ラーメン＆つけ麺食べ歩き
えにし
（東京都 品川区）

2004年6月中旬　つけめん　750円

以前、2003年の暮れ頃まで恵比寿にあった人気店。2004年になって戸越銀座に移転したと聞き、戸越での訪問は初めて。
お店は駅から１分ほどだが、商店街の多数の看板に混じってちょっと見つけづらい。１Ｆが銭湯のビルの２Ｆにある。
恵比寿のときはこげ茶の木材の質感を生かした店舗だったが、こちらは一転してなかなか洗練されたインテリア。インテリアも店員さんの服装も何となく恵比寿時代より、明るくあか抜けた印象を受けた。ちなみに前金制で、注文と同時に手会計で代金を払うシステム。

落ち着いたＢＧＭが流れる店内は、２Ｆのメリットとして窓からたっぷりと太陽の光が店内へ入り、自然採光のままで非常に明るい。まるでテラスで食事するような感じで、こういう雰囲気はラーメン店ではなかなか貴重だと思う。また、２Ｆは道路からの喧騒が入って来ないうえ、完全禁煙ということもあって、非常にクリーンで居心地が良い。週刊誌なども数冊置いてあるので、すいていそうな時間帯なら一人で来てくつろいだ食事をすることも可能だろう。店内の壁には恵比寿時代の看板がオブジェのように飾ってある。

今まで「えにし」ではラーメンばかり食べていたので、つけ麺を食べるのは今回初めて。麺は１．５玉ということだが、つけ麺としては珍しい細麺で、もう少しで極細と言っても良い程の細さ。
まずは汁に浸けずそのまま食べてみると、あまり玉子を使っておらず、素朴な小麦本来の風味を大切にした感じのなかなかおいしい麺。細麺をすすった時に特有の多数の直線を描く麺の軌跡が、独特な唇触りを生み出し、ズルズルと日本そばを食べるような感覚。ややウエーブが付いているので、すするほどに歯にコツコツと当たる優しい感覚が、これぞ細いつけ麺の醍醐味という感じ。
つけ汁は濃い茶濁だが、ほとんど油は浮いておらず、麺を浸けて食べてみると、甘・辛・酸のいずれも加えられておらず、いかにも化学調味料不使用という感じの随分と大人しい印象のつけ汁と感じた。ラーメンのスープをそのまま少し濃縮したような味で、底辺に魚節か椎茸か何かの苦味がちょっと感じられ、なかなか大人向けの味である。塩分もかなり控えめで好感だが、今回たまたまなのか豚骨も魚節もちょっと長時間火にかけすぎてやや風味が飛んでしまった感じがちょっとあり、特に動物系についてはもう少し強く出しても良いような気がした。
具は、つけ汁の中には肩ロースチャーシューが短冊状に切られて入っており、ふっくらした仕上がりの豊かな旨味のチャーシューで、かなりおいしい。また、麺皿に薬味として、三つ葉と練り梅が載っており、かなり和風テイストを狙っているようだが、練り梅を入れるとちょっとインパクトが強すぎるように感じた。
最後にスープ割りをお願いしたが、ややカツオ風味が強くなるものの、割る前と基本のテイストに変化はなく、随分と穏やかなスープと感じた。


（麺は完食。スープ割は７割飲んだ。）

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