能(別料金20円)。







JR鎌倉駅と江ノ電鎌倉駅の西口です。
あわわ、駅前を埋め尽くす、黒塗り高級車の軍団は一体何者・・・・?ヽ(゚Д゚)ノ

と思ったら・・・・単に客待ちのタクシーの列ですた。






鎌倉駅を東口へ移動し、駅前の小町通りを約1分弱。
「ラーメン」の黄色い看板を左手に発見。






ここが、古都「鎌倉」の誇る老舗ラーメン店「ひら乃」です。
赤いヒサシに「SINCE 1969」と書かれております。
店名は「ひらの」ではなく、「ひら乃」。

むむ・・・・?
右側はすぐ別のビル・・・・ですよね?
左側もすぐ別のお店・・・・ですよね?
と、言うことは・・・・
な、なんと、この「二枚の戸」がお店の「全幅」です Σ(゜o゜)!






メニューは「正油」と「味噌」の二本立てのようです。
1200円の豪華メニューもあります・・・。
「正油ラーメン」を注文しました。






座席は7席ですが、かなーりキツキツです。
ただ、その「狭さ」が独特の雰囲気を醸し、お店の「味」にもなっている模様・・・。

気骨にあふれる店主氏の調理振りは実に堂に入ったもの。
さすがの年季を感じる「この道一筋」のイメージ。










2006年8月上旬 正油ラーメン 600円
(この写真はクリックで拡大します)



おお・・・・気分は「遥かノスタルジー」・・・・ですな。
何とも・・・・遠い記憶と、郷愁を誘う味。

ブラウン系で統一されたシンプルなフォルムの中には・・・・
懐かしい「思い出の味」がいっぱいに詰まっている印象です。

カウンター板の奥行きは、ラーメンの直径とほぼ同サイズと言う事実・・・・。
「昭和」チックなお店の醸すレトロムードで美味しさも倍増。
まさに、「お店の雰囲気も味のうち・・・・」ですね。









やや味が濃い目の醤油スープは、懐かしいレトロな味わいですが、
下から「じんわり・・・・」と湧き上がって来るような「旨味」と深い「充足感」を持つ美味しさ。
昔ながらの「中華料理屋」さんを連想させられるクラシック・テイスト。






カンスイの風味がしっかり強く、結構柔らかめ・・・・まさにこれぞ「レトロの見本」のような麺。
何とも「歯ぬかり」する粘性があり、歯切れは「ねじ切れる」ような・・・・重さがある。
しかし、決して「チープ」感はなく、歯が麺にグニグニと「食い込んでいく」感触がなかなか楽しい。



2006年8月上旬 正油ラーメン 600円

1969年創業、鎌倉で人気の老舗ラーメン店。
お店は鎌倉駅から徒歩1分弱の小町商店街の中にあり、常に人の流れが絶えない場所にある。
入店すると、外見から見た「間口」の通りの広さで、店内の幅は概ね2mほどだろうか・・・・。カウンター7席のみで、椅子に座ると目の前にはカウンターの衝立(ついたて)が迫り、椅子の背中側のスペースもかなり狭い。特に私の座った奥の方の客席は背中側のスペースがさらに狭くなっていた。薄着の夏はまだ良いが、冬などはコートやダウンパーカーなどで着膨れしていると、ちょっと大変そうだ。

壁に大きく貼り出されたメニュー表の筆頭にある「小ラーメン」とはどのようなものか尋ねたところ、「麺の量が半分になります」との事。
私は普通の醤油ラーメンを頼んだが、普通のラーメンでも麺の量が約130g位だったので、「小ラーメン」はさらにその半分の量と言うことになるようだ・・・・。
カウンターは丁度「二段ベッド」のようになっていて、店主さんは上の段に器を並べて調理し、出来上がったラーメンを客が下の段へ降ろして、食べるシステムになっている。
私も、登場したラーメンを受取り、カウンターに置いたが・・・・・カウンター板の奥行きは丼の直径とほぼ同サイズであり、ラーメンを置くと、前後方向には一切の余裕がなくなる。さらに左右のスペースも決して余裕がある訳ではなく、混雑時は常に隣りの客と「ヒジ」がぶつからないよう、注意しながら食べる事になる。

この感覚は・・・・丁度、「屋台」でラーメンを食べる感覚に酷似している・・・・と思う。
全く知らない者同士が、お互いに邪魔にならないよう気づかいながら食べる感じになるが、ノスタルジーあふれる店内の雰囲気と相まって、「この狭さがいいんだよ」と言う人もいると思う。

登場したラーメンはブラウン系で統一されたシックなフォルム。
スープを一口飲んでみると・・・・・透明ではなく半濁タイプで、やや味が濃い目の醤油スープである。豚と鶏のガラをベースとして、数種類の野菜と海藻を加えてダシを取っているらしい。
懐かしいレトロな味わいだが、「じんわり・・・・」と下から湧き上がって来るような旨味があり、決してチープではなく、なかなか深い「充足感」のある美味しさを持つスープだ。
多少の雑味を感じ、さすがに「後口すっきり・・・」とまでは行かないが、安易に甘味や塩気や化学調味料に頼ったジャンク感がないのは好感が持てる。
系統としては、まさしく見た目どおりに・・・・昔ながらの「中華料理屋」さんのラーメンを連想させられるクラシカルな味わいに満ちている。

一方の麺も、まさにこれぞ「レトロの見本」のような麺である。
カンスイの風味がしっかり強い割に、結構柔らかめなのだが、単に柔らかいと言うのではなく、何とも「歯ぬかり」する粘性があり、歯にくっつく感じを受ける。
「プツリ」と明るい歯切れなのではなく、「ねじ切れる」ような・・・・噛み切ろうとする力に対して「グニグニ」と粘ろうとして、身をよじって渋々切れるような感じがあるのだ。
いわゆる「ツルツルッ」とキレのある滑らかさや、「プリプリッ」とする小気味良いハリのある食味の麺とは正反対、好対照をなすような食味であり、これまた決して「チープ」ではないが、本当に「昔ながらの麺」と言うイメージだ。
しかし、決して悪い感触ではなく、細麺にもかかわらず、歯がグニグニと麺に「食い込んでいく」感触が堪能できて、これはこれでなかなか楽しい。

具は極めてシンプルだが、細めの「モヤシ」が、「ザキュ、ザキュ・・・」と、これまた「ねじ切れる」ような歯触りを備えていて、意外に繊維が強いのが印象的だ。しかも「ヒゲ根」が長くて、やたらと舌にからんで触って来る・・・・。
普段、スーパーなどで見かける太くて、水っぽくて、パキパキ、シャキシャキという明快な食感のモヤシとは随分と違い、この独特な食感は・・・・おそらく宮崎県特産の「黒まっぺモヤシ」のような気がするが、実際のところは判らない。
このモヤシの、あまり洗練されていない・・・・独特のカントリー調の「朴訥」(ぼくとつ)な食感が、懐かしい食味の細麺と絡み合うことで、お互いがスパイラル状に共鳴し合い、レトロ感をさらに何倍にも増幅させている印象を受ける。
ズバリ、さり気なく散らされたこの「モヤシ」こそが、実はこちらのラーメンのキャラクターを「グーン」と引き立てている「名脇役」なのは間違いない。

モモ肉のチャーシューは、モサモサ、モフモフとした噛み心地なのだが、まるで、硬めに作った「ミートローフ」のように繊維感が希薄で食感が均一で・・・・さらに肉の繊維がやや溶けてしまったかのような・・・・熟成させた練り物成形製品を食べているような歯応えだ。まさしく、「昭和」の時代に定番であった「素朴」なチャーシューの姿を、そっくりそのまま今の時代に伝えてくれているイメージ。
メンマは、「クニュ・・・・」とした柔らかめの歯応えで、これまた「シナチク」と呼びたくなるような一品。

麺が柔らかく、具が少ない事を、どう評価するかは人それぞれだと思うが、時と場合によっては、むしろそれが強みにもなる。
つまり、器の中に「あれも、これも」とゴテゴテ入っておらず、麺の量も決して多い方ではないので、身構えずに済むと言うか、煩わしさがないと言うか、とても気が楽と言うか・・・・ちょっとした「寄り道」的に、ものの5分ほどで「サクッ」と食べ終えて、お店を出て来られる良さがあるラーメンだと思う。

食べ終わってみると、狭いお店の造り、シンプルなラーメンともに・・・・どこかしら、「昔の屋台」の味と雰囲気を強く感じてしまう・・・・。
そして、店内のノスタルジックな造作や、「ラーメン作り一筋」といった気骨にあふれる店主氏の雰囲気・・・・などと、あまりにも見事なほどに「一致」するラーメンの味でもある。
昔からのラーメン好き人間なら、子供の頃にいつも食べていた「あの味」に再会できて深い感慨に浸れるだろうし、「昭和」を知らない若い人達には・・・・むしろ新鮮で興味深い味に映ることだろう。
そんな、どこかしら「ペーソス」が漂う、「叙情詩」的な一杯なのだ

あまり夜遅くまでは営業していないようだが、飲んだ後の「締め」にも最適な一杯だと思う。
むしろ・・・・・お酒を飲んだ帰りの深夜などに、駅裏の「屋台」で、是非ともこのラーメンを食べてみたい強い衝動に駆られる・・・・・。
おそらく、そう言うシチュエーションで食べれば、こちらのラーメンは、まさに「無敵」の光彩を放つことだろう。


ちなみにこの後、同じく「鎌倉」でもう一軒、こちらのお店からも徒歩で3〜4分ほどの近場にある老舗ラーメン店「静雨庵」(せいうあん)を訪問してみた。
「静雨庵」は細い道に面しているものの場所はすぐに判ったが、この日は夕方5:20の訪問で、既にすっかり営業が終了していた。
事前に調べた情報では、「静雨庵」の夕方の部は4:30〜7:00になっていたのだが、この日はたまたまの早仕舞いだったのか、それとも営業時間が変わったのだろうか?
「静雨庵」の厨房には店員さんがいたので臨休ではなかったようだが・・・・。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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