ラーメン＆つけ麺食べ歩き
近喜屋
（埼玉県 川越市）

2004年8月下旬　ら〜麺　650円

川越ご出身の方が2002年秋にオープンしたお店らしい。最近良く名前を聞くので訪問してみると、お店は本川越の駅前商店街からはちょっと離れた比較的静かな場所にあった。店主さんはとても物静かな方と言う印象。

登場したラーメンは、一見して、動物系＋魚節＆魚粉のスープである。さらに熱々にした香油を最後に足しているらしい。
スープは魚節の風味がかなり目立つものの、豚骨や鶏と思われる動物系も豊かに出ている。特に豚骨は強火で炊き出したようなミルキーっぽさがあり、やや甘味も感じられる。
濃厚スープには動物系の脂もうっすら浮かび、それなりの重みも感じるものの、醤油ダレの味は控えめで、高い塩分や添加物感がなく、クドさを抑えて「濃厚ながらもあっさり」を狙っているような印象を受けた。
実際、動物系のどっしりした量感があり、魚粉のザラザラ感も多少あるものの、意外に「柔らかいスープ」というか、ちょっと「落ち着いている」印象のあるスープで、人に例えれば、「体格は良いが口数が少ない好青年」という印象。安心して食べられ、豊かな素材感を感じられる厚みのあるスープだが、できればもう一押し、遠慮せずに、食べ手を強引に自己の世界に引きずり込んで欲しい気もする。
辛味や酸味などがもう少し効くと、味が落ち着きすぎずに、もっと「せり出してくる」感じというか、キレのある感じになるかも知れない。ひょっとしたら無化調なのかなという気もした。

一方、やや落ち着いた印象の「スープ」と比較すると、「麺」の方はちょっと「やんちゃ」な感じで、なかなか楽しませてくれる。 やや平打ち気味であるが、複雑な多面体的ちぢれ方をしており、すすってみると、ツルツル、プルプルと非常に活発なハリとコシがあり、不規則な振動をする感じがあって美味しい。しっかりとしたハリと弾力があるので、まるで踊るように口中でその存在を主張してくれる。食感に角はなく歯触りも滑らかだが、スルリと喉を通ると言うよりも、多少、よく噛み砕いて食べる感じになる。

巻きバラチャーシューは二枚、比較的控えめの味付けで、スープとの味の同化を狙ったような印象。やや薄めと言うこともあり、箸でつかむとホロホロと崩れるタイプ。メンマは鮮度感があり、噛み砕くゴリゴリという音がしそうな位のしっかりした食感。明確な繊維感があり、歯を入れると繊維に沿ってきれいに噛み砕ける。
また、半月切りにされた白ネギがとても新鮮で、香りが良く、スープや麺とからめて食べると、絶妙な「薬味」の味を果たしていて、とても良い感じだ。ちょっと重くなりそうなこの手のスープに、良い感じの軽快感、清涼感を付加しており、名脇役という印象。
細かく刻まれた鷹の爪が数片入っていたが、基本的に辛味はそれほど効いていない。
こちらのお店のラーメンと同じ系統の味を、もし東京で見つけるとしたら、麺は全く異なるタイプだが、スープは「田ぶし」（高円寺）などが割と近いかも知れないと思った。

後半、個人的に、このスープとネギなら、「ネギラーメン」にすると、さらに美味しそうに思えた。
再び頭上のメニューを見てみると、案の定と言うか、トッピングで「ねぎ多め 100円」「辛ねぎ 150円」と、二種のネギ増量オプションがあった。
また、どっしりしたスープと、実に心地よいハリのある麺なので、つけ麺もかなり期待できそうに思った。


（麺は完食。スープは５割飲んだ。）

---

ホームへ


−　ＢＢ！ラーメン＆つけ麺　名店集　−



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。

Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.


.