ラーメン&つけ麺食べ歩き
長介
(東京都 港区)

店名 和麺屋 長介(わめんや ちょうすけ)
住所等 東京都港区新橋4-11-5 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年7月上旬 らーめん 650円



〜和麺屋長介〜

(各写真はクリックで拡大します)




JR新橋駅烏森口から徒歩4分ほど。
風情のある路地沿いにお店はあります。
写真中央の白い提灯が目印。






提灯もノレンも白地。






店頭に置かれたメニューの立て看板。
ラーメンとつけ麺の二本立てのようですな。






店内はカウンター席のみ。
この狭さが穴場的な「隠れ家」感を演出。






カウンター上に並ぶメニュー。
「らーめん」を注文しました。










2005年7月上旬 らーめん 650円



随分と素材が溶け込んだ感じのある濃濁スープは、
臭みや雑味のない軽快感のある味わいです。

麺はポヨポヨした口当たりと、モチモチ、モッチーリとした歯応えが個性的。
上質な肉を使った厚めのチャーシュー、きめの細かな極太メンマ、
自家製とおぼしき揚げネギなどなど・・・個性と手作り感が満載。









量感はあるのに、意外にあっさりしてクドくないスープ。
豚骨や魚介よりも、「鶏」をイメージさせる軽さがあるよーな・・・。






麺は口当たりが柔らかくツルッとして、やや縦にポヨーンと伸びる感じがある。
ともかく「アシ」(伸び)の豊かな麺ですね。




2005年7月上旬 らーめん 650円

JR新橋駅近くの繁華街に2005年2月に創業したお店。決して判りづらい場所ではないと思うが、何本もの路地が交差しているので、土地勘のない人はちょっと迷うかも知れない。
赤提灯が並ぶ雑然とした繁華街の細い路地を歩いてたどり着く、このこじんまりとした「ノンアルコール」のラーメンスペース、飲み屋街に佇むこのお店の存在がラーメンフリークにとっては、ちょっとした「聖域」と言うか、その雰囲気は穴場的な「隠れ家」感を演出していて、なかなか居心地が良い感じだ。店内はやや小さめのカウンター席のみで、そのカウンターも真ん中付近でちょっと折れ曲がりがついている。厨房では店主さんがお一人で切り盛りされていた。
卓上の冷水ポットに入れられているのは、やや緑色がかったお茶なのだが、このお茶がなかなか珍しい味で、ウーロン茶と緑茶をブレンドしたような不思議な味わいで・・・私には何のお茶なのか判らなかった。

登場したラーメン、スープは温度的にはかなり熱めであるが、表層の油が多いのでモッタリとした口当たり、タプタプとオモユのような飲み口にも感じられる。見た目からして豚骨を使っていると思われ、動物系の素材を大量に使ったような濃濁スープであるものの、決してパワフル路線を意図している訳ではないようで、量感はあるのに、意外にあっさりしてクドくないスープであり、飲み口が軽快で、柔らかで、穏やかな旨味の出し方である。メインの豚骨はかなり丁寧に血抜きなどの下処理をしている感じで、臭みや雑味のないサラリとした軽快感のある味わいに仕上げられている。
タレとしては醤油の風味はほとんど感じられず、ほぼ塩味に近いように感じられるが、やや塩気が強めに感じられた。

麺は口当たりが柔らかくツルッとしていて、すするとポヨポヨと柔らかな動きを放ち、やや縦にポヨーンと伸びる感じがあり、いわゆる「アシ」(伸び)の豊かな麺である。噛み締めるとモチモチ、モッチーリとしてかなりの粘り腰だ。食べ進むと、見た目よりも量が多めに感じられ、カンスイ臭がないせいか、うどんのような食味にも感じられた。この麺なら「つけ麺」にしても、とても美味しいだろうと思う。

チャーシューは厚み十分な巻きバラで、赤身と脂身の境目でハラハラと肉がほどけ、味付けはちょっとしょっぱめではあるが肉質はホックリ、ホッコリとしていて滑らか、相当に上質な物で満足感は高い。
メンマは大振りなものが3本ほど入っていて、繊維が密な感じでザックリとした歯触りだ。普段見かけるメンマよりもはるかに繊維が細かくデリケートな感じで、「繊細」でありながら「密」な食味である。味付けはじんわりとしたもので美味しいが、大振りなのでそのままパクリと一口で食べてしまうと、口の中を占領してモゴモゴと食べる感じになってしまう。また、一品料理として考えると上質でとても美味しいが、ラーメン全体の中ではその存在感がちょっと大きすぎるようにも感じられた。
スープの一画に固まって載せられた揚げネギは、いかにも自家製と言う仕上がりで、油の風味が濃く感じられた。そして意図的なのか黒く焦がされた物が混じっていて、口の中でジャリッとする炭のような黒い焦げ味が混じる事があり、この辺は好みが分かれるかも知れないと思えた。カイワレのシャクシャクした鮮烈な風味がトロリとした濃度のあるスープにキレを与えている。

途中から、卓上にあった「黒七味」を入れてみた。京都祇園に一子相伝で伝えられる貴重な調味料である。すると、スープの真ん中に「ピッシーン」と、見事な正中線が通るようで、味の輪郭がぐっとシャープになり、すべての旨味が一層際立つように感じられ、スープも麺も一層美味しく感じられた。

食べ終えてみて気付いたのは、今まで私が食べたどこのラーメンにも似ていないと言うことだろうか。「和麺屋」の名の通り、トッピングとして「長いも」や「トロロ昆布」など和食の食材の用意もあるようだが、今回、私が食べた普通のラーメンではそれらの姿はなく、何か特別に珍しい食材を使っているわけではないのに、何とも個性と手作り感が満載な「一杯」と感じられ、実にオリジナリティを感じるラーメンである。
濃度のあるスープであるにもかかわらず後味は実にスッキリとしているのも印象的であった。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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