ラーメン&つけ麺食べ歩き
はるばるてい
(東京都 世田谷区)
店名 |
はるばるてい(はるばるてい) |
住所等 |
東京都世田谷区経堂2-15-15 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可 |
訪問日 |
2004年11月下旬 支那そば 650円 |
〜はるばるてい〜
(各写真はクリックで拡大します)
小田急線の経堂駅です。
以前のローカルな雰囲気から一転、
いつの間にやらカッチョイイ駅になってますな。
到着しました。
中央に見えるベージュ色の建物の1Fです。
経堂駅の北側へ出て徒歩3分ほど。
都内でも屈指の「支那そば」を提供するお店。
看板は「いてるばるは」と反転書き。
赤く塗られた窓枠や
カラフルなノレンが目を引きます。
店内はカウンターのみ。
元祖オープンキッチンと言う感じです。
常連さんが多いお店です。
壁に貼られたメニュー。
「ワンタン」や「香麺」も人気メニューです
「支那そば」を注文しました。
2004年11月下旬 支那そば 650円
まさに、「独走」の完成度。
スープ、麺、具と・・・一分の隙もない信じがたいハイレベルさ。
さらにその組合せの完璧さ、味の落とし所の見事さにも舌を巻きます。
まさにワンランクもツーランクも上を行く
支那そばの「王道」にして「王者」の風格ですな。
何と言うか・・・
スコッチで言えば「20年物」クラスの超ビンテージという印象。
その味わいの「丸さ」「深さ」「美味さ」に
「悠久の時」を感じさせられます。
それほどに素材が見事に「調和&融和」している。
この絶賛の食味・・・
まるで「手品」か「奇跡」かとしか思えない。
口当たり、歯応え、味わい、喉越し、すべてが絶品。
まさしく中華麺の一つの「最高峰」を堪能した気分。
スープともパーフェクト・マッチ。
チャーシューはロース肉をオーブンで焼いた物。
ガッシリした歯応えとしっとりとして淡白な味わい。
肉厚なものが二枚乗ってきます。
2004年11月下旬 支那そば 650円
ご存知、経堂の有名店。
こちらのお店の存在を初めて知ったのは10年以上前のラーメン本だった。確か、「スープに徹底してこだわり、出来が悪い時はスープを捨ててしまい営業しない事もある。」というような紹介文が述べられていた。当時、それほどに「こだわり」を持つお店は、まだ少なかった事もあって、とても印象に残った。それ以来、何回か訪問させて頂いているが、確かに「その言葉に一切の偽りなし」と感じる大変に素晴らしい支那そばであると心から思っている。
経堂駅から3分とは言え、いかにも地元の方達の生活道路と言う場所に面しているためか、実際、近隣の常連客が多いようだ。夜はもちろん、昼間から一杯やっているお客さんも少なくない。店主さんもそういった常連さんや顔馴染みのお客さんとのトークをとても大切にしている感じ。そのため特に夜の部などは8席程のカウンターは回転があまり上がらない事もある。
登場した支那そばは、ロースの叉焼以外は、特段に目を引く事のない昔ながらの支那そばというオーソドックスなビジュアルである。しかし、器に鼻を近づけてみれば、「ふうわり」とする素材の優しく鮮やかな芳香が心地よく匂い立っている。
そして、レンゲでスープを一口飲んでみれば・・・まさに予想を遥かに超えるその「ハイレベルさ」、あまりに見事な「完成度」に、心底、度肝を抜かれてしまう。
スープのベースには豚骨を感じる。ちょっと高級な無塩バターのような甘味のある旨味が豊かな味わいだ。そして鶏のふくよかさや丸さがその味わいに優しさと膨らみを与え、さらに同時に煮干などの魚介風味が、まるで「旧知の親友」の間柄の如く、阿吽の呼吸でそれら動物系ダシに見事に完璧に「融和」しているのだ。他にもおそらく昆布なども使っているとは思うが、ともかくこの味の「融和」感が、ここまで高い領域へ至るまでには相当な長い年月を費やしている印象だ。
スコッチで言えば、まるで「20年物」クラスの超ビンテージという印象。その味わいの「丸さ」「深さ」「美味さ」に「悠久の時」を感じさせられる気分なのだ。一つの瑕もなく、非常に円熟した味わいであり、これほどに素材が見事に「調和&融和」しているスープは実に希少だろう。
何かインパクトのある素材を柱にして頼った味ではなく、背脂や揚げネギなどの風味に頼った味でもなく、醤油や塩分や化学調味料などに頼った味でもなく・・・・どこにもそういった力技がない分、調理行程のすべてが長年の経験値による絶妙な塩梅や技量の連続で成されている印象であり、恐らく作るのが最も難しいレベルの「スープ」だと思う。
決して大袈裟に構えないさりげないお店の雰囲気や、お酒やタバコやオシャベリを楽しむ客層からは、ちょっと想像できない極めて高いレベルの味わいであり、まさに、世に言う一流店や名門店を軽々と凌駕しかねないズバ抜けた「完成度」「センス」を感じさせられるスープだ。
また、この超絶スープのベストパートナーを務める「麺」が、これまた本当に、まるで「手品」か「奇跡」か、としか思えない素晴らしい口当たり、歯応え、味わい、喉越し・・・・なのだ。
プルプルと口当たりが良く、ツルツルとすすれて、シコシコと噛み締められて、ハフハフと小麦の清々しい風味を堪能できる麺。膨大な研究時間と無数の試行錯誤の長い道程の末に、遂に到達しえたような、まさしく「考え尽くされた」「極められた」「突き詰められた」、中華麺の一つの「最高峰」を堪能する気分になれる「麺」だ。
これほど深く感動させられてしまうのは、麺自身の魅力もさることながら、その扱い(茹で加減など)の見事さや、スープとの相性も完璧に研究され尽くした物だと言うことなのだろう。
具のメインとなる チャーシューは、ロース肉をオーブンで焼いた物のようだ。なかなか肉厚のものが二枚載り、「噛み締める」という表現がぴったりなガッシリした食べ応え。肉の繊維が「密」で引き締まっている感じであり、脂肪が少なく味付けも薄めなせいか、しっとりとした淡白な優しい味わいだ。鮮度の良い白ネギが載せられて心地よい芳香と歯触りのアクセントを付与している。端へ固めて載せられているのは、ネギの風味を好みでコントロールできるよう配慮しての事なのだろうか。
「美味しい」だけでなく、さらにもう一つ感心させられてしまうのは、この味の組み立てのセンスが、決して「古くなく」、かといって「新しすぎることもなく」、「支那そば」というキャラクターを完璧に把握したうえで、その味の「コントロール」や「狙いどころ」が、過去と現代の狭間で、何とも見事な「着地点」を見出している事だ。この「旧」「新」のバランスが実に秀逸なのだ。実に完璧な「落とし所」だなぁ・・・と食べるたびにいつも感心してしまう。
ともかく一口、また一口、と食べ進むにつれて・・・「支那そば」という料理の持つポテンシャルの「深み」へどんどん引きずり込まれ、またその本来到達できるはずの「高み」を次々に披露される気分。そしてその想像を超えた「深み」と「高み」を心ゆくまで「堪能」するだけでなく、むしろ、目から何十枚と言うウロコがバラバラと落ちて行き、心底、支那そばの本当の魅力に「刮目」「開眼」させられてしまう心境である。
こちらの支那そばを食べると、明らかに自分の方が「負けている」と感じてしまう。
それは、長年に渡り丹念に磨き抜かれた「技」の存在、必勝を掲げて真剣勝負する「決意」の存在・・・・どうあがいても勝てっこない柔道や合気道の達人と相対したような感覚に近い・・・。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
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