ラーメン＆つけ麺食べ歩き
がんこ 十一代目 直系二代目
（東京都 江東区）
（2007/4 らーめん屋 盛）
としてリニューアルオープン

2004年4月上旬　中華そば（中間）　700円

一般に、スープの出汁の良さと、そのしょっぱさで知られている「がんこ」系列店だが、こちらのお店はだいぶ塩分控えめで、その分スープの出汁がよく味わえるお店と聞いて訪問してみた。
がんこ系は背脂の量を「あっさり」「中間」「こってり」と３段階に選べるお店が多いが、こちらもそのシステムだった。
登場したラーメンは、大き目で薄めの巻きバラチャーシューが２枚載る、まさに伝統的「がんこ」の風貌。背脂の量は「中間」でオーダーしたが、出てきたラーメンは予想より多めの背脂が入っていた。がんこ系はなぜかスープをすくう「れんげ」を置きたがらないお店が多いが、こちらはカウンター上の目立つ位置に積極的に置かれており、しっかりとスープ（出汁）を味わって欲しいための配慮かと思えた。

実際、レンゲでスープを飲んでみると、最初の一口目のインパクトに「味のピント」を合わせたような、一口目からかなり「明確に」美味いと思える鮮烈な味のスープである。
非常に「すっきり」しながら芯の強い動物系の旨味があり、複数の海産物系素材も使っているようだがいずれの素材もよくかみ合っていて、しっかりとまとまっているのは、さすが「がんこ」としか言いようがない。この一口だけで、一般のラーメンの三口にも、四口にも相当しようかと言うような美味しさ。一見、塩分がやや控えめなので、上品でエレガントなイメージさえ感じられる穏やかな味ではあるが、その数秒後に口中に旨味が炸裂する感じである。

素材の出汁の旨味、脂肪分の旨味、醤油の旨味、塩のミネラルの旨味、化学調味料の旨味、の五者が、お互いに相乗し合い、共鳴し合い、補完し合って、醸し出すなんとも「極上」の美味さ。
しかし、このテイストが三口目位までは良好なのだが、四口目、五口目となってくると、やや「旨味」が過剰すぎるような気がしてきてしまう。味の濃淡のさじ加減によって、味のインパクトや感動のピークを食事中のどこへ持ってくるか、お店としては悩むところなのかも知れないが、少なくともこちらのお店は、最初の数口にピントを合わせている気がした。
ただ、旨味とは別に、塩加減については、まさに食べ手の心理を知り尽くしているかのような絶妙な塩加減で、終始いい感じである。その分、いわゆるがんこ特有のしょっぱさはあまり期待できないかも知れない。

麺はがんこ系定番の黄色い中細麺で、ゆっくりとウエーブしているもの。
ツルツルとかモチモチとかの感触ではなく、表面の摩擦係数が高そうなボソッとした食感の麺。まあ、いつもながらのこれが「がんこ」定番の麺だ。細いながらも「ワシワシ」食べる感じになるので、必然的にスープも多く口に入ってくる。
チャーシューは結構脂身比率の高いバラ肉を大きめ＆薄めに切った物が２枚乗り、食べていると熱々のスープで脂身部分が溶け出し、次第にホロホロに崩れて来て、いい感じになる。まったく臭みもなく、特に脂身部分がかなりうまい。動物の脂肪には不純物が蓄積しやすいので、その脂身部分がこれほどうまいということは、相当に高価で良質な生肉を使っているのだと思う。
この大き目のチャーシューで、クルリと麺をくるんでスープによく浸してから食べると、風味の相乗効果で本当に絶賛のおいしさになる。

スープは、最初の数口に限って言えば、非常に美味しいと思う味付けであるが、逆に続けてどんどん飲むと味が濃く感じられたり、やや化学調味料感が出たりしてしまうので、あまり早いペースでは飲まない方が良いかも知れない。また、背脂の量以外にも「ネギ抜き」とか「メンマ抜き」なども好みで申し出れば対応してくれるようだ。昼のみライスが無料でつけられる。麺の大盛り無料も選べるとさらに良いと思う。ちなみにビールは５００円だが、「二本まで」と書いてある。


（麺は完食。スープは４割飲んだ。）

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