ラーメン&つけ麺食べ歩き
げんげん
(東京都 新宿区)

店名 ラーメン 玄々(げんげん)
     ↓ (2006年4月リニューアル)
ラーメン げんげん(げんげん)
住所等 東京都港区新橋4-27-7
     ↓ (2006年4月移転)
東京都新宿区大久保2-6-17 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年7月上旬 超こだわりラーメン(国産小麦100%使用版) 850円 
2006年5月中旬 旨あじ塩ラーメン 650円 



〜ラーメン玄々 その1〜



お店に到着しました。
新橋駅から徒歩6分ほど、
御成門駅からも同じ位の距離。






秋葉原にある「玄」の関連店です。






入ってすぐ左に券売機。
メニューは結構豊富ですね・・・。
「超こだわりラーメン」の国産小麦100%版を購入。






店内はL型カウンターとテーブル2卓。
色々な貼り紙が貼られています。






壁には写真つきメニュー。
一言コメントも付いて親切です。






お店の「こだわり」を紹介した貼り紙。
海外の食材も積極的に取り入れているようですね。










2005年7月上旬 超こだわりラーメン(国産小麦100%使用版) 850円 
(この写真はクリックで拡大します)



うーん、これは美味しいです。
何度も何度もリメイクして、ついに「完成形」に到達したイメージですね。

スープは天然エキスの旨味満載&パーフェクトバランスと言う感じ。
国産小麦100%の細麺はふくよかで上品な風合いが最高。
具の上質素材感、仕上げも全くもって抜かりなしです。

パーツと言い、全体のまとまりと言い、
一部の隙もなく、まさに「完璧」に創られた万人向けラーメンでしょう。
長年の「玄」のノウハウの蓄積が見事に開花した印象。









油は少なくあっさり味かと思いきや、旨味がかなーり濃厚ですね。
その分厚い「エキス感」には結構びっくりです。
グイグイ押して来て、次々に畳掛けるような・・・非常に判り易い美味。






国産小麦100%&天然カンスイによる細麺。
ふんわりとした軽さがあり、表面はツルツルと驚くほどに滑らか。
一本、一本が、しっかりと輪郭を保ち、シフォンケーキのような優しい歯応え。






軽くすするだけでスルスルスルーと口中へ駆け登るように入って来る。
絶妙なちぢれが心地よい振動を発生させて、
溢れる豊かな香りや食味のフレッシュさも最高の麺。






二種類の部位を使ったチャーシューは驚くほど美味しい。
ホロホロ、ハラハラときれいにほぐれ、肉の繊維の奥の奥まで、
ヘルシーであっさりした旨味がギュウッと詰まっている感じ。




2005年7月上旬 超こだわりラーメン(国産小麦100%使用版) 850円 

無化調ラーメンの魁(さきがけ)とも言える「玄」(千代田区)の関連店で、2001年1月の開店らしい。
2001年開店の割には、繁盛振りの証なのか店内の造作などは結構年季が感じられ、良い意味で「こなれた」雰囲気があり、落ち着いて食べられる感じがある。
メニューは基本的に秋葉原の玄総本店を踏襲しているようだが、こちらには総本店にはない、麺の「国産小麦100%」と言うメニューがあり、「超こだわり」か「玄流塩」のいずれかで、その麺をチョイスできるようになっている。今回は醤油味を食べたかったので「超こだわり」で指定してみた。

登場したラーメンは、品良くまとまったオーソドックスな外観で、「超こだわり」のメニュー名からすると、何も知らなければ「どの辺が超こだわりなのか?」とも思えてしまうだろう。
スープはあまり油が浮いておらず、ふぅわりとした素材の良い匂いが立ち込めている。一口飲んでみると、ベースは鶏のようであるが、カツオ節や昆布類の旨味がやや濃い目の味付けとともに溢れんばかりに舌の上へと押し寄せて来る。口当たり自体はまろやかなのだが、スープがエキス成分でトロンとするほどに、ともかく素材からの旨味が非常に「濃厚」に溶け出ている印象のスープであり、その分厚い「エキス感」には結構びっくりさせられるほどだ。鶏などの動物系よりも、カツオ節や昆布の旨味が中心と感じるが、魚節系のエグ味などが全く出ていないのもいい。
特に昆布を相当に多量に使っていると思われるグルタミン酸系の旨味が強く出ていると思うが、多種の素材の味が複雑にからみあっていて、様々な旨味が舌の上へとグイグイと押して来て、次々に畳掛けるように押し寄せて来る感じであり、無化調スープにありがちな物足りなさなどは絶無、文句なく美味しいと思えるスープだ。
タレは醤油のきれいな味で、最初は塩味がちょっとだけ強めに感じたが、すぐに慣れた。そして塩化ナトリウムだけでなく、豊富なミネラル分の旨味が良く感じられ、そのミネラル感が全体の素材感を調律し、味の輪郭や目鼻立ちを整えているイメージである。

麺は中細のちぢれタイプ。すすってみるとふんわりとした軽さがあるが、表面は小麦の結合が非常にしっかりしている感じで、ツルツルと驚くほどに滑らか、まさにミクロン単位で小麦粉が均質化された感じである。
軽くすするだけでスルスルスルーと口中へ駆け登るように入って来るが、絶妙なちぢれが心地よい振動を発生させてくれて、まさに「無類」のすすり心地を放っている。そうして軽さがありながらも、一本、一本が、しっかりと輪郭を保ち、まるでシフォンケーキのような優しい歯応えが素晴らしく、噛み締めればまさに限りなく「無垢」で「純粋」な味わい、フレッシュでありながら奥ゆかしい小麦の風味があふれて最高に美味しい麺である。
まるでご飯で言えば、その年の秋に取れたばかりの美味しい「新米」を食べているような、豊かな香りや食味のフレッシュさがあり、こちらの麺と比較すれば普段よく食べてる中華麺は、長期保存で米の風味が飛んでしまい、微妙にヒネ香の出てしまった「古米」もしくは「古古米」・・・という印象になってしまうほどだ。

チャーシューはバラ肉とモモ肉の二種類が乗っていた。いずれも、軽く噛んだだけで、ホロホロ、ハラハラときれいにほぐれ、これまた肉の繊維の奥の奥までみっちりと旨味が詰まっている感じで驚くほどに美味しい。何と言うか、肉のコクはそれほどでもないのだが、上品であっさりとした旨味に満ち溢れている感じで、いかにもヘルシーな豚のデリケートな美味しさを堪能させてくれる感じである。まさしく正しい飼料と正しい運動で育てた健康な豚の肉と言うイメージであり、味付けもムラがなく丁寧で、当然のように豚肉の臭みなどは微塵もない美味しいチャーシューだ。

茹で玉子は、黄身は最初にほんのりと塩味が来て、その次に甘味がじんわりとやって来るのだが、半熟でトロリとしながらもサラサラとした感触を併せ持ち、黄身が舌の上に溶け出してからの十数秒間・・・・深く純粋な玉子の旨味をたっぷりと堪能させてくれる。白身もプリプリと言うよりもトロンとした感じで、噛み砕けば口中いっぱいに隅々まで広がって・・・ムッチリと舌や歯茎にからみつき、口中を占領してしまうかのような濃厚な食感を楽しませてくれる。
メンマは、ジョリ、ボリ、ジョリ、ボリ、と言う食感で、やや厚さが薄い事もあって、プレスされて押し潰された後のような・・・・ちょっと歯切れの悪い歯応えである。もう少しコリコリッとした軽く弾ける感じであると嬉しいが、それでも竹の子の発酵臭がほんのりと心地よく感じられて、これまた美味しい。ホウレン草はシャクシャクと歯切れが良く、エグ味や苦味がないにもかかわらず、栄養がたっぷりと内包されているような深くて濃い緑色野菜の味わいに満ちている。

食べ終わってみると、ややスープに「力み」を感じるものの、スープ、麺、具と・・・それぞれのパーツと言い、全体のまとまりと言い、一部の隙もなく、「玄」が長年に渡って蓄積して来たノウハウが見事に結実したイメージの美味しさである。
ただ、いわゆる「無化調ラーメン」に特有の、ゆっくりと味が立ち上がるような、食べ進むにつれジワジワと旨味が増してくるような・・・・そういう「繊細系」の路線ではないようだ。どうやら目指しているのは、無化調であっても、決して化調ラーメンにヒケを取らない旨味の図太い明瞭な味作り・・・を意識しているイメージに感じられる。
世間では無化調スープとは言え、素材からの出汁だけではなく、濃縮エキス類などをプラスして旨味を補強しているお店も決して少なくないようだが・・・・・それでも、味が弱かったり、ピントが不明瞭だったり、逆に塩分過多でしょっぱ過ぎたり・・・というパターンに陥るよりは、遥かに良いと思う。

ともかく、無化調でこれだけ「判り易い美味」にまで仕上がっているラーメンも珍しいと思える。これなら誰が食べても、旨味が物足りないとは感じないだろうし、そういう意味では、まさに安心して食べられる万人向けの美味しいラーメンだと思う。
ただその分・・・後半になると、スープの強い味にちょっと食べ疲れがして来てしまう気がしないでもないが、それでもスープを一滴残さずしっかりと完飲してしまったのは・・・やはり、何よりも抜群に「美味しい」からに他ならないだろう。
また、麺はスープを吸い易いようで、時間の経過とともにやや伸び易いように思えた。さらに具が多いので、麺と具の間を行ったり来たりで、食べているとちょっと忙しいジレンマを感じてしまう。

もちろん具も、素晴らしく美味しい訳だが・・・・この非凡なる「美味なるスープ」と「美味なる麺」の黄金の組み合わせ・・・・。
もし、心底から本気で堪能したいのであるならば・・・・ぜひ一度、具なしの「素ラーメン」で食べてみたい気がしてしまうのは・・・決して、私だけではないだろう。


(麺は完食。スープも完飲。)




↓続きあり






〜ラーメンげんげん その2〜



お店に到着しました。
明治通りと大久保通りの交差点近く、大きなマンションの1Fです。
明治通りは工事中で道路の真ん中に巨大な分離帯スペースが鎮座。






東新宿駅から徒歩約3分、新大久保駅から徒歩約8分ほど。
賑やかでポップな感じの看板が楽しいです。






やたらとビッグサイズな券売機は新橋時代の物のようですが、
メニューや価格は微妙に変更されています。
「旨あじ塩ラーメン」を購入しますた。






店内はウッディな造りで、J型のカウンター席とテーブルが二卓。
椅子やテーブルは新橋時代の物をそのまま使っているようですな。
奥の一帯が厨房スペースです。






新橋より「移転してきました」の案内カード。
営業時間や定休日の表記も。






「開店1ケ月セール」の案内。
2006/5/24〜27の四日間限定で割引価格になるようですね。
これは、必食のチャンスですぞ。










2006年5月中旬 旨あじ塩ラーメン 650円
(この写真はクリックで拡大します)



「無化調」系のモヤモヤしたイメージを吹き飛ばす、
何とも、素晴らしいパワー感と美味しさ。

一切の「マイク」(化学調味料)を使わずに、「肉声」(素材)だけで力強く歌い上げる、
まさしく、美味の「一流オペラ歌手」のイメージですね。
様々な素材の旨味が、全身を使った「ビブラート」のように・・・・声高らかに歌い始め、
その美しくも圧倒的な「声量」の豊かさに、ただただ圧倒されます。

それでいて明るく華やかで、押し付けがましさがなく、実に人なつこい味。
良い意味で、きちんと「大衆に目を向けている味」ですね。









目新しさこそ感じないものの、本当に「円熟の極み」と言う美味しいスープ。
塩ダレと素材群のキラキラと光またたく旨味が大銀河のように舌へ降り注ぐ・・・・。
決して「あっさり」ではなく、やや油感が多いようにも感じられるかな。






軽く縮れた麺は丸太の優しい口当たり。
すすると縮れがポヨポヨと振動し、口の中に入ってもポワポワ・・・とリズム良く、優しく弾む感じ。
多加水麺に特有の瑞々しい食感で、消化も実に良さそうですのー。






味玉とバラ肉チャーシューはしっかりとした味付け。
この他にモモ肉チャーシューも入ります。
ハラハラと肉の繊維が軽くほぐれて、相当柔らかく煮込まれている。




2006年5月中旬 旨あじ塩ラーメン 650円 

新橋にあった「ラーメン玄々」が、2006年4月24日に大久保へ移転して、「ラーメンげんげん」としてリニューアルオープンした。
お店は明治通りと大久保通りの交差点近く、明治通り沿いの大きなマンションの1Fに入店している。
店のヒサシの上には富士山や三重の塔、松竹梅、鶴と亀など、ジャパニーズポップなデコレーションが乗っていて、何とも楽しく賑やかだ。店内に入ると新橋時代の券売機が出迎えてくれる。ちなみに、この券売機・・・・「何かのギャグ?」と思えるほどに、ほほえましく巨体である。店内はウッディでトタン板なども使われ、気取りのない雰囲気。

新橋時代とは、メニューの構成や価格は若干変更されているようだ。新橋時代にも「玄流塩ラーメン」を食べた事はあったが、今回の大久保移転を機に、「塩」メニューは一気に130円も価格が下がっており、味がどうなったのか多少心配した部分もあったのだが、いざ食べてみればそのような心配は完全な杞憂に終わった。

この塩スープ・・・・何とも、一口目から、心のモヤモヤを吹き飛ばす、素晴らしいパワー感と美味しさにあふれている。
そのスープを口に含んだ刹那、私の脳裏で、「やってくれた」と言う心の叫び声が上がり、そして歓喜の感情がふつふつと胸の奥にこみ上げて来た。
まさしく、一切の「マイク」(化学調味料)などを使わずに、「肉声」(素材)だけで力強く歌い上げる、一流の美味の「オペラ」の開幕である。
一口目から、様々な素材の旨味が、全身を使った「ビブラート」のように・・・・声高らかに歌い始め、その美しくも圧倒的な「声量」に、こちらはただただ圧倒され、次々に舌の上を迸る(ほとばしる)美味に全身が心酔してしまう感覚。
おそらくは表面の油に様々な素材の旨味が溶け込んでいる印象。そして揚げネギが芳ばしさを加えていて食欲を駆り立て、塩ダレと素材群のキラキラと光またたく旨味が、まるで大銀河のように舌へ降り注ぐ・・・・それでいて押し付けがましさが一切ないのだから・・・・実に凄いスープだ。
ただ、後口的に・・・・やや鶏油が多いように感じられるが、一方でその油感が軽くコッテリとする適度な量感を生み出しており、きっちりと「ラーメンらしさ」を演出している。

麺は、麺がスープと混ざる前の最初の一口目だけ、ほんのりと微妙に「茹で湯」のカンスイの香りがした。
昨今は、このカンスイの匂いがしないラーメンも少なくなく、それはそれで良いのだが、しかし、この香りの存在が最初に鼻をかすめることで、今から自分は「ラーメン」を食べるのだと言うことをしっかりと実感させてくれる。
すすると縮れがポヨポヨと振動し、口の中に入ってもポワポワ・・・とリズム良く、優しく弾む感じ。何と言うか、常にポヨポヨと微振動している感じがある。多加水麺に特有の瑞々しい食感があり、優しい口当たりで美味しく、消化もとても良さそうな感じである。
ただ、この麺は割と水分を吸いやすそうで、後半はかなりスープを吸ってしまいやや動きが重くなるようだ。そう言う意味では、早めに食べた方が良いと思う。

二種類乗るチャーシューの味付けはやや濃い目に感じられるが、味にカドがなくてとても食べやすい。
モモ肉も硬くなく、ハラハラと肉の繊維が軽くほぐれて、相当柔らかく煮込まれている。バラ肉も脂身が控えめでホロホロとほぐれる柔らかなもの。ただ、バラ肉、モモ肉ともに、両者の食感も味も良く似ていて、あまり違いを感じられなかった。せっかく二種類入れてくれるのであれば、もう少しその差別化があっても良いと思う。また、たまたまかも知れないが、以前の上質な豚肉の本来のナチュラルな美味しさで食べさせる感じと言うよりは、今回のものは味付けの上手さで食べさせるタイプに感じられた。
半分入る味玉もしっかりと味が付いていて、それでいて決して強すぎない味わい。メンマもやや濃い目の味付けでザキザキ言う繊維質の感じられるもの。
そして後半になると、やや鶏油が唇回りや舌先にまとわりつくように感じられるのだが、ここで青菜を食べると、パキッ、シャクッとする食感と野菜のフレッシュな風味で、実にさっぱりと舌がリセットされる。

スープは最後の一滴まで、あまりにも当然のように、一切の迷いなく「完飲」。
無化調らしく非常に喉の通りのスムースなスープでありながら、決して繊細すぎない味であり、物足りなさなども絶無。卓上にはコショウなども置いてあるが、食べ終わるまでまるで出番はなかった。
スープの冷めやすい広口の器にもかかわらず、スープが最後まで熱々なのもいい。
ラーメンを食べ終わると、後味には、微細なレベルだが醤油の風味を感じた。塩にしてはスープの色合いも濃い目だし、ひょっとしたら塩ダレだけでなく醤油を少し混ぜているのだろうか。もしそうでなければチャーシューの味付けに使われている醤油がスープへ流れ出たのだろう。

スープは、昨今の新店のような目新しさこそ感じられないものの、何かが突出するのではなく、すべての素材が調和した、本当に「円熟の極み」と言う美味しさ。
「スープはバランスだ」と言う天の声が聞こえて来そうだ。
それでいて決して高尚過ぎてとっつきにくい味ではなく、明るく華やかで実に人なつこい味でもある。変に気取りすぎず、良い意味でどこかしら俗っぽいと言うか、きちんと「大衆に目を向けている味」だと感じられるのだ。老若男女、好みを超えて誰にでも好かれそうな・・・・実に守備範囲の広い美味しさだと思う。
そして、 「力み」と言うのではないのだが、とても作り手が「頑張ってる」感じを受ける。一生懸命に「額に汗をかいて作りました」と言うイメージが、食べていてひしひしと伝わって来るような・・・・何ともヒューマンな美味しさを感じてしまう。


(麺は完食。スープも完飲。)










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