ラーメン&つけ麺食べ歩き
江ぐち
(東京都 三鷹市)
店名 |
中華そば 江ぐち(えぐち) |
住所等 |
東京都三鷹市下連雀3-27-9 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可(灰皿あり) |
訪問日 |
2006年6月上旬 ラーメン 400円 |
〜江ぐち〜
JR中央線の三鷹駅です。
中央線の特別快速は「吉祥寺」ではなく「三鷹」に停まるんですね。
三鷹駅の南口の空中回廊から見た駅前通り。
何とも・・・・道路が遥か先まで完璧に「真っ直ぐ」です。
良く整備され、とても美しい街並み。
その駅前通りをテクテク徒歩2分ほど・・・・
「白木屋」のあるビルの地下にお店があります。
隊長!お店のある地下への入口を発見しますた。
ノボリ旗や立看板が賑やか。
ビルの地下に四店舗の飲食店が入居。
まったく飾り気のない階段です。
階段を降りること約10秒・・・・おお・・・・遂にこの「光景」が眼前に。
なんと「小説」にもなった伝説のお店ですぞ。
まだ、開店10分前で「準備中」の札がかかってますが・・・
既に常連らしき客が座っていますた。
店主さんはチャカチャカと手際よくラーメンを作りながら、
常連客とのコミュニケーションも秀逸です。
うーん・・・良い雰囲気ですな・・・これほど、「腰の落ち着く」お店も珍しい。
茹で鍋の左手に寸胴が見えます。
値段は安めで、昔のままと言う感じ・・・。
各種「大盛」がわずか「30円」アップと言うのも泣かせますね。
サイダーがあるのも今では珍しい。
「ラーメン」を注文しました。
年期の入った豪快な麺上げはなかなか圧巻です。
すべての客から調理シーンが手に取るように見える「全席アリーナ」の造り。
まさに、カウンター内は「江ぐち劇場」の趣きですね。
11時と同時に、客が続々と来店してビックリ。
(゚Д゚)
2006年6月上旬 ラーメン 400円
(この写真はクリックで拡大します)
うーん、なるほどですねぇ・・・・・。
スープも麺も、決して大人しくないですな。
同じく超人気店の、神保町「さぶちゃん」、築地「井上」などと
「同士の世界」を感じさせてくれるラーメンです。
ある意味、決して「代役」の利かない・・・・
強烈な「個性」を持つ一杯。
だからこそ、長年に及ぶ
熱心なファンがいるのでしょう。
油はやや多めで、調味料の味がかなーり「鋭い」ですな。
ここまで「あからさま」なスープは・・・・今ではかなり珍しいと思いますが、
それゆえに「クセになる」「ハマる」人もいるんでしょうね。
微細に「スー・・・」とする植物系の爽やかな香りを感じます。
むむ・・・老舗にしては、なかなか「オリジナリティ」を感じさせる麺。
自家製麺のようですが、やや短めなのはオールド・スタイルゆえかな?
やや硬めのコシがあり、非弾性的な「のっそり」とした動き。
四角いエッジがはっきりと感じられるストレート中細麺。
「モソモソ・・・」とするすすり心地、噛み応えもややザラつきがあり、
食感、味ともに、なぜか「蕎麦」(そば)っぽさがある。
2006年6月上旬 ラーメン 400円
創業は昭和20年代と言うことらしいので、既に50年ほどを迎える都内でも有数の老舗店。
どれ位、「有数」かと言うと、何とこちらのお店を舞台とした中華そば「江ぐち」と言う小説が存在するほどなのだ。いやはや、小説化されるほどのラーメン店とはびっくりである。歴史が長い分、こちらのお店を舞台にした相当な人間模様があったのだろう。
お店はかなりの人気で混雑すると聞いていたので、昼11時の開店と同時に入店しようと訪問したのだが、勢い余って10分ほど前に到着してしまった。
入口には「準備中」の札がかかっていたが、しかし、既に客が一人座っている。私も「いらっしゃいませ」と声をかけて頂いたので入店し、「ラーメン」を注文した。
男性と女性のお二人で切り盛りしていたのだが、コの字型の低めのカウンター席は、すべての客から調理シーンが間近に手に取るように見える「全席アリーナ」の造りになっている。
店主さんはチャカチャカと手際よくラーメンを作りながら、常連客とのコミュニケーションも秀逸、お二人とも非常に柔らかい笑顔と声で、とても良い雰囲気であり・・・これほど、「腰の落ち着く」お店も珍しい。まさしく「江ぐち」ファンの心理が良く理解できると言うか・・・・この「和む」居心地の良さが、こちらのお店の大きな求心力の一つになっているのは間違いないだろう。
そして、少しして開店時間の11時になった途端、客が続々と詰め掛けて来て少々ビックリしてしまった。挨拶の様子からすると、さすがにこの時間から訪れる客は顔見知りのリピーターがほとんどのようだ。
登場したラーメンは、やや小振りな器で、いかにも「昔のスタンダード」と言えるサイズ。
まずはスープを飲んでみると・・・・老舗らしいクラシカルとかレトロとかの・・・・ゆったり「ほのぼの」とする味を想像していたのだが、ちょっと意外なほどに、「強烈な味」である。
スープはラードが結構浮いていて、アクや雑味は出ていないのだが、同時に豚骨や鶏ガラによる動物性のコクや風味もかなり控えられているように感じられ、「深み」や「コク」と言うものはあまり感じられないのだが・・・・その分、かなり強引な味付けで、率直に言えば、まったく包み隠さず、あからさまな化学調味料の使い方がされている。
まあ、もともと昔のラーメンスープは、今の新規店などに比較すれば使う素材の量は数分の一程度でかなり控えめだった訳だし、こちらのお店のスープは結構、味に「ブレ」があるらしい話を聞くこともある。調味料の入れ方も目分量で結構アバウトな感じだったので、今回はたまたまそうなっただけかも知れないが・・・・。
また、「厳選ダブルスープ」だとか、「濃厚豚骨スープ」だとか・・・・謳っておきながら、その実、裏で化学調味料をどっさりと入れているラーメンは、「どうせ判らんだろ」と客を騙しているようでいかがなものかと思うが、こちらのお店では包み隠さず「目の前」で丼へ調味料を投入してくれるので、要は「この路線の味」を堂々と宣言している訳であるから、そういう意味では裏表のない味とも言えるだろう。
さらに、最近多い「濃縮エキス」系や「蛋白加水分解物」系の調味料を大量に使っている系統の味でもないので、やたらとクドい重さのあるスープでもない。
妙にゴテゴテして重ったるくはなっておらず、「シンプル」で「鋭い」と言うか・・・・「単層的」な浅い味わいである。そのため、意外に「すっきり」していると感じる人もいるかも知れない。
また、老舗店のスープとしては、醤油やミリンがあまり香らないのもちょっと意外だったのだが、八角かジンジャーか・・・それとも何か別なものなのか、「スーッ・・・・」とする爽やかな植物性の香りを感じた。
麺はやや短めで、モソモソとして動き方は「のっそり」と言う感じなので、「ツルツル」とか「チュルルン」とか・・・・弾む感じや愛嬌のあるすすり心地ではない。
噛んでみると、麺の四角いエッジが感じられ、やや粉っぽさがある。コシはやや硬めで、食感は割としっかりとしている。老舗の「中華そば」と言うと、縮れていてポヨポヨと柔らかい麺を連想するが、この点、かなり個性を放っていると思う。
また、味わいは「蕎麦」のような口当たりと風味をしっかりと感じ、麺の色から言っても、小麦粉以外に蕎麦粉を混ぜているように思えてならないが・・・・実際はどうなのだろう。実際、食べていて後半、一瞬だけだが、「日本蕎麦」を食べている錯覚に襲われた。
チャーシューは小さめのバラ肉が一枚。味付けはほとんど感じられず、割と薄めなのにもかかわらず「グニグニ」として歯切れに時間がかかる。そのため、肉の風味も流れ出してこなかった。
メンマはパリポリする食感で、かなりの薄味と言うか、味付けはほとんど感じられなかった。ネギが適度にシャクシャクと歯応えと香りを放ち、ほど良いアクセントを添えている。
食べ終えての感想としては・・・・三鷹で50年ほども続く老舗店と言うことで、万人向けの大人しい「ほのぼの」とするラーメンなのかと想像していたが・・・・・さにあらず。
スープも麺も、決して大人しくない・・・・むしろ、結構食べ手を選びそうな、なかなか「強烈な個性」を放つ一杯である。そう言う意味では、こちらのお店のラーメンに「ハマった」人は、おそらく他のどこで食べても「物足りない」と言うと思う。
私にも、こちらのラーメンの「代役」になれるようなお店は思い浮かべられない。
もし、敢えて挙げるとしたら・・・・・5年ほど前に食べた「さぶちゃん」(千代田区)だろうか。小さな老舗である事や値段の安さも似ているが、アバウトっぽい調理ぶりや化学調味料の明確な効かせ方、独特な店の雰囲気が良く似ていると思う・・・。また、そう言う意味では「井上」(中央区)も近いものがある気がする。しかし、その中でもこちらのお店が最も迷いなく、この路線を歩んでいる印象を受ける。
いずれのお店も、連日の「行列」が出来る人気店であることを考えれば、「無化調」や「ニューウエーブ」など、果たして何処吹く風・・・・と言うところだろう。
「この路線」の味には相変わらず多くのファンや根強い支持層が存在する事が良く判る。
(麺は完食。スープは2割飲んだ。)
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