ラーメン&つけ麺食べ歩き
がんこ 十二代目
(東京都 文京区)

店名 元祖一条流 がんこ 12代目(がんそいちじょうりゅう がんこ)
住所等 東京都文京区本郷3-28-13 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2006年3月上旬 しょうゆラーメン(中間味)ランチA 700円



〜12代目がんこ本郷店〜




お店に到着しました。マンションの一階です。
本郷三丁目駅から徒歩3分ほど。
御茶ノ水駅や水道橋駅、湯島駅なども使えそうです。






真っ黒な外観は「がんこ」のアイデンティティ。
扉が傾斜しています・・・(´Д`;)。






2時までの「ランチ用」のメニューです。
「ランチAしょうゆラーメン」を「中間味」でオーダー。
この日のセットの炊き込みご飯は「五目ご飯」でした。






店内レイアウトは「屋台」がテーマのようです。
まるでミニテーマパークの様相ですな。






店内に貼られた通常メニュー。
昼過ぎの2時〜5時までは「にこにこラーメン」と言う
ワンコインメニューも登場。






活気ある店内と「いなせ」な店員さん達。
柱には無数の名刺が貼り付けられていました。
券売機はなく、食後の手会計です。










2006年3月上旬 しょうゆラーメン(中間味)ランチA 700円
(この写真はクリックで拡大します)



うーん・・・何とも「独自」の道をゆくラーメンですね。
他では食べられないラーメンでしょう。
まさに「がんこ」 (´∀`)

個性的なスープや麺も素晴らしいですが、
巧みな「具」の使い方による味の際立たせ方が実にお見事ですな。
食べ進むうち・・・「がんこマジック」の方程式に気付きます。

ランチとしてのコストパフォーマンスも上々。









中間指定なので多少の背脂が浮くスープ。
スルメをしゃぶったような・・・しょっぱさとエグさで
舌が「ギュギュウ〜ッ」と縛られる感じが独特。






「がんこ」特有の黄色が濃く、細かく縮れた細麺。
表面の摩擦係数が高く、ワサワサ、ゴワゴワ言うすすり心地です。
細麺ながらも、ワッシワッシと歯で噛み潰す感じに・・・。






セットの「五目御飯」です。
御飯がふっくら炊けていて、モチモチして美味しいです。
とても香りが良くて、あっさり薄味に仕上がっていて
しょっぱいスープとの相性が抜群。




2006年3月上旬 しょうゆラーメン(中間味)ランチA 700円

本郷にある「がんこ」系の12代目となるお店。
店頭に立つと、看板のない真っ黒な外観、鉄の鎖と牛骨、打ち付けられた板切れなど、まさに「がんこ」のアイデンティティ。
店内は、屋台風のカウンターと円形テーブルが数脚あり、ザワザワとした雰囲気がある。店員さん同士はキビキビと動き回り、客とにこやかな挨拶を交わし、まるで「魚河岸」にいるかのような活気だ。こう言う雰囲気は最近のラーメン店では珍しいのではないだろうか。

ランチタイム真っ最中の訪問となってしまったが、注文すると10秒ほどで炊き込みご飯が登場し、さらに2分ほどでラーメンが登場すると言う「超ハイスピード」ぶり。昼休み時間の限られたサラリーマンやOLにとって、このスピードはありがたいだろう。

一口目、スープは・・・・「しょっぱい」。
そして、しょっぱさだけでなく舌が「ギュッ、ギュウ〜ッ」と鷲づかみされるかのような、縛られる感じに襲われ、ちょっとスルメをしゃぶった時に感じる独特なエグみのようなテイストもある。他の「がんこ」系列と比べても、さらに一層「スルメ」を沢山使っているイメージの味だ。
「中間味」にしたので、適度な背脂が散らされているが、スープの温度がやや控えめなせいか、あまり溶け出さず、ややプツプツと口に当たる感じがある。

麺は「がんこ」の定番であるほぼ真っ黄色の細麺で、細かく縮れている。
平たい器にこんもりと盛り付けられている感じで、ややゴソッとした感じがある。もう少しスープを泳ぐ感じがあると、さらに食べ易くなると思う。
すすってみると、表面の摩擦係数が高く、ワサワサ、ゴワゴワ言うすすり心地。茹で時間が短かったのか他の「がんこ」よりも一層、ヒョロッと細く、そしてワシワシと硬く感じられた。
そしてこの、ズゾゾゾゾ・・・・と口幅いっぱいにすする感触、その時に発生する硬めに縮れた麺による小刻みな振動のリズムに、ヤミツキになってしまう人も少なくないだろう。他のラーメンではこのような啜り心地を出すラーメンはあまり記憶にない。
そして、細麺ながらも、ワッシワッシと歯で噛み潰す感じになり、十分な食べ応えがある。ただ、時間の経過によるノビにはやや弱いようで、後半になると多少歯応えがフニフニとなって、弱くなってしまうようだ。

大判のチャーシューは、やはり「がんこ」特有のコーヒーのようなかぐわしい香りがある。
口に入れるとハラハラとほぐれて、とろけ、素晴らしくジューシーで旨味がどっさり内包されている。たまり醤油でじっくりと味付けしたかのような濃厚な旨味があって美味しい。しかも、他の「がんこ」と比べると結構厚く切られていて、とろける感じはそのままに、割と歯応えもあるので、かなり食べ応えがあり満足度が高い。
この大判チャーシューで、麺をくるりと巻いて食べると、柔らかでジューシーな肉の旨味が麺やスープと口中で渾然一体となって、得も言われぬ美味しさが現出する。

大き目の味玉は歯を入れた途端に黄身がドバッと流れ出るかなりゆるめの半熟。
おそらく意図的に黄身が流れるようにしていると思われ、実際、しょっぱめのスープに流れ出した玉子の黄身を、麺やスープに絡めて食べてみると、塩分が緩和されるとともに、トローリとした黄身のコクが加わって旨味が倍増され、何とも濃厚で美味しい。
メンマはカリカリする食感で、形がきれいに平たく整っている。そのせいか、のっぺりとした口当たりでやや無機質な感じ。

特に感心したのが、やや大きめの小口切りのネギである。
このネギ、香りがとても上品で、おそらくはネギを事前に水にさらして辛味を抜いている感じを受けたのだが、ともかく、しょっぱいスープが続いた後に、さりげなく大き目に切られたネギが歯の間に登場し「パリッ、シャリッ・・・・」と噛み砕かれると、その瑞々しい香りと水分の清涼感が何とも最高のアクセントに感じられるのだ。 真夏の炎天下で喉カラカラの時に、冷たい水を差し出されてゴクゴクと飲む美味しさのような・・・・そんな感じだ。
この瑞々しいネギが、巧みに舌をサッパリとリセットして、またしょっぱいスープを味わいたくさせている「影の立役者」なのは間違いないだろう。

炊き込みご飯は薄味ながらも香りが素晴らしく、出汁がしっかりと出ている事が判る。
ふっくらした炊き加減の御飯はモチモチして、しょっぱめでややエグみのあるスープとの相性が最高である。「濃い味」と「淡い味」・・・・そのコントラストの妙味で、まさにお互いの「味」を見事に引き立てあう感じだ。このラーメンの絶妙な箸休めとして、ぜひチョイスしたい絶好のサイドメニューだと思う。

食べ終わってみると、うーん・・・しょっぱめでスルメのようなエグみのあるスープ、ズゾゾゾゾ・・・・と口幅いっぱいにすする感触の縮れ細麺、かぐわしいコーヒーのような風味の大判チャーシューなど、やはり、何とも「独自」の道をゆくラーメンだと再認識する。
そして一見やや過剰とも思える「しょっぱい」スープが、実は麺やチャーシューやネギや炊き込みご飯などの布陣を前提として、実はしっかりと計算され、巧みに設定された「濃度」であることに気付く。チャーシューと言い、味玉といい、ネギといい、炊き込みご飯といい・・・・すべてワシワシする麺やしっょぱめのスープと「絡めて」食べると、その美味が数倍に増幅される仕組みになっているのだ。
なるほど・・・・・「お見事」である。まさに、これぞ、「がんこマジック」、まさに美味しさの巧みな「方程式」が出来上がっている。

これほど「具」の使い方が素晴らしく上手なラーメンも珍しい。
それでいて具やサイドメニューが決してステージの中央にしゃしゃり出ることなく、麺とスープが「常に中央に」きちんと位置している。
単なる個性派ではなく、まさしく、百戦錬磨の末に、現在の「味」を確立したラーメンであることに感心させられてしまう。


(麺は完食。スープは6割飲んだ。)










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