ラーメン&つけ麺食べ歩き
がんこ 総本家
(東京都 豊島区)
店名 元祖一条流がんこ 総本家(がんこ そうほんけ) 住所等 東京都新宿区西早稲田1-23-7
↓ (2007年4月移転)
東京都豊島区東池袋1-13-12 【地図表示】禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2004年9月中旬 がんこつけ麺(普通盛) 700円 2007年4月下旬 しょうゆラーメン 700円
〜元祖一条流 がんこ 総本家 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
ゴトトトーン・・・ゴトトーン・・・。
高田馬場から都電「面影橋」まで歩き、
終点「早稲田」まで、一駅だけ「都電」に乗ってみますた。
どこまで乗っても160円。
一駅だけでも160円・・・・(TーT*)。
都電の終点「早稲田」駅です。
お店は駅の真ん前、徒歩10秒。
看板代わりの牛の頭のオブジェが見えますね。
店頭には看板はおろか、
ラーメンの「ラ」の字もない漆黒の佇まい。
しかも、こちら側からは入れないんですな。
隣の交番をぐるりと回って裏手へ。
うーむ、むむ・・・。
牛の頭の骨?
総本家の「証」なのかな。
夜は目が青白く光りますぞ。
お店の裏手が入口です。
このドアがまた・・・。
気圧の関係なのか、ちょっと触れただけで
「グワーッ」と急に開きます。
初めてだと、えらいビックリしますぞ。
店内風景。
半月型のカウンターのみ。奥が厨房です。
ヤカンと裸電球が沢山並んで、ちょっと屋台風。
割り箸はテーブル下の引き出しにあります。
家元の一条安雪氏が中央にいらっしゃいます。
フレンドリーな接客がとても良い感じ。
ここ総本家は頻繁にメニューが変わります。
それが楽しみの一つでもあります。
主に曜日によってメニューが分かれます。
月〜木はこの二品のみ。
「がんこつけめん」を並盛でオーダー。
ちなみに「前金会計」です。
営業時間も掲載してあります。
つけ麺は並と中盛が同額。
並で340g、中盛で460gと書いてあります。
何気に、すんごい量・・・・。
右に飾ってある写真は一条氏でしょうか?
以前はボディビルダーだったそうです。
2004年9月中旬 がんこつけめん(ふつう盛) 700円
一条氏の作るラーメンは
他店のラーメンとは目指すものが大きく異なりますね。
何事にも縛られず、何処にもとどまらず、何物をも受け入れてしまう、
「自由闊達」、「行雲流水」、「天衣無縫」、
という言葉がよく似合う気がします。
そして、とにかく何事にも興味が尽きない一条氏の
熱く、強烈な、果てしない「創造欲」には心から敬服してしまいます。
「がんこ」でつけ麺は初めて。
うむ、なかなかつけ麺にも合う麺だったのですね。
細いのにやや重めの食感で、ワッシワッシ感があります。
冷水で締めるせいかプリプリしたハリも出ていて良い感じ。
油がほとんど浮かず、海産物系の風味がしますが、
以前の悪魔ラーメンを継承するような、
かなーり、しょっぱいつけ汁。
ある意味、「タブーの味」に挑戦しているイメージ。
ザク切り玉ネギと、ポーチドエッグのような茹で玉子入り。
この二者がしょっぱさを(多少)緩和。
つけ汁に一枚入っていた
チャーシューというより、スキヤキ風のバラ肉。
醤油がダイレクトに強く、やはりしょっぱい味付け。
フライドチキンは素晴らしい肉質と
良質な油で抜群の美味しさ。
スープ割をしてもらったところ。
目の前のヤカンからおもむろにスープを注いでくれます。
良いダシの香りが感じられますが
私にはまだかなりしょっぱかったです。
ダシと合わさって「深ーーーい、しょっぱさ」ですな。
( ´∀`)
2004年9月中旬 がんこつけめん(ふつう盛) 700円
ご存知、元祖一条流がんこの総本店を訪問。
都電の「早稲田駅」の目の前にある。当然のように漆黒に塗られたお店には、牛の頭蓋骨のオブジェが飾られ、ちょっと怪しい雰囲気を醸している。お店の存在を告知するような看板もなく、しかも、入口はお店の裏手になるため、知らないで入ってくる客はまずいないであろうお店の造り。窓一つなく、牛の骨がつるしてあったりして、ちょっと入りづらい外観とは裏腹に、入店すれば家元の一条氏が、とてもほがらかな笑顔で迎えてくれる。
ここ総本家は、常に頻繁にメニューを変えるため、また、曜日によってメニューが違ったりするため、「今日のお薦めは何でしょう?」と一条氏へお伺いを立ててしまうのが一番良いと思う。
「本日のお薦め」などとは、まるでお寿司屋さんにでも入ったような感じではあるが、一条氏はとても丁寧にメニューの説明をしてくれるとともに、絶妙なコミュニケーションの才能をお持ちのようで、本当に一瞬にして、自分がもう何年来かのこのお店の「常連」であるかのように、フレンドリーな、心安らぐ気持ちにさせてくれる。まるで、「店を一歩入れば全員が常連さんです」というお店からの言葉が聞こえて来そうな見事な接客の姿勢である。
この日は「つけめん」を普通盛りで頂いたが、実はがんこ系でつけ麺は初めての経験であった。
登場したつけ麺には、麺の上に実にさりげなく「フライドチキン」が一つちょこんと乗っていた。思わず顔がほころんでしまう。
まずは何もつけずに麺をそのまま一口食べてみると、通常ラーメンに使っている麺と同一のもののようだが、細いのにやや重めのある食感ではあるものの、冷水締めされているためか、意外にプリプリした小気味良いハリが出ている。
ただ、他店のつけ麺で、よく経験することのある、ちょっとわざとらしくプリプリ感やモチモチ感を出したような、また迎合的に甘味を付けたような食味はなく、むしろ正反対の、あくまで小麦の風味が充満した「硬派」の味であり、多少愛想の少ない古風な職人気質的な味わいや歯応えである。ツルツルというよりも、ワッシワッシとほおばる感じになる。
つけ汁は、かなり濃い醤油色で、油があまり浮いておらず鼻を近づけると海産物系のような心地よい風味はあるものの、いざ、麺を浸けて食べてみると、舌がびっくりするような高濃度のしょっぱさである。
以前あった悪魔ラーメンのスープを継承するかのような味わいであり、風味と旨味が感じられるので、ダシも良く出ているのだろうと思うが、醤油と塩分が強すぎて、何のダシかまでは思いが巡らない。特に、甘いプリプリ太麺と違って、ワシワシしたやや固めの細麺は、このしょっぱいつけ汁をカバーすることはなく、ダイレクトに舌へと届けてしまう。麺をどっぷりと浸けてしまうと、ちょっとしょっぱいので、3分の2位まで浸けて食べるとちょうど良いと感じた。
いわゆるトラディショナルな「普通のがんこラーメン」だと、しょっぱくてもダシの味が感じられ、ギュウ〜ッと舌がしょっぱさで鷲づかみされる感覚が心地よいのだが、このつけ汁はそれより2ランク位しょっぱくて、感覚的には昔のタイプの減塩でない「梅干」を食べる感覚と似ている気がした。
しかし、つけ汁の中には、白ネギとともに、トローリとした甘めの玉ネギのザク切りが多めに入っていて、汁のしょっぱさを多少緩和してくれる感じになる。また、黄身だけでなく白身までがまるでポーチドエッグのように「見事」にポヨポヨになっている半熟玉子が丸々一つ入っていて、これをスープの中で溶きほぐして、麺にからめて食べると、黄身のまったりとした濃厚な旨味と、白身の淡白な口当たりが、しょっぱいスープと絶妙に交じり合って緩和し、かなり美味しい。
また、薬味でおろしショウガを出してくれたので少し入れてみると、グーンと風味が増して、一層美味しくなる。
つけ汁の中には、まるでスキヤキにするような大きな「バラ肉」が一枚入っていて、醤油が染み込んでかなりしょっぱいが、溶き玉子や甘いネギなどと合わせてこの肉にかぶりつくと、何だか「スキヤキ」を食べているような気がしてくる。
麺に載せられていたフライドチキンは、ふっくらした大変に上質な鶏肉で、ブロイラーのような臭みなどが一切なく、揚げた油も新鮮で香り良く、とても美味しい。なかなか良い箸休めになっていると思う。
最後にスープ割をお願いすると、残っていたつけ汁を多少減らしたところへ、スープを入れてくれた。スープはコンロにかかったヤカンに入っている。他のヤカンは冷水である。
レンゲで頂いたが、確かに薄まってより一層ダシが感じられるものの、私にとっては、まだしょっぱいもので、ダシの旨味をじんわりと味わうには至らなかった。飲み干すのが前提ではなく、やはり数口ほど頂く前提での、密度の濃さなのだと思う。
いずれにしても、看板のない真っ黒な店舗、骨のオブジェ、判りづらい入口、一定しないメニュー、悪魔ラーメンなどの命名、しょっぱい味付け、店舗の頻繁な引越し・・・・、などなど、敢えて「タブー」に挑戦しているような姿勢を感じる。
ともかく家元一条氏が求めているもの、目指しているものは、普通のラーメン店とは大きく異なるように思えてならない。
そして、その何事に対しても興味が尽きることのない、一条氏の、熱く、強烈な、果てしない「創造欲」には心から敬服してしまう。
天衣無縫な「オリジナリティ」の追究の旅は、最終的にどうなるのか・・・。一体どこへ行き着くのか・・・。「この先も、ずっと見ていたい」という気持ちだ。
(麺は完食。スープ割は3割飲んだ。)
↓続きあり
〜元祖一条流 がんこ 総本家 その2〜
お店に到着しました。
池袋駅東口から徒歩4分ほど。
新宿西口の「思い出横丁」を連想する、
「栄町通り」の入口ヨコにあります。
「がんこラーメン」のノレンや赤提灯、立て看板等が出て
誰にでも非常に判り易くなった店構え。
鎖で吊るされた牛の大腿骨や、眼が光る頭蓋骨も健在。
店頭の券売機。
「しょうゆラーメン」を購入しました。
カウンター四〜五席ほどの店内。
箸やレンゲも判り易い位置に置かれておりました。
2007年4月下旬 しょうゆラーメン 700円
(この写真はクリックで拡大します)
「遠州への長旅」から、ご帰京された「家元一条氏」。
まずはこの一杯です。
「澄んだ醤油スープ」に、「縮れた細麺」・・・・。
飲んだ後にも最適のサクッと食べられる「軽めの量」・・・・。
往年の「しょっぱさ」も適度に影を潜め、
澄んだ動物系と海産物のきれいな旨味が舌を捉えます。
どこかしらストイックで・・・・物欲や猥雑さを感じさせない、
なぜか心が「ホッ・・・」としてしまう美味しい一杯。
強めの「塩」と言うよりも、海の「潮」の味が際立つスープ。
海産物、特に「スルメ」のナチュラルな旨味が「ギュギュツ」と舌を鷲づかみにして来る。
ピンッと立つ「しょっぱさ」が・・・・まるで「気付け薬」のようでなぜか心地良い。
後味的にも塩気が舌にクドく残らないのは不思議なマジック。
光沢のある細麺は、「ツルン、ツルンッ」と表面が良く滑り、
すすると「ワシワシ」として、細かい「縮れ」が唇を揺らす感じが面白い。
特有の「健気さ」「いじらしさ」「レトロさ」を絶妙に装備。
2007年4月下旬 しょうゆラーメン 700円
とにかく何事にも縛られず、何処にもとどまらず、何物をも受け入れてしまう・・・・「自由闊達」、「天衣無縫」・・・・な印象のある、「がんこ」家元の一条氏。
全国の名物ラーメン店主の自伝をオムニバス風に描いた書籍 「湯気のむこうの伝説・ラーメン偉人伝」 にも、自伝が掲載されているが、一条氏の「行雲流水」の半生が描かれていて実に興味深い。
その一条氏、ここ数年は、都電「早稲田駅」前の総本家を拠点としてご活躍をされていたが、2006年3月に静岡県「浜松駅」に新設されたラーメン&焼き鳥のテーマパーク「浜松べんがら横丁」へ「がんこ」を出店する事となり、暫らくの間、静岡へ転居され、「遠州」の地で辣腕を振るわれていたらしい。
その後、「早稲田駅前の総本家」ならびに「べんがら横丁店」を閉め、静岡への「旅」から東京へ戻られ、2007年4月、今回の池袋の地で「総本家」を再開されるに至られたようだ。
実際に訪問してみると、池袋の古くからの飲み屋街の一画と言う場所ではあるが、今までの看板もノレンも出さない「漆黒」の店構えとは異なり、ノレンや赤提灯、立て看板等が出ていて、一見して「ラーメン店」である事が誰にでも判り易い店構えとなっていた。店内は、元は焼き鳥店か何かだったようで、カウンタースペースは四〜五席ほどのこじんまりとしたスペースである。
厨房には家元がいらして、この日も屈託のない笑顔で、接客と調理に当たられていた。ラーメンを待っている間、冷水を飲んでみると・・・・この冷水がやたらと美味しい。客席からは見えなかったが、何らかの浄水装置を使っているのだろうか。
登場したラーメンは・・・・見た目は、以前のものと大きくは変わらない。
レンゲでスープを一口飲んでみると・・・・塩気はピンッと立っていて、やや「しょっぱい」とは感じるものの、全体に「軽快感」と「透明感」があり、すっきりとした動物系と海産物のきれいな旨味が舌を捉え、素直に美味しいと感じさせられる。
塩の強いミネラル感と同時に、海産物、特に「スルメ」のナチュラルな旨味が「ギュギュツ」と舌を鷲づかみにして来る感じは、以前の味のスタイルをそのまま継承しており、強めの「塩」と言うよりも、海の「潮」の味が際立つスープと言うイメージだ。
そして、特徴的な事に・・・・味の現れ方として、徐々にゆっくりと味が立ち上がって来て、最後にクライマックスに至るタイプではなく、最初に最大のクライマックスで「ギューンッ」と一気に「詰め寄って」来て、それから後に、徐々に味が解放され、放出され、薄く広く拡散して行く・・・・感覚がある。つまり、普通のラーメンスープとは、味の放出曲線が「逆向き」であり、味の波が「寄って来る」過程ではなく・・・・珍しい事に、高波が「引いてゆく」過程で・・・・様々な「潜んでいた味」を舌が感知できるように感じられるのだ。
そして、基本的に「あっさり」&「澄んだ」味の組み立てではあるが、鋭角的にクッキリとした味の輪郭が舌に描かれ、澄んだ中にも複雑な旨味が「息づき」、幾多の素材感が「潜んでいる」・・・・と言う印象を強く受ける。
塩気は、もちろん効かされているのだが、以前のように「しょっぱくてあまり飲めない」と言うレベルとは異なり、十分に「飲める」塩加減である。この程度であれば・・・・むしろ、ビシッと引き締まったしょっぱさに、「喝」を入れられる気分と言うか、まるで「気付け薬」のようで、強めの塩っ気が「男の心意気」や「いなせな気風」として感じられ、とても「小気味良く」感じられてしまう。
例えれば・・・・疲れている時、生理学的にはぬるめの風呂にゆっくり入った方が疲れが取れると言うが、そう言う理論を超えて、「熱い風呂」にザブンッ・・・・と勢い良く入った時に、一気に疲れや眠気が吹き飛ぶような・・・・この小気味良いしょっぱさには、それと同じ、食べ手の心身を「奮い立たせる」「鼓舞する」・・・・「気を付け」の号令がかかって、ビシッと背筋が伸び、「気持ちを引き締める」「気合が入る」ような効用がある・・・・気がする。
「気力が衰えている時」、「やる気が起きない時」には「塩が効く」のだ。気力を充実させ、脱力感や無気力感を吹き飛ばしてくれる。
ただし、一般の水準と比較すれば、確かにまだ塩気は強めだが、それでも往年の「がんこ」の舌を縛り付けるような「強烈なしょっぱさ」はかなり影を潜めたようにも感じられ、以前からの「がんこファン」にとっては少々複雑な心境を覚えるかも知れない・・・・。
麺は・・・・すすった瞬間は「ワシワシ」「ゴワゴワ」として、細かい「縮れ」が唇を揺らす感じが面白い。
しかし、それも決して無遠慮な感じではなく、細麺に特有の「健気」な感じがある。そして、時間の経過とともに次第に柔らかくこなれてくる感じがあるのだが、こなれた後の「モソモソ」とする動きが、これまた「いじらしい」感じで、なんとも心をくすぐられる。
割と多めに卵白も使っているようだが、同時にカンスイも感じられ、そのせいか小麦粉の香りや旨味が湧き立つと言う感じは少ないが、それもまた「レトロチック」な風味を醸してくれる。光沢のある麺は、「ツルン、ツルンッ」と表面が良く滑り、ザラッとした粉っぽさやボソボソと乾いた感がない。ただ、茹で釜が少々小さいのか、表面はややヌルッと「ぬめる」感じを伴っていた。
チャーシューは非常に「ふっくら」としていて、ある程度の「厚み」も備え、トロける口当たりと、「まろやか」な肉の美味しさが「ドッッサリ・・・」と豊かに内包された「逸品中の逸品」である。
そのチャーシューを箸でつつくと、柔らかなトロける小片がほど良くスープ内に拡散し、スープや麺に溶け込むようにからんで来る。この小片が実に「いい仕事」をしてくれて、あっさりとしたスープに動物系のコクを絶妙に補強してくれる。
ただ、「がんこ」のシンボルでもある大判タイプと違って、サイズ的に麺をくるめないのは・・・・あの大判チャーシューファンにとっては少々残念かも知れない。
メンマはやや戻し不足だったのか、「ゴリンゴリン」として硬く、味も「ギューン」と舌が痺れるほどで、しょっぱ過ぎと感じられた。量も多いので、余計にその印象が脳裏に残ってしまう。
多めの白ネギが、スープやメンマの塩気をほど良く溶き延ばし、柔らかく緩和してくれ、見事な「清涼剤&息抜き」として機能している。
全体的に器が浅く、麺の量も決して多くはないので、場所柄、夜に飲んだ帰り道などにフラリと入っても、胃に負担をかけずサクッと食べ終える事ができそうだ。
食べ終えてみると・・・・・
あっさり&クッキリな塩気の強い海産物系のスープ、昔風のカンスイを感じる縮れたレトロチックな細麺、そして全体をまろやかな方向へ振ってくれるトロリとした美味しい上品なチャーシュー・・・・・これらが三位一体となって誕生する、トラディショナルな「がんこ」の味は、やはり他にありそうでいて、なかなか無い美味しさだと思う。
そして、「この麺」と「このスープ」の組み合わせを食べると・・・・「ああ・・・・がんこの味だなぁ・・・・」と、感無量の「懐かしさ」が胸にこみ上げ、このスタイルが「不変」である事に・・・・強い「安堵の気持ち」を覚えてしまう。
世の中、「日進月歩」とか「向上心」とか言えば聞こえは良いが・・・・自分のお店のラーメンの味をコロコロと頻繁に変えたり、「新作メニュー」や「限定メニュー」をポンポンと乱発するお店もあるが、プロであれば、こう言う10年、20年と、激動の時代の「うねり」に耐えて、尚かつ光彩を放つ・・・・定番不変のメニューを一つは持って欲しいものだと思う。
何とも・・・・引き締まった身なりのストイックな一杯は・・・・一切の「物欲」や「猥雑さ」を感じさせず、なぜか心が「ホッ・・・」としてしまう一杯である。
ちなみにこの日は二名で訪問し、同行者は「ホワイトらーめん」を食べた。
少しもらったところ、スープは口当たりがとても良く、まさに・・・・「ホワイトクリームシチュー」のような極めて上品な美味しさである。小麦粉でボッテリはしておらず、割とさらっとした口当たりだが、ミルク感は濃厚で、ほんのりとしたほのかな甘味もある。
ただ、スープ料理としては非常に美味しいが・・・・カンスイ臭のある縮れた細麺とはあまり趣きが合わないような気がしてしまう。「ホワイトラーメン」と言うよりも・・・・「中華麺入りホワイトシチュー」と言う印象に感じられる気がした。ただ、一口、二口ではなく、きちんと「一杯全部」を食べれば、その辺もしっかりと調和するように作られているのかも知れない。
それにしても・・・・「しょっぱいスープ」、「カンスイの匂い」、「控えめな麺量」などなど、普段は、どちらかと言えばネガティブな要素として捉えがちだが、それらが「がんこ」の場合、なぜかむしろ個性を際立たせるプラスの要素として感じられてしまうのだから・・・・何とも不思議な気分だ。
さらに、看板のない漆黒のファサード、牛骨のオブジェ、判りづらい入口、一定しないメニュー、異色食材の発掘、悪魔ラーメンなどの命名、しょっぱい味付け、店舗の頻繁な移転、わずか四〜五席しかない本家・・・・・などなど、世間の常識にとらわれず、敢えて「タブー」の数々に挑戦しているかのような・・・・数々の個性や特徴は、教科書に書かれたルールや文法をすべて「裏返し」「逆説的」に証明するかの如きであり、何とも「痛快」である。
「万人に好まれるより、この味を好む人を虜にしたい」・・・・・。
「宗家一条流がんこ」の家元である一条安雪氏の「一挙一動」、「一言一行」には、まさに「がんこ」なまでの・・・・・徹底した「マイナー志向の美学」を垣間見る気がする。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
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