ラーメン＆つけ麺食べ歩き
ちばき屋 本店
（東京都 江戸川区）

2004年7月上旬　支那そば　650円

和食出身の店主さんが作る支那そばのお店。
入口すぐに大きなテーブルが一つあり、奥へ続くＬ型カウンターもある。オーダーをした後、極細麺のせいかラーメンがすぐに出てきてちょっと驚いた。これだけレスポンスが良いと、お昼休みの短い人などは重宝しそうだ。
スープは鶏が中心で、いかにも「支那そば」という感じの路線。昔ながらの支那そばの要素をきちんと踏襲しながら、それぞれのパーツの味をぐっと豊かにして現代人の口に合うようにした印象だ。

スープに浮いている油は多目だが、意外にも軽くてコッテリ感のない油だ。くどさがない植物油のようなあっさり感で、後味がすっきり。鶏以外に昆布やネギや煮干なども感じられ、化学調味料での旨味の補強もあってか、決してあっさりになり過ぎておらず、なかなか味わい深いスープになっている。じわじわと旨味が出てきてじっくりと味わうというタイプではなく、いきなり一口目から明確に旨味が立ち上がって来る、判り易い味付けになっている。

麺は、ちぢれた半透明の極細麺。すすると「プルプル」と震えるような食感で、柔らかめのコシとふくよかな味わいで、とても美味しい。コシは弱めだが、プリプリとしたハリがギリギリ残っている感じで、まさに絶妙のバランスなのはさすが。口に入ると「トロン」とする感じで、噛むと言うより、舌と上あごで軽く押しつぶすだけで、見事にこなれて喉の奥へと自ら進んで落ちて行ってくれる。
絶妙な「はかなさ」を感じさせる、いかにもレトロチックで郷愁感のある麺だが、長めなので意外にボリューム感があり、物足りなさはない。こういう麺が好きな人も多いと思う。

後半、スープにほんのりとバターのような風味があるのをちょっと感じた。鶏油と混ぜているのだろうか。チャーシューは、やや出汁ガラと言う感じだが、割と肉厚で食べ応えはある。カイワレ大根はさほど辛味がなく、ある程度水にさらして辛味を抜いたような印象。ネギは薄く切った小口切りをさらに半月型に切り割ったもので、ネギの風味はすれど、口には当たらず、極めて食感が繊細。
メニューに「中華ちまき」があったが、確かにこの支那そばには、サイドメニューに「ちまき」が良く合いそうだ。


（麺は完食。スープは４割飲んだ。）

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