ラーメン&つけ麺食べ歩き
服部
(東京都 千代田区)

店名 麺者 服部(めんじゃ はっとり)
住所等 東京都千代田区西神田2-1-8 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2006年10月下旬 らーめん 680円




〜麺者服部〜



お店に到着しました。
「水道橋駅」や「神保町駅」から徒歩5分ほど。
お店の周辺は大学や簿記学校、予備校などが多い学生街。






ほう・・・なかなか和風シックな佇まい。
雑誌取材の切り抜き記事なども貼られています。
ドアが開け放たれておりますた。






店内はコの字型のカウンター席。
低めのカウンターなので、座っても視界が広いですな。






入口の右側にある券売機。
メニューはなかなか豊富ですが、初訪問なので基本の「らーめん」を購入。
水餃子やビール、日本酒、焼酎なども揃っています。






卓上のメニューです。
「らーめん」は化学調味料不使用だそうです。
焼酎は・・・なんと、六種類から選択が可能と言う充実ぶり。










2006年10月下旬 らーめん 680円
(この写真はクリックで拡大します)



まるで、「気付け薬」のような・・・「魚介芳香」のインパクトが強大です。
器の中では、「鰹節」と「煮干」の芳醇な匂いと旨味が、
アルティメットに「渦巻いている」イメージ。

明確な力強さを持つスープ、旨味の乗った油のコッテリ感・・・
歯応えしっかりのファームな太麺、大盛り同額のお得感などなど・・・
美味しさの追求の中にも、しっかりと周辺の学生街を意識した一面も感じられます。

個人的には、ネギや水菜などの「薬味」を入れて欲しい気も・・・。









ビンビンと漂う「カツオ」と「煮干」の力強い芳香に圧倒され、
一口飲めば、旨味のパンチが怒涛のスピード&勢いで口中に押し寄せて来るスープ。
金色に輝く油は存在感が大きく、
飲み口に「トロッ」「ヌルッ」とする油のクッション感を感じます。






麺は、全体にストロング感があり、「ワシワシ感」のある硬めの太麺。
「カパカパ」と乾いた硬質な歯応え、「モシャモシャ」と噛み砕き、
「ムニッムニッ」と噛み潰して食べる感じ。
「硬麺好き」のハートをがっちりと掴むタイプですな。




2006年10月下旬 らーめん 680円

2003年1月創業、神保町や水道橋界隈では珍しいと思えるオシャレ&無化調のお店。
お店の周辺は大学や簿記学校、予備校などが多い学生街にも思える中、ちょっとした高級感を放つ、お蕎麦屋さんか小料理屋さんのような・・・・なかなか和風シックな佇まいだ。
さほど広くはない店内はコの字型のカウンター席形式である。ただ、低めのカウンターなので、座ると向かいの人の食べる姿が良く見えてしまうのが少々気になった。

食券を店員さんへ渡すと、「同額のまま大盛りも可能です」と親切に案内して頂いたが、他店との連食だったため、敢えて「普通」でお願いした。
卓上のメニューを見ると、ラーメンのコメントには、「鰹節・煮干等21種の天然の旨み。化学調味料不使用。」と書かれている。

しばし待って登場したラーメン・・・・器が目の前に置かれた瞬間から、「鰹節」と「煮干」の濃厚な匂いが、凄まじい濃度で鼻に感じられた。
まるで、「気付け薬」を嗅がされたかのような・・・・スーパーパワフルな芳香のインパクトであり、まさしく、器の中に「魚介系」の芳醇な風味が「渦巻いている」イメージ・・・・に、思わず圧倒される。
一口飲んでみると・・・・丼の波打ち際いっぱいの最前列で「待ってました」とばかりに、「カツオ」と「煮干」の力強い旨味が怒涛のスピード&勢いで口中に押し寄せて来る。

しかも、パワフルではあるものの、魚介の良い香りと旨味だけをきっちり抽出していて、逆に「魚」特有の生臭みが絶無なのはお見事だ。
また、醤油も塩分も舌先に立たず、タレの存在感はかなり控えめの印象であり、味わいに重さやあざとさ、いじり回した感じがない。そのせいか「スーーーッ・・・・」と非常に自然でスムーズにスープが舌に馴染み、ノドの奥へと染み込むのが好印象だ。
ただ、その分、やや味の輪郭が焦点化しづらいようにも感じられてしまう。
そしてそれらの怒涛の旨味の大波が次第に引いてゆくと・・・・後には動物系の旨味や香りがしっかりと舌を覆っている事に気付く。
また、金色に輝く油は、風味と食感の両方で存在感が大きく、油っこさは結構感じられ、スープの飲み口に「トロッ・・・」「ヌルッ・・・」とする油のクッション感を感じる。

麺は、「ワシワシ感」のある硬めの太麺が使われている。
箸でつかんでも決して一塊まりにまとまろうとせず、口の中へ「プルンプルン」と跳ねるように入ってくる感じで、決して「スルーリ・・・」と軽くしとやかにすすれるタイプではない。全体的にストロング感があり、特に表層付近は「ツルツル」とする堅く引き締まった歯応えがある。口に入れる際も、「ゴワッ」とする堅さを感じ、すすってもあまり曲がろうとしない。
噛んでみると、歯を包み込むような「モチモチ」する柔らかな弾力や粘り気を備えたタイプではなく・・・・「カパカパ」と乾いた硬質な歯応えであり、明快な反発力があり、「モシャモシャ」と良く噛み砕き、「ムニッムニッ」と良く噛み潰して食べる感じになる。

そのため、麺を噛み潰す・・・・ような食べ方になり、上等な小麦粉を使っていると思しき麺なのだが、小麦粉の旨味や香りが、閉じ籠ってしまっている感じで、さほど湧き立っては来ない。また、麺があまりスープを吸わない感じも受ける。
この食感は、時間が経ってもほとんど変わる事がなかった。つまり、茹で加減などのせいではなく、おそらくは製麺時にグルテンの添加を控え、卵白粉を多めに使い、圧延をしっかりと強化しているような・・・・イメージであり、歯応えのミドルヘヴィ&ストロングさを重視して仕上げられた麺のようだ。
まさに、昨今の時流に乗った・・・・「硬麺好き」のハートをがっちりと掴むタイプだと思う。ただ、器がすぼまっているため、次第に麺が減って来ると、覗き込むような姿勢になり、やや食べづらく感じられてしまうような気もした。

チャーシューは「ふっくら」「しっとり」として、「サックリ・・・・ホクホク・・・・」と軽く歯が入り、柔らかくきれいにほぐれる大変に美味しい物。
ただ、ちょっとシーチキンを連想するような食味にも感じられるのは、スープの魚介風味が染み込んだせいだろうか。豚肉の旨味もしっかりと詰まり、さらにスープの魚介の旨味が相乗効果を発揮し、加えて醤油の味付けも濃い目にしっかりと付けられているので、実にトリプルパンチの豊かな美味しさである。

やや大振りのメンマは、流行の「穂先メンマ」の逆を行くような、しっかりとした若い「麻竹の幹」を感じさせる物。
表面が「スベスベ&ツルツル」していて、細い繊維がギュギュと密に圧縮され、しっかりと引き締まって結着したような・・・・「カリカリ」とするかなり硬質な食感だ。空気を含んだような「ザックリ感」や「ふんわり感」はない。味付け自体は薄めで、良く噛み砕くと次第にメンマ特有の味わいが湧き立って来る。

スープは、素材からの旨味がとても豊富であり、「ジリジリ・・・・」と旨味で舌が灼かれるような潤沢なものにもかかわらず、無化調ゆえか・・・・味わいにクドさがなく、「ゴテゴテ」していないのもいい。
しかし、食べていて途中から、素材からのあふれるパワーが、一点にドリルのように集中するのではなく、なぜかもう一歩だけ、わずかに「まとまり感」が感じられず、パワーが平均的に分散するように感じられ始めて来た。つまり、舌の中央に明瞭な「味の顔」や「目鼻立ち」がくっきりと描かれるような感じではなく、味わいのイメージが「無地」と言うか・・・・舌に均一に平均して旨味が被さって来る感じがあるのだ。

「うーん・・・・あともう一つ、何か、何かが欲しい・・・・」と、脳裏の中のもう一人の私がつぶやいている。
いったい何が足りないのだろうと・・・・食べながら暫し考えていたところ、「ハッ・・・」として、器の中には「ネギ」や「水菜」などの薬味が「皆無」である事に気付いた。
果たして何故・・・・薬味を入れていないのか・・・・こういう旨味や油感の豊富なスープの場合、「ネギ」や「水菜」の「シャキシャキ」とする明瞭な明るい食感、生の野菜のフレッシュな芳香、油を洗い流すサッパリ感・・・・このワンポイントのアクセントが欠けてしまうと、どこかしら全体が「ノッペリ・・・」とした単調な味わいに感じられ、味わいに「目鼻立ち」がくっきりと描かれるような感じが弱くなってしまう気がする。
ここまで見事にやって置きながら、まさしく「画竜点睛」と言う印象を受けてしまうが・・・・・おそらくは私の理解の及ばない、遥かに高いレベルでのお店なりのポリシーがあっての事なのだろう。

お店を後にして、2〜3分ほど経つと、唇回りがゼラチンで結構ピトピトとくっついて感じられる。表層的に目立つ素材は「カツオ節」や「煮干」なのだが、スープには動物性のゼラチン質も、実に潤沢に溶け込んでいたようだ。
歯応えのしっかりとしたファーム(firm)な太麺、本物の素材感にあふれた明確な力強い味わいのスープ、旨味の乗った油のコッテリ感、大盛り同額のお得感などなど・・・・美味しさの追求の中にも、しっかりと周辺の学生街、つまり若い客層を意識した造りの一面も感じられるラーメンだと思う。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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